もはや隔週投稿はなくなりつつある。忙しさ的に次も3〜4週間後になる可能性が大いにあります。投稿日前日に2時間で1500字書いてた人はどこに行ったんですか。
朝起きると、机の上に一人分の朝ごはんと置き手紙が置かれていた。
"昨日の件について、少しミオと話してきます。朝ごはんはそこにあるので、冷めていれば温めて食べてください。お昼は久々にミゾレ食堂に行きましょう!"
ラップがかけられたお椀に触れると、まだ十分温かい。ほんの少し前に出て行ったらしいが、こんなに朝早くから出かけるなんて、やっぱり異常事態なんだろうな。
朝ごはんを食べ終わり鍛練でもしようかと思っていると、家の戸が開く音がした。
「おかえり〜。早かっ…⁉︎」
玄関に行くと、そこにはフードを被った謎の人物が立っていた。多分村の人ではない。なんかものすごく嫌な感じがするし、十中八九こちらの味方ではないだろう。
「…誰だ。この家に何をしに来た」
謎の人物は何も答えず、代わりにじりじりとこちらに近づいてくる。
「おい、これ以上この家に踏み込むなら正当防衛パンチが飛ぶぞ」
なおも足を止めない。
「まあ止まらないよな…じゃあ遠慮なくいくぞ!」
俺は謎の人物に渾身のパンチをお見舞いした…はずだった。
「えぇ…」
謎の人物はいとも簡単に俺の拳を受け止めると、そのまま手首を掴んでくる。どうしたものかと思っていると、
「ぐはっ!」
謎の人物は目にも止まらぬ速さで俺の腹を殴った。そしてそのまま俺を床に倒して馬乗りになると、懐から何かを取り出す。懐から出した手には、以前百鬼から取り出した黒い玉とそっくりな物が握られていた。
「えっと…こういうの初めてだから、優しくして欲しいなって…あと、それ、あんま近づかないで貰えると嬉しいんだけど…」
謎の人物は一切の躊躇いなく俺の胸に強く押し付けてくる。どうやら、玉は俺の体内まで入り込んだようだ。
その瞬間、凄まじい頭痛と吐き気に襲われる。この世のあらゆる黒い感情が流れ込んでくる。意識が段々と飲み込まれていく。
「がはっ…ぐ…ぁ…」
…………
……なぜか無性にイライラする。このストレスを発散させたい。
このストレスの原因はなんなのか。……分かった。フブキだ。フブキの姿を想像しただけで怒りが湧いてくる。何故か分からないが、どうしようもなくフブキのことが憎い。
………フブキを殺せば、この苛立ちは消えるだろうか。
しばらくし、外から足音が聞こえてくる。普通に襲っても勝てる見込みは薄い。となれば、不意打ちで一気に勝負を決めるまで。
『コウ君!大丈——』
フブキが戸を開けると同時に、フブキのみぞおち目掛けて拳を叩き込む。フブキは反応できずに拳をもろにくらい、その場に崩れ落ちる。
『ゴホッゴホッ…!コウ…君…』
動けないフブキから刀を取り上げる。フブキはそれを見ると、立ち上がりよろよろと逃げ出す。
そのまま追いか続けて何度もフブキに刀を振るい続けるが、ギリギリの所で何度も躱される。だが、やはり動きは鈍い。このままいけば確実に仕留められる。
『コウ君、一体何があったんですか!』
「……」
『はぁ…はぁ…やっばり仕方ないですね。あやめちゃん!!!』
フブキの大声に気押され一瞬立ち止まると、ここが百鬼の家の前だということに気づく。かなり無造作に逃げ回っているようだったのに、まさか誘導されていたとは。
『どしたの〜フブキちゃん、そんな大声出して…ってどういうこと⁉︎』
フブキはそのまま百鬼の後ろに隠れる。百鬼諸共切ろうと刀を振り下ろすが、百鬼は片手で素早く刀を抜き、そのまま軽々と攻撃を受け止める。
『お前、いつかの人間だな?お前はそんなことをするやつじゃないと思っていたが、余の間違いだったか…』
『待ってください、あやめちゃん!どうやらコウ君にケガレが取り憑いているらしいんです。一旦気絶させてケガレを払いましょう』
『ああ〜、そういうことね。分かった、余に任せろ!』
どうやら百鬼をどうにかするしかないらしい。だが、こちらにも策はある。
『今度は余が助けてあげる番だってことだ。どっからでもかかってきなよ!』
俺はまっすぐ突撃する。後ろにフブキがいる以上百鬼は避けることができないし、かといって百鬼は俺に致命傷を負わせることもできない。ならば相打ち上等で一気に決まるまで。
そのまま百鬼の胸を目掛けて、刀を突き出す。これはいける。
『…遅いな』
急に百鬼が視界から消えたかと思えば、後頭部に強い衝撃を感じる。そのまま地面に頭を叩きつけられ、俺は気を失った。
『やべ…ちょっとやりすぎちゃったかも…流石に生きてるよね?』
…あれ。何故か普通に声が聞こえてくる。でも体は全く動かない。どういう状況だ?
もしかしてやばいやつか?と思っていたが、すぐに目も開いたし立ち上がることもできた。……自分の意思ではないが。
『嘘ぉ…こいつ、本当に人間なの?』
『いや、気絶しなかったというよりかは、何かに無理矢理動かされているような感じがしますね。何にしろ、動きを止めるのは難しそうですね』
ああ、そういえばさっきまで百鬼たちと戦っていたんだった。多分あのよく分からん男のせいなんだろうが、さっきまでの自分はもはや別人だったな。
『さて、ここからどうする?』
『もう少しすればミオが来ると思うので、一旦そこから考えましょうか。風真さん、少し刀を借りてもいいですか?』
『もちろんいいでござるが、身体の方は大丈夫でごさるか?』
『まあ、ぼちぼちといったところですかね』
フブキは風真の刀を構える。そして俺は(もちろん俺の意思ではないが)刀を構え二人に向かって突撃する。
俺は先ほどまでの比にならない速さで刀を振るう。とはいえ二人も刀の扱いは一流である。危なげなく攻撃を受け止め、あるいは躱している。少しすると、ミオが到着した。
『二人とも、大丈夫?』
『ミオ!コウ君はもう既に完全に意識を乗っ取られているみたい。どうにかケガレだけに攻撃を当てる方法ないかな…』
『う〜ん…あやめのときはどうしてたの?』
『あの時のは力技だったから、同じことをこいつにやると多分骨折じゃ済まないぞ』
なかなか話が進まないでいると、俺は突然フブキを目掛け一気に至近距離まで近づく。もちろんフブキはその攻撃を悠々と受け止める。だが、俺は右手でそのままフブキに突きを入れる。フブキは想定外だったようだが、咄嗟のバックジャンプで衝撃をやわらげた。
すると、フブキがにやりと笑う。
『…そういうことだったんですね。コウ君を救う方法が分かりました!ミオ!
『うん!分かった!あやめ、ちょっと離れててね』
『え?何するの?余、なんにも分かんないんだけど』
『説明はあと!一旦うちの後ろに下がってて!』
百鬼が後ろに下がるのと同じくらいのタイミングで、俺はミオに向かって突撃する。
『スゥー……アオーーーーーン!!!!!』
ミオの叫びを聞くと同時に強い耳鳴りと頭痛、そして全身が痺れるような感覚に襲われ動けなくなる。
『ミオナイス!あとは白上が!』
フブキが一気に迫ってくるが、何も身動きがとれない。そのままフブキは俺の胸に手を添える。
『コウ君を…返してください!』
そう言ってフブキは俺にゼロ距離で氷の塊を放ってきた。これ、俺の身体貫通してるんじゃないか。
だが予想に反して身体には一切傷跡がなく、代わりに俺の身体は急に軽くなった。まだ身体は少し痺れているが、もう自分の意思で動かせそうだ。
「あれ…戻ったのか?」
『コウ君!元に戻ってよかったです』
すぐにミオとあやめも駆けつけてくる。
『フブキ!あんなことして大丈夫だったの⁉︎』
『そうだ。今何やったんだ?』
『簡単な話ですよ。コウ君は白上が力を分け与えた存在、いわば白上の使いのような存在です。お互いの妖力による攻撃は通らず、ケガレにだけ攻撃が当たった、ということです。分かりましたか?』
「……ごめん。耳鳴りのせいでなんも聞こえてないんだわ」
まさかミオからあんな声が出るとは思わなかった。まぁほとんど怪我もなく無事に戻れたからこれくらいは受け入れよう。
『あ、そんなことよりケガレの封印をしないと!ええと、ケガレは…あれ?どこだ?』
『ミオ!あんなところに!』
フブキが指差した方向を見ると、百鬼の時のケガレの玉のような物が宙に浮かんで移動している。
『あれ、なんか…逃げて行ってない?』
『とにかく追いかけましょう!』
フブキは地面に落ちている刀を拾うと、風真に借りていた刀を返してケガレを追いかけだした。ミオたちもそれに続いている。ここはとりあえず俺も一緒に行こう。
なんかものすごく嫌な予感しかしないが大丈夫なのだろうか。多分あいつの元に行くんだろうが、フブキたちなら勝てるだろうか。いや、勝てると信じて行くしかないな。
俺は不安を抱えながらも、ひたすら森の中を走るのだった。
お感評願(定期)
今回に限らずこの小説の設定よく分からんっていう人は多いと思うんですが、実は実は作者の描写が下手すぎるだけで裏設定はかなりあります(ガバガバなところもある)。考察しがいがあっていいね()
そういえばフブさんのソロライブのBlu-rayが届きました。やっぱテレビだとスマホより画面も音響も何倍もいいですね。願わくば次は現地で。
3/15追記 ちょい失踪します。許せ。