Monster Hunter:Horizon   作:ちくわ

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芽生え

カ「うーん、そうだ、エルフォ君、プヒァクラパの背中に乗ってみてよ。」

 

エ「え、いいんですか?」

 

カ「うん。ただ、乗ったらすぐ降りてね。」

 

エ「?」

 

のぞき込むと、何やら複数の死体。

 

エ「エピオス?」

 

 

 

 

 

カ「…。」

 

カルシラは無言のまま立ち尽くし、顔を曇らせていた。

 

エ「カルシラさん?」

 

エルフォには、なぜカルシラがこんなにも曇った顔をしているのが理解できるようで出来なかった。

この複数のエピオスの死体に何か問題があるのか?そりゃあ複数体が死んでいるのはちょっとおかしいが。

…ん?そういえばエピオスについて何処かで聞いたような…

 

「…フォ君」

 

エ「…ん?」

 

カ「エルフォ君!そろそろ降りて!」

 

あ、そういえばプヒァクラパの背中の上に乗っていたんだった。

気づいた時にはもう遅く、プヒァクラパはプルプルと体を揺らしたのち、ブシャア!と真上に向かって口から水を噴射した。

 

エ「うわあああああ!!!」

 

水噴射の勢いはすさまじく、エルフォの身体は宙を舞い、空高く吹き飛ばされた。そして、そのまま砂浜に叩きつけられる。

 

エ「ぶべらっ!!」

 

カ「…いわんこっちゃない…」

 

カルシラは呆れ顔でため息をついた。

幸いなことに、水噴射後にプヒァクラパたちは怯え、そのまま逃げていった。

エルフォは背中をさすりつつ、カルシラと共にエピオスの死体たちを観察する。

 

エ「結構食べられてますね。目玉もない…」

 

カ「大きな捕食痕がある。死因は、大型モンスターに襲われて、岸に打ち上げられて集団死……といったところかしら。この歯形は……」

 

エ「わかるんですか?」

 

カ「…これは……!」

 

エ「?」

 

カルシラが先ほど以上に曇った表情を見せる。

死体がエピオスのものと判明した時からそうだったが、カルシラには何か察しているようだ。

カルシラは数秒ほど黙考し、重く口を開く。

 

カ「…エルフォ君は『モンスター・ラン』をしってる?」

 

エ「モンスター・ラン?」

 

カ「まあ、知らないよね。

「『モンスター・ラン現象』が初めて確認されたのは今から4年前。凍土の川沿いでエピオスが集団死しているという報告が、タンジアギルドから届いたの。それを受けてセルマーニェが調査に乗り出した。すると、他の地域でも似た事例がいくつも見つかったのよ。『モンスター・ラン』と名付けたのはその時。」

 

エ「ええっと…」

 

カ「要するに「本来そこにいないはずのモンスターが、別の海から突然現れる」現象のこと。別の海洋から流れ着いたモンスターは「外来種」として各地の生態系に何かしら影響を与え、連鎖していく可能性を持つの。」

 

エ「…ここでそういう話をするということは…」

 

カ「それがこの諸島で確認されたということよ。そして最悪なことに、それは連鎖してしまった。

エピオスを死に追いやったのは「人魚竜 イソネミクニ」よ。この海にはいないはずのモンスター。」

 

エ「…。」

 

イソネミクニ…聞いたことがある。

美しい見た目に反する凶暴な性格を持ち、睡眠属性をもつ粉塵を攻撃に使う「海竜種」。

 

カ「…とりあえず帰ろう。街長たちに報告しなきゃ。」

 

ア「…ですね。」

 

2人はもと来た道を戻り、船で島を後にした。

 

 

……

 

………

 

アク「…遂に…」

 

アナ「…分かりました。」

 

船を降りてすぐアナヴィーとアクシアを探し、カルシラと共にことの顛末を話しす。

2人は何とも重苦しげな顔をして、事態を理解した。

 

アナ「まずは、エルフォさん。『モンスター・ラン』について事前に伝えていなかったことを、お詫びします。」

 

エ「い、いえ、そんな……」

 

アク「『モンスター・ラン』についてはエルフォ君が経験を積んでから話そうと思っていたけれど、そんな暇もないようね」

 

カ「この件についての対応はこれから話しましょう。エルフォ君は今日はマイハウスに戻って休んで。明日になったら報告するから」

 

エ「は、はい」

 

カルシラに言われる通り、エルフォはマイハウスへ戻り、ベッドで深く眠る。

憧れのニーシァ諸島に降り立った興奮と幸先の悪さで、なんとも腹持ちの悪い寝心地であった。

 

 

……

 

………

 

「ギィッ!ギィッ!ギィッ!」

 

アク「こら!イェラコ!騒がないの!」

 

「ギャギャッ!ギイィッ!」

 

エ「…。」

 

けたたましい鳴き声が、エルフォの眠りを乱した。なんだか、満足に起床できた記憶がない…。

大きくあくびをしながら、エルフォはマイハウスの扉を開ける。

 

アク「あら、起こしちゃったかしら?」

 

エ「いえいえ、大丈夫ですよ…ふわあ…。」

 

アク「あららごめんなさいね。うちのイェラコが騒いじゃって」

 

エ「…イェラコって?」

 

見たところ、それっぽい動物はいないが…

 

「ギャッ!ギャッ!」

 

不意に後ろから鳴き声がし振り返ると、マイハウスの屋根に大きなモンスターが止まっていた。

大きな嘴と翼をもつ「翼竜種」のモンスターである。

 

エ「!?」

 

アク「あれがイェラコ。私の『オトモエテロス』よ」

 

エ「オ、オトモエテロス?」

 

アク「そう。あの子はここらの地帯に生息する「翼竜種」の『エテロス』で、それをオトモとして調教した『オトモエテロス』なのよ。共に行動するパートナーとして訓練された個体のこと。」

 

エ「そ、そんなものが…」

 

イェ「ギャッ!」

 

アク「そうそう。昨日の件で会議があるわ。アナヴィーたちが呼んでるから、一緒に来て」

 

エ「了解です」

 

そのままエルフォはアクシアに連れられ、街の最上部へ向かう。そこには展望台のような建物があり、そこに大きな円状の机が置かれていた。

そこにはアナヴィーとアクシアと、研究所のバモルとパモルの双子もいた。

 

アナ「おはようございます。お待ちしておりました。」

 

カ「おはよう。エルフォ君」

 

バ「おおっ!おはようです!」

 

パ「おはよー」

 

エ「おはようございます」

 

エルフォは皆と挨拶を交わすと、皆で机を囲む。

 

アナ「さて、早速ですが本題に入りましょう。」

 

エ「はい」

 

アナ「まず、『モンスター・ラン』について詳細に説明いたします。こちらの資料を。」

 

アナヴィーから複数枚の紙を渡される。どうやら報告書のようだ。エルフォは数枚の紙をめくりながら、記された内容に目を通す。

 

そこには、モンスター・ランの一連の事例が記されている。

 

・アクラ地方の海域にエピオスの群れが侵入。寒冷地の気温に適応できず、そのまま集団死。

凍土のキャンプ付近の川沿いに打ち上げられていたのをタンジアギルド所属ハンターによって発見された。

 

・ジャンボ村付近の浜辺に打ち上げられた死体を調べたところ、古代鮫のものであることが判明した。

腐敗と損傷が激しいため、死因や死後経過日時などの情報は不明。

 

・ラティオ活火山の浜辺にマンボウ型の遊泳魚が漂着。現地でクエストを行っていたハンターにより発見。発見時は息があったものの、約5分後に死亡。死因は衰弱によるものと思われる。

 

エ「…。」

 

これが『モンスター・ラン』…

小型モンスターとはいえ、これらは歴とした「外来種」の報告例だ。

生態系への影響は重大なものなのだろうと、何となくながらわかる。

 

バ「『モンスター・ラン』については、報告書をもとに考察するのみで、本格的な調査がまだ行えていないのが現状なのです…」

 

パ「設備が整っていないのと、報告例がどれも小型モンスターだったから緊急性は低いと思っていたんだ。でも…」

 

アク「今回になって、ついに大型モンスターの事例が確認されたわね。もう悠長なことは言ってられないわ」

 

エ「…。」

 

アナ「さて、それでは昨日行った話し合いをもとに、今後の流れの共有と相談を行います。」

 

そこから、今いるメンバーによっての話し合いが行われた。

まずは本格的な調査の開始を目的とし、大型調査船の開発と運行を今後の方針として決定。それと並行しニーシァ諸島の環境調査も強化することになった。

エルフォはその為の素材集めの協力とニーシァ諸島の調査。そして可能な限りの『モンスター・ラン』の事例収集と対策が依頼として出された。

 

アナ「…以上で大丈夫でしょうか。」

 

アク「方針は決まったわね。造船に関しては外部から技術者や素材を調達しないといけないわね。

ギロスさんにもお願いしつつ、他のギルドにも連絡を入れるわ」

 

バ「ニーシァ諸島とモンスター・ランの調査はお任せあれです!」

 

エ「…僕はどう動いたらいいでしょう?」

 

パ「エルフォ君は街の人たちから発行されたクエストをもとに、ニーシァ諸島に行って調査って感じかな。イソネミクニの動向も気になるしね。

僕からもクエストは発行させてもらうよ」

 

エ「ありがとうございます」

 

カ「あたしからのクエストの同行は今日で一旦〆るわね。ずっとおんぶ抱っこもできないし」

 

エ「そうですね…」

 

アク「それなら、わたしのほうからオトモエテロスを紹介しておくわ」

 

エ「ありがとうございます!」

 

…というわけで各自の方針は決まり、それぞれ解散となった。

 

アク「それじゃあ、オトモエテロスを紹介しましょうか」

 

エ「はい!」

 

そういうとアクシアは自分の指をくわえ、ピィーっと透き通った指笛を吹いた。

それと同時に、2匹の翼竜の影が見えた。それぞれ大きさが異なる。まるで親子のようだ。

 

「キュウ!キュゥゥゥゥ!」

 

「ギィギィ!ギィ!」

 

アク「あらら、イェラコまで来ちゃったわね」

 

やってきた2匹の翼竜を、アクシアはわしわしと撫でる。

対象が近くにいると何となくどっちがどっちかわかるもので、2匹の中でも体の大きなほうがイェラコであるらしい。

となると、もう1匹の小さいほうが…!

 

アク「さて、じゃあ紹介するわ。貴方のオトモエテロス『ヨォク』よ」

 

エ「ヨォク…よろしくね、ヨォク」

 

ヨォ「キュウウ」

 

朝日の輝きが、やけにまぶしく感じた。




パ「…さて、クエストクエスト…」

バ「エルフォ君には何を頼む予定なの?」

パ「どうしよっかな…そうだ、アンケートで決めてもらお」

バ「アンケート…?」

パ「ということで、次にエルフォ君が調査する場所をカルス島の「森林地帯『島林』」にするか「海岸地帯『海浜』」にするか、これを見ているあなたに決めてもらいます
Twitter(X)で2025/07/02の17:00までアンケートを取りますので、ぜひお答えくださいー
下にあるURLからアンケートに飛べるから、答えてくれたらうれしいな
https://x.com/Cikuwa_Sousaku/status/1939238166210469921

バ「…アンケート???」
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