本編開始前に死亡予定のモブに転生した俺。ゲーム知識と最強ステータスでとことん無双します。ついでにヒロイン全員ハーレムルートに取り込んじゃおう   作:かくろう

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赤鬼

「おのれぇえええっ!」

 

 周りを見渡せば変わった鎧を着た将校と兵士が数人。

 あれは確かゲイルガーン帝国の紋章だったか。

 

 ゲーム内では本当に一瞬しか出てこないので、ほんのりと見覚えのある程度でしかない。

 

「そこの帝国将校」

 

「むっ」

 

 ゲーム内でネームドもキャラ立ち絵のある奴もいないので、本当に知らない奴だが、リーダーっぽい銀髪の老将がいたので声を掛ける。

 

「あなたはこの場における指揮官とお見受けする」

 

「如何にも。ナハトムジークと申す」

 

「見ての通りこの戦争は我が国の意志ではない。ガイスト公爵も操られてのこと。国王アルバートより、後ほど正式に使者が送られるだろう。この場に留まり、話し合いの場を設けたいと(こいねが)う。如何か?」

 

 アルフレッドが裏で糸を引いて帝国を引き入れたのは、帝国との全面戦争に繋がってもおかしくない。

 

 恐らく放置すると逃亡を図られてうやむやになってしまう。

 

 解放されたばかりのガイスト公爵には悪いが、彼らの足止め役と事後処理をお願いする他あるまい。

 

「公爵閣下、エミリアと共にお下がりください」

 

「何をバカな。生き恥を晒されて引き下がれというのか」

 

「今においては我が国の、何よりエミリアの安全を確保するのが最優先です。私にはそれはできませんし、あなたにしかできない。この戦犯の征伐は私にお任せを」

 

「……分かった。奴には問わねばならん事もある。生け捕りにせよ」

 

「分かっております。お下がりを。この回復ポーションでエミリアをお願いします」

 

「貴様に言われるまでもない」

 

 公爵にエミリアを託し、アルフレッドに向き直る。

 幸いにして公爵は素直に引き下がってくれた。流石にこの場における最適解は理解してくれているようだ。

 

「はぁ、はぁはぁ……シビルゥウウッ!」

 

 激昂したアルフレッドが邪悪な魔力を燃え上がらせている。

 

 やはり、両腕を斬り飛ばされても戦意も殺気もまるで失っておらず、むしろ増大していたことから何かあると思っていた。

 

「既に邪神に心を売り渡したか。おい四鬼衆、そこにいるんだろ。出てこいよ」

 

「へえ、さすが四鬼衆の3人まで打ち倒した男だね」

 

 アルフレッドの傍らに不気味な揺らぎが出現する。

 帽子をかぶり、体長はミルメットと同じくらいの小さな妖精の姿をした少年が姿を現した。

 

 一見すると戦闘力は無さそうに見える。だが他の3人とは明らかに違う異様な雰囲気は戦慄を覚えるにあまりある。

 

「赤い妖精。お前が赤鬼か」

 

「そうだよー。初めまして女神の使いシビル・ルインハルド。赤鬼のピクシー君だ。よろしくね。今後会えるかどうかは分かんないけどねぇー」

 

 飄々とした態度は相手をまるで見ておらず、自分だけの世界観で全てが完結しているように見える。

 

 こいつは他の3人とは恐らくレベルが違う。強さもそうだが、狡猾さや纏っているヤバさが段違いだ。

 

 ひと目見るだけでその異常さが伝わってくる。

 

「さーて、それじゃあボクは目的を果たしたのでおさらばさせてもらうよ。後の事はここにいるアルフレッド君に全て任せるとしよう」

 

「な、なんだとっ。貴様どういうつもりだっ!」

「言ったとおりさ。君に植え付けた種は既に開花の条件を整えている。後は君の好きに暴れてくれ」

 

「ど、どういう意味……うっ、うぐぅっ」

 

 俺を無視して勝手に会話を進めていき、こちらが理解する前にアルフレッドが苦しみだした。

 

 なんだか物語にありがちな化け物に変身するフラグに見えるが、もう実際にその通りのようだ。

 

 アルフレッドの体が肥大化していき、急速に肥大化していった。

 

『シビルさん、あの赤鬼は私に任せてください。シビルさんはアルフレッドを』

 

「分かった。頼む」

 

 現世に姿を現せるようになったミルメット。当然相手にも姿が見える。

 

 羽根を広げて赤鬼に向かって飛んで行った。

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