本編開始前に死亡予定のモブに転生した俺。ゲーム知識と最強ステータスでとことん無双します。ついでにヒロイン全員ハーレムルートに取り込んじゃおう   作:かくろう

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国王謁見

 ホタルと合流し、いよいよ勇者パーティーの旅が始まる。

 

 魔王討伐までの道のりは長い。

 

 まず俺達は道すがら王都に立ち寄って国王に出発の挨拶をしなければならない。

 

 ウルトラ面倒くせぇのだが、国王から受ける様々な特権許可証の授与は旅には必須なのでスルーするわけにはいかない。

 

 

 

 世界の命運を託すくせに自分で出向かずに呼びつけるあたりが王族貴族らしいっちゃらしい。

 

 まあ国王も多忙だし、フェアリール王国の王家は諸外国からの評判も高い名君の家系だ。

 

 旅をするにあたって様々な特権を許可証として発行してくれる器の広さを持っているだけマシだろう。

 

 よくある二束三文とガラクタ装備だけ渡して城から放り出すなんてことはしない。

 

 あれはあれで自分自身で強くなる試練としての側面もあるから、よく考えられたシステムだとは思うが……。

 

 本来なら王都までは馬車を使っておよそ1週間ほどの旅路だ。

 

 新幹線や飛行機が有るわけでもないが、俺達にはもう一つの移動手段が存在している。

 

「王都までは龍騎士隊の騎竜でご案内します。休憩を挟んでもおよそ3日で到着するのでお任せください」

 

 流石に勇者の出立とあって町を出る時は多くの関係者に見守られながらの出発となった。

 

 しかし魔王軍との戦争は国民に知らせるタイミングがあるので秘密裏の出発になる。

 

 小説でも騎士団やガイスト公爵が見送りに来ていたが、その規模は非常に小さく、とても世界を救ってこいという送り出し方ではなかった。

 

 その分、凱旋時には国を挙げての大盛り上がりとなる。

 

 そうして俺達は龍騎士達の案内で王都へと赴くことになった。

 

◇◇◇

 

 3日後、王都までは問題無く到着することができた。

 

「うわぁ……サウザンドブライン領と比べても更に大っきいんだね」

 

「王都は魔法も技術も世界屈指の最先端都市だからね。自然と人や物が集まって商売が発展してくのさ。だけど、この豊かさは今代国王様の国家運営の賜物だよ」

 

 騎竜の上から見下ろす王都の町並みは、都会である筈のサウザンドブライン領を遙かに凌ぐ大都市であった。

 

 俺に背中を預けて下を見下ろすホタルは完全にお上りさんのようにはしゃいでいる。

 

「凄いねっ! あ……でも、外壁に近いところほど町並みに色がなくなってる」

 

「王都といえども貧民街は存在する。この国には国家が認めた奴隷市場があるし、合法も違法も入り交じって経済を動かしてるのさ」

 

「なんか、悲しいね」

 

「ああ。煌びやかに見えても、その中で貧困に喘いでいる人は確実にいる」

 

 ある意味で、魔王がいてもいなくても不幸な人は減らないのだ。

 

 魔王軍との戦争が始まれば、戦闘奴隷や傭兵の需要が高まり、武器や魔導書が飛ぶように売れる。

 

 経済は一時的な発展をする一方で、人々は不安に駆られて日々を過ごす事になる。

 

 ゲーム本編でも、後半の魔王復活後は町が幾つも壊滅するという知らせが届くイベントがあるくらいだ。

 

 

 

「と、ところで……」

「ん」

 

 道中の俺はホタルと一緒に乗っかる事が多く、限られたスペースで密着しながら移動していた。

 

 お互い肌と肌を重ね合った仲なので今更躊躇はない。

 

 実はエロ同人のスキルは発動している時のみ肉体に変化があるのだが……。

 

 どうやら俺の欲望の高まりを感知して自動的に発動する時があり、ホタルの柔らかいお尻の感触にボッキングしてしまったのである。

 

「し、シビル君、こんな所じゃダメだよぉ」

 

「いやこれは……すまん」

 

 おいミルメット、これってコントロールできねぇのか?

 っていうかお前がやってないか?

 

 なんか俺の意思に反してバッキンバッキンなんだが……。

 

『エロ同人はシビルさんのスケベ心に反応するので、ご自身が原因なんですよねぇ』

 

 いーや違うッ! 今のは明らかにお前の仕業だ。何をとは言わないが先っぽが蛇にみたいに動いてホタルのお尻を撫で繰り回すなんて人間業でできるわけねぇっ!

 

『バレタカ……』

 

 こいつは何かに付けて俺に悪戯を仕掛けてきやがるな。

 

 悪い事にはなったことはないけど、いつもヒヤヒヤさせられるから厄介だ。

 

「そろそろ着陸します。降りましたら、そのまま王城へとご案内する予定ですのでご準備願います」

 

「分かりました」

 

 ◇◇◇

 

 

 国王との謁見の為、城の中に案内された俺達。

 

 三日間の空中移動の疲れに一息つくヒマもなく、早速謁見の間へと通されて国王の前に膝を付くことになる。

 

 国王様に会うのは久しぶりだ。

 

 幼い頃にルルナ姫の遊び相手として王都に滞在していた時期があり、その時に国王陛下とは何度か顔を合わせている。

 

 とはいえ、幼い頃の話であるし、公式の場であるし、そもそも国王様に対して「お、久しぶり~」というわけにはいかない。

 

 

 

「国王陛下、お成りにございます。一同、控えなさい」

 

「はっ」

 

 大臣の呼びかけで一斉に膝を付いて臣下の礼をとる俺達。

 

 しばらくして幾人かの足音が聞こえ、やがて静かで低い渋めの声が掛かる。

 

「勇者一行、遠路はるばるよくぞ参った。面を上げよ」

 

「はっ……」

 

 ゆっくりと目線を上げていき、俺達の視界に金髪碧眼でヒゲを生やしたナイスミドルが映り込む。

 

 およそ5年ぶりくらいだが、サラサラの金髪と立派なヒゲ、筋骨隆々の肉体のイケオジぶりは健在だった。

 

 いや、年輪が刻まれた分だけ以前より威厳が増している。

 

 

――――――

 

【アルバート・ゼアノル・フェアリール(人間族)】男・国王、魔導師、魔法剣士

――LV45 HP440 MP240

 腕力 180

 敏捷 178

 体力 199

 魔力 288

 

――――――

 

 流石にガイスト公爵の盟友だけあって強いな。

 ステータスが魔力に寄っているのは家柄だろうか。

 

 魔法の扱いが上手いほど貴族として優秀という風潮があるこの国では、恐らく国家随一の魔法の使い手として才能を有している。

 

 もちろんそれだけではないけど…。ガイスト公爵のように腕っ節で認められている人も多い。

 

 見ると傍らには王妃のミアール殿下が座り、第一王子のサイモンと、第2王子のテクラス。

 第一王女のアナスタシア姫、第2王女のスーリア姫が玉座の周りに鎮座している。

 

 勇者との謁見というだけあって、王族そろい踏みだ。

 

 第3王女のルルナ姫だけサウザンドブライン領の学院に通っているのでこの場にいない。

 

 しかし、ゲームだとルルナ姫以外は顔ナシのモブ扱いで、影絵のみの登場だったが、こうしてみるとルルナ姫とは違った系統の美女だ。

 

『ついでに攻略しますか?』

 

 え? できるの?

 

『シビルさん次第では可能ですよ。ルルナ姫攻略して姉妹丼ww』

 

 むぅ、夢は広がるな。だがまずはちゃんとゲーム内ヒロインの攻略を優先させたい。

 

 あるいはルルナ攻略の為に必要なピースなら先に攻略しておくことも選択肢に入れるべきかもしれない。

 

 とりあえず後で考えよう。

 

「勇者ホタルよ。普通の少女だったそなたに過酷な運命の神託が下った事は、この国の平和を預かるものとして申し訳なく思う」

 

「はい……。でも、勇者としての使命は神からの啓示。私にしかできない事なら、できる限りのことはしたいと思います」

 

 国王様は案外普通の少女として生きてきた彼女を戦いに巻き込んでしまった事を謝罪するくらいには申し訳なく思っているらしい。

 

 相手が勇者だとはいえ、一国の王が平民の少女に謝罪するというのは結構な一大事だ。

 

 それだけ勇者という存在がフェアリール王国にとって大きなウェイトを占めているということか、あるいは国王の人柄がそうさせているのか。

 

 当然後者だろう。

 

 その証拠に周りを固めている臣下の貴族達からは非難の声が殺到している。

 

「国王陛下ッ! いかに勇者様とはいえ、平民に対してそのようにへりくだるとは何事ですかっ!」

 

 一人の貴族が大声を上げる。

 ぶっくりと太った体躯ともじゃもじゃのチリ毛ヘアーで極端に長いヒゲが特徴のおっさんだった。

 

『おやおや? あの人見てください』

 

 あれ? この顔どっかで見たような……。

 

『ほらアレですよ。ホタルちゃん関連のイベントでちょっかいかけてくる貴族の息子。そいつの親父ですよこのおっさん』

 

 ああなるほど。

 ホタルのバッドエンドに関わる厄介貴族の関連人物か。

 

 息子のボンクラ野郎と同系統にクソみたいなツラしてやがるな。

 

 俺の大好きなホタルを不幸にするなら容赦しないが、今の所俺達に何かした訳じゃない。

 

 でもそのうちトラブル起こしそうな予感がするから、頭に入れておくか。

 

 

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