本編開始前に死亡予定のモブに転生した俺。ゲーム知識と最強ステータスでとことん無双します。ついでにヒロイン全員ハーレムルートに取り込んじゃおう   作:かくろう

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第7章 エルフの国と魔王の復活
向かえ、エルフの国


「よーし、修行はこれくらいで十分だろう。みんな頑張ったね。お疲れ様」

 

 ドラグニート山に籠もって早1ヶ月。

 

 魔龍帝と戦ったのが10日前。この10日間で俺達のパーティーは相当にレベルアップを図ることができた。

 

 現在のレベルは俺が133→142。

 ホタルが41→76。

 セイナが45→81

 フローラが33→64となった。

 

 細かいステータスを書いてもピンとこないと思うので省略するが、通常のゲーム内のステータスよりも遙かに高い数値を誇っている。

 

 ホタルは勇者らしく全体がバランス良く伸び、セイナは力と体力が群を抜き、フローラはご多分に漏れずMPと魔力が激増した。

 

 それに加えてホタルが聖属性のスキルを習得し、以前のようなアンデッドモンスターに対抗できるようになった。

 

 セイナは龍化のスキルを長時間行使できるようになっている。

 これは魔龍帝からもらった力が制御装置として有効に機能しているからだな。

 

 フローラに至っては上位魔法の更に上、極限魔法と呼ばれる超火力攻撃魔法をいくつも習得しており、もはやこのドラグニート山のドラゴン相手でも一人で無双できるほどになった。

 

 これだけの数値があれば本編ラスボスはおろか、裏ダンジョンでもかなり良い所までいける。

 

 ラスボス以上の敵がウジャウジャ出てくる初回の地下100層くらいまでなら戦略次第でクリアできるくらい、と言えばどれだけ強いのか分かってもらえると思う。

 

 とりあえずこれで魔王討伐は問題なくできるだろう。

 普通であれば、だが。

 

 不安が尽きないのは邪妖精の存在だ。奴は明らかに俺達を付け狙っていると考えた方がいい。

 

 そして四鬼衆と名乗っていたことから、あと三人は同格の存在がいることになる。

 

 それに、四鬼衆は恐らく単なる工作員レベルの存在だ。

 

 邪神の使いという奴がもっと大規模な組織で戦闘員がいるとすれば、四鬼衆レベルでも十分驚異だったと考えるともっと厄介な存在が構成員としていると考えるべきだろう。

 

「レベル上げはもう十分だろう。このままエルフの国に行くぞ」

 

「「「はいっ!」」」

 

 ホタルもセイナもフローラも十分強くなった。

 

 ゲーム本編と同レベルなら、魔王だって十分倒せるはずだ。

 小説と本編の矛盾という問題も残っているが、考えても答えが出ないことに悩んでも仕方ない。

 

「よし、いくぞ。サダル、出ろ」

 

『御意』

 

 俺は体に取り込んだ龍帝の宝玉からサダルを呼び出した。

 

 見上げるほどの巨体に戻った魔龍帝が翼を広げて唸りを上げた。

 

 こうしてみると本当に壮大な見た目をしている。

 

 ゲーム内じゃボスキャラ以上の存在ではなかったので、こうして背中に乗れるっていうのはある意味で感動モノだ。

 

『お待たせいたしました。我が背中にお乗りください』

 

「よし、エルフの国まで頼むぞ」

 

『お任せを』

 

 俺達はサダルの背中に乗り込み、エルフの国、ベルクリフト王国に向かう。

 

「すごぉおいっ! はや~~いっ♪」

 

「うむ、フェアリール王国の騎竜部隊よりも遙かに早い。景色がぐんぐん変わってドラグニート山があんなに遠い」

 

「まだ出発してそんなに経ってないのにあっという間……。あの伝説の魔龍帝サダルゼクスのお背中に乗せてもらえるなんて、感動だよ」

 

「このスピードなら1ヶ月近い道のりを数日で到着することができるな。ベルクリフト大森林のダンジョンをパスすることができるのは非常に大きい」

 

 あそこのダンジョンはゲーム内でも屈指の広大さを誇る厄介さを誇っているからな。

 

 俺は全てのダンジョンのマップは頭に入ってるけど、あそこはランダム要素を含んだワープゾーンもあるから中々大変だ。

 

 サダルのおかげでそいつをすっ飛ばすことができ、エルフの国に入ることが出来る。

 

 それに、タークフォレストにはいずれ俺達が出会う事になるヒロインがいる。

 

 本来は学園に二年目に入学してくる下級生なので、出会うのはあと数年先になる。

 

 上手くすれば先に攻略することができるかもしれない。

 

 まあとりあえず魔王討伐を優先させることにしているが、遺跡入場の許可は王城に行かないといけないから、そこで出会うこともできるだろう。

 

「それにしてもこんなに早いのに、風で吹き飛ばされないのはどうしてなんだろう?」

 

 ホタルが素朴な疑問をぶつけてくる。

 風魔法で結界くらいは張ってそうだが……。

 

『我が魔力で結界を張っておるのだ。主達のいる場所に四角く張ってあるから滑り転んでも落下の心配はないぞ』

 

「そ、そうなんですね、よかったぁ、私鈍くさいから、寝ぼけて転げ落ちちゃうかもって思ってたから」

 

「寝る時くらいは下に降りるから心配しなくてもいいよ」

 

『お気になさらず。不眠不休の飛行くらい数日は問題ありませぬ。皮膚も分厚いですから天幕を張ってくださって結構ですぞ』

 

「そうか、悪いな。後で美味いもの食わせてやるからな。ドラゴンの腹を満たす食料は持ってないから現地調達になるが」

 

『我の食料は魔力です。経口摂取は嗜好品程度にしか摂取しません』

 

「え、そうなのか。まあでも嗜好品って概念があるなら食事を楽しむって気持ちはあるよな」

 

「シビル君、龍帝様に小っちゃくなってもらえばいいんじゃない?」

 

「あ、そうか。サダルは小さくなったら胃袋の容量も小さくなるのか?」

 

『体の大きさを変えたことが初めてなので分かりませぬが、恐らく少量の食料で満足できると思われます。こうしている間も我が主の魔力が供給され続けているので、腹は減りません』

 

 なるほどな。でもデッカくなったら食ったものは少量になることに変わりないんだけど……まあ深く考えるのはよそう。

 

 もともと食わなくて平気ってことらしいし。

 

 もしかしてあの魔法陣ってそういう役割もあったのかもな。

 

 そこから数日。サダルの驚異的な飛行速度で移動した俺達は、あっという間にベルクリフト王国へと到着したのだった。

 

◇◇◇

 

~シビル達が出発した数日後、魔龍帝の洞窟~

 

 ここは魔龍帝が長い年月を過ごしてきた洞窟の片隅。

 

 魔力を封印されてきた魔龍帝が解放され、役目を終えた魔法陣が物言わぬ岩へと変わった場所。

 

 黒く染まった魔法陣はシビルの力を借りたフローラによって浄化され、魔龍帝の旅立ちによってその役目を終えていた。

 

 

 本来であるなら静かに眠り続ける筈であるが、その一遍が再び黒く明滅し始める。

 

「ぐふっ」

 

 闇の中から何かが形成され、ドサッと言う音と共に呻き声を上げる。

 

「むぅ……おおっ、がはっ……はぁ、はぁ、はぁ。あ、危なかった……。魔法陣に残った邪神様の残滓がなければ、あのまま消滅していたところだったわ」

 

 それはフローラが龍帝の宝玉を取り込む前の、未熟な状態で発した浄化ノ光のおかげであった。

 

 魔法陣全体ではなく、サダルゼクスそのものを浄化したため、邪神の因子が微かに残っていたのである。

 

 その男、青鬼のバンシーはかろうじて生きていた。

 

 邪神の魔力があれば何度でも蘇ることができる邪神眷属の妖精族は、邪悪に染めた魔龍帝の封印魔法陣に微かに残っていた邪神のエネルギーを使って復活したのだった。

 

「なに言ってるのよおバカさん」

「な、なにやつっ⁉」

 

 這々《ほうほう》の体《てい》で生き延びたバンシーであったが、突如として誰もいないはずの洞窟内に響く声に心臓(魔核)が止まりそうになる。

 

「お、お前はッ」

「誰のおかげで生き延びたと思ってるのよぉ。アタシが魔法陣の魔力を邪神様のエネルギーとして活性化させたから蘇生できたんじゃないのぉ」

 

「そうか。お前の術によるものだったか……黒鬼のルゲイエよ」

「そうよぉ。しかもアンタ、魔石もってかれちゃってるんだから。アタシが手を貸さなかったら例え魔力があっても復活は無理だったわね」

 

「むぅ……ではお前が新しい魔石を与えてくれたのだな」

 

「そうよ。感謝にむせび泣きなさい」

 

「そうか。とにかく礼を言わねばならんようだな」

 

 その男は全身を黒いタイトスーツに身を包み、肌は黒く、痩せ細ったバンシーとは対照的な筋骨隆々とした体躯を持っていた。

 

 真っ黒な肌に真逆の印象を与える青みがかった白い髪は、彼の額から後頭部にかけてを鶏冠《とさか》のようにそそり立っている。

 

 ここに前世の日本人の記憶を持っているシビルがいたならば、間違いなくモヒカン、あるいはパンクヘッドと称するであろう威圧感のある髪型だった。

 

 黒い肌をしている目の周りに星形のタトゥーを入れたその男は、ネットリとした視線を浴びせながらクネクネと体をよじる。

 

 

「しかし、あんたが死ぬなんてよっぽどね。例の男、なんと言ったかしら……フェアリール王国の王様がお気に入りなんでしょ」

 

「シビル・ルインハルドだ。恐ろしかった。あの強さは常軌を逸している。この私が手も足も出ず、何もさせてもらえなかったのだっ」

 

「そ、それが本当なら凄まじいことね」

 

「ああ、間違いなく女神の眷属だ」

 

「それで? 怖いからこのまま雲隠れでもするつもり?」

 

「そんな筈あるまい。このままではすまさぬ。だがしばらく力を蓄えねばならん。フェアリール王国の任務はお前に引き継いでほしい」

 

「了解よ。あなたはひとまずアジトに帰りなさい」

 

「そうさせてもらう。頼んだぞ」

 

 そういって青鬼のバンシーは転移の魔法で自分達の根城に帰っていった。

 

 1人残された黒鬼のルゲイエは、その場に残された魔法陣に手を置き、自らの術式を発動させる。

 

「ここの岩場に残された魔力の残滓で何が起こったのか見させてもらおうかしら。対抗するには、まずは情報収集して戦略をねらなくっちゃね♡」

 

 地面においた手の平から魔力が広がり、その場の岩に刻まれた魔力の記憶を読み取り始めた。

 

「時空魔法『リーディング・メモリー』……むぅう、こ、これは」

 

 発動させた記憶を読み取る魔法で流れ込んでくるこの場で起こった出来事を読み取っていく。

 

 それは先ほどまで人を食った態度を崩さなかったルゲイエに冷や汗を掻かせるには十分なインパクトを持っていた。

 

「な、なるほど……。これは凄まじいわね。放置していい事もなさそう……向かった先は、ベルクリフト大森林のエルフの国ね。それなら丁度アイツが攻略中だったわね」

 

 ルゲイエはシビル達の向かった先で潜伏している仲間に連絡を取る。

 

「聞こえる? 黄鬼のオベロン。アタシよ、ルゲイエ。今から重要なことを伝えるわ」

 

 彼は告げる。決して侮るなかれ。

 

 我々の計画を邪魔する女神の使いが現われた、と。

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