本編開始前に死亡予定のモブに転生した俺。ゲーム知識と最強ステータスでとことん無双します。ついでにヒロイン全員ハーレムルートに取り込んじゃおう   作:かくろう

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暗躍の男

【sideアルフレッド】

 

 エミリアはまだ心が折れない。

 

 まったくしぶとい女だ。父親を洗脳し、この領地の中枢は支配して希望を叩き潰したというのに。

 

 あとは奴の娘全員を洗脳できれば良かったのだが、たぬき公爵め、俺の謀反を察知してかエミリア以外の娘をあらかじめどこかに隠してしまいやがった。

 

 恐らくエミリアは自らの意志で残ったと思われる。

 不適な女だ。

 

 どこまでも腹立たしい。

 

「しかし、隷属の首輪が効かなかったのは何故だ。魔力封印はできたのに」

 

『女神の加護だろうねぇ。邪神様の瘴気を弾くなんて中々やるじゃないか』

 

「シビルが女神の使いって奴か。クソが。なんで俺じゃないんだ」

 

『女神の使いなんてつまらないよ。使命ばかり押し付けられて自由がない。邪神様の方がよほど下界の自由を保障してくださる』

 

「ふーん、まあいいさ。早いところ王都を攻め潰してルルナ姫も手に入れてやる」

 

 支配した部下を使って探させているが、ルルナ姫もガイストの娘共と一緒に雲隠れしてしまった。

 

「そろそろゲイルガーン帝国からの兵隊も到着する頃だ。軍隊の準備が揃い次第王都を制圧してやる」

 

 現在のサウザンドブライン軍は俺が洗脳した兵士と魔物の混成軍となっており、王都を殲滅するだけなら十分な兵力を持っている。

 

 だが制圧となるとかかるリソースが多くなって色々と面倒だ。

 

 操る事で動かせる人員はそれほど多くない。

 

 俺の使える能力もまだまだ伸びしろがある。

 

 既にガイストを操った事で命令中枢の支配には成功しているが、まだまだ反乱因子は潰しきれていないのだ。

 

「それより、王都の内部制圧はちゃんと終わってるんだろうな」

 

『もちろんだよ。僕の仲間が第一王子のサイモンの心を支配して操っている。既にこちらと全面衝突する準備を始めている筈さ』

 

「国同士を争わせて消耗させ、弱った所に帝国の追撃。これで王国は終わりだな」

 

『そして君は帝国の貴族として迎えられ、エミリア嬢とルルナ姫を妻に迎えると……。うくく、いいね。欲望に素直だ』

 

「そうだっ! 俺は全てを手に入れる権利があるっ! エミリアもっ、ルルナもっ。そうだ。第一王女のアナスタシア姫、第2王女のスーリア姫。ついでに2人とも俺のものにしてやるっ!」

 

(狂気だねぇ。良い感じだ。そのまま欲望を肥大させておくれ。最高の器となるために)

 

 内側で邪妖精が何かほくそ笑んでるんだろうが、俺には関係ない。

 

 俺は全てを手に入れる。全てを手に入れて、この世界の覇者になってやる。

 

 俺を馬鹿にした奴らの全てを跪かせてみせる。

 

◇◇◇

 

~シビル達が魔王討伐に出かけてすぐ~

 

 2ヶ月前。

 俺は邪妖精の力を利用してこの国の支配に乗り出した。

 

「ま、待てアルフレッドッ! は、話せば分かるっ。分かった、この家の家督はお前に譲る」

 

「ふん。初めからそういえばいいんだよ、無能の親父め」

 

 まずは資金と動かせる人員が必要だ。

 俺は親父を脅し、コーナラード家の財産を奪った。

 

 親父はガイスト公爵の腰巾着をしている気弱な男だ。

 

 弱い者を見下し、強い者に媚びる。

 俺はこんな男の息子だったのかと思うと情けなくなってくる。

 

(この男の姿は以前の俺だ。情けない過去の自分の象徴だ)

 

 そう考えると殺す気も起きない。

 

 そうして、心の欲望の赴くままにコーナラード家を支配し、部下を洗脳して手駒にした。

 

 次に裏の組織を使って大陸の南部に位置するゲイルガーン帝国へと密かにわたった。

 

 皇帝と密約を交わし、王国を売り渡す見返りに立場を約束させた。

 

 あのジジイとて俺の踏み台さ。いずれ帝国もこの手中に収めてみせる。

 

 そしてゆくゆくは、この大陸全土を支配下に置き、人も魔族も、生きとし生けるもの全てが俺に跪くのだ。

 

 シビル・ルインハルドがなんぼのものか。

 

 女神の使いがなんだというのだ。

 

 全ての頂点に立つのは俺。全てを支配するのはこの俺なのだ。

 

 俺を利用しているつもりになっているこの邪妖精とて、いずれ出し抜いて跪かせてやる。

 

 邪神……そう、邪神だ。どんな存在かは知らないが、もっと俺に力をよこせ。

 

 貴様が望む絶望に満ちた世界って奴を、この俺が実現させてやるよ。

 

 ◇◇◇

 

 そうして準備を整え、ガイスト公爵の屋敷に乗り込んだのが1週間前。

 

 フェアリール王国でも個人の武力においては随一と言っても良いガイスト公爵を、赤子の手をひねるようにねじ伏せる事ができてしまった。

 

 俺は自分の強さに酔いしれた。あのガイスト公爵だ。

 

 奴の歪みきった顔を見たときの愉悦は、どんな美酒よりも甘美な味がした。

 

 そしてエミリアだ。

 

 邪妖精からもらった隷属の首輪を取り付けたはいいものの、どういう訳か俺に隷属することがなく、魔力を封印するだけにいたった。

 

 忌々しい。だがある意味で、エミリアを自分の手で屈服させる良い機会だと解釈した。

 

 隷属が無理ならば、この俺自らの手であの女の心をへし折ってやる。

 

 例え舌を噛んだとしても、死体を保存しておけばいずれどうとでもなる。

 

 高度なネクロマンサーの力を持った邪妖精もいるという話だし、その方が手っ取り早い。

 

 

 だがどうせなら、正気を保ったままのエミリアを手に入れたい。

 

 ルルナ姫や他の女達はどうでもいい。

 

 引っ捕らえて身柄を拘束したら、すぐにでも隷属の首輪で俺に跪かせてやる。

 

「おい邪妖精、本当に俺の肉体をこの世界とは違うものにできる。そうすればエミリアと未知の快楽を味わえる。そうだな?」

 

『ああ、その通りさ。そのためにはシビル・ルインハルドの魂が必要だ。この計画が上手くいけば君は全てが手に入る』

 

「ああ、楽しみだぜ。エミリアとの未知の快楽。今から体の昂揚が止まらないっ」

 

(エサをチラつかせれば直ぐに食いついてくる。欲望に素直なほどその力は絶大になる。せいぜい頑張れよ、人間)

 

 そうして俺はゲイルガーン帝国の軍隊を迎え入れ、フェアリール王国に対して宣戦布告を行なった。

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