虚ろの底で 抱きしめて (旧版)   作:SoCOi

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三:ともしび追って やぶのなか

 空がようやく赤くなり始ようという、逢魔が時も頭の頃。いつもの通り、妹紅の後ろでルーミアはまだ眠っている。

 

 あいも変わらず時間を持て余している妹紅は、かねてより進めていた座布団の繕いも終わって、さてこの呑気な妖怪のためにうまい飯でも炊いてやるかと心に決めた――その時。

 

 

 ばん!ばん!ばん!

 

 

 この家の戸を、やたらめったら叩きまくる輩が出現した。

 

 

「やめろやめろ!そんなに叩かなくっても、わかるよ!」

 

 ただでさえ()()がきているものを、これ以上破壊されたら堪らないというので、妹紅も負けじと声を張り上げた。

 

 だが、はっとして振り返る。――大丈夫、ルーミアは取りあえず眠ったままだった。

 

 

「急患なんだよう……いたたた」

 

「別にうちが医者ってわけでも、ないんだけど……」

 

 戸を開けて、その腹を抱えて痛がる"急患"の姿を一瞥した妹紅は、ひどく呆れてしまった。

 

 

「――ふうん。何時もさぼってばかりいる(ばち)、だな」

 

「声をかけて一番がそっ、それとはね。それに罰云々は、あ、あたいには釈迦に説法と……あたたっ」

 

「そんなに偉かったのか、あんた。胃薬なら、竹林(そこ)でもらうより、よそでもらった方が早いと思うよ」

 

「ひ、人目にはつかない方がいい。こんなことが知れたら、今度こそあたいは()()だあ……」

 

「何をいまさら。今度に限った話じゃないでしょ――人目の数は、あんまり変わらないとおもうけどなあ。まあいいや。肩、貸してやるよ」

 

「悪いねぇ。これに免じて舟の渡し賃、ちゃらにしてあげるよ……」

 

「……その時が、来ればいいけどね」

 

 

 

 患者に肩を貸して、竹林の奥へ向かう妹紅。部屋に残した、ルーミアのことが気にかかったが――

 

 

 ――まあ、大丈夫だろ。

 

 

 変に暴れ回ったりはしないだろうし、出かけたかったら勝手に出ていくだろう。元はそもそも一人で暮らしていたのだし。――結局、ごちそうはしてやれなかったのだけれど。

 

 

 

 ――それにしてもあいつ、わたしの家に来るまでは、どう暮らしてたのかしら。

 

 

 

「ぐぐぅっ!……あんまり揺らさないでおくれよ」

 

「無茶言うない!だいたいあんたの腹痛(はらいた)なんて、どこかでじっと休んでいれば、すぐに治ってしまうんじゃ……」

 

「そっ、そんな薄情なこと、いわないでよ」

 

 この患者のわがままに、束の間妹紅はルーミアのことを忘れた。そこまでの心配は、必要ないと思い至ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ううん……もこう?」

 

 だが、さっきの騒ぎの中で、なんだかんだルーミアは徐々に覚醒していったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ともしび追って やぶのなか 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 妹紅の外出に気が付いたとき、ルーミアとしてもまだ半分夢の中であり、それが余計にいけなかった。

 

 興味二割寂しさ八割、寝惚け()()()のままで、ぼんやりよたよたと妹紅の後を追いかけ始めてしまったのだ。

 

 日も低くなり、めっきり減った陽光も竹の群れに遮られて、もはや妖怪が出歩くにも不自由はない状況になっていた。

 

「もこう、まってぇ……」

 

 

 こうしてルーミアは、世に言われる"迷いの竹林"に、何も知らないまま足を踏み入れていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とはいえ呆けた頭のルーミアだって、妹紅がもう一人に肩を貸して歩いていることぐらいはわかる。それでもって、自分の歩みがふらふらの千鳥足であることもまた、よくわかっていた。

 

 それらを無意識のうちに考慮したうえで、まあそう焦ることもあるまいと、やはり自覚のないままルーミアの頭脳は相対的な両者の距離感を組み立てていった。

 

 重々覚醒しきってから、追っかけても全然追いつくだろうという目算は、たとえルーミアでなくてもしかねなかったことだろう。ただ両者が踏み込むは、複雑怪奇極まる幻想郷の中でも指折りの最たる迷宮なのだった。

 

 

 

 

 

 妹紅に関して言うならば。先の腹痛が頼みにしたごとく、彼女にこの竹林を揚々踏破しうる知識経験あって、ようやく病人を肩に道を行っているのだった。

 

 

 一方のところルーミアは。これは今日たまたま初めて入り込んでしまった全く呑気な、せいぜい眠気覚ましの散歩気分の妖怪一匹である。いかに先導が向こうに見えていたって、実は非常に危険な状態にルーミアはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歩いていると日は暮れていった。ルーミアも目が冴えていくにつれ、段々歩調も速くなる。だから、前を行く妹紅との距離ももっと縮まっていてもおかしくないのだが、不思議と時々妹紅の姿を見失うようになった。ちょっと竹達の影に隠れたと思ったら、その姿がふっと消えては右へ左へ、全く見当違いの方向にいる。そんなことが続いた。

 

 

 もどかしく思いながらも、妹紅会いたさにルーミアは竹の群れを潜り抜けていく。

 

 

 そうこうしていくうち林のなかもすっかり暗くなって、妹紅も手元に明かりを携えたらしい。あの初めて会った日の晩ルーミアを脅かした、あれの活用である。便利なものである。

 

 

「うん?……えい!」

 

 

 

 追いつけないどころか距離さえ縮まらないことを、持ち前の呑気さと腹に抱えたもどかしさも手伝ってか、これでもあまり不思議に思っていなかったが、気持ちは大分躍起になっていった。向こうの灯火を追って、小さい歩幅がぐんぐん大きくなり、ついには駆けだしはじめた。

 

 

 だが焦ってしまうと余計に目標を見失ってしまうのは常であり、目指すべき灯火も陰に隠れては更に小さくなってゆくばかり。それでルーミアも更に焦る。それでまた更にその姿を見失う。そんな堂々巡りを続けるうちに――

 

 

 

 

 

 

――あるとき全く、辺りから妹紅の足跡(あと)が消え去ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルーミアは立ち止まる。そしてちょっと考えてから、両手を左右にまっすぐ広げて、ふわりと浮かび上がった。

 

 竹の伸びゆく方へ沿って、ルーミアもゆるゆると昇ってゆく。ルーミアにとってこれが、考えられる最後の手段である。だからこういう解決は、何となくこの竹林の理不尽に負けたという気がするので、ちょっと悔しかったが、妹紅を見つけるため背に腹は代えられないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「あ……」

 

 

 昇り切って俯瞰したとき、ルーミアは愕然とした。

 

 

 足元に広がる竹林が地平線の向こうまで、どこまでも広がっていたのだ。来た方向、後ろを振り返っても同じことだった。

 

 

 ぐるりと頭を回してみる。円周上に、際限なく竹の海原が広がっていることが判っただけだった。どこにも明かりは確認できない。

 

 

 

 

 

 

 

 暫く見回したのち、諦めたルーミアはまたゆっくりと地上へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 降り立ってからは、茫然と立ちすくんでしまうルーミア。どうすべきか、一生懸命考えてみるも今度は頭の中での堂々巡りが始める。そして、それがぴたりと止まった時――

 

 ルーミアはがくんと膝を折って、腰を地に落としてしまう。身も心もすっかり、行き場を八方塞がれてしまった。

 

「どうしよう」

 

 どうもこうもない。目指すべきものの手がかりはこれで途切れた。途方もなく広いこの竹林の中、道は閉ざされてしまったのだ。

 

 

 茫然としたまま、ルーミアは夜空を見上げた。竹の枝葉の隙間から、丸い月が覗かせている。これまでと全く変わらないその姿に、無性に腹が立った。

 

 心の中で、暗い感情たちが次つぎと頭をもたげてくる。ルーミアはたまらない。

 

 

 

「うわああああん!」

 

 

 悲しくて、腹が立って寂しくて、ルーミアはついに泣き出してしまった。その泣き声だって、この無慈悲な緑の大洋は瞬く間に吸い取ってしまう。誰に聞かれることもなく、ルーミアは大声をあげて泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこともお構いなしに、風は吹く。それにあてられた竹の葉はざわめく。月は地上へ、光をこんこんと送り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれほどの時間が経ったか。本当はたいして長くはなかったのかもしれないが、ルーミアもついに泣きつかれてしまった。だが当然、ルーミアは苦しいままである。そうなったらただすすり泣くだけになった。

 

 

 

 寂しさが残った。寂しさは恐怖を生んだ。ルーミアは地に臥せって泣いた。これから自分はどうなるのか、またどうするか、それも考えなかった。ただただ寂しくって、ひとりが怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光明ひとつ、わずかな視界に奔った。顔を上げる。見えた。光が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 起き上がって、駆け出す。そこに、妹紅が――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 妹紅はいなかった。ただ竹の管が、発光しているのを発見しただけだ。ルーミアにはわけが分からないことだった。

 

 完全にあざ笑われた様になった。もう悲しさも、寂しさも、恐ろしさもなかった。

 

 

 

 

 

 

……なあんだ。もう、どうにでも、なれ。

 

 

 

 

 

 

 

 ルーミアは例のごとく、仰向けに四肢を広げて身体を横たえた。そして虚ろな瞳を月へと向けて、ずっとそのままでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、あそこ。光ってるでしょ。……見えない?」

 

「ああ、ほんとだ。運がよかったわね」

 

「あたしと一緒だったおかげだね。こりゃ」

 

「それは、どうなのかしらね」

 

「へへん。悔しいんだろ、あんた――ん?なんだろ、あれ」

 

「なによ、今度は」

 

「あれの下に、誰か倒れてない?」

 

「げっ、遭難者の死体かしら。いやねぇ」

 

 

 

 

 駆け寄る二人。ルーミアはちょっと顔を向ける。

 

 

 

 

「これは取りあえず、生きてるね。……ん、妖怪かぁ?まあ、少なくとも死体じゃあないわね」

 

「ああ、良かった。――あなた、道に迷ったのね?」

 

 

 ルーミアは応えない。ぼんやりと、二人を見つめるだけだった。

 

 

「ううん、これは――病人じゃない?ほら、こころの……」

 

「何言ってるのよ。とにかくお屋敷まで運びましょう。――負ぶうから、手伝ってよ」

 

「ちょっと……光る竹(これ)はどうすんのさ」

 

「そんなのより、この子どうにかするのが先よ。薬の材料は、また採ればいいでしょ」

 

「へいへい……うーん、やっぱり勿体ないなあ」

 

 一人の背に担がれるルーミア。ぼんやりとしたまま、体を預けるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 しばらく行くと、明かりの灯った大きな屋敷が突如、闇の中から出現する。ルーミアを担いだ方は、息を切らせている。

 

「はあ、やっと着いた――あんた結局、一回も代わってくれなかったわね」

 

「あんたとあたしじゃ、そもそも体格が違うからね。諦めなよ」

 

「諦めるも何も、もう着いちゃったじゃない」

 

 屋敷の中に入ってゆく二人とひとり。戸を開けると、三和土に客人の姿が見えた。

 

 

 

 

 

「あら、藤原さん。来ていらしたんですね」

 

「あら、優曇華院さんに因幡さん。お帰りになられましたのですね。――まあ、わたしはもうすぐ帰るけど」

 

「患者さんの案内してくださったんですね。ありがとうございます」

 

「ご苦労ね、毎度毎度」

 

「おい、こらイナバ。何様だ。丸焼きにして今晩の……んん?」

 

「ごめんごめん、ちゃんと感謝してるよ。ほんと」

 

「い、いや。そのこは……」

 

「ああ。帰り際に、そこで倒れていた迷子の妖怪さんです」

 

「ルーミア!どうして……」

 

 

 

 

 ルーミアも顔を上げて、妹紅を見ていた。お互いに驚いた表情のまま見つめ合っていた。

 

 

 

「なに?知り合い?」

 

「追ってきちゃったのね、わたしを。――ああ、ごめんな。わたしが迂闊だったよ」

 

「……もこう!」

 

 

 ルーミアが、優曇華院の背中から飛び降りて、妹紅の身体にしがみついた。久しく止まっていた、涙がまたこぼれ出した。

 

「こわかったぁ……もこう……」

 

「そうだったろうなぁ。うん」

 

「なんだぁ?」

 

「わたしにはよく解らないけど……とにかく、良かったわね?」

 

 

 

 

「いやあ、お陰さまですっかり……って、何?」

 

「二人とも、お帰りなさい。で、これはどうしたことなの?」

 

 (くだん)の急患が、腹をさすりながら医者と一緒に出てきた。そして、今の玄関の様相を見て戸惑う。

 

 

「ああ、師匠。戻りました。……また一人連れて」

 

「さあてね。私どもも、よっくわかってないんですけど……感動の再開ってやつですね。多分」

 

「それはなによりねぇ」

 

「うーん、それでいいのか……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 帰りは三人、並んでのんびりと歩いた。ふたりが、ルーミアを挟んで歩いている格好である。妹紅の右手には例の火の玉が浮いて、道あかりとしている。

 

 歩きながらもルーミアは妹紅の左腕を抱いて離さない。そしてその妹紅はちょっと困ったふうである。それを、かの腹痛が見てにやにやしている。

 

「いいなあ。かわいいじゃないか。いじましくって」

 

「ううむ、ちょっとはなれてくれよ。足が、からまっちゃうよ」

 

「いーや!」

 

「いいだろう?そのくらい。きっと相当に寂しい思いをしたのだろうさ」

 

「なんだよあんた。そもそも、ほんとにここまでくる必要、あったのか?」

 

「だってさあ、死神が腹痛こじらせて死んだりしたら、こりゃあかなりの笑い種だよ?大事をとったのさ」

 

「そんな、大層な腹痛じゃなかったろうに」

 

「まあ、ここまで時間がかかるとは誤算だったね。噂にたがわぬところだったよ、ここは。――この子には、あたいも気の毒なこと、しちゃったわけだし」

 

「そうだなあ」

 

 

 妹紅は左腕のルーミアをちらと見た。泣きはれた顔のルーミアが、こちらを見返してきた。

 

 

「馬鹿だったわね。お前が起きることぐらい、考えられそうだったものなのに」

 

「あたいも騒がしくしてわるかった。許しておくれよ、ルーミア?」

 

 

 ルーミアは黙って、こくこくと頷いた。つんとしているが、機嫌は悪くなさそうである。

 

 

 

 

 

「なまえは、なあに?」

 

「ん?」

 

 すこし間があって、ルーミアが左の人物を見上げて言った。聞かれた方もそういえば、といったふうな顔をした。

 

「……うん。あたいはね、小町。小野塚小町(おのづかこまち)ってんだ」

 

「えっと……()()()?――は、ルーミアだよ」

 

「はははは!知ってるよ。よろしくね、ルーミア」

 

「うん!」

 

 ルーミアはわらって小町に応えた。それを見て妹紅も、やっと安心した心地になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、どのみちあんたは上司に叱られると思うよ」

 

「そうだろうねえ。どう転んでも辛いや――ルーミアも怪しい奴の口車に乗って、怪しい()()()とか、食わされたりしちゃあいかんよ?」

 

「きのこー?」

 

「それが理由か。さぼったあげくに。……馬鹿だなあ」

 

「でもいいんだ、今日は。結果ルーミアと友達になれたわけだし」

 

「……ともだちー?」

 

「あれっ?」

 

「ルーミアはあんたみたいな胡散臭いやつと、友達にはなりたくないんじゃない?」

 

「なんだと!?……そ、そんなことないよなー?」

 

 

 ルーミアはちょっと考えこむ。こいつそもそもよく分かってないな、と妹紅は思った。

 

 

「……うん!こまちとは、ともだちだよ」

 

「そおかあ!やったぜ!」

 

「よかったなあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?それで言ったら……あんたらふたりは、どういう間柄なんだ?」

 

 小町が問うた。問われた方はそろってきょとんとしている。

 

「はあ……」

 

「なんだろ?」

 

 

「ええっ!そんななのに、さっきはあんな、感動的に抱き合ってたのか!?」

 

「もこうも、ともだち?」

 

「考えたことなかったわ。宿主と、居候?とか」

 

「そういうだけの感じでも、なさそうだったけど?」

 

 

「じゃああんた、何だと思うのさ?」

 

「あたいに聞くなよ、それを」

 

「何でもいいからさ、ほら」

 

「なんでも!」

 

 

「知らないよ!……しいて言えば、姉妹っぽいけど」

 

「……しまいー?」

 

「ルーミアが、私の妹か。――なんだそりゃ」

 

「何でもっていったの、あんただろ!」

 

 

 妹紅はルーミアをうかがってみた。ルーミアは、相変わらずよく分からなそうに妹紅を見返している。

 

 

 

 妹紅はなんだか、妙な気持ちになった。右手に灯した火の玉を消すと、とりあえず誤魔化すようにルーミアの頭をがしがしと撫でてやった。

 

 

「うにゃあ!?」

 

「よしよしよし」

 

「……もしかしてあんた、照れてる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

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