「ただ今より! 第104期訓練兵団の入団式を行う!!」
ウォール・ローゼ南方面。あごひげを蓄え、深いシワを刻んだハゲ......失礼、スキンヘッドの厳ついおっさんが両手を後ろで組みながらよく通る声でそう告げる。
「私が運悪く貴様らを監督することになった、キース・シャーディスだ!」
ハゲもとい、キース教官は続ける。
「貴様らを歓迎するつもりは毛頭ない! 今の貴様らは、せいぜい巨人の餌になるしかないただの家畜------」
おうおうなんか言ってますねえ。ていうか毛根ない! って言ってなかったか?
「家畜以下の存在だ!!」
普通にひどい。人格否定から入るなんて......いや、そうも言ってられない。というかそうしなければいけなくなってしまったのが現状だ。
チラリとキース教官を筆頭に前に並ぶ指導官たちにバレないように視線を動かす。現在進行系で大声を上げるキース教官の言葉にビビりちらかし冷や汗を流したり唇を噛み締めていたりする人と、表情一つ変えない人。端的に言えば、ビビってるのとビビってないのとで2パターンに分かれている。
あいつはビビってる、こいつはビビってない。そんなことを考えながら左隣に立つ金髪を短くまとめ上げた小柄な少女を見る。
「......」
一文字に閉じられた唇、遠くを見るような鋭い眼光。そして深い堀と鷲鼻。
女型の巨人! じゃない、アニ・レオンハートだ! かわいい! 美人! かっこいい!
「おい貴様!」
横にいるアニ・レオンハートをバレないようにじっくりと見ていると、キース教官が金髪おかっぱ頭の小柄な少年の前に立ちはだかっていた。
「貴様は何者だ!」
「シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!」
「そうか! バカみてぇな名前だな!」
「ぶっ」
......あかん。目の前でやられると面白くて吹き出してもうた。
でも大丈夫、右隣の男の人は緊張のあまり気づいてない。問題は左隣なんだが。
「......」
普通に吹き出したのがバレてますねこれクッソ睨まれてるわ。とりあえず返事しとこう。
「......」
「......」
アニ・レオンハートにテヘペロがガン無視された。お兄さんショック!
睨まれたりしたわけではないあたり、単純にオレに興味がないからだろうけども。もう少しリアクションが欲しかったよ。
「はっ! 私は家畜以下であります!」
「人類にこの身を捧げるためです!」
「四列目は後ろを向け!」
気づいたらアルミン・アルレルトのいる三列目イビリを終え、四列目イビリも終えたようで五列目のオレと目の前に立つ少女が対面する形となる。
オレの記憶が正しければ、アニ・レオンハートの向かい側にはエレン・イェーガーが居たはず。そのためアニ・レオンハートの横に立っているオレもエレン・イェーガーの面構えを拝めると期待していたのだが、実際に振り返ったのは涙目で目線が下を向いているミーナ・カロライナと目線が泳ぎまくっているヒストリア・レイス......いや、今はクリスタ・レンズが居た。
「......」
やべ、二人と目があってしまった。にしても本当にかわいいなクリスタ・レンズ、ミーナ・カロライナも同様に。お嫁さんになってくれたら毎日が幸せだろうななどの妄想が捗るが、とりあえずここはウインクで誤魔化して......おお、ミーナ・カロライナは強くまばたきして顔つきを戻したし、クリスタ・レンズは軽く頷き貴方も頑張ってと言わんばかりの表情を一瞬見せてくれた。
二人とも天使や、でもって心が強い。これはミーナ・カロライナにも生存フラグが立ちましたね。
「おい貴様」
んお? なん......はっ!
「貴様は何者だ!」
うるっせえええええ! この距離でそのボリュームは耳が終わる!
ぐぅ、ミーナ・カロライナとクリスタ・レンズに鼻の下伸ばしてたら二人とは対極の位置に居るクソハゲキース教官に絡まれたでござる。ハゲ頭の後ろで二人が心配そうな顔してくれてるのは嬉しいけど、左隣でアニ・レオンハートが馬鹿にしたような目で見てるのを視界の隅で捉えてしまった。許せねぇ、今度からアニ・レオンハートの鷲鼻だけはハゲワシ鼻と呼んでやる。
......よし、まずは落ち着いてこの質問に対して応えよう。ここで引くようなやつに兵士は務まらぬ。オレとて地獄は見てきたんだ、それなりの覚悟があることを示せば良いだけのこと。
「はっ! ヤルケル区出身、アルフレッド・ガイスギーチです!」
「ヤルケル区だと? 貴様、内地出身か! 温室育ちの貴様がなぜここに志願した!」
聞かれるとは思った。いや、多分大人しくしとけばキース教官に絡まれることはなかっただろうから言わずに済んだと思うけど。
まあ、コレに関してはアニ・レオンハートは関係ないだろうから素直に言っちゃおう。ここでゴリラとノッポのメンタルをガリガリ削っていくぜ!
「復讐のためです」
「......なに?」
キース教官がオレの目を覗き込む。瞬き一つせずその瞳の奥、反射する黒髪黒目、この世界では珍しい容姿をした自分でも恐ろしい表情をしている自分と見つめ合った。
「5列目、後ろを向け!」
突然キース教官から後ろを向けの指示が出たので、大人しくそれに従う。
もうコイツに聞くことはない、と判断してくれたのだろうか。どちらにせよ大きな声を出すのは大変だから結果オーライ......あ、やっぱ芋食ってんなサシャ・ブラウス。流石にあの距離は救えないからちゃんと怒られてもらおう、そんでもってクリスタ・レンズと一緒に餌付けして好感度アップップや! 芋女呼ばわりされてたけど、普通にあの子も可愛いんだ! 一緒に狩りとかして野宿なんてしてぇなぁ。
......ふふふ、このクソみたいな地獄に生まれ変わってしまった哀れなオレの夢。それすなわちハーレム! それを達成するためにオレは......頑張るぞ! 色々となぁ!!
イテッ、頭痛がしてもうた。興奮のあまり鼻血を出すことはしないようにしとかないと。
現在公開可能な情報
名前 アルフレッド・ガイスギーチ
ウォール・シーナ ヤルケル区出身
年齢 訓練兵団入団時13歳(マーレ戦士たちと同い年)
身長170cm 体重75kg
容姿 かき上げた短い黒髪に黒い瞳と眉。決して大柄ではないが、入団時からすでに兵士のように絞り込まれた体つきと所作からにじみ出る育ちの良さのギャップで教官たちの目に止まっている。
性格 老若男女問わずに優しく接する紳士。だが心の中では女性相手に鼻の下を伸ばし仲良くなることばかり考えている。
訓練兵団入団理由 5年前に急用でシガンシナ区へ出向いた家族が死亡する理由となった超大型巨人、及びウォール・マリアを破壊した鎧の巨人への復讐(実際は前述に加え訓練兵団に入団しなければ出会えない女性たちと出会うためという理由も含まれる)
訓練兵時代に最もヒロインするのは
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ミカサ
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アニ
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サシャ
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クリスタ(ヒストリア)
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ユミル
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ミーナ
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イルゼ
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リコ
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ライナー