後々このデートの細かいところはまた別で書き込もうかなと考えてあります。デートする人アンケートのご回答ありがとうございました。オリキャラの憲兵団のお姉さんとライナー、キース教官は人気でした。ちなみに3人合わせたら普通にミカサ超えます。
ミカサ、クリスタと続いた3日間連続デートも今日が最終日。そのお相手は......アニーッ・ゥレオンハァァト!
そう、みんな大好きアニちゃんです。そしてなんの偶然か、移動距離がデートした順番。つまりミカサ、クリスタと長くなっている。ということはつまり、アニとのデートは最も遠出である。
その場所が場所であるため、現在早朝。オレはジャケットも着用したそれなりにフォーマルな格好である。胸に輝く赤い石はそう、クリスタからプレゼントしていただいたループタイでございます。
さて、そんなオレの姿を見たアニはというと。とても驚いている。
「......あんた、そんな格好できるんだね」
「そんなってなんだよそんなって!? あのなぁ、アニが今から行こうとしてる場所。どこかわかってる?」
「わかってる」
「返事はや」
そっちが行きたい場所に合わせたんだろうが、と抗議の気持ちを込めて聞いてみると、アニは頷いて即答してくる。
パーカーにジーンズ、そしてブーツという機能性を重視したアニらしい服装をした彼女は、着ているパーカーの胸の部分を軽くつまんで言った。
「私もこれじゃなくて、ちゃんとしたやつのほうがいい?」
首を傾げて聞いてくるアニ。ちょ、やめて、パーカーつまんで引っ張らないで。アニのレオンハートが、母性の象徴が。意外とおっきいよね、マジで感謝。
シャンランランラーと擬音を付けてあげたいほど、揺れるレオンハート。ちゃんと詰まってそうな揺れ方をする魔性の果実からなんとかアニに目を向ける。
「大丈夫だよ、文句は言わせないって」
「そう。まあ、アルフレッドが恥をかかないようにはするつもりだけど」
「ありがと。ま、割と適当な人多いかったから、うちのご近所」
「なんとなくあんたを見てたらわかるよ。でも、きっと......ううん、なんでもない」
そうです、アニとのデート先は僕の実家。故郷。つまりヤルケル区ガイスギーチ領です。あんま広くないけど。
いやにしても驚いたよね。『あんたの故郷に行ってみたい』とか言われたときはサ。え? オレの両親に結婚の挨拶したいならここでも出来るよ? って冗談はブラックジョークすぎてちょっと引かれちゃった。流石にオレが悪い。
「ところで、ウーシュカはわかるけど。それどうやって用意したのさ」
「んーこれ? いいでしょ、乗り心地はお楽しみ」
「いや、なんで借りれたのかなんだけど」
アニが指差すのは、オレの後ろで得意げな表情をしている愛馬であり相棒のウーシュカと、彼女に繋がれた2人掛けの馬車。
小型でシンプルだが、御者席もあり屋根もありで周りからの目を隠せるボディは乗り心地と取り回しの良さを重要視した特注品。はいそうです、ガイスギーチ家の馬車です。なので借りたのではなく用意しました。というか入団する時にカバン代わりに私物の一つとして持ってきてました。
なぜなら私は
「下級だけど貴族だもん。馬車くらい持ってるよ」
「......忘れてた」
「だろーね! でも忘れてくれてていいんだよ、貴族ったってじゃあオレがなんか凄いことしたわけじゃないし。普通にしてくれればね?」
「そりゃそうでしょ。私らにとってあんたはアルフレッドだし」
「アニィ......! どうぞお乗りください、わたくしアルフレッド・ガイスギーチが最高の乗車体験を保証いたします!」
「どうも」
胸がトゥンクしちゃった。さっきアニの胸はプゥルンしてたけど。
なんて口に出したら半殺しにされるので、大人しく馬車の扉を開けてアニに手を差し出す。オレの手を取り馬車に乗ったアニが、前髪をかき分ける。それがやけに画になっていたため思わず見とれてしまった。
「なに?」
「いや、なんでも。じゃあ、出発しよっか」
そっと扉を閉めた後、車体に足をかけ御者席に乗り込む。そしてウーシュカにつながる手綱を握ると、突然ウーシュカが前足を上げていななき始めた。
「ウーシュカ?」
落ち着かせようと身を乗り出してウーシュカの首を撫でると、振り返り目でしっかりとオレを捉えたウーシュカは唇を上げて『任せろ』と言いたげな表情。
ほんと、オレの愛馬はよく出来た娘だわ。入団したばかりの頃、一度だけヤルケル区まで行ったことがある。ただその一度だけで十分なほどウーシュカの頭は良いのである。
おまけにボス猫ならぬボス馬な気質があるのか、他の馬と出会うと騎手が指示をだしてもウーシュカの睨みで馬が道を譲ってくれるっていうね。そんな相棒だから安心して任せられる。
「ん? どうしたのさ」
「ウーシュカが任せてくれって言ってくれたから」
馬車の中に乗り込むと、肘を着いて外を眺めていたアニが不思議そうな顔で聞いてきた。
それに対して答えながら、馬車の前方にある窓を開けて手綱を握る。他の馬車ではこのように車内から手綱を握るということは想定されていないが、ガイスギーチ特注の変態仕様です。親父ィ、グッジョブ。
「じゃあ、そろそろ出発しようか。快速急行ウーシュカ号、発進!」
「なにそれ」
アニからの冷ややかなツッコミの後に、ウーシュカが前足を上げて先程よりも大きくいなないた。
そしてウーシュカが走り始める。普通、壁外調査を行う調査兵団の馬は人間1人を乗せた最高速度が時速80kmほどらしいが、オレの相棒は時速100kmに迫る速度で走り抜ける。正直めっちゃ怖い、立体機動とまた違った強さがある。
加えて瞬間速度だけでなく持久力もずば抜けているため、馬車を引かせても調査兵団の馬の巡航速度を上回る、時速40km以上で長時間巡航するタフさも持ち合わせている最高の相棒だ。その分尋常じゃない量食べるけど、そこもまた可愛らしい。
そんなウーシュカは迷うことなくヤルケル区に向かって出発する。ウォール・ローゼからウォール・シーナまでまっすぐ走って3時間ほど、ならばヤルケル区までは2時間もかからないはずだ。着いたら甘やかしまくってしっかり食事もさせて休憩させよう。回復力も凄まじいが、やはり心を通わせることが一番大事だ。
「そうだアニ、朝食は?」
「軽く食べた」
「そっか。まあ、足りなかったらこれでも食べてよ。水もあるし」
「......至れり尽くせりだね、ほんと」
「大切な友人兼お客様だからな。おもてなしはちゃんとしないと」
「いつもじゃん」
携帯食と水筒を差し出してそんな会話そすると、アニはフフッと小さく笑った。
去年の長距離移動訓練後くらいからだろうか。アニは表情が柔らかくなったし、よく笑うようになった。といっても、歯を見せながら豪快に、というよりは口元を緩ませるくらいだが。それでもかなりの進歩だと思います。2年かかったけど。
そして、アニと会話したり、道中すれ違った馬車に驚かれて車内から挨拶したり。色々あって陽は登り、予想通り2時間弱ほどでヤルケル区付近まで到着した。流石ウーシュカ、めっちゃ速い。
ガイスギーチ領はヤルケル区全体と、その付近。つまりウォール・ローゼ内である。通常壁からはみ出した4つの突出区である城郭都市は巨人の特性を活かし引き付けて壁を守りやすくするため、みっちり人口が詰まっている。
しかしヤルケル区はそうではない。農業や酪農が行われるヤルケル区郊外の田園地帯とウォール・シーナとを繋ぐため、また少しでも生産性を上げるという壁が作られた当時のガイスギーチ家の方針で突出区の中で唯一の農業地帯となっており、基本的に日中は門番を付けて外門を開けっ放しにしている。
これがトロスト区のように、巨人が現れると言われている南側だったりウォール・ローゼが突破されたらそうはいかないだろうけど。
「ここがヤルケル区だよ」
「ここが......」
久しぶりなので少し緊張したが、馬車から身を乗り出して門番の駐屯兵に身分を証明し、ヤルケル区に続く門をくぐり抜けたオレたちは車内から外を見る。
アニの出身地はしっかり聞いたことがないが、訓練のあった突出区の1つであるトロスト区と比べたらかなり開放感があると思う。いくつか家で固まった住宅街があり、あとは草原や畑が広がっているだけ。
「ねえアルフレッド、歩かない? このまま馬車に乗っているのもウーシュカに悪いし」
「だね。じゃあゆっくり歩きながらうちまで案内するよ」
アニの提案で馬車を降りる。ウーシュカが期待のこもった目を向けてきたため、撫で回してから『後でゆっくりな』と言うと満足そうに鼻を鳴らす。
かと思えば、ウーシュカは口を開いてアニに挑発的な目を送る。おそらく、オレに撫でられたことを自慢しているのだろうか。アニはピクピクと眉毛を動かしていた。どっちも可愛いなおい。
そのまま右手でウーシュカの手綱を引き、左隣にいるアニとともに歩く。
道中、あそこで昔うんぬんという軽いエピソードを喋るとアニはとても興味深そうな顔で静かに聞いてくれた。それにオレは調子に乗ってまた話をしていると、もう少しで我が家というところに声をかけられた。
「オイ! お前、ガイスギーチさんとこのフレディじゃねえか!?」
「はい?」
「やっぱそうだよな! 久しぶりじゃねえか!」
「んん?......ぁあ! バウアーさん!」
金髪でひげを蓄え、土汚れのある格好をしたガタイの良いおっさんが、笑顔で近づいてくる。
数年間でだいぶんシワが増えたので一瞬誰かと思ってしまったが、人の良さそうな笑顔は昔のままだった。
「おいおいどうしたんだよフレディ。帰ってきたのか? こんな美人な彼女作ってよォ! やるじゃねえかお前! ええ!?」
「イデッ、ちょ、落ち着いてくださいって」
「今夜はお祝いだなこりゃ! みんなお前を心配してたんだって! どうだ一杯やるか? とびきり美味い酒を用意してやるぞ!」
「アンタが飲みたいだけでしょうがぁ!? つか痛エッって言ってんだろ!」
「いいじゃねえかよぉ!」
バシバシと背中を叩かれ、流石に限界が来たため押し飛ばす。数歩後ろに下がったバウアーさんは嬉しそうに笑いながら『たくましくなったな!』と笑う。
正直めっちゃ疲れた。ご近所さんの中でも特にクセの強いやつに会っちまったよこれ、ヤルケル区が変人の巣窟だと思われちゃうじゃん。
「だーもう。んん。アニ、紹介するね。うちのご近所さんの1人で農家のバウアーさん。バウアーさん、彼女はアニ。オレの同期で友人」
「ど、どうも」
「おぉヨロシク! つかフレディ、お前兵団で彼女見つけたんか? っぱやるじゃねえかよこの色男!」
「ウルセェ! アニとはそういう関係じゃないから、まず人の話をしっかり聞け!」
「んだよ親父さんみてえなこと言うようになったなぁ!」
「アンタが人の話聞かねえからだろ!!」
その後、しばらくバウアーさんと会話する。やはり久しぶりに見た顔だから色々と聞きたいことがあるのか、ここまでを年代別に説明させられた。めっちゃ疲れた。
アニもその勢いに押され『はい』しか言ってなかった。そりゃビビるよね、でもこの人がぶっ飛んでるだけだからヤルケル区のことを嫌いにならないでください!
「いけね、そろそろ作業に行かねえと」
「すみません、時間取らせて」
「気にすんなってよ、久々に元気なお前が見れて俺も嬉しかったさ。両親のこともあったし、あん時のフレディは弱ってたからよ。みんな心配してたぜ?」
「......はい。会える人には、ちゃんと顔を見せておきます。バウアーさんの家も通りますし」
「そうだったな! 家内もお前の顔見たがってたぜ、ついでにうちで採れたもんも貰ってってくれよ。おーーーい! フレディに野菜持たせてやってくれーーー!!」
「いや流石にこっからじゃ聞こえねえだろ!?」
オレの悲痛な叫びに、バウアーさんは愉快そうに笑い見慣れた大股で自分の畑へと走っていった。ほんと元気だなあの人、朝からあのテンションってすげえよ普通に。
「......ははっ」
ふと、左隣から笑い声が聞こえてくる。
驚いてバウアーさんの背中を追っていった目線をそちらに向ければ、アニが口を抑えて震えており、やがてそれが意味をなさなくなるとお腹を抑え、目に涙をためて大きく笑い始めた。
「ふふ、はは、アハハハハッ! ......ッハァ~、おっかし......フフ」
「そんな笑わんでも......」
「まさかアルフレッドがバウアーさん? 相手だとあんな感じになるなんてね。あんたって、いつもふざけてるイメージあったし」
「あのねぇ、あれはあの人がイっちゃってるだけだから。ていうかガイスギーチ領ってあそこまでじゃないにしろあんな人ばっかだよ。オレ結構常識人な方だよ」
「みたいだね」
瞳に浮かべた涙を人差し指で拭ったアニは、未だに思い出しては面白いのか口元を隠し目を細めて笑う。
こんなにガッツリ笑っているアニは初めて見た。笑い慣れていないのか顔が痛いとぼやく彼女とともに再び歩き、道中にバウアーさんのご家族はもちろん、イーリスさんのご両親や妹さん等、いろんな懐かしい人たちと再開することができた。
みんな一様に『フレディの元気そうな顔が見れて良かった』と言ってくれたし、アニのことを彼女だと思っていた。そんなにお似合いだなんて、嬉しくってしょうがないです。でも『迷惑かけるけどうちのフレディをよろしくね!』とほぼ全てのお母様方が言っていたのはいただけない。なんやねんその駄目息子みたいな扱い。アニもアニで乗り気になってたし。
気づけばオレが美人さんを連れて帰ってきている、という噂でも広まったのか、周りをガイスギーチ領の人たちに囲まれちょっとした有名人気分にもなった。
領主のひとり息子が急に訓練兵団に入りますとだけ手紙を残して勝手に出ていったっていうのに、みんながオレを気遣ってくれたし、変わらぬ温かさで出迎えてくれたことに胸が熱くなった。ぶっちゃけ泣いた。
「着いたよアニ、ここがオレの住んでた家」
そしてオレの、オレたちガイスギーチ家が住んでいた家に到着する。
住宅街からは少し離れ、周りには何もなくポツンと佇む一軒家。ウォール・シーナを背に佇む家は、2階建てで部屋数は9つ。庭やその一部を運動場として整備した場所など、普通の家に比べれば使っている土地はかなりのものだが、屋敷と呼べるほどではない。
そんな我が家は人が住まなくなってすでに3年近く経過していると言うのに綺麗にとどまっている。
これも全て、オレが家を出た後も近所の人たちが日替わりで掃除をしてくれていたおかげだ。ここに来る途中に聞いたのだが、本当に頭が上がらないです。流石に泣きそう。
「......やっぱり、貴族っぽくないね」
「え?」
「悪い意味で言ったわけじゃない。貴族といえば、大体が偉そうじゃないか。無駄に大きな家とか。でもあんたは違うし、きっとあんたのご両親もそうだったんだろうね。じゃなきゃ、ガイスギーチさんじゃなくて様だろうし」
「あー、確かにそうかもね。っていうか多分だけどうちを様付けで呼ぶ人なんて居ないよ、なんならやめてくれって思ってる」
「だろうね。それにあんた、小さい子供にも人気だったし」
「それに関してはオレもびっくりしてる。よく3歳の時のこととか覚えてるよな」
まだ10歳の子供はわかるよ。オレが最後に遊んであげた時は7歳くらいだもん。
でも6歳の子供たちに『フレディだ!』って言われたときは本当に驚いた。そんな特徴ある顔してるかなオレ。
「そんだけここの人たちにとってアルフレッドは身近で、大切な存在だってことだろうね」
「そうかなぁ? ま、みんな自分の子供のように可愛がってくれたっていうふうには思ってるけど。お陰でひねくれずに済んだし」
「そうだね、全く。だからこそ、やっぱりあんたには生き残ってほしいね」
「アニ?」
ズボンのポケットに手を突っ込んだまま歩き、扉の前まで行ったアニはこちらを見ることもせずに話し続ける。
風が彼女の前髪を揺らしたとき、アニは唇を噛み締め何かを我慢しているように見えた。それが気になって近づくと、アニはいつものクールな表情をして振り返った。
「今度はさ、私の故郷を案内してあげる。いつになるかわからないけど、私が死ぬまでには」
「あら、それは楽しみだな。さすがに」
「まあ特に面白いものはないけどね。それに、あんたみたいにここで昔とかって話もないし。でもおもてなしはするよ」
「期待して待ってる。小さい頃のアニの話とかめっちゃ聞きたいし」
「どういう意味さそれ。......ねえアルフレッド」
「んお?」
雑に返事を返すと、アニは踵を返してゆっくり歩いて近づいてくる。
その顔にはためらいのような、期待のような。複雑な感情を込めて。重く口を開いた彼女は、やや自虐的に目元を緩めながら言った。
「もし私が壁内で、ヤルケル区で生まれて壁の破壊なんてなかったらさ。私とあんたはどうなってたかな?」
「どうって言われてもねぇ。確かなのは幼馴染になってたってことかな。同世代って割と少なかったし、アニが居たとしたら迷わず声かけて、うちに招待して。もしかしたら、生まれてから死ぬまで一緒だったかもな!」
「......そう。そんな設定だったら、そんな世界線を選べたら。私もそうなれたかな」
「何言ってんの。生まれてからは無理だけど、訓練兵団に入団してから死ぬまで一緒は今からでもなれるだろ?」
「ふっ......期待はしとくよ」
「任せとけ。ウォール・マリアを奪還して、シガンシナ区を奪還して。その後はどうなるかわからないけど、アニたちみんなで平和に暮らせる場所を作り上げるのがオレの当面の目標だから」
決まったなこりゃ。危うくハーレムを作るって言いそうになったけど、なんとかこらえた。
ていうかアニさぁ、さらっと壁外出身なの言っちゃってない? 前々から思ってたけどこの娘マジでスパイとかそういうの向いてないよな。いやあのおっかない顔してる時はまだしも、仲良くなっちゃうとダメだよな。ひょっとしなくてもオレのこと好きだろコイツ相思相愛かよ。
にしてもアニがヤルケル区生まれで壁の破壊が無かった世界線かぁ。てことはつまり、フリーダも生きてるってことだし。アニにこう言った手前悪いけど、少なくとも幼少期はフリーダから離れられる気がしない。それでアニとヒストリアにクッソ睨まれるんだろうな。
あれ、なんか既視感あるぞその光景。つかオレがイルゼちゃんと喋ってテンション上がってる時やんけ。どんな世界でも尻をしばかれそう。
くだらないことを考えていると、なんだかお腹が空いてきた。せっかくだし、もらった野菜でなにか作ってアニにご馳走しよう。どちらにせよウーシュカを休ませる必要があるし。
「アニ、せっかくだからヤルケル区に生まれた場合を体験してかない? 早めの昼食、貰った野菜で作るよ」
「なら、いただくよ」
「おっし、じゃあウーシュカはこっちにおいで。馬車も外すね......はい、ここ。いい子だね」
ウーシュカと馬車とを離し、窓の前まで誘導して繋ぐ。流石に家の中にウーシュカを入れることは出来ないが、家の中からでも馬と交流ができるように大きめの扉の直ぐ側に厩舎がある。大丈夫、ちゃんと風向きは計算されてます。
それから鍵を取り出し、家の扉をあける。ギギ、と音がなるが蝶番が錆びている様子もないことにまた胸が暖かくなり、そのままアニに振り返る。
「どうぞ、いらっしゃい!」
「うん......お邪魔します」
「アニさんごあんな~い!」
その後オレたちは昼食を取って家の色々を見られたり街に繰り出したり、たっぷりヤルケル区で過ごした。
アニと歩くとご近所さんが余計なこと言うからちょっと公開処刑なところあったけど、一緒に子供たちと遊んだり充実した時間を過ごせた。おかげで兵舎に戻った時間は夕方になった。
現在公開可能な情報
長距離移動訓練後、夜中に抜け出して内地を調査することを止めたアニ・レオンハートは、彼女と仲が良い人だけにはハッキリわかるほど物腰が柔らかくなった。
それでも普段の仏頂面は変わらないが、仲の良い同期と居るときは少なくとも寝不足故に睡魔を我慢しての目つきの悪さがなくなり、今まで必要最低限だった身なりに気を使う余裕が出来たためミーナ・カロライナやルース・D・クラインといった同室のメンバーからは『可愛さが留まるところを知らない』ともっぱら評判である。
夜中に抜け出すことを止め、しっかりとした睡眠を取るようになったことで肌の調子が良くなったアニ・レオンハートは、最近の良かったこととしてそれを記憶している。と同時に、睡眠時間が伸びたことで夢を見るようになり、内容が内容であるため悶々とすることも多々ある。
その内容とは、主にフリーダ・レイスと始祖ユミルが道を通じて送る、アルフレッド・ガイスギーチとの甘い日々。それはアニ・レオンハートだけでなく、彼と仲が良く彼のことを想う女性には定期的にご褒美と称して送りつけている。
ある時は幼馴染、ある時は恋人、ある時は夫婦、ある時は運命的な出会いを果たし、ある時は彼を救ったり。そのシチュエーションは全てフリーダ・レイスが考え、始祖ユミルが添削しているとかなんとか。
アニ・レオンハートはアルフレッド・ガイスギーチに対して抱く気持ちを自覚しており、その重さに自分の面倒くささから自己嫌悪に陥ることもあれどそれが自分であると受け入れてもいる。
前述した夢のこともあり、いっそのこと全てを打ち明けてしまおうと思うこともあれど、彼ならそれを受け入れてくれるという期待とそれで彼に嫌われてしまうかもしれないという恐怖との間で一歩を踏み出せずにいる。
時折出る『もし私が◯◯で』という質問はアニ・レオンハートが自身の過去の行いを後悔し、それでも前に進むための勇気を貰おうとしているからこそ出るものである。
アルフレッド・ガイスギーチは生粋のアニ・レオンハート大好き人間であるため、基本的に彼女が過去に何をしていようが包み込む気満々であり、将来の過ちを防ぐことを使命としている。
これはアニ・レオンハートに限った話ではなく、自称紳士として好きになった女性全てに適応されている。
デートする人
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アニ
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サシャ
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イルゼ
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憲兵団のお姉さん
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