怠惰デスが、なにか?   作:白灰✨

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2 死の先の生

あの時、次元が破裂し、壮絶な苦痛が到来し、「死」を理解し──────

 

終わるはずだった。

しかし、今。

 

生きている。それも、赤ん坊となって。

 

初めは戸惑い呆然とするしかなかったのだが、少し時間を置き落ち着くと、冷静に物事を考えることができた。というか考える時間だけは有り余っている。

 

これが最近噂の転生というやつ......だろうか。

私はそういったものとは無縁だったのでよく知らないのだが、クラスの一部で流行していたのを憶えている。

一度死んだ主人公が生まれ変わり、異世界で活躍し仲間と共に世界を救う物語。

そんな非現実的なお伽話が──────今、嘘ではないと我が身をもって示している。

 

最初は夢かと疑った。

こんな馬鹿げた幻想が、ありえるはずがないと。

でも、数日も続けば認めるしかない。

醒めない夢ではなく現実なのだと。

 

そこからは意識を切り替えた。

まずは周囲の状況の把握をしなければならない。

かすかに聞こえる話し声や物音などの情報の断片を手繰り寄せ、推測したその結果。

ここは異世界だと判明した。というより、他に選択肢がなかった。

 

文明の利器がないことに加え、道ゆく皆が鮮やかな髪色で、そしてなにより、地球人ならきっと誰もが驚くべきものを見せつけられたのならば。

 

魔法。

 

この世界には魔法がある。

 

最初にそれに気付いたのは、目の前に法衣を着た人がやってきた時だった。

 

「新たな命に、どうか女神様のご加護がありますように。」

 

そう唱えた瞬間、眩しい輝きが私を包み込んだ。

すると、身体に活力が漲ってきたのだ。

 

これが、魔法。

何故かはわからないが、どこか懐かしさのようなものを感じて、気がつくと涙を流していた。

いや、あくまで心の中で……だが。

 

 

 

 

※※※※※

 

 

 

それから数日が過ぎた。

私は開き直っていた。諦めたとも言える。

転生した不安だとか、未知への恐怖だとか、そんな言い訳を並べてこのまま怠惰に過ごすよりも、いい加減前を向いて活動すべきではないか。

 

自分に言い聞かせ、半ば無理矢理だが活動を始めることにした。

私の目標。それは、この世界の知識をつけることだ。

いつまでも右も左もわからない状態ではいられない。

 

スキルについて、ステータスについて。

この国や他国の在り方について、女神教と神言教について。

魔法、魔力、歴史、文化について。

様々な話を聞き、本を読み、世界への理解を深めた。

 

そうして私は徐々に成長していった。

近い未来、恐ろしい事件が襲い来るなど思いもせず。

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