異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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第107話 メアがやらかす

 どうやらシワを携えた老人の先生はここの学園長らしい。うちの学園長より随分まともでビックリした。まぁ、あんな適当な人ばかりだと組織が崩壊してしまうか。

 

 どうでもいいことを考えていると、メアが携帯用端末を見ながら声をあげる。しかも、なぜか僕に怪訝な目を向けている。

 

「それにしてもタイミング良すぎでしょ。この前の騒動のせいで空港の機能が止まって、風紀委員長のダリアさんが来れなくなったらしいよ。絶対へルトが何かしたよね」

 

 メアは勘がいいな。詩乃には伝えていなかったけと、俺の作戦にはダリアを遠ざけるというのも兼ねていた。それに気づかれるとはね。

 けど、わざわざメアに教えてあげる義理はない。だから適当に話を逸らそう。

 

「この前の騒動……なんのことかな?それよりも学園長が自由にして良いっていう許可をくれたんだから、授業の見学でもしてみようよ。うちの学園との違いも分かるだろうし」

 

 もうヘルトったら、誤魔化して。しかもあっちの学園で授業をちゃんと受けてないのに、ここの授業は気になるんだ。私も気になるけど、ヘルトから言ってくるのは違和感しかない。

 

 そんなヘルトの提案に何も疑わずに賛成する子もいる。その子とはもちろんルナだけど。

 ルナはヘルトに顔を近づけて言う。

 

「ヘルト様、そうしましょう」

 

 ルナはヘルトを怪しんだりしないんだろうな。騙されたりしそうで不安になってしまつ。私もその可能性は捨てきれないのが怖い。ヘルトは平気でそういうことしそうだもん。

 

「じゃあ行こうか!」 

 

 大きく足と手を上げて大袈裟に歩いていくヘルト。その後ろ姿にジト目を向けていると、ルナは小走りでついていった。

 はぁ〜、私もついていきますか。

 

 3人はアルカナ学園の2年生の教室の前に着いた。階段の横に案内図があったので容易に見つけることができた。

 教室の中からは先生とおもしき大人の声が聞こえてくる。授業時間なのだから当たり前か。授業の邪魔にならないようにこっそりと窓から覗く。すると、見たことのない制服を着ている生徒たちが机にかじりついている。

 真面目な生徒がたくさんいるようだ。

 

 授業の内容が気になって体をさらに出すと、1人に見つかってしまった。途端に教室は賑やかになって、先生も焦った様子を見せている。

 これは完全にやってしまった。

 そう思い顔に手を当てていると、風が頬を撫でる感覚がやってきた。手で塞いでいた目を開けると校門が鎮座している。その前にはヘルトが仁王立ちしていた。

 

「目立ちすぎだよ。これじゃあただの授業妨害になってる。だから、転移して緊急脱出させてもらったよ」

 

「ありがとう、助かった。それにごめんなさい、もう少し気をつけるべきだったわ」

 

 メアは感謝と謝罪を同時に述べる。本当に人付き合いが上手いと思ってしまう。普通の人ならば感謝か謝罪のどちらかだろう。けれど、メアは違った。こうなるとこっちから言えることはない。

 

「まっ、正直騒動になっても揉み消すから良いんだけどね。それと午後からは学園の集会に集まることになったから。僕たちの説明や顔合わせも兼ねてるっぽい」

 

 私のせいでそうなったのかな?

 なんて思考に陥っていると、それを見透かしたようにヘルトが否定してくる。

 

「始めから決まってたんだけと、伝えるのを忘れてしまっていたよ。でもこれから集会まで時間があるからご飯でも食べに行こうか」

 

 その魅力的な提案にルナは真っ先に飛びつく。私も空腹を抑えきれなくなったので、提案に乗ることになった。

 ヘルトは自分の出身地なだけあってお店には詳しいようで、任せてと言っていた。

 実際に行ってみると値段がよく分からないが、異様に高そうなお店のフルコースを食べた。私の語彙力では感想を綴れないぐらいには美味しかった。

 ふと2人の様子が気にって見てみると、ヘルトは綺麗な所作で料理を食べている。それに対してルナは泣きながら美味しそうに頬張っていた。

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