異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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第111話 明かされる計画

「この学園の授業は過酷なうえに毎回課題が出るんだ。授業だけで体が悲鳴をあげているのに課題をやるなんて不可能だが、特権階級であるあいつらは人を雇ってそいつにやらせる。自分たち普通の家出身からすると、疲労で死んでしまうだ。だから、抗議のつもりで道連れにしてやろうと思ったんだ」

 

 そこまで追い詰められる状態だったのか。この学園は俺が思っていたよりブラックなようだ。同じ生徒間でも格差がついてしまっている。貴族の俺が思うのもなんだが、社会の縮図みたいで気持ち悪いな。

 

 彼の悲痛の叫びに仲間のような生徒も大きく頷く。これだけの覚悟を持った生徒がこれだけの数いるとはね。

 

「君たちの思いは分かった。俺の方からエリオット殿下にアルカナ学園の内情について話させてもらうよ」

 

 そう言ってあげると彼らは驚いたように口を大きく開ける。大事件を起こしたのにこちらに寄り添う提案を受けたので、完全に想定外だった。

 けれど、彼はただの優しい男ではない。この国の公爵でありセブンキングスだ。同情の気持ちでこんな提案をすることなどありえない。

 

「ほ、本当か…?いや、本当ですか?」

 

「もちろんだとも。でも、もちろん君たちがやった事の落とし前はつけてもらうよ」

 

 ヘルトは楽しそうに言うが、目は笑っていない。そのせいでこの場の全員に緊張が走る。しかし、彼はすぐにおちゃらけた雰囲気に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 アルカナ学園での出来事は国内で波乱を生んだ。国内随一の異能学園で生徒による大規模な破壊活動が起こったからだ。しかも、その場所にはアリーネス公爵の嫡子がおられたことも公表されたのも追い風だった。

 そんな状態で皇太子であるエリオット殿下から民へ教育改革の号令が出された。今回の一件は生徒と学園どちらにも非があるとし、学園側にはトップの交代と職員の減給、問題を起こした生徒には停学と講堂の修復作業の手伝いが命じられた。

 その問題を起こした生徒への処罰が軽すぎるという意見もあったが、情状酌量の余地があると裁判所が判断したため一蹴された。

 

 

「ねぇヘルト、結局アルカナ学園で何をしたかったの?」

 

 あの事件の後は学園の見学などと悠長なことは言えない状態だった。なので、詩乃も一緒に皆でヘルトの城に戻ってきていた。

 

「あまり教えたくないけど…まぁいいか」

 

 この場にはヘルト、メア、ルナ、詩乃が城の憩いの間にいる。ヘルトが珍しく自分の悪巧みを開示しようとしているのだ、自然と視線が集まる。そのせいで変な静かさになっていた。

 

「アルカナ学園にはね、実はアルカナシア王国の前身の国を滅ぼした怪物が封印されているんだよ。これはトップシークレットだから公言しないでね」

 

 軽い口調から放たれた言葉は衝撃と呼ぶに相応しいものだった。あんな一等地に怪物が封印されているなんて誰も思っていないだろうし、すぐに嘘だと断じるだろう。しかし、言っているのがこの国の公爵であるヘルトだ。言葉の重みがまったく違う。

 

 この中で唯一固まっていないのは詩乃ぐらいだ。師匠のこういう突飛な話には慣れている。しかし、次の発言には耐えられなかった。

 

「そいつを解放して、アルカナ学園の生徒とメアたちでレイドバトルしてもらおうと思っていたんだけどね。詩乃もいるし多分勝てるかな〜って。あっ、ちゃんと周りに配慮して空間を区切るから近隣への被害とかは大丈夫だよ」

 

 未来に起こったかもしれない恐ろしい計画を聞かされて、脳が思考を止めていた。それでもメアは持ち前の反射力でツッコむ。

 

「 大丈夫なわけないでしょ!!!」

 

 メアの叫び声は現公爵の執務室にまで届き、心配をかけることになったのはまた別のお話。

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