異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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巣食う闇

 ヘルトはいきなり四方八方から攻撃を仕向けられたにも関わらず、爆風を腕で払って吹き飛ばし、平然としながら苦言を呈した。

 

「君たち喧嘩は駄目だよ」

 

 ヘルトから注意されてしまった2人だったが、そのまま無意味な口論を続けていたため、この場に敵が居ることを忘れているようだったので強めに警告をすることにした。

 

「そんな状態で俺に勝てると思ってるのか?」

 

 最初はいつも通りの表情と雰囲気だったが、2人が喧嘩しているのを眼前で見させられたのを期に、徐々に語気も少し強くなりヘルトからでるプレッシャーが強くなった。

 すると互いに喧嘩をパタリと止め、表情が硬くなり冷や汗が滲み出ていた。

 

「ふぅ〜、相手が俺だからといって油断していると、痛い目に遭うよ」

 

「は、はい…」

「お、おう…」

 

 2人はようやく自分の立場を思い出し、互いに戦う姿勢をとり、後ろの姉妹もそれに続き構えの姿勢をとった。

 

 しかし、序列10位のヤンキー風の青年は皆より1歩前に出て、先程の情けなかった様子とはまったくの別人のように威風堂々とした姿で声高らかに叫んだ。

 

「お前等は下がってろ!俺はコイツとサシでやる!」

 

 ヤンキー風の青年のいきなりの暴挙に他の仲間は「さっき一緒にヘルトに攻撃したくね?」と疑問を抱いたが気合いで呑み込んだ。

 

「君たちはそれでも良いのかな?」

「彼が負けたら残った戦力で俺に勝てる可能性がななり減ると思うんだけど?」

 

 ヘルトは純粋に事実を言ったつもりだったが、それを分かっていないメアとヤンキー風の青年は異議申立を行った。

 

「俺がこんないけ好かない野郎に負けるわけ無いだろ!」

 

「私とこの子達が居ればそんな男なんて居なくても、ヘルトなんて余裕よ!」

 

「はぁ!何ふざけたことをほざいてやがるんだ!」

 

 また2人が喧嘩を始めたのでそれに呆れた双子の姉妹がアホ共の変わりに、ヘルトに質問の答えを返したが姉妹の中でも意見が少し違った。

 

「アホが勝手に潰れるというのなら、好きにしろという感じです」

 

「そいつがこう言い出すのは最初から分かってた事だからね、もちろんいいさ」

 

 姉妹の妹の方はアホが嫌いだったので辛辣な反応になったが、姉の方はヤンキー風の青年と交流が少しあったので、あれが平常運転だということを知っていたので1人で戦う事に同意した。

 

 なので、ヘルト自信も攻撃魔法を禁止した状態で序列10位に対してどれ程戦えるか正直気になっていたので渡りに船だった。

 

「そういう事なら、こちらは構わないさ」

 

 ヘルトや他の仲間からOKがでたので、さらに前に歩みを進めた。

 

 メアはヤンキー風青年の背中に向かって"べ〜"と舌を出して威嚇した。

 

「(メアって人…猫みたいであざとい…ヘルトさんもあいつのこと見て微笑んでる…)」

「(…あいつのこと嫌い…)」

 

 姉妹の妹の方はメアのあざとい行動に憎しみに近い感情が胸の内に巣食っていた。

 そのため行動が少し遅くなってしまったため、姉が声を掛けてきた。

 

 

「なんでそこに突っ立っているんだい?邪魔になる前に早く下がるよ」

「(うちの妹はヘルトと一緒にいると変になるのは何でだろうね?)」

 

 姉の方の心境などは意を介さずに妹は姉の背を追って後ろに下がった。

 

 姉妹が下がったのを確認して、ヤンキー風の青年は戦い始める前にヘルトが今回の学年交流会で、何かしらの制限が課せられているのを知っていた。

 

 なので、その制限の内容をヘルトに問いかけた。

 

 するとヘルトはあっけらかんとした様子で自分の弱点にもなる情報を相手に教えた。

 

「攻撃魔法を行使するのが禁止になっちゃってね、だから君とは君が得意な拳同士の殴り合いをしようかと思ってるんだ」

 

 ヤンキー風の青年はヘルトは魔法系の異能使いなのに制限が余りにも厳し過ぎるのではないかと思ったので、それが事実かどうか再度確認した。

 

「禁止しているのは超級やオリジナル魔法だけ、とかじゃなくて全ての攻撃魔法なのか!?」

 

「もちろんだとも、今使える魔法は身体強化、移動系、回復系etc…ぐらいしか使えないからね」

 

 ヤンキー風の青年はヘルトの実力を知っているため、戦いはものすごく苛烈なものになるだろうと思っていた。

 

 しかし、相手に特大の枷がかかっているのを知って、表情が獰猛な笑みに変わった。

 

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