異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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少女の嫉妬と下準備

 特別イベントが終わり、開会式の会場にワープされていた。

 その場には他の生徒の姿はなく、優奈すらも居なかった。

 

 誰も残っていない会場だったが、大きなモニターには小鳥遊先生が映っており、この状況を説明してくれた。

 

「他の生徒の皆さんはは既に元のステージに帰還なさってます。ちなみに橋本優奈さんはかなり疲労が溜まっているご様子でしたので、医務室に行ってもらいましたのでご安心ください」

 

 その言葉は納得せざる負えなかった。

 

 実際、優奈は初めてあそこまで異能を行使したはずなので、流石に体がついて行けないのはしょうがないことだった。

 

 そのことは全員が分かっていたので、気持ちを切り替えることにした。

 

「では、ご健闘を。あとヘルト・アリーネス君はその不気味な笑みを辞めてください。怖すぎて背筋が底冷えしそうなので」

 

 その声には感情が籠もっていなかったので、本気でそう思っているかの真偽は不明なのだが、誰も特に気に留めていなかった。

 

 しかし、メアは気になってヘルトの方を向いてみると何時もと同じ平然とした表情をしており、小鳥遊先生の言っている意味が分からなかった。

 

 

 この後は小鳥遊先生の指示で再びゲートに入る寸前に、メアは今回共に戦ったレイラとイザベルに餞別として激励の言葉を送った。

 

「一緒に戦えて楽しかったわ、でも優勝は私達が頂くからね。互いに頑張りましょう!」

 

 メアは激戦を繰り広げた直後にも関わらず、その声には元気さが滲み出ており、スタミナお化けっぷりを存分に披露していた。

 

 それにレイラとイザベルは正直呆れていたが、その熱量は何時も適当に日々を謳歌していた姉妹からすると少し眩しく見えていた。

 

 だが、自分達だけが押されっばなしというのも癪に障るので細やかな反撃で応えた。

 

「互いに頑張るのはもちろんだが、背後には気を付けた方が良いぞ。知らぬ間に退場しているかもしれないからね」

 

「今度会ったら容赦なく、ひねり潰すから覚悟しておいてよ」

 

 レイラは冗談っぽく言っているのに対して、イザベルの瞳はガチだった

 

 イザベルにとっても共に戦った仲だが、ヘルトの近くに居る女は全員気に食わないので、本気で潰そうと考えていた。

 

「(私、何か彼女の逆鱗に触れることでもしちゃったかしら…)」

 

 身に覚えの無い攻撃的な視線を受けていて、困惑しながらもゲートを通った。

 

 

 それに続くような形で2人は、ヘルトにも別れの言葉を送った。

 

「何するつもりか知らないけど、あんまやりすぎんなよヘルト」

 

「ヘルトさんもお元気で、後あんな熱血女はヘルトさんと合わないと思います!」

 

 イザベルは普段、姉も含めてヘルト以外の人間には厳しく当たっていたが、今日はヘルトにも少し厳しめの口調だった。

 

 それはまるで言い付けているようだった。

 

 

 ヘルトはイザベルの言いつけを聞き流しながら、そのまま2人がゲートをくぐる姿を見送った。

 

 そしてこの場に1人残ったヘルトは、とある人物と待ち合わせをしていた。

 

「例の電子キーは手に入れられた?」

 

 ヘルトは虚空に向かって話しかけた。

 

 その光景は、はたから見るとただの不審者のように見えただろうが、この場は小鳥遊先生が映っていたモニターも消えており誰もこの場には残って居なかった。

 

 しかし、返答は返ってきた。

 

「はい、きちんとヘルト様に言われた通りに出来ました!このUSBにその電子キーが入っていますのでご自由に使ってください」

 

 透明な人影?から声が聴こえてきたが、その声は明らかに聴いたことがある声だった。

 

 ヘルトは透明な人影?から受け取ったUSBを専用端末に挿し込んだ。

 

「ありがとうね、これで良いフィナーレを奏でれそうだよ」

 

 そのまま端末を操作していたら、大量の警告画面が飛び出てきた。

 

 "このプロトコルを決行すると、中断や撤収を選択不可となります"

 

 警告が出てもヘルトの指は止まらず、ドンドン警告を消していった。

 

 そのまま操作を続けていき、擬似生物を召喚するための選択画面まで指を進めていた。

 

 そして、その選択画面の一番端にいた擬似生物をタップし、深度をちょうど真ん中に設定した。

 最後の操作として、その擬似生物を今から30分後にステージの中央に生成されるようにプロトコルを決行した。

 

「(さあ、どんな運命が彼女らを待ち受けているのか楽しみだね)」

 

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