異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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天使の正体とヘルトとの繋がり

「あれって天使…なのかしから?」

 

 メアは目前の光景を信じられなかった。

 

 しかし、擬似天使はそんな悠長な時間は与えてくれなかった。

 

 手を掲げ、人の言葉では無い謎の言葉を詠唱していたように見えた。

 

「《遘√↓蜉帙r謗医¢邨ヲ縺》」

 

 すると、天から複数の光剣が煌めきながら自分等に目掛けて降り注いだ。

 

「避けなきゃ死ぬよ!」

 

「「分かった(わ)」」

 

 メアも渡も自分の持っている剣で弾こうとしていたが、いきなりヘルトが指示を出してきたので、メアと渡は疑問を抱かずに行動を移した。

 

 2人は降ってくる光剣を針の穴に糸を通すような感覚で避けていた。

 

 その最中に光剣が落ちた場所を見ると、草が生命力を失って朽ち果てていた。

 

 どうやらあの光剣には、触れたものの生命力を奪うという効果があるようで、あのまま自分の剣で受けていたら剣ごと生命力を奪われる可能性が十分にあったので、ヘルトの指示を聞いて「良かった…」となっていた。

 

 擬似天使からの攻撃が止んだとき、渡は過剰な運動をしたことで息切れ状態になっていて、話す余裕が無かった。

 

 しかし、メアはまだ体力に余裕があったので、ヘルトに擬似天使のことを聞いた。

 

「…あの天使みたいな化け物は何なの!?」

 

 その表情は真剣そのもので、事の深刻さを十分に理解している様だった。

 

 そんな真剣な顔で聞かれたら、流石のヘルトでもあの怪物について話す気になった。

 

「まず前提知識として、このゲートの中では擬似生物という化け物を召喚出来るんだよ学園のシステムを用いてね。で、あいつはその内の1体って言うわけ。だから、攻撃をもろに食らっても強制退去されるだけで、命の危険は無いから安心して良いよ」

 

 ヘルトの説明に一安心していたメアだったが、一方渡の方は呼吸が落ち着いた様だったが、逆に困惑の真っ只中にいた。

 

 そんな渡をメアは横目で見ていてが、その反応に驚いた。

 

 

「おい、俺はあんなバカデカイ奴が居るなんて知らないぞ!」

 

 自分よりかも、1年以上長くこの学園に在籍している渡でさえ知らなかったあの化け物に、さらなる悪寒を感じていた。

 

 この反応はもちろん織り込み済みだったので、説明を付け加えた。

 

「まあそうだろうね。あのデカブツの名は《ガブリエル》かの『ルカによる福音書』では、聖母マリアのもとに現れイエス・キリストの誕生を告げたとも言われているあの"大天使ガブリエル"から名を取った擬似生物だよ」

 

 2人はこの長い説明を聞いていたが、あまり内容が頭に入ってきていなかった。

 

 それでも、ヤバそうなものが元になっていることだけは分かった。

 

 しかしあの怪物が何故、渡が知らなくてヘルトが知っているのかの説明が出来ていなかったので、それを付け加えた。

 

「俺があの擬似天使を知っているのは、単純にあれを作った奴と知り合いなだけさ。でも、あの個体は通常のプロトコルでは召喚出来ない劇物のようなものだからね。なんで此処に居るのやら」

 

 ヘルトは如何にも、この状況が理解出来ないといった表情をしていたが、この場所にわさわざ連れてきたのはヘルト自身だということに渡は気が付いていた。

 

 しかし、それを追求する前に《ガブリエル》がまた謎の言語を詠唱しだした結果、そっちの方に集中しなければいけなくなってしまった。

 

「《縺?〒繧医ョ繝・繝ゥ繝ウ繝?繝ォ縺ョ蜑》」

 

 すると、天から無骨な装飾品のついていないロングソードが落ちてきて、擬似天使の手の中に収まった。

 

 そのロングソードの柄を手の中で軽く遊ばせてから、素振りのような感覚でロングソードを斜め上から滑らかに振り下ろした。

 

 "ゴゴゴゴ"

 

 その結果、視線の先にあったこの山岳地帯で一番標高の高い山にキレイな切り込みが入っていた。

 

「(あ〜あ、ほんとあいつはやりすぎるんだから。2次被害が出なければ良いけどね…)」

 

 1人は呑気な事を考えている中、それどころじゃない2人は逆に帰りたくなってきた。

 

 なぜなら、攻撃の威力が桁違い過ぎたからだ。

 

 このお通夜ムードになってしまった雰囲気は、さすがに良くないと感じたヘルトはここで大きな提案を持ち掛けた。

 

「君達が致命傷となるダメージを受けそうになったら、俺が防いであげるから好きに暴れておいで」

 

 その言葉を2人は待っていたようで、ヘルトが保険を掛けてくれた途端に急に元気になっていた。

 

 これにはヘルトも「(これは、やられちゃったな)」と、2人にまんまと嵌められてしまったことに気が付いてしまった。

 

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