異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む) 作:2F29くん
いつまで瓦礫の隣で泣いていたか分からないが、他の先生が私の元へやって来た。
「今日はもう帰りなさい。でもナタリーちゃんが面会出来るようになったら、 謝罪じゃなくて感謝を伝えるんだよ。そっちの方が彼女も喜んでくれるはずだから」
私は涙が出すぎて、もはや干からびてしまった目を擦りながら、黙ってうなずいた。
それから2週間後に教習所から連絡がきた。
やっとナタリーとの面会が出来るようになったようだ。
私は飛び跳ねてしまいそうなほど喜しかった。
でも、それと同じくらい怖かった。
ナタリーに嫌われることはしょうがない、けど彼女の体の容態によっては、異能の行使が難しく なっている可能性があるからだ。
そうなると私は彼女の“未来”を奪ってしまうことになる。
もしそうなったら、私は罪悪感で潰れてしまいそうだった。
だが、ナクリーの顔をまた見たい気持ちが勝って面会に赴いた。
面会当日、私は国立第一総合病院の前まで着いた。
目の前の病院はこの国で一番大きい病院で、しかも総合の中には異能関係のものも豊富にある。
なのでナタリーも、ここに救急搬送されることになったのだろう。
自動ドアをくぐり、受付に行って整理券をもらって席についた。
膝の上にはナタリーの大好きな果物やお菓子などを入れた袋を置いた。
しばらくすると、自分の番号が呼ばれて、面会担当の受付に行く。
すると受付のお姉さんが、部屋番号や注意事項を伝えてくれた。
「場所は6階の602と書かれた部屋です。面会時間は親放ではない方は30分だけですので、お気をつけください」
書類などは事前に提出しておいたので、すんなり病室に行けるようだった。
段々実感が湧いてきて、胸の心拍数がドンドン上がっていくのが分かる。
そんな胸に手を当てて、緊張を落ち着かせようと試みるが無理だった。
気が付くと大きいエレベーターの前まで着いており、それに乗り込む。
6階へ到着して異様に長い廊下を歩く。
自分の感覚がおかしいのか、廊下の長さが不自然な程長く感じた。
すると、602と書かれたプレートが目に入った。
「(ふぅ〜、落ち着くのよ。きちんとナタリーに伝えないと…)」
息を整えてドアに手を掛けた。
ドアを開けるとベットが1つあり、ナタリーが寝転がった状態で窓の外を眺めていた。
その光景が目に入ると、枯れ果てていた涙が再び流れ出した。
するとナタリーは、メアが病室に来たことを気が付いてドアの方を向いた。
「久し振りに会えて嬉しいのに、メアがそんな風じゃ喜べないよ」
その言葉にメアは急いで涙を拭った。
「ごめん…でも、言わなくちゃいけないことがあるのよ」
「………」
メアが少し言い淀んでいる中、ナタリーは視線で続きを促した。
メアは今のぐちゃぐちゃな顔を必至に取り繕って、無理やり笑顔を作った。
「この前は私を助けてくれてありがとう。そして私の不手際でナタリーに怪我をさせちゃってごめんなさい」
全力で頭を下げると、"ブォン!"と軽い衝撃波が飛んで、カーテンが揺れた。
そんな事は気に留めず、ナタリーは優しく微笑んで応えてくれた。
「ううん、全然気にしなくて良いんだよ。私はメアの友達だからね。これぐらい当然だよ」
彼女に怪我を負わせたにも関わらず、未だに私のことを友達と呼んでくれたことが嬉しかった。
ナタリーは私の沈んだ気持ちも晴れさせてくれた。
気が付いたら私も釣られて笑顔になっていた。
「本当にありがとうね。私、ナタリーと友達になれて幸せだわ」
再び感謝を伝えた後この2 週間で起こった出来事などを話し合った。
しかし、この楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
ここで時間を確認するためにスマホを開くと、30分を少しだけ過ぎていた。
「ごめん。もっと話したいこといっぱいあるけど、私帰らないと」
自分の足元に置いていたお見舞いの品をナタリーに渡して、帰る準備を始めた。
そうすると、ナタリーが恐る恐る聞いてきた。
「メアが良ければまた来てくれる?」
「もちろん!私は毎週来るに決まってるじゃない!」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
メアはこの言葉を聞いて、ナタリーに背を向けてドアを閉めて再び受付へと向かった。
そして受付を終えて家に帰っている時に、衝撃的なニュースが耳に飛び込んできた。