異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

38 / 112
闇夜に差す一筋の光はとてもか細い

いつまで瓦礫の隣で泣いていたか分からないが、他の先生が私の元へやって来た。

 

「今日はもう帰りなさい。でもナタリーちゃんが面会出来るようになったら、 謝罪じゃなくて感謝を伝えるんだよ。そっちの方が彼女も喜んでくれるはずだから」

 

 私は涙が出すぎて、もはや干からびてしまった目を擦りながら、黙ってうなずいた。

 

 それから2週間後に教習所から連絡がきた。

 

 やっとナタリーとの面会が出来るようになったようだ。

 

 私は飛び跳ねてしまいそうなほど喜しかった。

 でも、それと同じくらい怖かった。

 

 ナタリーに嫌われることはしょうがない、けど彼女の体の容態によっては、異能の行使が難しく なっている可能性があるからだ。

 

 そうなると私は彼女の“未来”を奪ってしまうことになる。

 

 もしそうなったら、私は罪悪感で潰れてしまいそうだった。

 

 だが、ナクリーの顔をまた見たい気持ちが勝って面会に赴いた。

 

 面会当日、私は国立第一総合病院の前まで着いた。

 

 目の前の病院はこの国で一番大きい病院で、しかも総合の中には異能関係のものも豊富にある。

 

 なのでナタリーも、ここに救急搬送されることになったのだろう。

 

 自動ドアをくぐり、受付に行って整理券をもらって席についた。

 

 膝の上にはナタリーの大好きな果物やお菓子などを入れた袋を置いた。

 

 しばらくすると、自分の番号が呼ばれて、面会担当の受付に行く。

 

 すると受付のお姉さんが、部屋番号や注意事項を伝えてくれた。

 

「場所は6階の602と書かれた部屋です。面会時間は親放ではない方は30分だけですので、お気をつけください」

 

 書類などは事前に提出しておいたので、すんなり病室に行けるようだった。

 

 段々実感が湧いてきて、胸の心拍数がドンドン上がっていくのが分かる。

 

 そんな胸に手を当てて、緊張を落ち着かせようと試みるが無理だった。

 

 気が付くと大きいエレベーターの前まで着いており、それに乗り込む。

 

 6階へ到着して異様に長い廊下を歩く。

 自分の感覚がおかしいのか、廊下の長さが不自然な程長く感じた。

 

 すると、602と書かれたプレートが目に入った。

 

「(ふぅ〜、落ち着くのよ。きちんとナタリーに伝えないと…)」

 

 息を整えてドアに手を掛けた。

 

 ドアを開けるとベットが1つあり、ナタリーが寝転がった状態で窓の外を眺めていた。

 

 その光景が目に入ると、枯れ果てていた涙が再び流れ出した。

 

 するとナタリーは、メアが病室に来たことを気が付いてドアの方を向いた。

 

「久し振りに会えて嬉しいのに、メアがそんな風じゃ喜べないよ」

 

 その言葉にメアは急いで涙を拭った。

 

「ごめん…でも、言わなくちゃいけないことがあるのよ」

「………」

 

 メアが少し言い淀んでいる中、ナタリーは視線で続きを促した。

 

 メアは今のぐちゃぐちゃな顔を必至に取り繕って、無理やり笑顔を作った。

 

「この前は私を助けてくれてありがとう。そして私の不手際でナタリーに怪我をさせちゃってごめんなさい」

 

 全力で頭を下げると、"ブォン!"と軽い衝撃波が飛んで、カーテンが揺れた。

 

 そんな事は気に留めず、ナタリーは優しく微笑んで応えてくれた。

 

「ううん、全然気にしなくて良いんだよ。私はメアの友達だからね。これぐらい当然だよ」

 

 彼女に怪我を負わせたにも関わらず、未だに私のことを友達と呼んでくれたことが嬉しかった。

 

 ナタリーは私の沈んだ気持ちも晴れさせてくれた。

 

 気が付いたら私も釣られて笑顔になっていた。

 

「本当にありがとうね。私、ナタリーと友達になれて幸せだわ」

 

  再び感謝を伝えた後この2 週間で起こった出来事などを話し合った。

 

 しかし、この楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

 

 ここで時間を確認するためにスマホを開くと、30分を少しだけ過ぎていた。

 

「ごめん。もっと話したいこといっぱいあるけど、私帰らないと」

 

 自分の足元に置いていたお見舞いの品をナタリーに渡して、帰る準備を始めた。

 

 そうすると、ナタリーが恐る恐る聞いてきた。

 

「メアが良ければまた来てくれる?」

 

「もちろん!私は毎週来るに決まってるじゃない!」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

 メアはこの言葉を聞いて、ナタリーに背を向けてドアを閉めて再び受付へと向かった。

 

 そして受付を終えて家に帰っている時に、衝撃的なニュースが耳に飛び込んできた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。