異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む) 作:2F29くん
「私はメアリー・アウローラです。それでナタリーが助かるって本当ですか」
メアは自己紹介なんてさっさと終わらせて、早くその助かる方法を教えてほしかった。
ディヴィットはメアのあまりの必死さにスマホ越しに肩を竦めたが、早速取引を持ちかけた。
「こちらの提案を呑んでくれるのなら、異能省の職員しか利用出来ない特別な医療器具や医師を紹介させてもらおう。その治療を受けるのにも莫大な費用がかかるけど、それの費用もこちらが負担しますのでご安心していいですよ」
「………」
余りの見返りの豪華さに、生唾を飲み込んでしまった。
こちらに都合が良すぎる気がするが、私にはこれに縋り付くしかない。
しかし、一番重要な"提案"とは何かを聞いていない。
なのでその提案を聞くことにした。
「そこまでナタリーにしてもらうのはありがたいんですけど、私は何をすれば良いんですか?」
覚悟はこの一瞬で決めた。
例えどんな無理難題を出されようと、ナタリーの為ならなんの苦でもない。
「端的に言うと、異能省が運営している異能学園に入ってほしいんだ。そしてずっと特待生の位を保ってくれ。こちら側はそれしか望まない」
本来異能学園に入れる年齢は15歳からなのだが、国から特別な許可を得た子供は特例として飛び級が認められている。
自分はその特別粋にはふさわしくないと思った。
しかし、これでナタリーが助かる可能性が出てくるのなら、断るという選択肢は無い。
「その提案を引き受ければナタリーは助かるんですよね」
大事なことなので執拗に聞いてしまうが、仕方のないことだった。
それを分かっているディヴィットは大仰に答えた。
「時間がかかることは間違いないけど、 必ず治ると約束しょう」
メアはスマホ越しだが、相手が嘘を吐いてる感じはしなかった。
なのでその提案を受けることにした。
「えぇ、その提案メアリー・アウローラが引き受けさせて頂きます」
この後は入学するための詳細な手続きや、ナタリーの病院の移動の了承を親御さんに取るなど、いろいろな事をするために後日直接会う予定を取り付けた。
数日後メアはデイヴイットと話し合うために、異能省へ出向いて確認作業を行った。
そのおかげで入学や、病院の移動が正式に決まった。
今は8月なのもあって、来月には入学式が待っていてちょうど良いタイミングだった。
そして入学式当日、周りの生徒とは一回り、ニ回り小さいせいで目立っているせいで、肩身の狭い思いをしながら講堂に設置されている特待生用の席に腰掛けた。
今年の特待生料は5粋しかなかいようで、用意されている席も5席であった。
現状、既に3人が座っている。
その3人の内2人が男子で1人が女子だった。
男子2人は元から仲が良いのか分からないが、笑いながら喋っていた。
女子の方は周りをキョロキョロと見回していた。
私は知り合いも特に居なかったので、普通に席についた。
それから静かに待っていると入学式が始まる5分前となり、アナウンスが流れた
「入学式の開始まで残り5分となりました。生徒の皆様は静かに席に座ってお待ちください。そして、スマホは電源を切るか、マナーモードにしておいてください」
アナウンスが流れている中、隣りの席を見ると5分前にもかかわらす空席だった。
同じ特待生のはずの生徒は休みなのかな?と思っていたら、1人の生徒が走って来ていた。
「危ない、ギリギリセーフ。ふう〜危うく大事な入学式に遅れるとこだったよ」
急いで来た生徒は制服を改造しており、すごく豪華で派手だった。
しかも、メイクやネイルなどもしていて、学生としては相応しくないようにも思えた。
しかしそんな事を指摘出来るはずもなく、黙って前を再び向き直した。
「ねぇ君はさぁ、私より若そうだけど何歳なの?」
急に隣の子から話しかけられたが、もう少しで入学式が始まってしまうので小声で「…ごめんけど後にして…」と言って断った。
すると女生徒は「ケチ〜」と言って静かになった。
そして緞帳が上がって、ようやく入学式が始まった。