異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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お世話係の目覚め

ダリアに付き合わされてから、解放されたのは7時前だった。

 辺りは暗くなっていて、メアも寮に帰っているはずだ。

 

 枝葉の隙間からこぼれる月明かりがアスファルトを淡く照らしている。

 

 そんな風情を感じていると、寮のエントランスでは元気の良い学生たちがたむろっている姿が遠目からでも分かる。

 元気であることは素晴らしいことだが、苦情が来てもおかしくない位の熱量だ。

 

 しかし、注意する性分でもないので、普通にスルーが鉄板である。

 

 エントランスの自動ドアを通り、エレベーターに向けて歩みを進める。

 すると、周りの生徒は一斉に静まり返った。

 

 別に君らに干渉する気など無いのに。

 

 やはり普通の生徒からは相当怯えられているようだ。

 俺は暴れてない方だが、他のセブンキングスたちの中にはやばい奴も多いので仕方ないだろう。

 

「(そろそろ、セブンキングスにもお灸を据えないといけないかな?)」

 

 そんなことを思いながら、エレベーターに乗って自分の階のボタンを押した。

 

 

 自室の部屋に入ると、メアが夜ご飯を食べていた。

 しかも、その対面にはなぜかもう1人分のご飯が用意されている。

 

 メアは俺が帰って来たのを確認して、口を尖らせた。

 

「もう、帰ってくる時間ぐらいは教えてよね。ご飯をいつ作れば良いのか分からないじゃない」

 

 このメアの対面に置いてある料理は、どうやら俺のために作ってくれていたようだ。

 頼んでは居ないはずだが、メアの優しさで作ってくれたのかな?

 

「それはごめんね。以後気をつけるよ」

 

 ヘルトはそう言って対面の席に座った。

 それからフォークを手に取った。

 

「それなら今回は不問にしてあげるわ」

 

 夜ご飯を食べてきてないようで安心した。

 私が勝手に作ったものの、食べられないというのは悲しい…。

 

 そもそもヘルトは私をお世話係にしたクセに、全然私に仕事を頼まない。

 朝に起こして準備をしてあげたり、洗濯をするなどしかしていない。

 私はもっと恩を返したいのに、何も出来ないのは嫌だ。

 

「急で悪いけど、私はヘルトのご飯を毎日作ると決めたわ」

 

 そう宣言すると、ヘルトは少し驚いたような反応をした。

 

「そこまでメアはしなくて良いんだよ。料理作るのも大変だろうし」

 

「別に1人前作るのも、2人前を作るのもそこまで作業量は変わらないから、気にしないでいいのよ。それよりも、ヘルトは私のご、ご主人様なんだから」

 

 メアは顔を真っ赤に染めて、恥ずかしがりながらそう言った。

 

 その様子は非常に可愛らしいのだが、恥ずかしいのならわざわざそんなことをしなくても良いのでは?

 そんな風に思ってしまう。

 

 しかし、 毎食ご飯を作ってくれるのは正直ありがたい。

 コンビニ飯は楽だが、やはり栄養素に懸念点が残るからだ。

 

 

 メアが作ってくれたのはミートローフだった。

 ミートローフとはアメリカの伝統的な家庭料理の一つである。

 全体的にハンバーグと似ているので親しみやすい。

 

 ナイフで切って口に運ぶと、スパイスと玉ねぎの甘みが肉の旨味を引き立てていて、後味にほんのりハーブの香りが残る。

 

「これは驚いた。以前本場で食べたミートローフよりすごく美味しいよ」

 

 

「そこまで言ってくれると嬉しいわ」

 

 お母さんの見様見真似で作っているだけだが、ここまで反響があると照れてしまう。

 理由は単純かもしれないが、モチベーションが出てきた。

 

 

 2人で黙々と食べていると、ヘルトはつけっぱなしにしているテレビを見ている。

 私も気になってテレビを見てみると、ニュースキャスターの方が話している。

 

「島内で空き巣や、強盗が多発しております。犯人の供述によりますと、お金欲しさでネットで募集されていた違法バイトに参加した。と、最近違法バイトが問題になっております」

 

 テレビのニュースに耳を傾けながら、今後の展開を予想する。

 

「(これは良くない予感がするね。多分あの組織が関与していると思うけど、話を聞いたかぎりこんな地味な事で終わらないと思うんだよね。さて、各国で暴れてるテロ組織くんはこの島で通用するのか…楽しみだね」




※直近の話で日常回が多くてすみません。
そろそろバトルシーンがあると思います!(Maybe)
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