異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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日常の中の不穏

 ヘルトの治療のお陰でルナは、黒髪黒目のロングヘアーでヘアピンがトレードマークで、性別関係無く誰もが振り向くほどの、美少女に"戻って"いた。

 

「答えたくないのなら、答えなくてもいいけど、どうして連続傷害事件なんて、起こしたんだい?」

 

「それは…最初は、キレイな人達に、憧れていて…」

 

「顔の頬のやけどのせいで、なかなか自分が思う通りにいかなくて… みたいな感じであっているかな?」

 

 ヘルトの推測が余りにも的確過ぎたので、自分の過去を始めから知られている様な、不思議な感覚に襲われた。

 

 しかし、変に聞いたりはせずそのまま肯定した。

 

「はいそうです。そこからキレイな人が妬ましく、憎らしくなってきて、って感じです」

 

「なるほどね。でも、安心して今のルナは、とてもキレイだよ」

 

「きゅ…急に褒めないでくださいよ///」

(やっぱりヘルト様は、私のこと…)

 

 ルナは頬を染めながら、内心めちゃくちゃ喜んでいた。

 

 その様子はヘルトからしたら、自分に背を向けているルナの状態は詳しくは分からなかったので、とりあえず必要な手順を踏んだ。

 

「じゃあ連絡先を、交換しようか」

 

「はい!」

(ヘルト様のスマホの中に女の連絡先が無いか、確認しないと)

 

 この時のルナはスマホに穴が空いてしまうのではないか、という危惧が生まれそうなほど画面を凝視していた。

 

「なんでそんなに、俺のスマホを見ているんだい?」

 

「いえ、気にしないでください!」

(こんなにいっぱい、女性の連絡先……ゴミがいっぱいですね…)

 

 ルナはこっそりと覗き見て確認した女性の名前をこそっと頭の中に保存していた。

 なぜなら、これから何処かで使う場面が来るかもしれないから。

 

 「じゃあまたね。これからは、あまり目立たないようにね」

 

「もちろん分かってます!」

 

 これまでのやり取りで、ルナは素直な子だと判断したので、ヘルトはちゃんと言う事を聞いてくれると信じていた。

 

 次の日、ヘルトの教室にて

 

「おいヘルト、連続傷害事件の犯人はどうなったんだ?」

 

「犯人の子が有能だったから、俺の手伝いをしてもらうことにしたんだ」

 

 簡単にそんな事を言ってのけたヘルトだったが、実際問題大きな障害があった。

 

「それって、問題にならないか?」

 

「問題?風紀委員のことかな?」

 

「ああ、そうだよ。いくらヘルトでも、あの"風紀委員長"と本気でやり合いたくないだろ?」

 

 この学園は優秀な生徒が集まって来るだけあって、暴力事件などが起こると教師だけでは対処しきれない場合もあった。

 なので、学園は風紀委員という組織を創設し、学園の秩序を学生自ら取り締まらせることにした。

 その関係上、風紀委員のトップである風紀委員長は、その中でも別格の力を誇っていた。

 

「いや〜あの女、苦手なんだよね…」

(グチグチ、うるさいし)

 

「でも、大丈夫だよ…すでに手は打ってあるから」

 

「まぁ、ヘルトのことだから大丈夫だと、思うけどな」

 

 ヘルトと渡が話していた当人がいきなり、教室のドアを勢い良く開けた。

 

 "ガラガラガラ" ドアが鈍い音をあげた。

 

「ヘルト様!何か私が、手伝うことはありせんか?」

 

 急なルナの襲来にヘルトは頭を抱えたが、クラスは美少女の強襲に色めきだっていた。

 

「この学年に、あんな可愛い子いたっけ?」

「いや、いなかったと思うけど…」

「ってか、あの子いま"ヘルト様"って言わなかった?」

「そうよね。ヘルト君と、どんなかんけ…もしかして二股!?」

 

 クラスでの盛り上がりはピークに達していて、状況の収拾は無理だと判断したので内々で話しをつけることにした。

 

「はぁ〜…ちょっとルナおいで」

 

「はい!」

 

「俺はあまり目立つ行動はしないで、って言ったよね…」

 

「そ、そうですけど…」

 

「ヘルト様の周りに、害虫が湧いてないか確認したくて…」

 

 その声は余りにも小さく、ヘルトには微かにしか聞こえていなかった。

 しかし、なんとなくは分かったような気がしたので、とりあえずこの場から帰って欲しかった。

 

「何か頼みたい事があったら、連絡するから…」

 

「分かりました!」

 

「ヘルト、もしかしてその子が例の…」

 

「ああ、そうだよ」

 

 目の前に傷害事件の犯人が居ると思うと怖くなる気持ちがあったが、見た目がすごく可愛かったのでギャップを感じていた。

 

「なんか思ったより、可愛いね…」

 

「あなたに褒められても、まったく嬉しく無いんですけど!」

 

 ルナはヘルトに怒られてしまったので、少し気が立っていた。

 そのため、ちょうどいい所に居た渡に当たった。

 

「ヒェ〜、顔怖っ!」

 

「はいはい。ルナ、帰った帰った」

 

 

 クラスでの喧騒が静かになった後、朝のホームルームで、静香先生が口を開いた。

 

「来週から"学年交流会"が始まります」

 

「「「…………………」」」

 

 いつもなら、クラスメイトの様々な、反応が返って、きているところだが、クラスメイトの面々は、酷く緊張した雰囲気を、醸し出していた。

 

「ねぇヘルト、学年交流会ってどんな感じなの?」

 

「それはね、"交流会"とは名ばかりの、3人1組で広いフィールドの中で、乱戦するイベントだよ」

 

「この学園の交流会って、暴力的すぎない?」

 

「まあ、俺もそう思うけどね…」

 

 メアはこの学園の"交流"という言葉の意味が、自分の母国と違うのではないかと勘ぐってしまうほどであった。

 

「なので、みなさんも練習を、しっかり励むように!」

 

「「「「「は〜〜〜〜い」」」」」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 少し距離を離してとなりで寝ているメアの横顔を見ながら、スマホを耳に当てて悪巧みをしている男がいた。

 

「早速で悪いけど、少し頼みたいことがあるんだ」

 

「はい、喜んで!」

(ヘルト様に、必要にされている!!!)

 




※ちなみに、メアが転校してきたのは5月頭で、学年交流会は5月中旬にあります!
(転校のタイミングが、微妙なのは家庭の都合です←フラグ)
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