異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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ヘルトの第2の駒 vs アメリカ1位

 太陽が顔を見せ始めた頃、寮の1室で話しをしている男女がいた。

 

「ねぇヘルト、あなたって瞬間移動が使えるほど、魔法が得意なんでしょ?」

 

「得意どころか魔法戦なら、絶対に負けない自信があるね」

 

 普通の人なら冗談か嘘かのどっちかなのだが、なぜだかヘルトからは嘘をついているようにはまったく見えなかった。

 

「ふ〜ん、言うじゃない」

「じゃあ私と、戦ってみない?ヘルトは強そうだから、出来れば学園交流会で組みたいのよね」

 

「ずいぶん俺のことを、かってくれているようだね」

「でも俺にも、立場というものがあるからね、そうやすやすと、戦うわけにはいかないんだよね」

 

「立場??」

 

 メアの頭の中では?で埋め尽くされていた。

 

「だから条件をつけよう」

「昨日教室に、来ていた子がいたよね」

 

「あぁ〜、ヘルトの彼女ね」

 

 この時メアは、クラスメイト達が言っていたことを思い出していた。

 確かに言われてみれば、ヘルトとルナの会話の内容や雰囲気は、恋人のようにも見えた。

 

「彼女?何を言っているんだい?」

 

「ヘルトの、彼女じゃないんだ?お似合いだと思うけど?」

 

 2人が並んでいる姿はとても様になっており、恋人と言われてもまったく不思議は無かった。

 

「そんなことは置いておいて、その子と戦って勝てたら戦おうじゃないか」

 

「なんでそんな、面倒なことしないといけないのよ」

 

「その子に、対人戦の経験を積ませてほしいんだよね」

 

 ルナのちょうど良さそうな対戦相手が、身近なところにいたので力試しの場としては最適だった。

 

 メアはそんな事などつゆ知らず、逆にヘルトと戦う前の準備運動になると感じていたので、そのまま了承した。

 

「まあ、それぐらいなら良いわよ」

「でも勝ったら、絶対戦いなさいよ!」

 

「分かった、じゃあ今から本人に、確認をとるか」

 

 なぜかその時、まだヘルトは今回の件を話していないのに、ヘルトのスマホには、ルナからの了承の返信があった。

 

「許可をとってないのに、勝手に話していたの?」

 

「良いんだよ、あの子に関しては」

 

 この後、話しはトントン拍子と進んでいった。

 

「日程はいつにするの?」

 

「明日の放課後でも良いかな」

 

「全然構わないわよ」

 

 この後、スマホを確認したヘルトは人知れず恐怖を抱くことになった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 次の日の放課後

"第3運動場"に2人の少女が同じ男に待たされていた。

 

「遅れてすまないね」

 

 ヘルトはそう言っているものの、その態度にはまったく悪いように思っている感じは、まったくしなかった。

 

「いえ、まったく気にしてませんので」

 

「私は、気にするんですけど!」

「それにしてもよく、こんな場所を急に借りれたわね」

 

 第3運動場は、この前授業で使った第8運動場よりさらに広く、設備も整っていた。

 

「ここは俺の庭、みたいなものだからね」

 

「(何言っているのよ、こいつ)」

 

 メアは何言っているのか本気で分からなかったが、ルナの方はもちろん理解していた。が、それをわざわざ教えてあげたりはしなかった。

 

「ヘルト様も来たので、早速始めますか」

 

「ずいぶん積極的ね」

(まあ、嫌いじゃないけど)

 

「じゃあルール説明をしようか」

「時間制限無しで、何でもありの勝負だ」

 

 学校行事などのきっかりとしたものでは無く、ただの私闘なのでルールは極限まで簡潔にして、分かりやすさを重視していた。

 

「何でもあり?ケガをしたらどうするの?」

 

「ここのフィールドは特殊で、ホログラムを応用して瀕死のダメージを食らいそうになったら、自動でバリアが張られる設計になっているんだよ」

「ちなみに、学園交流会でも同様のプログラムが組まれてあるんだ」

 

「じゃあ思いっきり、戦って良いってことね」

 

 アメリカでもこの仕様はあったが、こんな私闘で使えるものでは無かったので、改めてこの学園の設備の良さを感じていた。

 

「先輩なのに、そんなことも知らないんですか?」

 

「メアはこの前、転校してきたばかりだよ」

 

「そういうことだったんですね」

(メア?何で呼び捨てで、呼んでいるんですか……)

 

 ルナが落ち込んでいるのは完全に無視して、戦いの準備が始まった。

 

 

 メアとルナは、互いに10mほど離れて、ヘルトからのスタートの合図を待っていた。

 

「じゃあルナは、本気を出すように、よ〜い始め!」

 

「私には、本気を出すなと言っているのかしら?」

「手加減って、あまり得意じゃないんだけど!!」(だから、手加減が出来なくても問題ないわよね!)

 

 メアは、手を抜いているつもりは無かったが、気がついたらルナを見失っていた。

 

「この一瞬で消えた?」

(姿を隠す系か、瞬間移動系か…)

 

「でも瞬間移動なら、もう攻撃されてるわね」

(じゃあとりあえす、面制圧をするべきね)

 

 メアは、さっきまで持っていた剣を捨て、どこからともなく真っ赤に光っている、趣のある大剣を握っていた。

 

「燃やし尽くしてあげるわ」

 

 メアは、大剣に軽く魔力を纏わせて、横に大きく振った。

 

「チッッ!」(範囲攻撃……相性悪いな)

 

 舌打ちの音が、その場に響いた。

 

「手応えがない?おかしいわね?」

(こうなったら、本気を出しましょうか…)

 

「"異能解放"!!」

 

 その時メアから、とてつもないほどの、オーラが迸っていた。

 それを見てヘルトは、感心していた。

 

「ほぉ〜。"異能解放"か、流石アメリカ1位だな」

「でも足りないな…まだ迷いが感じられる」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あの先輩は、"異能解放"を使えるのか…」(元から、力量差があったのに、さらに広がった…)

(こうなったら、速攻で決めるしか)

 

 ルナは、メアの背後にまわって、死角から攻撃を当てた…と、思っていたが剣で防がれてしまった。

 

「なんで分かるの!?」

 

「私の、"異能解放"の効果の1つに、半径1mの全ての状態が、分かるようになるのよ」

 

 

 メアが、大剣のレンジを活かして近づかせないように、上手く立ち回っているので、ルナは防戦一方だった。

 

「しぶといわね…」

(私は、異能解放のお陰で、身体能力がかなりあがってかいるのに)

 

「くっっ…どうすれば、近づける?」

(私の異能が、ほぼ無効化されてるのがキツイ…)

 

「こうなったら、大技使わせてもらうわね!」

「【煉獄閃!!】」 

 

「まずっ……」(避けれる?この距離じゃ無理だ…)

 

 剣から、超高温の炎が飛び出し、ルナのナイフごと燃やした結果、ルナにクリーンヒットしてしまった。

 

 "カキン"

 

 メアの攻撃がシステムのバリアによって、防がれた音が運動場に轟いた。

 

「私の勝ちね!」

 




※異能解放を使える人は、世界で1000人ぐらいしかいません。しかも、異能解放より上位段階の解放が、後1つあります。
(それを使えるのは、世界で約10人ほど)
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