異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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ヘルトの故郷

 2時間超えの飛行機移動を経て、超大陸の西にあるアルカナシア王国に着いた。 

 

 超大陸は名前の通り、この世界で最も大きな大陸だ。

 その中でもアルカナシア王国はトップ5に入る程の大国としてこの地に君臨している。

 しかし、人口が王都に集中しているせいで、田舎もまだまだあるといった国だ。

 

 

 

「初めての土地はわくわくするわね」

 

 目の前に広がるのは見たことが無い景色。

 しかし、空港から出たばかりなので大きく変わったりはしていない。

 だからこそ期待感が高まる。

 

「皆様方、送迎車をご用意させていただきてますので、少々お待ち下さい」

 

 送迎車……それに執事まで、やはりヘルトが貴族だという話は本物のようだ。

 学園では気軽に接していたので、あまりそんな気はしない。

 (お世話係となっても、接し方はあまり変えていないからだ)

 

 

 体感だと5分くらいで車が到着した。

 その見た目はTHEリムジンといったものだった。

 

「足元にお気をつけてお入り下さい」

 

 そう言ってドアを開けてくれるバーナードさん。

 ヘルトや奏に続いてリムジンに乗り込む。

 中はなぜか外から見るよりも空間が広く感じだ。

 そのおかけで、まるでホテルのようになっている。

 

「なんか車内が広くなったように感じるのたけど気の所為?」

 

「その通りだよ、よく気が付いたね。これも魔法で空間を拡張されてるんだよ。まあこれに関しては自分で作ったんだけどね」

 

 本当に広がっていたんだ。

 それのおかげで快適度が段違いで上がっている。

 

 再びシートベルトを締める。

 すると、車は即座に動き出した。

 

 窓の外の景色はどんどん移り変わる。

 

 殺風景でのどかだったものが、現代味を帯びてきた。

 

 すごく遠くには大きな城も見える。

 高層マンションが並び立っているにも関わらず、威厳は全く衰えていない。

 

 視線を近くに戻すと、色とりどりの建物や特徴的な街灯が立っている。

 

「ここは家の領地なんだけど、学園のある島に比べたら随分古臭いだろう。王都はすごく栄えているんだけどね」

 

 ヘルトが解説をしてくれる。

 教科書などでは見たことがあったのだが、それでも直に見ると印象は変わる。

 確か歴史の教科書に載っていたはずだ。

 

 

「もしかしてあの大きな城はヘルト様のものですか?」

 

 ルナが遠くに見えるお城に指を指す。

 時間が経っているので城との距離は近くなっていた。

 そのおかげで外観が見えてきた。

 

 

 

 いやいやそんな訳はないだろう。

 いくらヘルトが貴族といえども、あんな場所に住めるのは王族かその近縁の公爵ぐらいでしょ。

 だから、そういう人達ものなんじゃないの?

 

 

 頭の?が増えそうになっていると、執事のバーナードさんが興奮気味に口を開いた。

 

「あちらに見えますのは、アリーネス家が当時の国王様から築城のご許可をいただいて建てたものでございます」

 

「えぇ〜、そうなの!」

 

 驚きのあまり大声が出てしまうメア。

 ルナは口に手を当てて声を抑えている。

 

 それに奏が煩わしそうにしている。

 アリーネス家にとっては当たり前のことであって、騒ぎ立てることでは無い。

 

 

 車移動は特徴的な街並みや城を眺めているだけで終わった。

 車から降りると目の前には遠くでは感じきれなかった威厳を放つ城がある。

 

 ヘルトが先頭に立って入り口の方へ向かう。

 すると、門の前には兵士のように甲冑を着た人たちで固められていた。

 

 その人達にもヘルトの姿が見えたようで、一斉に膝をついた。

 

 

「みんなご苦労様、立っていいよ」

 

 そうヘルトが言うとスムーズに立ち上がり、門を開けてくれた。

 その門にはアリーネス家のエンブレムらしいものがあしらわれている。

 

「久々に帰って来たわけだし、まずは父上や母上に会いに行きたいんだ。それで良いかな?」

 

「もちろん良いわよ」

 

 奏は軽く頷き、ルナは激しく首を縦に振った。

 その勢いが強いせいでこちらまで風が届いてくる。

 

 これからヘルトの親やナタリーとも会うことになっている。

 心臓が高鳴ってうるさい。

 これは嬉しいから鳴っているんだ。

 そうだ。そうに違いない。

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