異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)   作:2F29くん

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専属メイド登場

「エリオット様はお元気だったか?」

 

 父であるコート・アリーネスが俺に話しかけてくる。

 いきなり王城の方へ行ったので聞きたかったのだろう。

 

「元気…とは、言いづらい感じだったね。目の下にクマもあったし。あっ、この料理美味しい」

 

 遅めの夕食を皆で食べている途中だったので、そっちの方に意識が向いてしまう。

 やはり庶民的な料理も美味しかったが、高級料理もまた違った美味しさがある。

 

 仔鳩のローストというらしいのだが、実に面白い味だ。

 鴨に似た味なのに、より繊細で旨味がすごい感じられる。

 

「俺との話より料理か……」

 

 机の向こうでシュンとしている父、コート。

 

「もうあなた、そんな細かい事気にしないでよ。いつものことでしょ」

 

 擁護とも言えないフォローをする妻である、クルニス・アリーネス。

 

 家族団らんといった雰囲気すぎて、メアとルナは会話に入り損ねていた。

 しかし、どうしてもメアには言っておかないといけないことがあった。

 

「あの…一つお話があるのですが…」

 

 そうメアが切り出すと、奏以外は皆フォークを止めた。

 そして続きを促すように沈黙がやって来た。

 

「私はヘルトのお世話係をさせて頂いてます」

 

 その発言にこの事実を知らなかった母、クルニスは驚きのあまり声が漏れていた。

 

「なのでここでもその役割を果たしたいと思っています!」

 

 その声はこの広間に響いた。

 やる気に満ち溢れていることは良いことだが、どこかから回っているような気もする。

 

 それを自分でも感じ取ったのか、メアの顔も赤くなっていった。

 

「あらあら、まぁまぁ。ヘルトちゃんはこんなに可愛い子にお世話してもらっていたの?」

 

「ここで治療しているナタリーっていう子が居るでしょ。その子を治療する交換条件として、お世話係になってもらったんだ」

 

 そう説明すると、両親は納得したようだ。

 しかも、母上の方に至ってはナタリーの名前すら知らなかったようだ。

 良くそれで日々を過ごしていられるなと思う。

 

「それなら良いんじゃない?ヘルトちゃん専属のメイドもいるけど、2人で役割分担すれば良いだけよね、あなた?」

 

「あぁそうだな。別に何の問題もない」

 

 ヘルトの両親が了承したので、これでちゃんと仕事が出来る。

 けれど一つ引っかかっている事がある。

 専属のメイド?

 微かな記憶だが、確かヘルトが言っていたような気がする。

 

「ありがとうございます。これからも精進して参ります」

 

 実はこの城に入ってから使用人の姿をバーナードさん以外見えなかった。

 ここに料理を運んできたのもバーナードさんだった。

 

 ヘルトのメイドさんもご高齢の方だったりするのかな?

 

 

 食事をとった後は各々解散という形になった。

 なので皆、自室に帰っていく。

 そこで私はヘルトの後ろをついて行った。

 

「ねぇヘルト。あなた専属のメイドさんってどんな感じなの?」

 

 いきなり質問を投げつけるが、ヘルトは何てことないように返す。

 

「う〜ん…どんな感じねぇ…。一言で表すのは難しいけど、まぁ感情の起伏が少ない女性…かな?小さい頃から一緒に居たけど喜んだり、怒ったりする所を見たことがないな」

 

 そんなロボットのような…は言い過ぎだが、そこまで極端に感情がフラットな人なんだ…。

 そのような人とは関わった事が無いのでどうしよかしら。

 

「そんな話をしていたら丁度いいところにいるじゃん」

 

 ヘルトがそう言うと、メイドさんが静かに振り返った。

 艶を抑えた黒髪はきっちりと纏められ結われている。

 肌は驚くほど白く、体調を心配になるぐらいだ。

 

「どうかいたしましたかご主人様?」

 

「それがこの子と少しの間、一緒に仕事して欲しいんだ。いきなりでごめんね」

 

 そんなヘルトの無茶振りに対してメイドさんは無反応だった。

 まるでそんな事など気にしてないと言わんばかりである。

 

「ご主人様の無茶振りは慣れていますので。では、その子に色々と教えてあげればよいのですね」

 

「優しくしてあげてよね。君は完璧主義なところがあるから」

 

 そう言われたメイドは目を丸くして目を見開いた。

 もしかして自覚がないのだろうか。

 だとしたら重症だ。

 

「私はそんなつもりは無いのですが…」

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