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会談はアメリカで行われた。
これはアメリカというよりも、レオナルドとアメリカンフロティアへの忖度である。
レオナルドは確認された中では唯一の最高の階級だし、アメリカンフロンティアは大国で宇宙船や機械文明を有していて地球としてもわかりやすい。そしてモデルはアメリカで、使われている言葉も英語なのである。
会議はサウザンドは自由参加、ところにより強制参加。
しかし、会議を見たいというサウザンドはいても、参加したいというサウザンドはいなかった。レオナルドとエーリャは当然強制参加だが。
惑星に駒を配置していた中で、一番のガチ勢で中華帝国を作ろうと頑張っていたのは白白なので、転生させてしまった中国はぐぬぬしていた。
モデルに地球が使われてはいるが、あくまで設定をつけられるマイ⚪︎ラのような何の変哲もないゲームだと思わされていたサウザンド。当然、温度差はあるし、完成度の差もある。
地球やサウザンドの力関係はファンタジーアースには該当しない。
最も高い階級でプレイ時間が長かったはずのアッシュの作った国を見てみろ。ない。
つまりはそういう事である。
テオは医者ばかり作っていたし、エーリャは平和な花と酒の妖精やモフモフの国を作っていた。ゲームだったのだから、それを責められる筋合いはない。
そんなエンジョイ勢ひしめく中、バランスを見ながらまともに国を作ろうとしていたのはアメリカンフロンティアチームと中華仙立帝国チームだけだったりしたのだ。
アメリカンフロンティアは数がいて、リアル系になっていった。
中華仙立帝国は、白白の確固たる仙人が治める理想の古代中国の構想があり、それに沿ってファンタジーな国を作り上げていた。
後は、誠に遺憾ながら、薔薇王国。なお、薔薇王国は鎖国なので今回の外交使節団にはいない。
なお、同じコンセプトの百合王国はたびたび侵略を受けていて国力が薔薇王国より低かったりする。
男の集団より当然ながら女の集団の方が襲われやすいのだ。
とにかく、この3国が早期に国を固めて、4000年生き抜いた歴史ある大国なのである。仙人の国だけあり、宗教色も強く、白白の伝承も色濃く残っており、白白がいたら非常に、非常に強力なアドバンテージとなる事が予測できただけに中国は本当にぐぬぬである。白白は理想の中国を胸に秘める、愛国心ある中国人だったので、偽アッシュはほんと罪深い。結果的にファンタジーアースには良かったけど。
とにかくそんなこんなで、アメリカで要人とサウザンドと子供達を交えて、交流会が開かれる事となった。
宇宙船が到着し、アメリカ大統領がホストとして歓迎の意を述べ、アメリカンフロンティアのアレックス大統領がお礼の言葉を述べる。あえてレオナルドからは挨拶はしない。マウントになってしまってはいけないという忖度である。
悲しいほどに何もかも準備できてないので、そのあとはぶっつけ本番で立食パーティである。国同士の決め事をする場ではないですよ、というお題目の為、宇宙船を出させるのに必要だったちみっこ達の他にも、地球側からちみっこが参加する。
出し物はアメリカンフロンティアで一番人気のヒーローショー。
アメリカのハリウッド俳優が参加という超豪華なヒーローショーとなった。
当然、アレックス大統領はレオナルドに色々と話を聞いていた。
支配するつもりはないよ。ない。ないって。ラブアンドピース!
レオナルドに何度も確認をとりながら、アレックスは惑星についても聞いた。
「僕の作った惑星は無人惑星のはずなので、ご安心ください。僕はアメリカンフロンティアに全力投球していたから」
「ふむ。レオナルド。あなたは何故ヒーローを作って置きながら、ヴィランを作ったのですか」
それ聞いちゃう? 聞いちゃう? アメリカ大統領はハラハラして、いつでも庇える位置についた。夢の中で人形に設定つけておいたら本物の人間になったとか、造物主にも被創造物にも可哀想すぎる展開である。人間になるならなるって事前に言って。
「正直に言う。現実化するとは思わなかったんだ。そして、ヒーローもヴィランも等しく愛おしく思って設置していたよ。僕はアメリカの敵にもアメリカンフロンティアの敵にもなりたくはない。サウザンドは君達を作ったかもしれないけど、人類より君達の方がずっと優れている種族だ。僕は、君たちがアメリカを支配することも心配している。仲良くしてくれることを心から祈っているよ」
そこへ、中国の高官がやってきた。
「何を弱気な。確かに人類はファンタジーアースの人々より弱い。だが、サウザンドは隔絶しているし、サウザンドは地球と共にある」
「サウザンドはファンタジーアースにもいる」
「なんだと?」
「そうだろう? 冬夜。いや、アッシュ」
忍族の少年は、驚愕を表した。
アレックスは続ける。
ーーサウザンドは転生する事を知っている。幼稚園の周囲で出現するアッシュゆかりの品。アッシュが転生したのに違いない。該当者は悠人と冬夜だけ。
ーーどちらがアッシュかなんて誰だってわかる。
ーー冬夜は、ファンタジーアースを守るためなんだってすると言ってくれた。
ーー平和を私達も望んでいる。しかし、争うなら条件はイーブンだ。
レオナルドは、ニコリと笑って冬夜と握手した。
「会いたかったよ、アッシュ。後ほど2人きりで、積もる話をさせて欲しい」
もちろん、レオナルドは悠人の百面相に気づいていた。
だが、偽アッシュが真実をバラして大変なことになったばかりなのである。
レオナルドにアレックスの勘違いを正すつもりはない。