サウザンド   作:かりん2022

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クリエイター:胡蝶1

ゲームも漫画も知らなかった僕は、ある朝目覚めたら重度のオタクになっていた。

後、外国語がペラッペラになっていた。不思議!

滅茶苦茶長い夢だった。なんか夜に起きた時幻聴が聞こえた気がするがきっとそれは啓示だったのだと思う。

僕は思った。レールに乗った人生なんてクソみたいだな!

 

10年生きてて、夢の中みたいな楽しい思いはした事なかった。

 

このまま勉強漬けで生きてて、楽しいなんて思えるのか?

 

お医者様なんて一生勉強だぞ! 僕はそれでいいのか!?

 

青春は一度しかない。一度しかないんだ!

 

学校に行った僕は、隅っこでコソコソノートに落書きしていた女の子に話しかけた。

 

「あの! 森田さん!」

「ヒャ、な、何かな、倉木くん!」

「スプリング即売会に参加する方法を教えてくれ!」

 

 説明しよう! スプリング即売会とは、日本4大即売会の一つである!

 

「無理だよう、申込日とっくに過ぎてるよ? 後1週間だよ?」

「そ、そんな……高校最後のイベントに参加できないなんて……青春を一度も経験できないなんて……」

「あ、あー。スプリング即売会って、本を売る所なんだよ?」

「聞いた。男同士でラブチュッチュする本を売る所だろ。僕はエロ本を初めてみた。漫画も初めて見たし、皆がやってるゲームもやってみた。凄かった」

 

 ざわっと教室がざわめいた。

 

「嘘だろ、倉木」

「ガリ勉だとは思ってたけど」

「何にも縛られないその生き様にリスペクトを感じた。僕もやってみたい。僕は勉強だけのつまらない人生なんてもう嫌なんだ! 受験もやめる!」

 

 ざわざわざわ。

 

「倉木、考え直せ。言ってることはわかるが、お前、よくないレールの外れ方してる」

「受験終わってから、受験終わってから考えよ? とりあえず受験はしよう?」

「受験真っ只中じゃん」

「えっと、買う側で参加した事ない人を売る側には呼べないよ。私、案内してあげるから、スプリング即売会はお客さんで我慢しよう? それで、ほんとーに本を描きたければ、教えてあげるよ。私、サマー即売会申込予定だし。ただし、二次試験を真面目に受ける事が条件ね」

「わかった……」

 

 そして、僕は試験を受けた。

 でも、即売会に行くことを告げてお小遣いを強請ったら滅茶苦茶怒られて部屋に閉じ込められてしまった。このままでは即売会に行けない。

 

「こんな時、夢で読んだラノベだったらステータスオープンって」

 

 ステータスがオープンした。

 

「おお、すごいなラノベ……」

 

 僕はびっくりして、ステータスをまじまじと見た。

 アイテムボックスの隣に3と書かれていて、それに触れると箱が三つでた。

 僕はそれを開けてみる。

 

 夢の中のアイテムがそこにあった。

 

「ジョブポイントが合わせて16ポイント……。スキルが合わせて45ポイント」

 

 悩む必要もなかった。

 

「テレポーター(3)錬金術師(5)で8JP消費! 短距離転移(2)、長距離転移(5)、集団転移(10)、空間把握(3)、目印転移(5)合わせて25SPを消費する」

 

 これでスプリング即売会に行けるぞ!

 

 僕は家にマーキングして、家の外に転移した。

 会場は知ってる。でも、そこまでの行き方がわからないし携帯も持ってない。

 テレポートを持ってるからって目的地に転移できるわけじゃないんだ。

 僕は無事森田さんと駅で落ち合うと、森田さんにお願いした。

 

「森田さん。コスプレ会場に着いたら、これを壊してくれないか」

「コスプレ会場で?」

「そう。お願いだ。僕、交通費も持ってなくて……せめてこれを連れて行ってくれないか。後、サークルチケットは欲しい」

「うーん、いいけど……。出してあげたいけど、私もお小遣い厳しくて。ごめんね」

 

そんなわけで、1時間後。僕は認識阻害の魔道具を使ってコスプレ会場に降臨した。

 人気のないところに急ぎ、魔道具をオフにして森田さんの所へ行く。

 

「く、倉木くん!?」

「何とか来れた! 森田さん。じゃあ、案内して!」

 

 面白そうな本がいっぱいだった。でも、お金がない。

 森田さんはサークルとして来ていて本も売らねばなので、早々に森田さんの席に向かう。

 

「森田さん、森田さんの席で、僕も何か売っていい?」

「本は検品があるから駄目だよ。その代わり、売り子してくれたら少しだけバイト代あげる」

「頑張る!」

 

 そうして、僕は初めてのお店やさんをした。

 

 バイト代を貰った僕は、早速本格的に本を見て回った。

 そして、僕の人生観を変えたバイブルを発見した。

 

「麗夜x四郎……! 聖書だ!!」

 

 ぶばっと吹くおねぇさま達。

 

「神様! あなたが0846様ですか!?」

 

 僕は女性の腕をグッと包む。

 

「はい!?」

「僕です! 胡蝶です!」

「ウッソ胡蝶たん!? 何歳!?」

「18歳です!」

「セーフ! 大人だと思ってたよー! 危なかったー! わー! 会えて嬉しい! この後お茶する? 携帯番号教えて?」

「親が厳しくて、携帯持たせてもらえなくて……。今日はクラスメイトの森田さんに連れて来てもらって」

「そう、お茶ぐらい奢るよ。イベント終わったらお茶しようよ」

 

 イベントが終わり、僕と0846様と森田さんと合流した。

 

「あなたが受験生を腐海に連れ込んだ……外道……!!」

「えっ ええっ!?」

「受験辞めるって言ってたんですよ、倉木くん」

「そ、そんな! 学校は行っておこうよ! 大事だよ!」

「森田さんは、その、夢を共にした人?」

「いえ。森田さんはずっと気になってたクラスメイトです」

「倉木くん!?」

「青春だねー」

 

 きゃっきゃっきゃ。

 

「0846様、僕、お金が稼ぎたいです。漫画もアニメもゲームも欲しいです……漫画も描いてみたいです……」

「わかる。めっちゃわかる。でもね、安易なお金稼ぎは身を滅ぼすよ」

「でもうち、厳しくて……」

「携帯代もないのは辛いよね……」

「大人になったら楽になるからって、いつ楽になるんですか!? もう我慢は真っ平です! 青春は今しかないんです!」

「むむむ……。まあ、稼ぐ方法はいくつかあるけど……。どれも危険だよね」

「危険って……」

「お薬売ったり金売ったり」

「倉木くんを犯罪に巻き込むのはやめてください」

「やらないわよ。でもまあ、医者の資格取ったらすごく便利よ」

「そうですけど、何年掛かるんですか……」

 

 結局、その日は連絡先を交換して解散した。

 でも携帯がないので、連絡ができるわけでもない。

 

 大学に合格した僕は、0846様のアシスタントをする代わりにコスプレ服の販売の初期費用を出してもらった。

 僕は本を出して、コスプレ服の販売もした。

 僕は0846様を尊敬しているが、推しカプは実は微妙に違う。

 僕は漫画キャラの麗夜様が大好きだ。

 綺麗で、強くて、ぐいぐい引っ張ってくれて、理想のパートナーだ。

 なので0846様推しではなく、08僕派なのだ。

 麗夜様の子なら産める。

 

 えって言うか出来るよね? 高級触媒使って、ジョブでマザー取ればいける……!! 今時男性妊娠とかいっぱい漫画でやってるしイケルイケル! 婚姻届に自作の印鑑押してちゃお〜!

 

「バカなの? どうしてやる前に相談してくれなかったの……」

 

 0846様が崩れ落ちていた。なんか駄目だった?




マシュマロ
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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