サウザンド   作:かりん2022

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ゲスト:紅天女

「なんなのだ、あの光の大群は! 何らかの攻撃か!?」

「ただいま調査しております、大統領閣下!」

 

 アメリカンフロンティア国の大統領、パワードであるアレックスは人生で初めての夜更かしをしていた。

 国民の全てが、今日は眠れないだろう。

 何せ、空がこんなにも明るいのだから!

 ああ、まるで幾万の火矢を放たれたかのよう!

 幸いにも、火矢でもミサイルでもないようだが。

 夜に戦を仕掛けるなどという愚行は、歴史を遡ってすら数えるほどだ。

 関係各所に指示を飛ばしていると、報告が来た。

 

「大統領、大規模なハッキング魔術を感知しました!」

「何!?」

「あの一際大きな青い光からです! あの青い光を包むように、なんて巨大で強い防御魔法だ!」

「大統領、あれはもしや、大きなメカリア」

「いや、あれはメカリアの住む大地なのでは? 古い伝承によると、大地全てをひっくるめたものを星と呼ぶのだとか」

「あのハッキング魔法を調べれば、あの青い光の大きさがわかります」

「すぐ調べてくれ。それと、こちらでもハッキング魔術の防御魔法を使え、星全土を覆うんだ! 全てのメカリアを招集しろ、急がせろ! どうせこの未曾有の事態で惰眠を貪るのは不可能だ」

「し、しかし今は夜ですよ!?」

「こんなに明るいんだ、活動に支障はあるまい。非常事態だ!」

 

 そうして、一睡も出来ないまま朝を迎えた。

 大統領の仕事は終わらない。

 国際会議を招集し、防御魔法を構築するのだ。

 

「アメリカンフロンティアがハッキング防御魔法を、妖精国が惑わしの霧を、中華仙立帝国が結界を、魔女帝国が防御魔法を星全体に張る。かなり無茶だし前代未聞の作戦だが、やるしかない。ああ、伝説にある宇宙船の調査と再度動かせるように修理をするんだ」

「しかし大統領、それでは日光が届かなくなります!」

「どうにかしろ!」

 

大統領閣下の指示に、部下達は慌てて動いた。

そして、4000年の歴史で初めて戦争がなくなり、各国が未曾有の事件に一丸となって立ち向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、地球の方だって慌てていた。

 

「なんだ、あの惑星は!? 昨日までなかったじゃないか!」

「宇宙人の侵略か、異世界転移か⁉︎ ファンタジーが向こうから来ましたってか!?」

「地球になんか膜が張られたぞ!? 0と1の書かれた薄く光るカーテンのようだ! 攻撃か何かか!?」

「あの星にも膜が張られたぞ!」

 

 もう政治はしっちゃかめっちゃか。

 とにかく、各国政府は宇宙事業に大金を投じて、宇宙飛行士をかき集めた。

 ファンタジーアースと違い、地球の混乱は争いを止めるよりも激化する方向に動いた。疑心暗鬼となり、混乱が加速した。

 

 そして、三日後。驚くべきテレビ中継がされた。

 女の子が宣言する。

 

『皆さん、私はサウザンドのリーダー、アッシュです。単刀直入に言います。ファンタジーアースを作ったのは私達です。そして、サウザンドは、世界に1000人の仲間を持っています。同じサウザンドに私は訴えたい。今こそ集結して、力を合わせ、星々に平和をもたらしましょう。守秘義務は一年ですが、これを黙って見ていたら戦争が起きてしまうかもしれません。ささやかな報酬の増加より、大義を取るべきです』

 

 そうして、女の子はサウザンドに起こった事を話していく。

 最後に、女の子は魔法を使って見せた。動物を癒して見せたのだ。

 

 もちろん、彼女はアッシュではない。本物のアッシュはファンタジーアースで悠人として転生している。

 彼女はゲストの、あまり積極的でなかった子だ。

 だから、成果給もアイテムも、切り捨てる事ができた。

 

 擁護するなら、彼女は言葉通り、彼女なりに危惧していた。

 アッシュ達は強大なアイテムを持っていて、それを放棄させたかった意図もあった。地球を守りたい意志もあった。

 

 酷いことになれば転生すればいいという打算もあった。

 

 だが、最下級であるゲスト1人の独断で、それもトップを騙ってしていい事ではなかった。

 

 この暴露が、同時期に半年の昏睡状態にあっているという共通点を持つサウザンド全員を危険に晒していく事となる。




マシュマロ
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