ボスとジョルノの幻想訪問記   作:フリッカリッカ

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銃弾と氷殻④

ボスとジョルノの幻想訪問記 5

 

 あらすじ

 

 ドッピオに再び発現した『墓碑名(エピタフ)』!

 仲の良いジョルノ君とドッピオ君!

 それを見て胸くそなディアボロ!

 そして、永遠亭の面々は物語の奇妙な中心へ・・・・・・!

 

*間違いの指摘がありました!「読者の皆さん、お許しください!」*

 これまでスタンドDISKと表記されていましたが正しくはスタンドDISCです! ちなみにDISKもちゃんとCD、DVDなどの媒体を指しますが、Kの方はコンピュータ関連用語の意味合いが強く、Cの方はそれら媒体に『焼き付ける』『吸い出す』の動詞的な意味合いが強いらしいです。また、Kは主にイギリスで、Cは主にアメリカで用いるそうなのでやはりCの方が原作準拠ですよね(でも辞書で調べたらDISK(DISC)って書いてあったんだもん)・・・・・・。

 まぁ、でも本編には全く関係ないので「気にするな!」

 

 銃弾と氷殻④

 

「無事、美鈴の安全を確認しました・・・・・・。が、犯人はまだ捕まっていないようね。――――美鈴の言葉を伝えた慧音と妹紅。あの二人の証言を信じるならば――――」

 と、美鈴の手術を終えて永遠亭の居間に戻ってきた永琳はそこで言葉を止める。

 言うまでもなく、美鈴の最後の言葉『スタンド』が意味するのは彼女を襲った犯人はやはり『スタンド使い』であるということだ。

「・・・・・・やっぱり、スタンド使いが・・・・・・」

 ジョルノは息を飲む。彼は何かを恐れていた。それはそのスタンド使いが相当のやり手であるという事。彼は曲がりなりにもこの永遠亭で暮らし初めて数週間。その間、永琳の手伝いとして鈴仙と一緒に手術に立ち会ったり、多くの患者の怪我を彼のスタンド能力、『ゴールドエクスペリエンス』で治してきたのだ。

 その経験を通して彼は人体をある程度まで熟知し始めていた。だが、本日運ばれてきた患者、紅美鈴の肉体はこれまで治療してきた者たちとは大きく、いや、かなり違っていた。見たこともないほど研ぎ澄まされた美しい筋肉だったのだ。妖怪といえど、別段肉体派でもない彼は彼女の素晴らしい体に賞賛の意を送っていた。

(そんな彼女をあそこまで痛めつけるスタンド使いッ・・・・・・!)

 想像するだけでもどれほどの強さかが分かった。

「――――てことは、私たちは『討って出る』。そういうことですね、師匠」

 ジョルノの横で冷や汗を流している鈴仙がつぶやいた。彼女もまた、スタンド使い――『セックスピストルズ』を持っているが、美鈴の強さはジョルノ以上に分かっていた。

 おそらく戦闘において自分より数段上の美鈴がスタンド使いではないといえど、かなり圧倒されたのが伺えた。それほどに全身に渡る冷気だった。

「そうね。現状、私が把握している内では八雲、博麗、西行寺、四季のどれもスタンドを保有していないわ。――――つまり、この犯人を捕まえられるのはあなた達、三人しかいないのよ。優曇華、ジョルノ、それに――――ドッピオ君」

「永琳さん、それはやはり『スタンドはスタンドでしか倒せない』という絶対のルールに従ってでしょうが、彼を、まだ幻想郷に来て間もない。しかも怪我まで負っているドッピオを戦場に出すのは・・・・・・」

 と、ジョルノがドッピオを心配してそこまで言いかけたとき。意外にもそれに答えたのはドッピオ本人だった。

「いや、行くよジョルノ、俺も。なんか知らないけど、『行かなくちゃ』って思うんだ」

「し、しかし君はまだ子供です。それにここは――」

「それを言うならジョルノだって子供じゃないのか? そしてここは幻想郷、だな。何でも受け入れるって言われてるらしいが、そこに住むお前は俺がお前の心配をして一緒に行ってやるって言ってるのを受け入れないのか?」

「・・・・・・そ、そうではないですが・・・・・・だめだドッピオ。やっぱり」

 と、ジョルノは首を振って答える。

「大丈夫だって。俺には未来予知ができるんだぜ?」

 ドッピオも食い下がる。だが、その間に割って入ったのはてゐだった。

「あ~! もう、うるさいウサ! さっさと行けよじれったいなぁ!」

「ちょ、てゐ! あなたには関係ありませんよ!」

「な~にが関係ないウサか! ドッピオはね、あたしにじゃんけんで初めて敗北を味あわせた人間ウサ! ぜんぜん頼りにならないとは思えないね!」

 てゐはさっきのじゃんけん勝負を思い出し、ドッピオの放つ異様な雰囲気を彼の強さであると勘違いしていた。

(・・・・・・実際に、あのアイデアを閃いたのは偶然だったんだけどなぁ・・・・・・)

 ドッピオはまるで『アイデアが間欠泉に押し上げられた』ように、偶然閃いただけであった。理由としてはやはり、彼が内なる心にもう一人の狡猾な彼がいるからであろうか。

 

 ディアボロとドッピオのリンクは完全に切れてしまっている。自由に交代することも出来なければドッピオが『ボスからの電話』を受け取ることもない。記憶を失ってディアボロのことさえも忘れてしまっているのだ。いわば電源の繋がっていない固定電話にディアボロが一方的に電話をかけようとしているようなもの。

 だが、心と電話は大きく違う。ディアボロの考えはドッピオの深層心理――――無意識の部分を突き動かすのだ。

 

「俺は行くぞ、ジョルノ」

 ドッピオは再びきっぱりと言った。

「・・・・・・」

 その覚悟を秘めた目を見たジョルノは、これはどうも説得するのは無理らしい、と判断してしまう。

「・・・・・・はぁ、分かりましたよ。勝手にしてください」

「ああ、そうする」

 そんな二人を横目に鈴仙は一つ、永琳に尋ねた。

「えっと、師匠? これって3人だけで行くんですか?師匠は一緒に来ないんですか?」

 その答えとして永琳はにっこりと笑って。

「そうよ。じゃ、頑張ってね」

 ・・・・・・鈴仙は今日もこき使われる。

 

*   *   *

 

「で? 鈴仙、どこかあてはあるんですか?」

 さっさと支度をして永遠亭を出たのは三人のスタンド使い。その内の一人、ジョルノ・ジョバーナが若干うんざりしたような声で鈴仙に聞く。

「えっ、あ。そ、そうだね・・・・・・。あては・・・・・・うーんと」

 鈴仙は慧音と妹紅の証言聞いていないため、代わりにドッピオが答える。

「確かあの患者を運んできてくれた二人は『人里付近の林中』って言ってたよ。・・・・・・って言っても俺は昨日ここに来たばっかりだから詳しくは分からないけど」

 その言葉に鈴仙は耳をぴーんと立てて。

「なっ、なるほど! 任せといて、その辺なら師匠にパシられて何回も行ったことあるわ」

 自分で言ってて悲しくないのかな、と余計な一言は心に留めておいてジョルノは「じゃあ、急いで向かおう」と言った。

 

 三人はしばらく竹林の中を走っていた。

「迷いそうだね・・・・・・これ。妖精も多いし、一人で歩くには危険だなぁ」

 きょろきょろと物珍しそうにあたりを見回すドッピオ。

「あ~、そうだね。きっと人間はすぐ迷っちゃうよねぇ~・・・・・・」

 てゐとかの罠とか結構残ってるし・・・・・・と鈴仙は小さくつぶやく。

「おや、二人とも。あそこ、見えますか?」

 と、ジョルノが立ち止まって指さした方向は・・・・・・。

「? あれ、こんな所に何で小道があるんだろう?」

 見ての通り、狭い道だった。だが、よく目を凝らしてみると竹を根本から切断して作ったもののようだ。

「うわ、見てよこれ。根本からスッパリ行ってるぜ」

「こんなとこ私初めてみたんだけど・・・・・・これさ、まさかこっちに人が行ってたりなんか・・・・・・しちゃってないかなぁ?」

 鈴仙はもしやと思い上空を見上げる。太陽は東側。ということはこっちが南で・・・・・・この道の延びている方向は・・・・・・。

「!! れ、鈴仙! 道を挟んで反対側にも同じように竹を切り開いて造った小道が!?」

「お、おい! ジョルノ、これって明らかに『まっすぐ』進んできたってことじゃあないか!? どっちに!?」

 ジョルノとドッピオは反対側にも小道があることを知り、驚愕しているが・・・・・・。

 鈴仙は心底やばいと思っていた。

「――――!! ふ、二人とも! 落ち着いて、聞くのよ・・・・・・!」

 鈴仙は二人の方向に向きなおり、指を指す。

「・・・・・・そっち」

 と、言って鈴仙の指の先はジョルノとドッピオが発見したもう一方の小道だ。

「こっちがどうしたんですか?」

「そっちは人里の方向なの。そして肝心のこっちが・・・・・・」

 と、鈴仙は背後を振り返る。

「永遠亭だわ」

 そう、彼女が指さした先にはついぞ出発したばかりの永遠亭がある方角。あそこにはまだ永琳、てゐ、輝夜、そして絶対安静下にある美鈴がいる。

「それは本当なんですか!? 鈴仙!」

 ジョルノが叫ぶが鈴仙は震えた声で独り言のように言う。

「ま、まさか・・・・・・!! もう一度、美鈴を狙いに来たんじゃあ・・・・・・!? そんな・・・・・・あそこにはスタンドに対抗手段のないみんなが・・・・・・!」

 同時に鈴仙は走り出した! その永遠亭に続く道を!

「お、おい! 止まれよ! 危険だ!」

「そうです鈴仙! 一人で行動はッ!!」

 駆け出す鈴仙を呼び止めるが鈴仙の耳には届かない。彼女は今最悪の状況を想像してしまっているからだ。

「し、師匠!! みんな!! お願い、無事でいて・・・・・・!!」

 そう鈴仙が言った直後である。

 

 ・・・・・・カチッ。

 

 鈴仙の耳元で時計の音が鳴った。何で? どうしてこんなところで秒針が止まる音が?

 彼女のそんな疑問は目の前の襲いかかる現実によって完全に打ち払われる。

「――――はっ!?」

 気が付いたときには前方――――数メートルの位置に5本程度のナイフがこちらに向かっていた!!

(ナ、ナイフッ!? 撃ち落とすか・・・・・・!? いや、ダメだ、私の弾幕じゃあ照準を付ける前に餌食になるッ!)

 およそ1秒先、自身の体に無数の刃物が突き刺さるイメージがよぎる。

(無理、死ッ――――!)

 ――――だが、背後で声が上がる。

「鈴仙ッ!! 『スタンド』で応戦しろォオーー!!」

 その声によってあきらめかけて停止していた鈴仙の思考は再び動き始める。

(ドッピオっ!? あそこからじゃナイフは分からないはず・・・・・・! いや、『未来予知』かッ!)

 ドッピオは未来を見ていた。――――鈴仙が小道に入って数秒後の世界を。

 

「――『セックスピストルズ』!!」

 鈴仙の合図に6体の小さなてゐ達が手元に現れる。

「話す暇はないわ! 6発! 真っ正面に撃ち込むから、みんなお願い!!」

 と、鈴仙はバラバラの方向から迫るナイフに対して照準を全く定めずに指先から弾幕を乱射した!

「マッカセロォォーーー!!!」

「キャッハーーー!!」

「ヨォークネラエヨテメェーラァーーーー!!」

 ババババババッ!

 弾幕発射の際のマズルフラッシュが鳴り響く中、ピストルズは鈴仙の命令通りそれぞれが弾幕の向きを調節する。

「YEARAAAAA!!!」「オラァア!!」「ウリャッ!!!」

 ある者はスライドさせるように、ある者は蹴り飛ばして方向を急転換させたりと思い思いに弾幕を拡散させ――――。

 キキキキキキィン!!

 迫ってきたナイフを撃ち落とした。

「――っ、はぁッ!! ぶ、無事なのよね?? 全部、落としたのよね??」

 鈴仙は瞑っていた目を開くと、全てのナイフが地面に落ちているのを確認できた。と、心配そうに地面を見ていると顔に衝撃が。

「痛いっ!」

「コォルァ! レイセンテメェー!! オレタチガムカッテクルナイフスラウチオトセネェトデモオモッテンノカ!?」

「ソーダゾ! ナメテンジャアネェー!」

「2、2ゴウ。3ゴウ! ヤ、ヤメヨウヨォ~・・・・・・タスカッタカライイジャンカ~・・・・・・」

「ウルセェー!! ナカスゾ5ゴウ!!」

「い、いふぁい! あやふぁるから、ほっふぇ抓らないれ~!」

 ピストルズはやいのやいの言いながらも鈴仙のほっぺたは相変わらず抓っていた。

 と、そこにドッピオとジョルノが追い付いてきた。

「何とか無事だったみたいで良かったですが・・・・・・鈴仙、勝手な行動を取られると本当に危険ですよ?」

「・・・・・・しゅん。ごふぇんなひゃい・・・・・・」

 鈴仙はしょんぼりしてうなだれる。ほっぺたは抓られたままだが。

「でも、私が助かったのはこの子達だけじゃない。ドッピオの声が無かったら、きっと私・・・・・・」

 ドッピオは目をぱちくりさせて「お、俺ぇ?」と言いたげだった。

「・・・・・・ですね。ドッピオが居てくれて助かりました。さっき言ってたことは前言撤回します」

「お、おいおい・・・・・・照れるだろ、よせよ・・・・・・」

 まさかここで自分がこんなに誉められるとは思ってなかったので若干顔を赤くするドッピオ。

「テメェー! ドッピオナンカイナクッテモ、オレタチデカッテニヤッテタゼ! ナァミンナ!」

「うえええ! だから抓るなっての2号ーー!!!」

 再び2号からほっぺを抓られていると、1号が突然声を荒げる。

「! オイ、オマエラッ! マエ、マエ!」

 

 ――――そこには一人。

「・・・・・・そうか、あなたも・・・・・・スタンド使いなのね?」

 『スタンド使い』という言葉を聞いて三人はそちらを向いた。

「ナイフの弾幕で100%断定できてたけど・・・・・・やっぱりアンタか」

 鈴仙はその人間に見覚えがあった。同じ従者的なポジション。気苦労の耐えない毎日。愚痴を交わし会う同士。そして男運のない27歳!

「十六夜咲夜ッ!!」

 ――この時、ドッピオとジョルノは咲夜と初対面ではある。しかし、彼は違った。しっかりと『覚えていた』。

 

(こいつは一度会っている!! 謎のナイフ術を使ったメイドだ・・・・・・。あのときはトリックが全く分からなかったが・・・・・・今なら分かる!! 一瞬だったが、この女・・・・・・『時間を止めた』!)

 

 ディアボロははっきりと『覚えていた』のだ! 最初に、彼が幻想郷に来て最初に彼を襲撃した人間! 十六夜咲夜のことを!

 

(おそらく、さっき時が止まっていたのを俺だけが理解できたのは俺のスタンド、『キングクリムゾン』と同じタイプの能力を持つだからだ・・・・・・)

 

 『キングクリムゾン』も時間に干渉する能力。『時の世界への入門』は十分に可能なのだ。

「・・・・・・鈴仙、分かります・・・・・・。この人はスタンド使いだ」

 ジョルノは鈴仙の横に並び咲夜を観察する。スタンドの像は出ていないが、何かを感じる。――おそらく、スタンド使い同士にしか分からない何かを。

「ってことは、こいつが例の事件の犯人ってわけか」

 ドッピオはディアボロの考えなどつゆ知らず、二人の背後で咲夜の様子を伺っていた。

「咲夜! あんた一体こんなとこで何してるの!? 紅魔館はどうしたのよ?」

 と、鈴仙が尋ねるも咲夜は・・・・・・。

 

 ふふふふふふふっっふふっふふ・・・・・・

 

「「「・・・・・・」」」

 不気味な笑みを浮かべて、三人をドン引きさせていた。

 

「ふふふ、ふふふふふふっ・・・・・・これは一体何の冗談かしらねぇ、鈴仙? 話したわよね・・・・・・『あなただけは私と同じ痛みを共有できる仲間よ!』って・・・・・・」

(うわ、何この咲夜。重たい・・・・・・)

 鈴仙はそう感じずにはいられなかった。

 そして咲夜は鈴仙ではなく左右の二人を指さす。

 ピタッ

「鈴仙、それは『男』ね・・・・・・??」

 

 ――そして鈴仙が「え? まぁうん。男と言われれば男だけど別にそんな関係じゃないし、しかも片方はただ昨日ここに流れ着いただけの外来人で、言っちゃあ悪いけど私こいつらは全然趣味じゃあないから、何か誤解しているようだけど決してそんな気はないからね?」と言おうとした。

 

 が、最後まで聞こうともしないのだ。十六夜咲夜は狂っていた。

 

「え? まぁうん。男と」「やっぱりそうなのねッ!!! 本当に本当に本当にさいっっっってえぇええええ!!!!! 私を裏切ったの!? 私を裏切ったのよね!? そうよねぇ!? ねぇ!!」

 

 叫ぶと同時に咲夜を中心に『冷気』がほとばしる。

「あなただけはッ! あなただけはッ!!! 私と同じだと思っていたのにッ! 絶対にゆるさなえ!! あなたの断末魔を聞いてあげなきゃ! 私は今日夜も寝られないッッ!!!!」

 そして彼女の周囲がピキピキピキっと凍っていく。

「うがあああ!!! クソックソッ!! イライライライライライラする!! こんなにコケにされた気分は初めてだわ!! まるで頭をウサギに足蹴にされながらクソまみれの便器に顔を突っ込まれているような気分!!」

 周囲が凍っていくと同時に彼女は氷の衣装に身を包む。手足を包む華奢な鎧、所々についた美しい白銀のフリル、頭を覆うのは大きなネコミミの付いた氷殻、無駄に容積の空いている胸元・・・・・・おっと誰か来たようだ。

 彼女の新たな世界が出来上がる。一瞬にして周囲は氷に囲まれた。その中心に立つのはまさしく『氷上の姫騎士』。美しさすら感じられるが――。

 そこには怒れる狂気があった!

 

「ねぇ、『瀟洒』って言葉があるじゃない? あれ、この前鬼たちに教えたら『へぇー、すっげえ良い響きだな』って言ってたのよ。私の二文字でもあるわけだし、気分が良かったのよねぇ~~~~。でもよぉ~、そのロリ鬼なんっつったと思う?『酒って感じが入ってるのが最高にハイだな!』って言ったのよ?」

 

「・・・・・・」「・・・・・・」「・・・・・・?」

 

 突然何かを話し始める咲夜。唖然に三人が思っていると・・・・・・。

「っざっけんじゃあねええええ!! 舐めてんのかクソッ!『瀟洒』って漢字はどう考えても『酒』じゃあねえだろッ!『洒』だよッ! さんずいの右側は『酉』じゃなくて『西』だろッ!!! クソックソッ!!」

 

 その怒りを気に、彼女の周囲は更なる極低温に包まれたッ!!

 

「――――間違いない! 『氷のスタンド』!! スタンド像が見えないが、はっきりと彼女を中心にスタンドエネルギーが感じられます!」

「圧倒的な冷気・・・・・・! 油断してると私たちまでカチコチよ! ジョルノ! 早く決着を付けないと・・・・・・やられてしまうわ!」

 鈴仙は両手を合わせて銃の形にし、いつでも迎撃できるようにピストルズを自分の周囲に配置する。ジョルノもそれに合わせて『ゴールド・エクスペリエンス』を出す。ドッピオは前髪を透かし見て、未来を見ることに集中していた。

 

 それを見た咲夜が一言。

「くくくく・・・・・・何だ、貴様等のよわっちそうなスタンドは・・・・・・。滑稽だな・・・・・・貴様等にも我が『時を止める程度の力』は全くの無用だな。すばらしき『ホワイトアルバム』の実験台として・・・・・・華々しく散るとするがいいわッ!!」

 と言って、姿勢を屈める。

「・・・・・・?? な、何をする気なの?」

 不可解な彼女の言動と行動に鈴仙が身構えると、直後に咲夜は三人の方へと全力で突っ込んだ。

「――ッ! よ、避けろ鈴仙! ジョルノ! そいつは『硬い』ッ!!」

 ドッピオは自身の見た未来で二人の攻撃が全く通っていないのを見てしまった。――この未来は実現するッ!!

「って言われても・・・・・・ッ! ピストルズ! 包囲した後、顔面狙いよッ! 動きを止めるの!」

「ここで黙って下がるわけには行きませんからね・・・・・・! 僕をあまり舐めないで下さいよ!」

 二人はドッピオの忠告にお構いなしに咲夜と真っ正面からぶつかり合う!

「ヨッシャアアアア!」

「イクゾテメェーラァアー!!」

「キャッッハァーー!!」

 鈴仙は弾幕を展開し、その無数の弾幕の間をピストルズは縦横無尽に駆け回りその弾道をひっかき回す。どれもがてんでばらばらに動いているように見えるが、それはピストルズの弾いた弾と弾が連鎖反応的にぶつかり合い――――咲夜の元に到達する頃には彼女を360度取り囲む形で弾幕が展開されていたのだ!!

 さすがの咲夜も周囲を取り囲む弾幕の目まぐるしさに特攻の足を止める。隙間なく、美しいほどの弾幕包囲だ。

「す、凄いわあんたたち!」

 鈴仙はあまりの美しい攻撃に驚きの声を上げる。

「ジョウデキダゼ!! アトイッパツダ!」

「ヤロウドモ、ネラエッ!」

 ピストルズ6体が一つの弾に集まり、弾速を加速させる。

「タタミカケロォ~!!!」

 咲夜は360度囲まれ身動きが出来ず、そのまま全身に鈴仙の弾幕を浴びてしまう!!

「ヨッシャア、ヤッタカ!?」

 ピストルズはもくもくと上がる煙の中、被弾した咲夜の様子を見ようと煙付近に停滞していると――――。

 

 ボっ!!

 

「ウッ、アガッ!?」

「ツ、ツメテェエエ!!!?」

「ウ、ウワアア!! 2ゴウ、3ゴウ!?」

 煙から伸びてきた突然の腕に2号と3号は掴まれてしまった!

 

「フゥー・・・・・・何だ? この程度か・・・・・・??」

 

 十六夜咲夜は――やはり、無傷だった。

 そのまま咲夜は手の中の二体のピストルズを冷凍していく。

「ウ、ゴッ!? コ、コオル・・・・・・?」

「アガッ、タ、タスケテ・・・・・・レ、イ・・・・・・」

「や、やめて咲夜!!」

 鈴仙は一発、咲夜の顔面に弾幕を放つが――

 

 チュインッ

 

「は、弾かれたッ!? 今のは私の弾の中で最も貫通力が高いのに??」

 鈴仙は愕然としてしまった。つまり、彼女のどんな弾幕もあの鎧には通らないと言うことだ。

「ふふふふ、笑わせてくれるわ鈴仙。雑魚と言っては魚に申し訳ないくらいの低威力弾幕。そんなんだからあなたのこのちっぽけな『スタンド』は――――」

 と、咲夜は全身の殆どを凍らされてすでに虫の息の2号と3号を。

「こんな目に遭うのだアァーーーー!!!」

 付近の竹に叩きつけようとしたッ!!

 

「無駄ァッ!!」

 

 バシィ!

 

 と、思いきやその腕は何者かによって弾き飛ばされてしまう。

「むっ・・・・・・?」

「ジョルノ、気を付けろ! 両腕で掴んでくるぞッ!」

「了解ッ!」

 ドッピオが指示を出し、ジョルノが闘う。いきなり腕を弾かれた咲夜はピストルズを手から落とし、ジョルノに向き直り腕を伸ばすが、やはりそれも弾かれてしまう。

「無駄無駄ァッ!」

「ジョルノ! 冷気の固まりを向けてくるぞ!! 背後に飛べ!!」

 うざったく思った咲夜がスタンドパワーを込めると瞬間冷凍の冷気がスーツから噴出される――が、それもジョルノによってかわされてしまう。

「ジョ、ジョルノォ~! ごめん、助かった!」

「いいんですよ鈴仙。これ、あいつから取り返しましたあなたのスタンドです・・・・・・。この二体はもう戦えそうにないですが・・・・・・」

 ジョルノはいつの間にか拾った2体のピストルズを鈴仙に手渡す。

「うぅ~、ごめんね二人とも。痛かったでしょ・・・・・・今は休んでて・・・・・・」

「ウゥ・・・・・・スマン、レイセン、ミンナ・・・・・・」

「ゲホッ、ウグッ」

 2号と3号は苦しそうにうめく。そこに他の4体が近づいて「ダイジョーブダ!」「アトハオレタチニマカセトケ!」と言ってくれた。

 鈴仙は2号と3号を戻し、残りの4体で何とか闘う術を画策していた。

(私の弾幕じゃ咲夜の氷は貫けない・・・・・・何か、方法を探さないと!)

 一方、その隣ではドッピオが未来を逐一見ており、闘っているジョルノに情報を伝えていた。

「ジョルノ! 背後からナイフだ!」

「右手の手刀だ! 上体を反らして交わせ!」

「上から来るぞ、気を付けろ!」

「すまん、やっぱり下からだ!」

 的確に指示を出し続けるドッピオだが、ジョルノに攻撃のチャンスは回ってこない。咲夜が無敵の防御力を誇るホワイトアルバムの鎧に防御を任せ、容赦のない攻撃を連続でジョルノに浴びせ続けているからだ。

「くッ、そ! せめて攻撃さえ出来ればッ!」

 あまりの防戦一方にジョルノはつい口に本心が出てしまった。

 と、咲夜がその一言を聞いて攻撃の手を止めた。

「・・・・・・負け惜しみ、か? このままゴリ押しで勝ったとしても後味が悪いわねぇ」

「・・・・・・? 何が言いたい?」

「私も、そこの未来予知君と君の防戦は崩すのに時間がかかると踏んだわ。つまり、他の方法で。と言いたいのよ」

 ジョルノはチャンスだと思った。このままでは全く勝ち目がないと思っていたがこんな所で意外な提案! 乗らないわけには行かなかった。

「ジョ、ジョルノ! 罠だ! 乗っちゃだめだ!」

「そうよ! 罠に決まってるわ!」

 ドッピオと鈴仙はそれとは真反対で、ジョルノを止めようと必死だが――――。

「大丈夫です、二人とも。何しろ、僕には考えがある。それに、おそらくこの人はそんなチンケな真似はしない」

 ジョルノは白い息を吐きながら二人にそう言った。

「あら、嬉しいわね・・・・・・あんなウサギの元に置いておくにはもったいないわ」

「僕もウサギの元には居たくないんですけどね。あなたの元はもっと嫌だ」

「・・・・・・減らず口を・・・・・・まぁ、いいわ」

 と、咲夜は『ゴールド・エクスペリエンス』の射程内に入ってきた。

「ルールは簡単。『ラッシュの早さ比べ』よ。お互いに全力で打ち合う。それだけよ」

「・・・・・・ベネ。シンプルで良いですね、気に入りました」

 ジョルノはゴールド・エクスペリエンスを身構えさせる。咲夜もより一層氷殻の強度を強くして身構える。

 

 

 ――――数秒後、二人は何の合図も無く同時に攻撃を始めたッ!

 

「「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!」」

 

 これ以上無い両者譲らぬ無駄無駄ラッシュ! 一発一発が弾丸のように速く、名刀のように鋭いこの気迫ッ! 流石の心配していた二人もこの凄まじい攻防には息を呑んだッ!!

 

「無駄ァ!」

「無駄無駄ッ!」

「無駄だッ!」

「無駄無駄無駄無駄ッ!!!」

 

 怒濤の全力疾走の如き拳の交わしあい! だが、無限にも思えたこの勝負も時間に換算してみればものの十数秒の出来事だった!

 

「無駄ァッ!!」

「ぐぅあッ!?」

 先に倒れたのはジョルノだった! 見ればゴールド・エクスペリエンスの両腕はすでに凍り付き、ジョルノ自身もスタンドの傷によってボロボロだった!

 一方咲夜は・・・・・・。

「ジョ、ジョルノッ!? そ、そんな! い、十六夜咲夜は・・・・・・ッ!」

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

「無傷じゃあないかぁあああ!!!」

 

 そう、十六夜咲夜はやはり、あのGEのラッシュを持ってしても傷一つ、ついていなかったのである!

 

「ええい、貧弱、貧弱ゥッ!!」

 咲夜は勝ち誇った顔でジョルノを見下していた。

「まさに敵なし! こんな素晴らしい力がかつてあっただろうか!? いや、無い! 私の勝ちだ、ジョルノ・ジョバーナ!」

 咲夜は嬉しさから完全に決めポーズを取って勝利の余韻に酔いしれていた。

「ジョルノ! に、逃げるんだ! もうダメだ! こいつには勝てない!」

「そうよジョルノ! 立つのよ!! 早く逃げてぇ!」

 咲夜がジョルノを手に掛けようと近づいてきていた。ドッピオと鈴仙はジョルノに逃げるよう促すが彼が起きあがる様子は全くない。

「くくく・・・・・・さっき美鈴は生かしておいたが、外来人! 貴様を生かす理由は全くない! この場で殺してくれるわ。全身を凍らせて体内がシャーベット状になるまでぐるぐるとスプーンでかき回して殺してやろう・・・・・・」

「な、何をする気なの咲夜!」

「やめろ! 残酷すぎる!」

 咲夜は動かないジョルノに手をかけて首を掴んだ。そのまま氷付けにするらしい。

「ふふ、何をする気だって・・・・・・? 決まってるじゃない鈴仙。これは、そう・・・・・・人体実験よッ!!」

 

「――――心配ないですよ。僕の勝ちですから」

 

「は?」

 ジョルノの突然の声。突拍子もない上に内容もバカバカしい。心配ない? 何を言っている。これから殺されるというのに、なんとまぁ滑稽な・・・・・・。

「URRRRYYYY!! この後に及んで舐めた口を! まずはその舌からカチンコチンにしてやろうかァッ!!」

「だから、心配ないですって。ドッピオ、僕のラッシュに見入ってて未来を見るの忘れてませんか?」

 と、ジョルノはにやり。笑っていた。

「――――はッ!?」

 その表情に何かを感じ取ったドッピオは急いで『墓碑名(エピタフ)』により未来を見ると・・・・・・。

「こ、これはッ!?」

「どうしたの!? 何が見えるの!?」

 ドッピオは恐ろしいものを見たようだった。

「いや、すぐに・・・・・・鈴仙にもわかる。あれをみろッ!」

 と、ドッピオと鈴仙は咲夜を見る。

「ふんっ、がたがたとつまらんことを抜かすわね・・・・・・。何かわからんが食らえッ!」

 と、咲夜がジョルノを凍らせようとしたときだった!

 

「・・・・・・??」

 自分の氷の衣装の内側に・・・・・・何かがいる――!?

「う、ウウワアアアッ!!? な、なによこれぇーーーー!! しょ、植物!? 気味が悪い、全身に、スーツの内部に根を張ってるわッ!?」

 そうッ! 咲夜の『ホワイトアルバム』のスーツの中には大量の植物が成長していたのである!

「それは名を『ジャイアント・ホグウィード』。聞いたこと無いですか? 植物図鑑にたまに載ってますよ? 『第一級危険生物』としてね」

「な、どうして『植物』が内部に!? どうして育ってきているの!?」

 咲夜の疑問は当然だった。植物がここに生えることもおかしいが、極低温の中で成長するのもありえないのだから。

 それには首を掴まれたジョルノが答える。

「それが僕の『ゴールド・エクスペリエンス』の能力。このスタンドが触れたものを生物にする能力。更に、生まれた生物は生まれた『環境』に適応するッ!」

 彼が元の世界で毒のワクチンを作るために毒のある環境で生み出した生物から抗体を取り出したのと同じ原理ッ! とある『環境』で生まれた生物はその『環境』に適応するのだッ!

「そして、もう一つ。その植物はさっきも言ったように『第一級危険生物』。見た感じは麻のようだが・・・・・・」

 咲夜のスーツ内で成長を進める植物か咲夜の右腕の皮膚に触れた途端――。

 

 ぶちゅっ!!

 

 気味の悪い音を出して葉から白いどろっとした液体が染み出してきたのである!

 

「きゃあああああああ!!?」

 あまりの気持ち悪さにたまらず咲夜は悲鳴を上げた!

「――それには触れない方がいいですよ。それに触れた箇所はその後数年間、日光に当たると炎症を起こして皮膚が壊死するそうです」

「――――ッ!?」

 それではまるで吸血鬼みたいなものじゃない!? 咲夜は自分のスーツ内でどんどん成長する植物を見て涙を流す。このままじゃ、全身にこの『白くてどろっとした謎の液体』を浴びる羽目になる――!

「う、あああああッ!!」

「さて、これで証明できたでしょう? あなたの負けです。能力を解除しても良いですよ? その時は僕のスタンドで貴方の顔を判別不可能なくらいぶん殴りますから。・・・・・・今から降参すると言うのなら能力を解除しますよ?」

 咲夜は精一杯だった。こんな子供に自分が負けるのも嫌だったし、あんなお子様吸血鬼たちと同じ運命になってしまうのも願い下げだった。

 だから彼女は――――。

「――ふふふッ!! 私は、私はまだ負けてなんかいないッ!!」

「き、気を付けてジョルノ! 咲夜にはまだッ!!」

 スペルカードがあるッ!

 ジョルノはその声を聞いてまだ闘争心があると判断し、咲夜の手から首を離させて一歩下がる。

 

 そして、咲夜のスーツ内の植物が一気に成長スピードを早める。

 

「遅いッ!! スペルカード!!」

 十六夜咲夜はプライドを捨てた――。

 

 

「幻世『ザ・ワールド』!!」

 

 

 時計の秒針は動きを止めた。

 

*   *   *

 

 幻世『ザ・ワールド』。スペル使用者以外の時を止める禁断のスペルカード。止めれる時間は咲夜の精神状態に比例し、絶好調時で3分程度だが、今の彼女は大きく動揺しておりせめて1分程度しか止められない。

「十分だッ! 1分あれば、このスーツから脱出しナイフを展開するだけなら余裕で出来るわ!」

 咲夜は『ホワイトアルバム』を解除し、氷の衣装を消した。すると自分の周りにさきほどの恐ろしい植物が取り囲んでいるという状況になるが時が止まっている間に、その植物が謎の白い液体を出すこともない。

「ふん、うっとうしいわね」

 咲夜は念のためナイフで植物を切り開き、外に出る。右腕に2、3滴着いてはいるが包帯でもすれば大丈夫だろう、まずは目の前の敵を排除せねば。と考えてジョルノと鈴仙とドッピオの方に目をやると――――。

 

「・・・・・・あれ? 一人、足りない・・・・・・??」

 

 咲夜の視界にドッピオの姿は無かった。

 

「・・・・・・」

 そんなバカな・・・・・・。

「・・・・・・!!」

 ありえないッ!

「・・・・・・ッ!!!」

 私以外に、そんなことがッ!?

 

 十六夜咲夜は圧倒的な邪悪の気配を背後に感じて恐る恐る振り返った。

 そこには――彼。

 

 帝王。

 

「な、ッぜ、動けるのッ!??」

 

 ディアボロが『キング・クリムゾン』を出して咲夜の背後に憮然として立っていた。

 

「十六夜咲夜・・・・・・『時を止める』能力か。スタンドではなかったが・・・・・・俺と近い力を持っている・・・・・・」

 

 咲夜は動けなかった。動いた瞬間殺されると用意に判断できたからだ。

 

 それほどの圧倒的悪意。

 

「まさか、俺と同じタイプの能力とはな・・・・・・。普段ならここで貴様を殺すところだが、これからの俺には『必要』な力だ。この世界には私だけが対応出来る。ドッピオの意識は完全に無くなるというのは今の俺にとってはありがたい。ドッピオといつでも強制的に交代することが出来るのだからな・・・・・・」

 ディアボロは咲夜の抱く恐怖感はそっちのけでぶつぶつと呟く。

「一度、お前に私は殺されかけたが――俺には『お前』が必要だ。もう少し話をしておきたいが・・・・・・限界のようだな。ここは忌々しいがジョルノ・ジョバーナに勝ちを譲っておこう」

 と、ディアボロは『キング・クリムゾン』で咲夜の背中を蹴り飛ばした!

 

「――――っガハァッ!?」

 

「――『キング・クリムゾン』。止まっている時を『消し飛ばせ』」

 咲夜は凄まじい衝撃とともに彼の言葉を聞いたのだ。

 

 そして、次の瞬間である。

 

 咲夜の意識とは全く無関係に、『強制的』に止まった時が解除されたのだッ!!

 

 時が再び刻み始めた時には既にディアボロのその姿はドッピオのものに変わっていたが、そんなことを咲夜が確認する余裕もない。

 

 なぜなら蹴られた先に――――ジョルノ・ジョバーナ。

 

 

(やれ、ジョルノ・ジョバーナ・・・・・・)

 

 

「――――ッ!?」

「ジョ、ジョルノ!! 迎撃するのよぉお!! って、ドッピオ何でそこに?」

 突然こっちに飛びかかってきた(実際は吹き飛んでいる)咲夜に驚くジョルノだが、鈴仙の一言で拳を握り直し――。

「や、めッ」

 咲夜の絞り出した声も届かずに。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!」

 

 黄金のラッシュが咲夜にとどめをさしたッ!!!

 

 どちゃあッ! と受け身も取れずに倒れる咲夜。ぴくぴくとは動いているが完全に気絶してしまったようだ。

「か、勝ったのね!? ジョルノォーーー!!」

「やったぜジョルノって、あれ? 俺何でこっちにいるんだ?」

「そんなことどうでもいいじゃない! あの無敵と思われた咲夜に勝ったんだから!!」

「そ、そうだね! すっげえなジョルノ!」

 二人は傷だらけのジョルノに飛びつき、十六夜咲夜を倒したことを実感する。

「――最後は何が何やらでしたけど・・・・・・」

 と、ジョルノは「痛いです二人とも」と言いながら、咲夜の顔を見て。

 

「宣言通り、誰とも判断つかなくなりましたね」

 

 そう言い放った。

 

*   *   *

 

 十六夜咲夜 再起不能!

 

*   *   *

 

 補足だよ! 第一級危険生物「ジャイアント・ホグウィード」

 

 ジョルノ君が咲夜さんの氷のスーツに寄生させた植物ですね。えげつない効果が本編では説明されていましたが・・・・・・。

 

 結論から言います。

 実在します。

 触れると謎の白い液体をぶちまけてエロ同人みたいな感じになります。

 液体の毒性もそのまんまです。

 皮膚に付着すると患部が炎症を起こし、さらにその部分が日光に当たると反応して皮膚が溶けるように壊死します。

 別名『ヴァンパイアリーフ』。まさに吸血鬼化する毒草ですね!




極低温じゃ植物は育たないって原作でも言ってるだろッ!いい加減にしろ!
と、思われる方もいらっしゃいますが、そこは何とか御了承下さい……えっと、投稿後2ヶ月ほど経ってからこのシーンの矛盾に気が付きました。苦しいですが、理由説明(言い訳)をすると、「ホワイトアルバムのスーツの中はぬくぬくらしい」という説明に準拠して「スーツ内なら生命も頑張れば生まれる」ということにしました。それなら植物も生えてくるんじゃないでしょうか(ぶっ壊れ理論)。
苦しい言い訳(理由説明)で申し訳ないです。でもこのシーン書き換えると凄い面倒なので許して下さい。何でもしますから!
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