ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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掴み取るんだ!未来を!明日を!

エピローグが残っていることに気づいて急ぎで書きました
俺は自分の執筆速度が怖くなってきた……
誤字脱字また多いかもですがいつも指摘感謝です!
みんなが思っているような介入じゃないかもですが……


過去は消えない、それでも

 2月15日の火曜日。

 今日は学年末試験に備えた仮テストがある日だ。

 それなのに私は学校を休んでいた。

 咳は少しまだ出るけど、熱の方は完全に引いていた。

 ただ寝すぎたせいか、食欲はあまりなくて薬を飲むために軽くパンを食べただけ。

 いや、違う。

 食欲がない理由も、寝すぎた理由も風邪のせいじゃない。

 もっと別の理由がある。

 みんなが心配のメールやチャット、電話をくれているのを見ながら私は窓の外を見る。

 

「こんなことで折れないって思ってたんだけどな」

 

 あの頃と何も変わってない、弱い自分のままだったことに自嘲的な笑みが浮かぶ。

 坂柳さんからの攻撃に、私はもう何も出来ないと思っていた。

 もう何もすることはないって。

 口ではなんとかする、なんとかするって言いながらもできたのは黙っているだけ。

 私は怖かった。

 私の抱える秘密を打ち明けて、みんなは私のことを受け入れてくれるのか。

 何より怖かったのは私が遠ざけた人が、私に失望して離れていくかもしれない。

 そう思った時がいちばん怖かった。

 

「やっぱり私は……何も変わってない」

 

 あの頃と同じで弱いままだ。

 だから今こうして寝込んでいるのも自業自得なのかもしれない。

 

「これで……いいのかな?」

 

 自問自答するように呟く。

 その問いかけに応えてくれる人はいない。

 誰も答えられるはずがないのだから。

 だけどいつまでもこのままじゃいけない。

 私はいつの間にか握っていた手を開く。

 掌には爪のあとが少し付いていた。

 それを見てまたため息がこぼれる。

 

「変わらないといけないのになぁ……」

 

 クリスマスパーティの時、斉木くんと夢ちゃんが盛り上がっていた話の中で何も捨てることが出来ないものに、何も変えることはできないという話があった。

 なんの事かは分からなかったけど、その言葉の意味はよくわかる。

 過去の一之瀬帆波から脱却するには、この過去を捨て去らないといけない。

 そのためにはこの過去を曝して、みんなの前に立たないといけない。

 けど、そう出来ない弱さが私にはあった。

 本当に自分が嫌になるとベッドの上で膝を抱えて蹲っていると部屋のドアがノックされた。

 

「誰だろう……」

 

 時間は22時30分、お見舞いには向いていないし、普通であればチャイムを鳴らす。

 昨日は綾小路くんが前もって連絡して来てくれたけど、またかな……と立ち上がってドアの前に立つ。

 どちら様ですかと言う声は出ずに相手からの反応を待つしかない。

 もしかしたらこれも坂柳さんからの嫌がらせかもしれない、そう考えたからだ。

 

(かなり参っているな。やれやれ)

 

 再びノックされる。

 でもその音は優しくて、私の気を害したりというような気配は感じられなかった。

 恐る恐る、私はドアについている覗き穴から外を見る。

 そして、廊下にいる大きな紙袋を持った変な被り物を被った斉木くんの姿を見て、ドアから2、3歩離れた。

 

(なんでだよ)

 

 な、なんで!? 

 そういえばお見舞いには来なくていいとは言ってなかった……けど、今!? 

 ていうか……斉木くん、アレ寝巻き? パジャマだよね? 

 頭の被り物は何!? 

 確か、男の子向けのやつだよね? 

 サイダーマン……だっけ? 

 

(改造人間サイダーマン2号なりきりセットだそうだ。母さんが夏休みに買ったサイダーマンの飲み物についてたシールで応募したら当たって、渡されたんだ)

 

 こんな真冬に薄着のパジャマで、しかも足は裸足にスリッパという見てるだけでも寒すぎる格好に加えて変な被りものまでしてる斉木くんに慌てて私はドアを開ける。

 

「な、何してるの斉木くん……?」

『ボンジョルノ』

 

 わ、わけのわからない挨拶まで……!? 

 もしかして幻覚? 

 心が痛めつけられておかしくなっちゃったのかな……? 

 一応、一旦閉めて深呼吸しよう。

 

(閉めるな閉めるな)

 

「すー、はー、すーっ、はぁーっ……よし」

 

 ガチャともう一度ドアを開けると斉木くんは『なんで閉めた?』という顔で私のことを見てくる。

 それを言うなら私もなんで今この時間に来たの? って言いたい。

 

「……えっと、何か、用かな?」

『用がないと来ちゃダメなのか僕は』

 

 いや、そんなことはないっていうか……むしろ嬉し……じゃなくて! 

 

「こんな時間にその……そんな格好で寒くないの?」

『とても寒い(パイロキネシスを使っているからそんなことはないが)』

「ちょっとまってて……」

 

 そう言って私は部屋に戻ると脱ぎ散らかしたままの服やら捨ててないゴミを急いで片付けていく。

 流石にこんな部屋を斉木くんに見せられるほど私は落ちぶれてない。

 っていうか普通に恥ずかしいし。

 

「ご、ごめんね、おまたせ」

 

 10分ぐらいかけて整頓し終えた私は玄関の鍵を開けて斉木くんを中に入れる。

 

(別に気にしないんだが、一之瀬さんが気にするなら仕方ないな)

 

 お邪魔しますと言って入って来た斉木くんは、部屋の中を見渡しはせずに『どこに座ればいい?』と聞いてくる。

 

「えっと……勉強机の椅子でいいかな?」

 

 言うと、斉木くんは頷いて椅子に座るとお見舞いの品でも持ってきてくれたのか紙袋を置く。

 本当なら玄関で済ませようと思ったけど、こんな寒い日にこんな格好で来てくれたことを思うと追い返すなんてこともできず部屋に入れてしまった。

 そもそも私のことを心配してくれたであろう気持ちを無碍にできないし。

 

「その……お見舞い、ありがとね斉木くん」

『いやこんな時間に来て悪いな』

 

 斉木くんはそう言うと被り物を取って、紙袋からお見舞いの品を出してくれるけど、そのラインナップが妙だった。

 DVDに、漫画に、本とこういう時定番であろうフルーツやゼリーみたいなものが一切出てこなかった。

 

「ごめん斉木くん、せっかく来てくれたところ悪いんだけどさ……何しに来たの?」

『お見舞いだが?』

「ちょっと、ごめんね」

 

 腰掛けていたベッドから立ち上がって斉木くんが持ってきてくれたDVDと漫画を見る。

 どちらもタイトルは見た事や聞いたことがあるけどちゃんと見たことがないものだった。

 本はDVDのドラマを単行本にしたものだった。

 

「なにこれ」

『一緒に観ないか?』

「……今から?」

『今から』

 

 う、うーん、普段なら別にいいんだけど、今の気分じゃそれもちょっと……というか斉木くんの考えていることが全くわからない! 

 

「ご、ごめんね、斉木くんちょっと整理させてね」

『やけに謝るな。気にしなくていいぞ』

「気になるの!」

 

 気にするなって言う方が無理だよ! 

 

「えっと、斉木くんはお見舞いに来てくれたんだよね?」

『ああ』

「それはどうもありがとう。私は見ての通りほとんど元気だから大丈夫だよ」

 

 ただ明日から学校に行けるかと聞かれたら……わからない。

 またあの手紙が入っているかもしれない。

 登校する時、帰る時、みんなからのあの視線を受けるかもしれない。

 何より、自分でなんとかするって言ったのに何もできてないことに、みんなに心配をかけていることに申し訳なくて顔を合わせるのが怖い。

 

『見たところ元気は無さそうだが?』

「……っ、そうかな、にゃはは、ごめんね。まだちょっと熱っぽいのかな」

 

 だから、帰って欲しいと言う前に斉木くんは立ち上がって私の前髪を上げて、もう片手を額に当ててくる。

 

「ひゃあっ!?」

 

 冷たくはなくて、どこか温かみのある手の感触、というよりは斉木くんに触れられたことに驚いて後ずさってしまう。

 

『……平熱じゃないのか? (ん? でもちょっと体温が上がったな。誤算の範囲だが)』

 

 当の本人は全く意に介してないようで、私のことを見てくる。

 

「わ、私平熱低いから……」

『じゃあ具合悪そうに見えるのは演技か』

「ち、違うよ!」

『わかってるよ。冗談だ』

 

 冗談じゃなかったら怒ってたからね……ほんとに。

 具合は悪いんだよ。

 風邪とは別の理由だけど。

 

「えっと、そういうわけだから私は大丈夫だから」

『どういうわけか全くわからないが』

 

 ……うん、そりゃそうだ。

 これは私が悪……悪いの? 

 

『とりあえず観よう。どっちから行く? 裁量臨店と名誉毀損の回とあるが』

「な、なんでその二択なの……?」

 

 本当にわけがわからない……。

 斉木くんって結構天然というかフリーダムなところもあったけど、こんなにだっけ? 

 もしかして、私を励まそうと傍若無人なふりをしてる……? 

 

「……斉木くん」

『なんだ?』

「私のこと心配してくれたの?」

『そりゃクラスメイトが風邪で寝込んでいたら普通に心配すると思うんだが?』

「そっか……ありがと……けど、大丈夫だから、だからさ……」

 

 続きの言葉を言おうとして、私は斉木くんがあの話題に一切触れようとしないことに気づく。

 きっと私なら聞いちゃうと思う。

 そりゃ関わらないでって言われてはいるけど、どうなっているのかとかは気になると思うから。

 

「……ねぇ、その、私から聞くのは変なんだけどさ……聞いてもいいかな?」

『ああ』

「どうして斉木くんは、私に何も言わないし聞かないの?」

 

 斉木以外のクラスメイトや、桔梗ちゃんやひよりちゃんたちはみんな体調の心配とか、噂のことで気が滅入ってるんじゃないかと心配してくれる。

 悩み事があるなら相談して欲しいって言ってくれる。

 なのに、斉木くんはそんなことを一切言おうとしない。

 

『関わるなと言われているからだが?』

 

 不服そうにしている斉木くんはどこか拗ねたような感じで、少しだけ可愛いと思ってしまう。

 

「ご、ごめん、私がそう言ったんだったね」

『ああ』

 

 ごめんなさいって言って、私は俯く。

 わかってるよ、今こんなことを言うべきじゃないって。

 みんなや斉木くんの厚意を無駄にしてるのもわかってはいるんだよ。

 けど、今の私にはどうしようもない。

 坂柳さんは私が何をしたか知っている。

 ただ普通に話しているだけのつもりだったのに、私がうっかり口にしてしまったことから、坂柳さんは私が過去にしたことに気付いてしまった。

 

『僕は正直、今回の件、全く興味がないんだ』

「え?」

 

 DVDを勝手にDVDプレイヤーに挿入しながらリモコンを握った斉木くんは私をチラッと見る。

 

『一之瀬さんが昔どんな人間だったかは知らないが、この1年、僕が見てきた一之瀬さんは噂のようなことをする人間じゃないと知っているし、一之瀬さんが今までクラスのため、学年のためにやってきたことを否定することには繋がらないだろう』

 

 DVDプレイヤーがディスクの読み込みをしている間も斉木くんは続ける。

 

『君がこうして閉じこもっているのは、罪の意識があるからなんだろう? 昔にやったことを後悔している。それなら、いいじゃないか』

「……え?」

『悪い事をした自覚があって、それを後ろめたいと思って隠していたということは恥ずかしいことじゃない。むしろ、罪の意識があってそれを繰り返さないようにすることは誰にでもできることじゃないだろう』

「でも、私、昔、その、悪い事したんだよ? 過去は消えないって、ずっと付きまとうって……」

『所詮は過去、終わったことだ』

 

 斉木くんはそう言い切るが、私は斉木くんみたいに強くない。

 それに、わかんないよ。

 斉木くんみたいに頭良くて、運動できて、難しいことが分かる人には。

 

『僕も昔はかなりやんちゃでな、母親がみりんを切らして買いに行かなきゃと言ったことがある。僕はそれを聞いてどうしたと思う?』

「え? えっと……」

 

 それっていつくらいの話だろう? 

 昔ってことは小学校とか? 

 

『財布も持たずに近くのスーパーから数本かっぱらってきた。いわゆる万引きというやつだ』

「うえええ!?」

 

 衝撃の告白に私は声をあげて驚く。

 

『あとは自転車を補助輪なしで乗れることを誇らしげにしていたやつがいたから無免許でバイクに乗って心を折ってやったり』

 

ち、中学生の時とかかな?

 

『ロボットを作って胸を張ってる奴がいたからそれをお菓子の空き箱やらで作ったロボットで破壊してやったりもした』

「え、えぇぇ……?」

 

 あとは……と続けようとする斉木くんに、私は待った待ったとストップをかけると斉木くんはヤンチャ時代の話をやめる。

 

『まあ、そんなわけで誰しも完璧ではないということだ。しかし、僕はその事は気にしてないし興味もない。終わったことだからな。気にしたところでどうにもならない』

 

 それは、そうだけど……。

 

『調子に乗ってるやつを負かしたのは当時の僕が負けず嫌いだったからだが』

 

 え、今もじゃないの……? 

 龍園くんには負けたくないからみたいなの言ってたし、南雲先輩のことボコボコにしてたのも負けず嫌いだからだと思ってるんだけど。

 

『だが……みりんを盗ってきたのは良かれと思ってだ。母さんの負担を減らしたい。少しでも役に立ちたいと思ったからだ』

「……っ」

『結果的に迷惑をかけてしまったが、根底にあったのは願いだったんだ』

 

 そうだ、私も悲しむ妹を見たくなかったから、誕生日くらい心の底から笑って欲しかったから。

 

『と、まぁ僕のくだらない昔話は終わりにして気分転換でもしよう。この回は面白いんだ』

「情けない私でも……いいのかな?」

 

 楽しそうに話し始めた斉木くんを遮るように私は問いかけた。

 

『いいんじゃないか? 僕は完璧超人よりはそっちの方が人間味があって嫌いじゃないが 』

「ひゃうっ」

 

 テレビをつけた斉木くんはポテトチップスの袋を空けて私に渡してくれる。

 

『気合い入れてみてくれ、ちなみに、原作のこの場面はここなんだ』

 

 こうしてお見舞いに来ておいて斉木くんは私のことをあれこれ聞かず、世間話のように会話をする。

 こんな話をしているうちに私達は深夜を過ぎていた。

 

「ふぁあ……」

 

 今日一日中眠っていたのに欠伸が出てしまう。

 斉木くんの言う通り、持ってきてくれたドラマは面白かったし、ちょっとというかかなりタメになったし、何より今私が置かれている状況から逆転した時に使えそうな言葉とかが多かった。

 

「斉木くん、このチョイスって……」

『坂柳さんの件だが、僕にも責任があるんだ』

「えっ?」

 

 斉木くん曰く、理由はよく分からないが、坂柳さんは斉木くんがこういった問題を解決するプロか何かだと勘違いしているらしい。

 それで冬休みの間に弱点の見つかった私を使って問題を起こして、斉木くんに解決させようとしたらしい。

 

『つまりは君は巻き込まれ事故なんだ。すまない』

 

 頭を下げてくる斉木くんに私は首を横に振る。

 

「ううん、私の方こそ1人で何とかするって言っておいてなんにも出来てなくてごめんね」

『互いに謝りあったところで手打ちにしよう。延々と続きそうだ』

「うん、そうだね」

 

 私と斉木くんはどこか似てる。

 良かれと思ってやったことが裏目に出てしまったこと。

 でも、斉木くんにとっては取るに足りないことだと切り捨てたのに私は未だにそれに苦しめられている。

 でも、斉木くんはそんなことに囚われずに前に進んでいる。

 

「斉木くんって凄いね」

『僕からすれば君の方がすごいと思うがな。よくクラスをまとめようと思えたなと感心している』

「それは、変わろうと思ったからさ。弱いままの自分じゃ嫌だったから、強くなろうと、強い自分を見せようって虚勢を張っちゃったんだよ」

『でもそのおかげで助けられた人や勇気を貰った人はいるんじゃないか?』

 

 斉木くんはそう言って私に携帯の画面を見せてくる。

 そこには林間学校で同じグループになった白石さんから橋本くんへ、橋本くんから斉木くんへと送られたボイスメッセージがあった。

 それを聞いて私は目を見開き、そしてそのボイスメッセージに添えられた白石さんのメッセージを見て視界が霞む。

 

【林間学校ではお世話になりました。なにかの役に立てればと思い、これを送らせていただきます。私は一之瀬さんが過去に何をしたかは知りませんが、林間学校で共にした8日間から貴方が好き好んで罪を犯すような人ではないと思っています。要らぬお節介かもしれませんが、過去ではなく、これからのために頑張ってください】

 

『さぁ、どうする? 君がこのままここで閉じこもってるのを良しとしない人達がいて、かつ君を苦しめている相手に反撃できるだけの手札は揃っているが』

 

 焚き付けるように言う斉木くんは、それだけ言うと私から離れて扉の方へと歩く。

 

『僕は手を出してはいけないことになっているからここで退散させてもらうが』

 

 とっくに時刻は日付が変わってしまっている。

 私はここで何もしなかったら、本当に取り返しがつかないかもしれない。

 この1年間積み重ねてきたものを失うことになるかもしれない。

 けど、そんなの嫌だ。

 私は変わりたいんだ。

 変わらなくちゃいけないんだ。

 

「斉木くん」

『なんだ?』

 

 扉を開けて廊下に出ようとする斉木くんに私は言う。

 

「ありがとう。明日……ってもう今日か……必ず学校に行くから……それで坂柳さんと話す時はどっか行っててね。みんなから貰ったもので……私の力で何とかしてみるから」

『(まあ坂柳さんを撤退させるだけなら僕はいらないか)わかった』

 

 頷いた斉木くんは廊下に出ると静かに扉を閉める。

 つけっぱなしになったテレビと、彼が置いていったDVDや漫画を眺めながら私は決意する。

 

「よし!」

 

 何でも出来るってわけじゃないけど、まずはやるべき事をやろう。

 翌日、朝8時10分。

 私は4日ぶりに制服に身を包み、部屋を出る。

 この時間なら既に生徒の大半は登校している頃合いだろう。

 けど、それでもいい。

 私は歩き出した。

 昨日の夜遅くまで起きてたけど、不思議と眠気は無くて清々しささえ感じる。

 寒さもあって少し肌寒いけど、それが私の頭をシャキッとさせてくれる。

 

「まずは……みんなに謝らないとね」

 

 昼休みか、放課後には坂柳さんがやって来るかもしれない。

 その時に私の罪を白日のもとに晒されるかもしれない。

 でも、そんなの関係ない。

 私を心配してくれた人、私を信じてくれた人、そしてこんな私でも嫌いじゃないって言ってくれた人のためにも、まずはこんな不毛な噂は終わらせないと。

 それが私なりの恩返しになるはずだから。

 

 

 

 私がやってしまったことは取り消せない。

 どれだけ時間が経っても、罪が無くなった、そう思える日は来ないかもしれない。

 けど、これからも私はこの罪と向き合い続ける。

 もしも、自分を見失いそうになったその時は。

 

「その時は……またDVDとか見せてくれるかな……なんて」

 

 正義の味方が来てくれるかも。

 なんて、救われることなんてないと思ってた私の心は少し晴れやかだった。

 




この介入は僕自身の意志だ!

ってことで昔悪いことしてたのは君だけじゃない
昔が悪くても今、これからが良かったらいいんだ
昔ヤンチャしてた不良が更生して褒められる理論みたいな感じもあるけど、一之瀬さんはヤンチャしてたわけじゃないし妹のためにやったことが良くなかった。良くなかったことをちゃんと自覚してる
昔やったことが消えるわけじゃないけど、未来にあるものはあるから
それにこの1年一之瀬がやってきたことを見てる人はちゃんと見てるから
その人たちの感謝を期待を裏切らないために頑張って欲しいって感じの話。

綾小路みたいに心ぶっ壊すんじゃなくて、躓くことは恥ずかしいことじゃない。立ち上がらないことが恥ずかしいんだぞって楠雄は言いたかったが、回りくどく長々と話してしまって両さんみたいに上手くいかないな……ってフラフラで実家に帰ってちょっと寝て学校に行った。

白石さん→葛城くん優勢だし、坂柳さんのやり方は目に余るし、一之瀬には感謝もあるしと思ってたところに普段はうるせぇのが「Bクラスに落ちた上に他クラスの生徒を引きこもりや最悪自殺とかに追いやったとしたらうちの信用ガタ落ちですよ、やばいですよ」とまともなこと言ったから。
「一之瀬帆波が欠けてる状態のクラスに勝って、Aクラスに戻っても私たち針のむしろですよ。気分はボークで押し出しで勝ってしまった海堂高校みたいな」と橋本と斉木くらいしか拾ってくれないネタを言ってたりした。
橋本経由したのは一之瀬さんの連絡先をまだ知らないから。
復帰後、一之瀬がちゃんと連絡先交換してお礼も言った
橋本が楠雄に送ったのは、送っといたら楠雄が一之瀬と接触せざるを得ないと思ったから

斉木くんのお見舞いの品→〇沢直樹 リーガル〇イ 〇ンター〇ンター(クラピカ煽り抜粋)

あと1話やったら9巻終わりです!!
それはまじで間空きます!!ほんまか!?うるせぇ!!いくぞ!!
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