ようこそ超能力者のいる教室へ -1年生編-   作:オールF

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偽善で結構!やらない善よりやる偽善だ!


人間が足掻いたなら運命は変わる

 今回の試験は、Aクラスは2000万プライベートポイントを支払うことによる救済で退学者を出さない方針にしている。

 そのため他のクラスよりは教室に漂う気配は良く、心地良いものになるはずだ。

 しかし、どうしたことか僕へ向けられる視線は、級友を歓迎するような温かみのあるものではなく、呆れや戸惑いといったものがほとんどだった。

 担任教師ですらホームルームのためにやって来た際は僕を見るなり(聞いてたおかしなメガネは授業中にはしないのね)と失礼なことを考えていた。

 

(坂柳さんかぁ、私的にはお人形さんみたいで可愛らしいけど今までの動きだとサディスティックな面が強いし、受けの斉木くん的にはアリかもしれないけど一之瀬さんの悪評流してたって言うしなぁ。悪いけど、先生的にはNGです)

 

 真面目にやれよと思いつつも、星之宮先生がお気楽でいられるのもこのクラスでは退学者が出ないと信じているからだろう。

 このクラスの憂いごとと言えば誰に批判票を入れるかくらいではあるが、今のところその役目は神崎が請け負うことを宣言しており、試験が終わり次第僕が救済することになっている。

 あとは批判票をバラけさせ、持っている賞賛票を誰に入れてプロテクトポイントなるものを獲得させるかという話し合いくらいだが、僕は副業で忙しいため参加することはない。

 休み時間になるとクラスメイトのほとんどは次の授業の準備やら、他愛もない会話をしたり、膀胱や腸の中に溜まった不純物や余り物を出しに行ったりするものだが、今日は違った。

 

「斉木、1000プライベートポイントマンとやらはこの教室ではやらない。そういう認識でいいのか?」

 

 まずは神崎が授業が終わるとすぐに僕の方へと振り返ってそう問いかけてきた。

 クラスメイトは、僕がクラスのためにポイントを集めていることは分かっているし、このクラスの生徒からポイントを集めるのは本末転倒な行為であることも理解している。

 しかし、最終的にポイントが2000万に届かなかった場合、ポイントを集めることになるにはなるだろうが、それはわざわざ1000プライベートポイントマンになって回収することはない。

 というか、最終日にクラスメイトたちからお願いごとを聞いて1000ポイントずつ回収してたんじゃ間に合わないしな。

 

『その認識でいい』

「そうか……それで順調か? 聞けば……坂柳からポイントを巻き上げているという噂になっているが」

 

 人聞きが悪いな。

 僕は願い事を叶える対価として報酬を貰っているだけだ。

 なんでも願いを叶える代わりに心と身体が蝕まれるまで魔法少女になれと言っているわけじゃないんだから、平和的だろう。

 しかし、僕の評判が落ちるのはとてもいい。

 今回の行動の目的の1つだしな。

 体育祭からようやく下火になり始めた斉木楠雄フィーバーだが、クリスマスやら林間学校で南雲に勝った生徒という噂やら、美女3人とデートしていたなどという下世話な話も流れて再燃しそうになっていたからな。

 もう学校中に名前と顔が知れ渡り、目立ってしまっているのであればそれを逆手に取らせてもらおうと思った次第だ。

 坂柳さんには利用する形になってしまって申し訳なくもあるが、本人は満足そうであるし僕も気にしないことにした。

 

「坂柳1人から貰えるポイントで不足分はカバーできそうなのか?」

『計算上はな』

 

 本当は少し足りないが、試験前日に南雲辺りを挑発して、ポイントを払え、払わなければ今までの悪事をバラして生徒会長の座から退役させると脅せばなんとかなるかもしれない。

 

「(……まぁ斉木の周りには変わった知り合いが多いし、気まぐれでポイントをくれる奴もいるか)わかった。俺になにかできそうなことがあればいつでも言ってくれ」

 

 頼もしい限りだな。

 

『じゃあ、早速いいか?』

「ん? なんだ?」

『休み時間が始まったらなるべく僕に話しかけてくれ。昼休みと放課後は放っておいてくれていい』

「(坂柳のところに行くのか?)わかった」

『そして、もう1つ』

 

 僕はスっと教室の窓際で固まる女子たちの方へと目線を向ける。

 

『昼休みや放課後にあの子らが僕に変な依頼をして来ないように見張っておいてくれ』

「(そういえば小橋あたりが一之瀬を焚き付けていたな。よく分からないが、クラスメイト同士でポイントを行き来させるのは試験前日でいいだろうしな)わかった。浜口にも手伝ってもらうとしよう」

「俺は?」

 

 いたのかと、聞いてきた柴田に神崎は淡々と言う。

 

「お前は悪ノリして加担しそうだからな。ダメだ」

 

 そう突っぱねると柴田も納得し、肩をすくめながらも了承した。

 神崎は僕の頼み通り、授業の合間の休み時間は必ずと言っていいほど僕に声をかけてきてくれた。

 期末テストが終わっているため、授業の内容はほとんど復習だったり、テスト外になってしまった教科書範囲をサラッと読むだけなのだが、神崎としては気になるところもあったらしくほとんどが勉強の話だった。

 そうしてようやく迎えた昼休みに僕はメガネを取り替える。

 グレートマックスな1000プライベートポイントマンの再誕である。

 

『じゃあ稼ぎに行ってくる』

「あ、ああ」

 

 誰かに声をかけられる前に素早く教室を出る。

 昼ごはんは置いてきた。

 この戦いにはついてこられそうにないからな。

 実際はさっきの休み時間で軽く食べてきたから食べれなくても問題がないというだけなのだが。

 坂柳さんの要件が分からなかったので、アポートで入れ替えできるようにお弁当の容器代をブレザーの内ポケットには入れてきている。

 Bクラスに入ると教室中の視線が僕に集まるが、またかという視線がほとんどだった。

 

「どうも楠雄くん。来ていただいてすみません」

 

 気にするなと首を振り、今回の要件を聞く。

 

「少し外に出てもいいですか? ここではしにくい話なので」

 

 坂柳さんがそう言うと僕らの会話に聞き耳を立てていた教室がザワつく。

 周囲の反応など気にすることなく、教室の外へと出ると、僕のことを追ってきたのか一之瀬さんや白波さん、網倉さんといった面々が視界に入った。

 

「……楠雄くんが連れてきてくれたのですか?」

 

 連れてきたというか勝手についてきたというか。

 しかし、坂柳さんとしては一之瀬さんたちが来たことは幸いだったらしく、コホンと小さく咳払いをする。

 

「一之瀬さん、こちらから伺うつもりでしたが来てくれて助かりました。お話したいことがあるのですが、お時間はありますか?」

「え、う、うん……(斉木くんが坂柳さんと何してるか気になって来ちゃったけど、私に用事……? なんだろ……)」

 

 戸惑う一之瀬さんに坂柳さんはふぅーっと深呼吸をする。

 

「先日、一之瀬さんにまつわる噂の全ては私が流したものです。そのことを告白すると共に、謝らせていただきたいのです」

 

 吐き出された息と共に坂柳さんはそう言って一之瀬さんの目を見据える。

 なんだなんだと廊下の様子が気になってBクラスの生徒も出てくるとこの光景を見て驚きを隠せないようだった。

 

(坂柳が謝罪? なんの冗談だ? まさか斉木が何か言ったのか?)

 

 橋本が疑いの目を向けてくるが、僕は何も言っていない。

 昨日のことがきっかけであることは否めないが、謝ろうと決断をしたのは坂柳さんだ。

 

(どういうつもり? 謝った上で退学するってこと? それとも退学も無かったことにする気?)

(あの坂柳が素直に謝る……? 一体何をしたんだ斉木は……?)

 

 神室さんや葛城さんだけではなく、Bクラスのほとんどが似たような反応だった。

 それだけ坂柳さんのこの姿は衝撃的なのだろう。

 その坂柳さんは努めていつもの声音を保っているが、こうして面と向かって謝罪をするのは初めてなのか、その手足は小刻みに震えている。

 許して貰えなかったらどうしようという不安や自分が周りから弱い立場として認識されている恐怖、今までとは異なる自身の隣に立つ仲間はいない。

 そんか状況では震えるのも仕方がないが、今はこの1000プライベートポイントマンがいる。

 震える彼女の手を取ってやると、僕は何も言わずに隣に立つ。

 

「あっ……(楠雄くん……?)」

「むっ(斉木くん? なんで坂柳さんの手を……って)あっ……(そっか、坂柳さん震えてるんだ。だから、斉木くんは……)」

 

 細く、白く、ガラス細工のように繊細な手を壊さないように軽く握ってやると坂柳さんは安堵の表情を浮かべる。

 

「(そうでした……今の私は1人じゃない、こんなにも頼もしい……1000ポイントの関係ではありますが、味方がついています)私のやったことが許されるものではないことは理解しています。その罪滅ぼしにはならないかもしれませんが、謝らせて欲しいんです。あらぬ誤解や風評に悩まされたと思います。ごめんなさい、本当に申し訳ありませんでした」

 

 そう言って頭を下げた坂柳さんに見ていた全員が絶句した。

 当然、一之瀬さんも驚いているようでどうしたものかと目線を彷徨わせる。

 本人としては噂でのことは済んだ話であり、怒っているわけでも、坂柳さんに恨みを抱いているわけでもない。

 ただ謝罪をしてくれると思っていなかったのであろう様子は伝わってくる。

 しかし、その様子を周りは勘違いしたのか、一之瀬さんよりも先に口を開く。

 

「やっやめてよ、そんなんで許されるわけないじゃない!」

「そうだそうだ! 今更謝っても遅いだろ!」

 

 一之瀬さんのことを誰よりも大切に思う白波さんが言うと、名も知らぬ男子、恐らくは葛城派の男子が割って入るように坂柳さんに抗議した。

 坂柳さんは彼らに向かっても同じように頭を下げる。

 

「はい、許されないことも、謝るのが遅かったことも認めます。しかし、私はもう3日もすればこの学校を去る身です。なので、ここで言っておかないと私は……一生後悔をするかもしれない。そう思ったんです」

「っ! (なんか調子狂うなぁ)」

 

 どうしたものかと途方に暮れるBクラスとAクラスの生徒たちは坂柳さんの態度に「本気なんじゃ?」「でも退学するからって言ってたし、自己満足なんじゃ」と口々に言う。

 

『静粛に』

 

 カンとガベルで台座を強く鳴らす裁判官のように僕がそう言うと、全員が口を閉じる。

 

『今この場は一之瀬さんと坂柳さんのものだ。傍聴人は静粛に』

 

 別に彼ら彼女らが口を挟む権利はあるだろう。

 一之瀬さんの友人たちは彼女が傷つけられ、悪く言われるのを間近で見てきた。

 坂柳さんを責める権利はある。

 葛城派閥の人間も、坂柳さんの行いを止められなかったにせよ、それを止めれば自分たちがどうなるか分からないという恐怖があり、その恐怖から解き放たれた今、やり返すように声を大きくする権利もある。

 だが、それらは今この場に相応しくない。

 

(あのメガネで言われても締まらねぇなぁ)

(かっこいいですね……まるで最高審判官のようです)

(全員教室に戻れ、やり直しだとか言うんですかね)

 

 黙ったはいいが、心の中で色々と言うのはやめて欲しいな。

 特に森下さんのそれは裁判官じゃない、弁護士だ。

 そう思っていると、一之瀬さんがやっと口を開く。

 

「……私はさ、別に坂柳さんのこと恨んでないんだ。確かに色々と言われたりして困ったこともあったけど、それと同時に自分の在り方について改めて考えることもできた。だから、許すとか許さないとかは私にはないんだ。むしろ、ありがとうって言うか……あはは、こういうこと言われても困るよね」

 

 気恥ずかしくなったのか頬を掻く一之瀬さんに、坂柳さんは穏やかに笑った。

 

「ええ、まさかそんなことを言われるとは思っていませんでした……私はあなたを侮りすぎていたようです」

「そんなことないよ(斉木くんやみんながいなかったら私は部屋から出ることが出来なかったし。坂柳さんの言う通り厚顔無恥な、不甲斐ないリーダーだけど、立ち止まってたら何にも手に入れられないから)」

 

 この2人の会話はもう終わったと思っていいだろう。

 坂柳さんも一之瀬さんも納得した表情をしているし、これ以上ここで口論になることもなさそうだ。

 

「Bクラスの皆さんにも謝らせてください、私の独善的なプライドに付き合わせてしまい、大変苦労をさせてしまったこと。そのせいでAクラスから落ちてしまったこと……本当にすみませんでした」

 

 そして、坂柳さんは所属しているBクラスの方へと向き直って再び深く頭を下げた。

 普段の女王然とした態度からは想像できない姿に皆、戸惑っていたが、その中から葛城が前に出る。

 

「俺の方こそお前のやり方に反発しながらも具体的な案を出すことが出来ず、不甲斐ない姿を晒したのは俺も同じだ。申し訳ない」

 

 葛城もまたクラスのリーダーとして立っていたものの、それらしき結果をもたらすことができなかったことを恥じて、坂柳さんへと頭を下げた。

 入学当初から反目し合い、時に冷戦のようなことをし、時に他クラスを利用してどちらかの足を引っ張り合うことも多かった2人が、今こうして互いに頭を下げている様はなんとも言い難い光景なのだろう。

 坂柳さんと葛城が頭を下げたことでこれからなにか変わることは無いが、2人の中でのわだかまりは解消されるだろう。

 

「葛城さん……坂柳が謝ったところで退学させるのは変わらないっすよね?」

 

 しかし、そうなるとBクラスからすれば、坂柳さんが更生したことにより、今回の試験で退学しないのではないかと不安になるだろう。

 

「安心してください。私が謝罪したのは心残りがないように……誰かが言った通り自己満足の部分もありますから。退学することは変わりありませんよ」

「坂柳」

「いいんですよ葛城くん。1つのチームに2人もリーダーはいりませんよ」

 

 なにか言いたげな葛城に、坂柳さんはそれ以上は言わなくていいと制止する。

 

「だがCクラスのように欠点を補い合う方針を取ることも」

「そうなれば、私以外の誰かが退学になります。せっかくクラスがまとまったとしても、いずれどこかで誰かを切り捨てる……そんな思考が過ぎるようになった皆さんが本当に私たちを信用できると思いますか?」

「それは……」

 

 どちらの言い分も正しいが、葛城は坂柳さんにBクラスに残って欲しいというのが伝わってくる。

 この1年で葛城は誠実にクラスに向き合ってきたが、龍園によるプライベートポイントの搾取に巻き込まれたことが彼にとって大きな足枷になっている。

 自分がいなければ毎月のプライベートポイントの流出量は減り、坂柳さんという搦手に強いリーダーが残る。

 そうなれば葛城を慕っている生徒たちがAクラスで卒業できる可能性が高いと考えているのだろう。

 つまり、坂柳さんが残ることになれば……。

 

「このまま話していても時間の無駄ですよ。私は自分の決めたことを変える気はありません」

「そうか……なら仕方ないな」

 

 頑なに葛城の提案を拒む坂柳さんは僕に手を握られたままであることに気づく。

 

「ありがとうございました、楠雄くん。あなたのお陰で伝えたいことは伝えられました」

 

 手を離して欲しいと目線で訴えてくる坂柳さんに従い、手を離すと坂柳さんは携帯を取り出す。

 

「楠雄くんの手をこれ以上煩わせると一之瀬さんやAクラスの方々の心象を悪くしてしまうかもしれませんし、私のことは大丈夫ですよ。いい思いはさせていただきましたし、放課後の予定も無くなりましたのであとは自分の為に使ってください」

 

 坂柳さんはそう言うと、おそらくは彼女が残りの日数を過ごすために必要な最低限のポイントのみを残して、全てのプライベートポイントを僕に送り付けてくる。

 

「私はただの学生で、ただの人間であることはよく分かりました。たった一言、謝るためにも沢山の勇気がいりました。それを知らずに今まで生きてきたことは私にとっての最大の不幸だったのかもしれませんが、それに気付かせて貰えたのもまた最大の幸福でした。本当にありがとうございました」

 

 謝罪ではなく、感謝の言葉を述べてくる坂柳さんは僕へと抱きついてくる。

 

「なっ!? (さ、坂柳さん!?)」

(ひゅ〜っ)

 

 突然のことに驚く一之瀬さんや、口笛を心の中で吹いた橋本、困惑する生徒たちを無視して、坂柳さんは僕の胸板に顔を埋めている。

 

「ほぼ全財産であってもこれが限度ですよね」

『そうだな』

 

 事前に申請されてないが、額とさっきまでの行動に免じて許してやるとしよう。

 

「退学までにチェスもしていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

 一応昨日する予定だったしな。

 構わないと伝えると坂柳さんは微笑んだ。

 

「ありがとうございます。それでは、またその時に」

 

 坂柳さんはそう言ってから周囲の目線に気付いたのか、僕から距離を取った。

 

「そ、それでは私は、その、御手洗に行きますので……」

 

 まるで何事もなかったかのように振る舞う坂柳さんはカツカツと杖を鳴らしてトイレの方へと歩いていく。

 そんなに心臓に負担のかかることして大丈夫なのだろうかと心配しつつ、用済みにされてしまったため、とりあえずは教室に帰るかと歩き出す。

 

「いやいやいやいやいや! どうなってんだお前のメンタル!? 普通女子に急に抱きつかれたら、なんか、こう……あるだろ!?」

『ありません』

 

 手頃なお弁当を食べて下山する隊士のように歩き出すと橋本が慌てた様子で僕の肩を掴んで言う。

 何故僕が責められているんだ。

 僕に責任はないだろう。

 

(あいつ、斉木には生物的な好意しかないって言ってたのに、あの顔は完全にそうだろ! メスだろメス! 人がメスになる瞬間を初めて見ちまったよ!)

 

 メスメス言うなよ、気色悪い。

 お前の思考全部周りに垂れ流してやろうか。

 

「おっおお……おっおい! 一之瀬! あんたもなにか言ったらどうだ?」

 

 橋本は一之瀬さんへと意見を求める。

 

「えっ!? わ、私? そ、そう、だね……(や、やっぱり斉木くんと坂柳さんは付き合ってるのかな。昨日も手繋いで帰ってきてたし、今日だってずっと一緒にいるし、なんなら今抱きつい……たし……で、でもポイントの関係、なんだよね……?)ははは、よ、よく分からないけど……その……いくら……貰ったの……?」

 

 一之瀬さんはなぜか顔を赤くしたり青くしたり、携帯を取り出したりと忙しそうだ。

 

『とりあえず昼ごはんを食べさせてくれないか?』

「(た、食べさせるっ!? わ、私が!?)そ、そう? わ、わかった、じゃあ教室で……ってみんなの前で!?」

 

 そうはならんだろ。

 あわあわと慌てる一之瀬さんに白波さんが冷静な顔で口を開く。

 

「帆波ちゃん、斉木くんはご飯食べたいだけで、誰かに食べさせてもらいたいわけじゃないとおもうよ」

(千尋ちゃん、帆波ちゃん守るために淡々としてる。私的には1000PPマンが帆波ちゃんに餌付けされてる絵面は見たいんだけど、まぁまた教室が変な空気になるのもあれだし、仕方ないか)

 

 小橋さんが残念そうにため息をついているが、教室が変な空気になるくらいなら平和な方がいいだろう。

 放課後の予定が無くなったことだし、葛城と堀北さんからの話を聞いたら、掲示板にまたメッセージを貼りつけて残り僅かな不足分を補填すると決めつつ、僕は教室へ戻った。

 





坂柳さん「楠雄くんに抱きついたのはその、感極まったとかではなく、そう!足がふらついて咄嗟にああなっただけでそれと最後の最後に異性の温もりというやつを知っておこうと思っただけで他意はありません」
橋本くん(そりゃ無理があるだろ)
神室さん(もう好きでしょあれは)
葛城くん(そうなのか、俺はてっきり好きなのかと思ったが違ったのか)

坂柳の楠雄に対する好感度 91
異性としてなのか、友人としてなのか、尊敬する人としてなのかは不明
パパがいなくて恋しいからついやっちゃったのかもね!

残り200万くらい
先は遠いかもね

なお坂柳から解き放たれたので隙さえあれば放課後誰でも頼めるようにはなってる(どこかで坂柳とチェスを打つのでそのタイミング以外ではある)

坂柳のあと3日発言はこの話の日(多分3月3日?)を含めずです

明日は夜じゃなくて昼間とかに更新すると思われます
ワイのXを要チェックやで!
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