ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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タイトル一覧見てたら「ざい」でもΨ使ってたからいけるんだこれってなってつけました。
監視カメラが少なく、人も来ないからってサウナ級に暑いとこで写真を撮ってた佐倉さんは何者なんですかね。


2巻くらい
カメラは見た!冤Ψの現場


 夏休みにあるらしい特別試験までゆっくりできる。

 そう思っていた矢先だった。

 

(……ったく、なんだよ小宮と近藤、テストも終わってようやくバスケに集中出来るって時に呼び出しやがって)

 

 僕は中間テストで1点不足していたDクラスの赤髪・赤点・バスケットマンという、まるで桜木花道のような生徒を発見する。

 彼が向かう先は比較的監視カメラの少ない特別棟。

 好奇心が勝った僕は彼の跡を追うことにした。

 5月の半ばを終え、ジメジメした暑さが本格化してきたため、空調の類がなく窓も締め切っている特別棟の廊下はサウナのような暑さだった。

 

「くそっ、あっちぃな……」

(部活前だってのに)

 

 パイロキネシスで体温調節のできる僕はこの程度の暑さは気にならないが、桜木花道、じゃなかった。

 須藤はそうでもない。

 こんな蒸し暑いところに、楽しみにしていた部活前に呼び出されてフラストレーションが溜まっている。

 

(ちっ、須藤のやつ遅せぇーな)

(ホントあっちぃ……)

(早く来いよ……)

 

 それは須藤を待ち構えている3人も例外ではない。

 3人? 

 須藤の話では呼び出したのは小宮と近藤という生徒2人のはずだが、1人多いな。

 須藤が階段を登りきり、3人の待つ廊下につく。

 ここは監視カメラもなく、密会や内緒話にはもってこいのスポットだ。

 一応、動画でも回しておくか、万が一僕も巻き込まれるなんてなるのはごめんだしな。

 

(ふぅ……いい写真が撮れた。でも、ここ暑くてかなわないなぁ)

 

 どうやら、あの3人の奥にも誰かいるな。

 女の子みたいだが。

 こんなところで写真? 

 どれ、と千里眼で見てみると、世間一般的にはスタイルがいいとされるであろう女生徒がデジタルカメラで写真を撮っていたようだ。

 撮り終わった写真を確認し、制服を脱いでシャツ姿だった彼女は汗を拭き、再び制服に着替えたら立ち去ろうという雰囲気だ。

 

「なんだよお前らこんなところに呼び出しやがって」

「……っ?!」

(す、須藤くん?)

 

 そんな時に須藤が待ち構えていた3人に声をかけたため、その女生徒は動揺してしまったようだ。

 無理もない話だが。

 

「やっと来たのかよ」

「あん? お前誰だよ」

 

 須藤も知らないのかよ。

 ということは後ろにいる2人が小宮と近藤というやつか。

 

「こいつは俺たちと同じクラスの石崎だ」

「なに関係ねぇやつ連れてきてんだ小宮」

「お前みたいな暴力男に会うんだ。用心棒だよ」

 

 バスケ部の小宮と近藤に、用心棒の石崎。

 Aクラスにあんな粗暴なのがいるとは思えないし、須藤が知らないということはCクラスか。

 一之瀬さんがあまり関わりたくないと言っていたのはあいつらか? 

 

「それで用ってなんだよ」

「決まってるだろ? そんなことも分からないのか? さすが不良品のDクラスのお荷物だな」

「んだっ……(しまった、堀北と綾小路にキレるなって言われてるんだった……)さっさと言えよ。部活があるんだよ」

 

 なるほど、中間テストの件でどうやら綾小路くんや堀北妹のいうことを少しは聞こうという気になっているらしい。

 退学から助けてくれた2人だ、当然といえば当然なのか? 

 

(ちっ、まだキレねぇか)

「仕方ねぇなぁ〜須藤、お前さ次の大会レギュラーになったよな?」

「あぁ、それがどうかしたのかよ」

「辞退しろよ」

「あ? なんでだよ」

 

 乗るな須藤、戻れと言いたいところだが今の僕は傍観者にすぎない。

 それにしても、あいつらは須藤をキレさせてどうする気だ? 

 大体の察しはつくが。

 

「お前みたいな不良品がスタメンなんて先輩たちに申し訳ないだろ?」

(さっさと怒って殴れよ)

「はっ、俺より1年長くいたのにスタメンになれねぇならその程度ってことだろ」

(何言ってんだこいつ。暑さで頭沸いてんのか?)

 

 綾小路くんと堀北妹の進言が効いているのか、あるいは彼らの挑発が幼稚すぎるのか須藤には全く応えていない。

 

(ちっ、小宮たち何してんだよ……じれってぇな)

 

 これには用心棒として連れてこられた石崎も苛立っているようだ。

 

「用はこれだけか? 俺は実力でレギュラーを勝ち取ったんだ。じゃあな」

(こんなことする暇あるなら練習すりゃいいだろ。ったく、無駄な時間だったぜ)

 

 まったくだ。

 心配してきてみたが須藤とやらも成長しているらしい。

 噂では遅刻、居眠りの常習犯だったらしいからな。あとは初日からコンビニで上級生と揉めたとも聞く。

 うん、やってることが聞けば聞くほど桜木花道だな。

 ここは神奈川じゃないぞ。

 

「お、おい! 逃げんのかよ!」

(くそっ、このままじゃ俺たちが龍園さんに……!)

 

「いい気になってんじゃねぇぞ、不良品が! 戻って来やがれ!」

「勉強してない分練習できてただけだろ、この単細胞!」

 

 須藤の答えは、石崎にとってあまり期待していない回答だったようだ。

 背を向ける須藤に、手ぶらで帰ったら龍園とやらに何かされると石崎は拳を握った。

 

「お、おい! 須藤!」

「なん、うおっ! ……ちっ! やめ……は?」

「……っ!? てぇっ!」

 

 罵倒を続ける2人には反応しなかった須藤だが、流石に殴りかかられては反応せざるを得ないか。

 念力で躓かせて須藤に当たらないようにしたが、さすが桜木だな。僕が何かしなくても避けられただろうが、あれは多分カウンターを決めてたな。

 

「大丈夫か石崎!」

(なんも無いとこでこけた)

「勢い余ってこけたのか?」

(ちょっとだせぇな)

「あ、あぁ……くそ……」

(足がなんか絡んで……くそっ!)

 

 倒れた石崎に2人が駆け寄り心配する。

 須藤がカウンターで殴るかと思いきや先に転倒してしまった石崎に驚きを隠せない様子だ。

 

(コケちゃった……!)

 

 それはあちら側で隠れている女生徒も同じらしい。

 あの子もカメラを構えているから一部始終を収めているらしい。

 彼女のクラスは分からないが須藤を知っていて、あとの3人を知らないならDクラスが濃厚だな。

 

(こ、こうなったら……!)

「須藤てめぇ! よくも石崎をやりやがったな!」

「はぁ!? 今のはそいつが勝手に転んだだけだろ!」

 

 転ばしたのは僕だが、今のだと石崎が勝手にコケただけで須藤に罪はない。

 だが、石崎は怪我をしていて、虚偽ではあるが石崎側の目撃者が2人いる。おまけに須藤は無傷という状況は、須藤に無実の罪を着せるのには絶好の機会になってしまったわけだ。

 僕のせいか? いや、須藤は殴ってないわけだし

 僕に責任はない。むしろ感謝してほしいぐらいだ。

 

(わ……わ……)

 

 女生徒はカメラを構えたまま硬直している。

 このままいけば僕が須藤の擁護や弁護をする必要は無さそうだ。

 起訴されたら99.9%、罪が確定しまうからな。彼女のカメラという証拠があるならば、須藤が罪に問われることはないだろう。

 

「よし、ずらかるぞお前ら!」

(これでDクラスは終わりだ!)

「おう!」

「おいッ! 待てッ!」

 

(ひぃっ!)

 

「おいおい! これ以上殴るのはやめてくれよ!」

「んだと……っ!」

 

 殴られはしなかったが、須藤と一緒にいる時に怪我をしたのをいいことに石崎たちは逃走する。

 須藤がそうはさせまいと追いかけるが、調子づいた石崎がさらに挑発し、僕の横を通り過ぎていく。

 監視カメラがないからな。透明化も催眠もできる。しかし長引きすぎると透明化も解除されるからさっさと行ってくれてよかった。

 

 さてと、龍園とやらが石崎たちを使って須藤に暴力事件を起こさせた理由を考えながら帰るとするか。

 もっとも、この事件は向かい側にいる女生徒が証拠を持っているから早期に解決されるだろうが。

 

「ど、どうしよう……」

 

 ん? あちらで何かあったのか? どれ……と千里眼で見てみると……。

 

「カメラ壊れちゃった……」

 

 

マジか……




写真撮り終わって確認してたら、須藤の声に驚いてカメラを落として壊すというほぼ原作通りの佐倉さん。
この事件に斉木を絡ませる気はなかったけど、そろそろ斉木にA、C、Dの面々と顔合わせさせた方がいいかと思って組み込みましたが、別に今じゃなくてもいいなってなったので次回で早々に畳みます。
もう入学して1ヶ月ちょいになるのに他クラスの知り合いが椎名さんしかいないのはダメだよ斉木くんと思ったけど、関わらなくて済むなら関わらないのが斉木のスタンスなの忘れてた。
てへっ
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