てことで相卜if3つ目
1人だけズルくね!?
結構短いですが、どうぞ
私の名前は小橋夢。
割とどこにでもいる高校生だと思う。
そんな私が唯一他の高校生と違う点があるとすれば高度育成高等学校に通っていること。
1学年1クラス40人が4クラスで合計160人。
そう、1年にたった160人しか入学できない狭き門に私は入っている。
卒業してから就職先や進学先が希望通りになることが保証されていることが売りの高度育成高等学校、略して高育だけど、160人全員がその恩恵を受けられるわけじゃない。
4クラスは生徒の能力や性格で分けられており、Aクラスに所属している生徒のみが卒業後の就職先、進学先が100%希望通りっていうのが確約されている。
じゃあAクラスに配属されなかったら無駄なのかと聞かれたら、そうでもない。
この学校は、3年間クラス同士が争って得たクラスポイントというものが1番多かったのがAクラスになれるというシステムを取っている。
卒業までにAクラスに所属していた生徒だけがこの学校自慢の売り文句を受けれるわけだけど、それはまぁいいかな。
私の所属しているクラスはBクラスで、上から2番目のクラスになる。
能力的には中から中の上の生徒が集まっているクラスと言われればわかりやすいかもしれない。
このクラスには2人、学年、いや学校全体から注目を集める生徒が2人いる。
1人は一之瀬帆波ちゃん。
このクラスのリーダーで、明るくてめちゃくちゃ可愛い女の子。
スタイルも抜群で誰にでも分け隔てなく優しい彼女に告白してその身と心が即座に砕け散った男子は多い。
そんな帆波ちゃんに好意を寄せられているのが斉木楠雄くん。
夏休みくらいまではまぁ普通というか地味な男の子というか……いやよくよく思い出してみたら中間試験の時点で80点くらい取れるのにケアレスミスが異常に多くて、それを見てクラスメイトの神崎くんが勉強会に来いと言ったらそれらのケアレスミスを瞬時に無くしたり、分からないところがある子に普通に教えてた。
あの頃から片鱗は見えていたんだなと思いつつ、今ははっきり変人だと断言出来る。
ピンク髪にレバースティックみたいなヘアピンと色つきメガネと10人に聞いたら10人がアイツと指差しそうなわかりやすい見た目と頭脳明晰、運動神経の良さ、あとは性格も悪くはない。
クールな雰囲気に反して意外とノリはいいし、サブカルチャーにも精通してて、あとは甘味が大好きってかなりの属性過多人間だ。
他にも付け加えるとしたら困ってる人を見たら『やれやれ』って言いながら助けちゃうことかな。
そんな斉木くんだけど、彼は意外とというか、普通にモテる。
体育祭で生徒会長2人を抜きさってゴールして以降、斉木フィーバーと囁かれるほどに斉木くんに言い寄る女の子が増えている。
斉木くんは誰とも付き合う気がないのかお断りを入れているようだけど、その中というか、体育祭以前から斉木くんに絡んでいる女の子がいる。
「楠雄〜おっは〜☆」
私たちと同級生である1年Dクラスの相卜命ちゃん。
金髪に日焼け肌の典型的な黒ギャルで、占いが趣味でおっぱいが大きい。
他クラスなのに朝や昼休み、放課後に斉木くんのところへやって来ては馴れ馴れしく下の名前呼びして斉木くんのエンペラータイムとやらを邪魔している。
それにクラスの時間も。
「ね〜今日スイーツバイキングいかね? アップルパイがバリうまらしーよ〜ね〜?」
斉木くんを放課後デートに誘う光景は今や見慣れた光景だけど……チラリと帆波ちゃんの様子を窺う。
帆波ちゃんは誰にでも優しい完璧美少女。
学年からの嫌われ者の龍園くんにですら優しい笑みを絶やさない……というのに。
「帆波ちゃん大丈夫?」
「ん!? な、なに!? け、ケーキだよ!?」
平気とケーキを言い間違えるくらいには動揺していた。
「あ、ごめんね、私ちょっと〜……」
そう言うと帆波ちゃんはスーッと音もなく教室から出ていく。
それを見て帆波ちゃん大好きな千尋ちゃんが口を開く。
「追いかけに行ったのかな」
「そうじゃないかな」
麻子ちゃんが頷くと、千尋ちゃんは肩を落とした。
「な、なんであの地味で運動神経抜群で頭も良くて意外と性格もいい斉木くんなんかに……」
「いや答え全部言ったじゃん」
でもピンク髪とヘアピンと色つきメガネって相当目立つはずなのにそうでもないと感じるほどには斉木くんは地味ではある。
けど、一部の女子の中ではメガネを外した姿はイケメンとされている。
本人に柴田くんが冗談半分で「メガネ取ってみてくれよ〜」って言ったら、斉木くんはかなり嫌がっていて取ってくれなかったため真相は不明だ。
あまりに柴田くんがしつこかったのか、斉木くんは『大人になれよ……柴田……!』と怒っていた。
そんなことはさておき、次の日に衝撃的なことが起こった。
「わあああ!?」
朝のホームルーム前に柴田くんが何やら叫んでいたので、私たちは教室の扉の方を見た。
するとそこには……。
「ほ……帆波ちゃんどうしたのその感じ!?」
「えーイメチェン……かな? てゆーか変幻自在?」
ストレートに下ろしていた髪の毛先をカールさせて、前髪もどことなくパーマをあてたみたいにして、どことなくギャルっぽくなった帆波ちゃんがいた。
「うおお!!」
「超似合ってるよ! アゲアゲ!」
「可愛い! ギャルな帆波ちゃんもしゅき! だいしゅき!」
帆波ちゃんに好意を寄せていた男子と千尋ちゃんは大興奮だけれど、多分帆波のあの変化は単なるイメチェンじゃない。
私の予想が正しければ斉木くんに対するアピールのはず。
帆波ちゃんの狙い通り、斉木くんがギャル好きなら何かしらの反応を示しているはず……!
『はぁ……』
ため息してた……。
ギリギリ帆波ちゃんとかには聞こえて無さそうだけど……。
「わっ! ほなみっちギャルもマジパネェ!」
あ、また来たんだと私はミコちゃんの方を見た。
「どお? ちっとギャル卒してみた? スケド?」
あっちもあっちで黒のストレートヘアに色白……多分カツラとファンデーションかな……とりあえずギャル卒してた。
口調はそのままだけど。
そんな2人を帆波ちゃんが見つめていると、斉木くんに何か言われたのか「えっ? あ! ゴメン!」とミコちゃんが肩を落としながら教室から出ていく。
普通友達や恋人じゃなくても知り合いの同級生があんなにイメージチェンジしてきてたらもう少し話しても良さそうなのに、随分と呆気なかったな。
もしかしてギャルじゃないミコちゃんじゃないと嫌とか?
いやそんなわけないか。
斉木くん、見た目とか興味無さそうだし。
って思っていたら帆波ちゃんは斉木くんが生粋のギャル好きと勘違いしたみたいで、次の日はさらに思い切ったギャル化に走っていた。
ゆるふわウェーブでリボンもつけてきて、普段はナチュラルメイクでとどめてるのに今日はアイラインも引いている。
「わー! メチャ可愛くね!? すげー!」
渡辺くんは興奮気味で、そのまま「どうしたんだそれ?」と聞いてくれた。
「やっはろー! これぞJK力MAX! ぶっちゃけノリっしょ☆てゆーか、気分爽快?」
「な、なんか今までに増してテンション高いっつーか……ギャルになってない!?」
「見えるってか、マジ変わったって!」
やるからには徹底的にみたいな感じでしたのかな……。
あと最後の四字熟語言うやつなんかチエ先生もやってた気がするけど、まさかあの人の仕業だったりしないよね?
完全にギャルになってしまった帆波ちゃんに驚きつつも、再び斉木くんの反応を窺おうとしていたら、先に帆波ちゃんが仕掛けた。
「斉木クン、オッハヨー! いやー、今日も天気がいいデスネ! こう、パンパカパーンって感じで!」
『……』
無反応とまではいかなかったけど、斉木くんはぺこりと一礼したらそのままだった。
帆波ちゃんが斉木くんの前から逃げるように教室から出ていった。
この日はミコちゃんは来なかったけど、予想外な出来事が多く起きた。
なんと他クラスの櫛田さん、佐倉さんも若干ギャルっぽい口調やヘアースタイルになっていたり、あの坂柳さんや椎名さんも少し影響を受けていたという。
恐るべし恋の魔力……!
ただ斉木くんが自分のスタイルとか曲げる人が好きではなく、芯がある人がいいと広まると高育空前のギャルブームは終わることになった。
しかし斉木くんは外見とかで左右されないとは思っていたけど、まさか自分のスタイルを曲げない芯のある子か……帆波ちゃんそのものでは?
まぁ今回は迷走しちゃったけど、斉木くんの好きなタイプがわかっただけでも大きな進展かもね。
くーちゃんDクラスルートを書こうとしてたけど、こち亀の無料期間読み返してたらちょくちょく両さんが斉木に言及してて、斉木ってこち亀ネタちょくちょくあるよなで見返してたらギャルの話を書くことになった
書きたいやつから書け。
野崎さんが教えてくれましたぁ。
一之瀬さんかくーちゃん視点、第三者視点かで悩んで何故か小橋さんに。
この子は1歩引いて見てくれそうという信頼感があった
次ifを書くとしたらくーちゃんDクラス、斉木栗子ルートですかねぇ
いつになるかは分かりませんが、またそのうち