私が斉木くんにお兄さんがいると知らされたのは、担任の茶柱先生からこの学校の仕組みや中間テストがあるということを知らされた日の放課後だった。
クラスの成績がポイントに反映されるという仕組みはいい。
毎月10万ポイントを1学年全員に配布するのかという疑念はあったし、何かしらの調整はあるかもしれないとは思っていた。
ただ、それがクラスの生活態度や授業への取り組みから査定されているとは思わなかったけれど。
しかし、うちのクラスは授業中に妙な違和感とやらを覚える生徒が多く、そのおかげで授業中の居眠りや私語、授業には関係のないことをすることはなく、また遅刻も須藤くんがした1回だけで済んだ。
これは平田くんや櫛田さんの呼びかけの効果もあったのだろうけれど、彼らが以前からこの学校の仕組みに気付いていたとは思えない。
振り込まれたポイントは500とCクラスを僅かではあるけれど10ポイント上回ったことで私たちDクラスがCクラスに浮上する結果になったけれど、この学校では優秀な生徒たちの順にクラス分けがされるようになっていることも聞かされた。
最も優秀な生徒はAクラスへ、最もダメな生徒はDクラスへ。
つまり私は元々落ちこぼれとしてDクラスに入れられたということ。
私はそのことに納得できず、茶柱先生に直に理由を問うために放課後に時間を作ってもらった。
そして、先生の指定した時間に職員室を訪れる。
入ってすぐ近くにいた先生から茶柱先生が奥にある指導室にいることを告げられて、私は指導室のドアを開いた。
先生は横掛けのソファーに座っていた。
「来たか。それで、私に話とはなんだ? 堀北」
「率直にお聞きします。なぜ私がDクラスに配属されたのでしょうか」
「本当に率直だな」
先生は鼻で笑うが、私にとっては大事なこと。
兄さんに追いつくため、兄さんのような人間になるためにこの学校に来た私はAクラスであらなければならない。
兄さんと離れてからの2年間、私は必死に努力を重ねた。
同じクラスの平田くんや池くん、軽井沢さんや櫛田さんとは比べ物にならないくらい。
そんな私のスタート地点がDクラスだなんて納得できるわけがない。
「どうやらお前は自分が優秀な人間だと思っているようだな」
これまでの学業成績や生活態度からしても私がDクラスになるような要素はない。
実際、私は先日のテストでも1位を取っている。
そう言うと先生は私が抗議に来ると分かっていたのか、本来なら見せるはずのない入試問題の結果を公表してきた。
私の成績は学年3位で、面接でも特別注視されるような問題は見つからなかったと言う。
ならば、余計に何故という疑問が沸き立つ。
「答える前に、お前はなぜDクラスであることが不服なんだ?」
正当に評価されていない状況を喜ぶ人間はいない。
ましてや、この学校はクラスの差によって将来が大きく左右される。
そのことを述べると茶柱先生は失笑する。
「正当な評価? お前は随分と自己評価が高いんだな。お前の学力が優れている点は認めよう。確かにお前は頭は良い。だが、学業に優れた者が優秀なクラスに入れると誰が言った? ここは予備校や塾ではないんだ」
「世の中の常識で言えば学業に優れた生徒から上のクラスに配置されるものと思いますが」
「常識? たかがテストの点数だけで人間を評価し、優劣を決めるか。確かに勉強ができることは1つのステータスだ。しかし、この学校では真に優秀な人間を生み出すための学校だ」
勉強ができるだけでは上のクラスには立てない。
学生なのだから勉強はできて当たり前。
仮に学力だけで優劣を決めているのなら、須藤くん達は入学できていないと突きつけられる。
それに加えて、正当に評価されていない状況を喜ぶ者はいないという決めつけも反論されてしまう。
「Aクラスともなれば、下のクラスからの妬みやプレッシャーも強く、日々重いプレッシャーの中で競争させられるのは想像よりも遥かに高いものだ。それに、Dクラス……おっと、今はもうCクラスだったな」
わざとらしく間違えたように言う茶柱先生は笑みを絶やさずに言う。
「あの中には正当に評価されない事を良しとしている生徒もいるかもしれないぞ」
「冗談はやめてください。そんな人間、私には理解できません」
「そうかな? Dクラスにもいると思うがな。低いレベルのクラスに割り当てられて喜んでいる変わり者の生徒が」
「説明になっていません。私がDクラスに配属された理由を知りたいんです。採点基準が間違っていないかの再確認をお願いくるために私は」
「残念だが堀北鈴音がDクラスに配属されたことはこちらのミスではない。お前はDクラスになるべくしてなったのだ」
明らかに悪意を感じる物言いに、私は話にならないと学校側……校長先生や理事長に話を持っていくことを告げる。
「上に掛け合っても結果は同じだ。それに悲観する必要はない。朝にも言ったが、出来不出来でクラスは上下する。現に今日の朝したばかりだろう? 卒業までにAクラスへと上がれる可能性は残されている」
それは簡単な道のりではない。
先生曰く不出来な生徒ばかりが集まっている今のCクラスの生徒たちで、どうやって優秀な生徒の集まるAクラスよりもポイントを取るのか。
どう考えても不可能だ。
「無謀だからと目指さないのであればそれはそれで構わないがな。ところで堀北、私からも聞かせてもらおうか。お前はAクラスに上がらなければならない特別な理由でもあるのか?」
そう問われて、私は兄さんのことを出すかを考える。
しかし、先生に言ったところで私のクラスや評価が変わるわけでもない。
時間の無駄と判断して私が立ち去ろうとした時に、茶柱先生は思い出したように言う。
「あぁそうだった。もう1人指導室に呼んでいたんだった。お前にも関係のある人物だぞ」
「関係のある人物……?」
まさか、兄さん……?
そう過ぎった直後に指導室のさらに奥、部屋のプレートには給湯室と書かれた部屋から出てきたのは綾小路くんだった。
私の話を聞いていたのかと聞けば誤魔化そうとする綾小路くんだったけど、給湯室はこの部屋の声がよく通ると茶柱先生に告げられる。
「……先生、何故このようなことを?」
この会話が仕組まれていたこと、綾小路くんに私の抗議を聞かせていたことに私は腸が煮えくり返る。
「必要なことと判断したからだ」
そこから、茶柱先生が話したのは綾小路くんが茶柱先生の話した評価されない事を良しとしてる生徒ということ。
綾小路くんは入試の結果がオール50点、さらにこの前行われた小テストも50点という結果ながらも、正答率が学年で3パーセントの問題を解いていた。
意味の分からないことをする綾小路くんに当惑しつつ、茶柱先生は愉快そうに笑う。
「比べてこの斉木の結果を見てみろ。試験の点数も小テストの点数も平均点ピッタリ。まぁ綾小路のように難しい問題は正解していないからそこまで違和感はないが」
「だったらいいじゃないすか」
自分のことを槍玉に挙げられて不服そうにする綾小路くんに、茶柱先生は首を振った。
「お前たちが知っているかは知らないがこいつの兄は斉木空助。携帯やパソコンのインターネットで調べればすぐに出てくるような超が2つ、いや4つか? それくらいつくような天才だそうだ」
「兄が優れているからと言って弟が優れているとは限らないでしょ」
綾小路くんが何気なく言った一言は私の心を抉った。
兄さんより劣っている自覚はある。
だからこそ私は必死に頑張ってきた。
でも、それでも、今の私はDクラス。
「ただこいつが異様なのは平田と櫛田を使って、クラスの環境を変えるように仕向けたことだ」
「えっ?」
綾小路くんの言った言葉が頭から離れず、自分のしてきたことを考えていると茶柱先生が妙なことを言う。
それに興味を持ったのは私だけではない。
「斉木がですか? でも、あいつがあの2人どころか、クラスの奴とも話してるのは見たことありませんよ」
1ヶ月同じクラスにいたけれど斉木くんが誰かと話しているのは見たことがない。
大抵は本を読んでいるか、肘をついて窓の外を眺めているくらい。
私もそうだけれど、彼もまた1人を好む人間だと思っていた。
「須藤が遅刻する前の日だ。夜のポストに斉木が櫛田と平田のところに1枚の手紙を入れた。その翌日、つまりは須藤が遅刻してきた日に、手紙を読んだのであろう2人は教室で私語や居眠りを控えるように言ったんだ」
「斉木くんはなぜそんなことを?」
「さぁな。だが、もしかするとこの学校の仕組みに早くから気付いていたのかもしれないぞ? それも入学してから2日ほどでな」
私語や居眠り、遅刻やサボりが続けばクラスの評価は下がっていく。
学校のルールに気付いて、それを危惧した斉木くんがクラスでも影響力のあるあの2人を使って抑制を図った?
「まさか須藤くんの遅刻やサボりが無くなったのも」
「いやそれに関しては全く知らん。軽井沢や佐藤たちの訴えていた授業中の脇腹の痛みや脳内に響く寝るなという声も私は知らん」
そ、そんなことがあったの?
綾小路くんに確認するように見てみると、彼も知らないし身に覚えがないのか首を横に振る。
「綾小路もそうだが、斉木も何を考えているか分からない顔をしつつ、何かは考えているということだ。あいつの場合、Aクラス云々ではなく毎月のプライベートポイントが振り込まれなくなるのが困るから起こした行動の可能性の方が高そうだがな」
確かに斉木くんがAクラスを目指しているのであれば、クラス全員に学校のシステムのことを伝えて、減点される行動は避けさせるはず。
けど、櫛田さんと平田くんだけに伝えて自分では動かなかったのは目立ちたくないから……?
「話は終わりだ。そろそろ職員会議が始まる時間だからな。ここは閉めるから2人とも出ろ」
言いたいことだけ言って、茶柱先生は私と綾小路くんの背中を押して廊下へと放り出す。
「とりあえず……帰るか」
私への確認を取らずに帰ろうとする綾小路くんを私は呼び止めた。
「待って」
しかし、私の呼び止めに綾小路くんは応じることなく歩いていく。
さっきの点数が偶然なのか聞いても綾小路くんははぐらかすばかり。
逃げるように歩く綾小路くんに追いつきながら、私は話す。
学校側の真意を確かめること、私がDクラスであると判断されたことが間違いだと思わせるために、必ずAクラスに上がってみせると。
幸いにして、遅刻やサボりのようなものはうちのクラスでもないし、テストの点数さえどうにかすれば勝機はあるはず。
まずは中間テストでみんなが赤点を取らないこと。
赤点を取ってしまえば即退学なのだから。
「斉木くんにも協力して貰った方がいいわね」
「無理じゃないか? あいつ目立ちたくないから平田と櫛田を使ったんだろ?」
綾小路くんはそう言うけれど、茶柱先生の話を聞いた限り斉木くんはこの学校のルールを早い段階で見抜いていた。
彼ならきっといい案を思いつくかもしれない。
「明日にでもお願いしてみましょう」
「そうか、頑張ってくれ」
「あなたも来るのよ。オール50点とオール平均点。意外と仲良くなれるかもしれないわよ?」
「……一理、あるのか? うーん……」
綾小路くんが了承したので私たちは次の日の朝、すぐに斉木くんへと声をかけた。
「斉木くん、少しいいかしら」
『よくない』
すると、斉木くんから返ってきたのは拒絶の意思だった。
読んでいる本から目を離すことなく、私とは会話の意思すら見せない。
「なら、単刀直入に言うけれど……いいのかしら。あなたのお兄さんのことなのだけれど」
『僕の兄がどうかしたのか? 生徒会長の妹』
「……あなた、なんでそのこと」
『言っていいのは言われる覚悟のあるやつだけだ』
この学校のシステムに気づいていれば、私の兄のことも当然知って……いえ苗字が同じだし、私と兄さんは雰囲気もある程度似てる。
「不快にさせたことは謝るわ。ただ、私は話を」
『興味無いね』
「取り付く島もないな」
綾小路くんの言うようにこちらが話す前から話し合いには応じてくれない。
そう思っていたけれど、綾小路くんは続けて口を開いた。
「茶柱先生から聞いたんだが、お前が櫛田と平田を使ってクラスに授業態度を改めさせるように呼びかけさせたのか?」
『なんのことかさっぱり分からないな』
「不真面目な生徒を襲う脇腹の痛みや呪詛みたいなのが聞こえるってのは?」
『なんだそれは』
そんなの知るわけが無いと迷惑そうな顔を浮かべる斉木くんに、綾小路くんは構うことなく話を続ける。
「斉木空助の弟ってのは本当なのか?」
『本当だが、それがどうかしたのか?』
「いや、凄い兄貴を持ったなと思って。調べたらオレたちの2つ上なのに高校を飛び級してケンブリッジ大学に入学して、今は博士号を取ろうとしてるんだろ?」
私もそれは昨日知って驚いた。
兄さんと同い歳であんなにすごい人がいるだなんて。
斉木くんも大変だったんじゃないかしら、世界的にも有名になりつつあるお兄さんと比べられて。
『家を出てからは僕は連絡を取っていないから知らない』
「そうなのか。仲、悪いのか?」
『良くは無いが悪くもないな』
「そ、そうなの? 兄さんから邪険に扱われたり、無視されるということはないの?」
『むしろ僕の方がしてる』
こ、コンプレックスとかないのかしら……?
「お兄さんに追いつきたいとか、同じようになりたいとかは?」
『ないな。置いていって欲しいくらいだ』
「……?」
私の問いかけに斉木くんは淡々と答えてくれる。
会話自体はしてくれるみたいで、斉木くんとお兄さんの関係は良くもなく、悪くもないということがわかっていく。
そして、綾小路くんはというと何か考え込んだように腕を組んでいた。
「どうしたの? いつも通りだけれどとても静かね」
「いや、もしかしたら真に優秀なのはこっちの方なのか……? と思って」
「何を言ってるの? それならDクラスなわけがないでしょう?」
「……まぁ、そうだな」
やや納得できないという様子ではあったけれど綾小路くんは黙った。
一体、何を考えていたのかしら。
まぁ、いいわ。
「話が逸れてしまったけれど、本題に入りましょうか」
私は斉木くんと綾小路くんへ中間テストに向けて、クラスの勉強の補習を行いたいという話を始める。
「私としては今度のテストで退学者を出さないようにしたいの。赤点を取ってしまえば退学になってしまうし、クラスポイントにも影響するかもしれないわ」
『僕はパス』
「まだ何も言ってないわ」
『聞く必要もない。どうせ僕にも協力しろと言うんだろ』
「話が早くて助かるわ」
やっぱり頭の回転や微細な違和感に気づける観察眼や直感は優れているのかしら。
ただ隣の50点男と同じように事なかれ主義というやつなのかしら。
「……どうしても?」
『どうしてもだ』
やはり斉木くんの参加は難しそうだけど、そもそも斉木くんの学力じゃ教師役は出来ないでしょうし。
須藤くんや池くんたちを勉強会に参加させてくれるだけでも構わないのだけれど。
「じゃあ、須藤くんと池くん、山内くんたちを私の参加する勉強会に参加させる手を考えて欲しい。今回はそれだけでいいわ」
『今回は? 今後もあるのか』
「優秀な兄を持つ者同士のよしみというやつよ」
「変なよしみだな」
『天童よしみ?』
「綾小路くんはチャチャいれないで。そして斉木くんはボケないで頂戴」
「要望が多いな」
『ものを頼む態度じゃないよな』
「なぁ」
なんで2人が仲良くなり始めてるのかしら。
さりげなく綾小路くんは斉木くんに「何読んでるんだ?」って聞いてるし。
『忍舞県についてだ』
「忍舞県……? あぁ、白金閣寺や六十六間堂、餓者髑髏温泉が有名なところか」
『何その上位互換。名前怖っ』
「有名じゃない。長谷園に忍舞城、舞島、あとは御割山もあったわね」
『なんでそんなに忍舞に詳しいの? じゃらんなの?』
これくらい常識でしょう。
いえ、自分が知っているから常識と決めつけるのはよくないと言われたばかりだったわね。
というか……。
「斉木くん、思っていたよりよく喋るのね」
『馬鹿言え。僕は元々良く喋る』
馬鹿と言われても、そんなに斉木くんのことを知らないのだけれど。
でも、話の通じない相手ではないということはわかったわね。
「では、先程言った件、頼んだわよ」
『本当に須藤と池たちを勉強会に参加させれば僕は今回の勉強会に協力しなくていいんだな?』
「ええ。約束するわ」
『だが断る』
「なんですって?」
この斉木楠雄の好きなことの1つは……と長々と言って時間を稼がれて、朝のホームルームの時間が来たせいで斉木くんの協力は取り付けられなかった。
けれど、昼休みには3人に勉強会に参加するように声をかけて、池くんと山内くんは今回の中間テストで90点以上を取ったら私がデートしなければいけないらしく、須藤くんは斉木くんとの1対1のバスケ勝負になったらしい。
なんだか、私の知らないところで色々と進んでるわね。
あと、どこから出てきたのよ斉木くんとの1対1。
「まあ須藤の方は斉木が何とかしてくれるんじゃないのか?」
「ねぇ堀北さん、それ、ほんとなの?」
綾小路くんと話していると、朝のホームルームから私たちの話に聞き耳を立てていた櫛田さんが声をかけてくる。
「度難いけど事実よ。彼、どうする気なのかしら」
「案外、須藤の自慢のバスケで負けさせて勉強に向かわせる算段なのかもしれないな」
「斉木くんが?」
彼にバスケができるようには思えないけれど。
ただ、私の心配とは裏腹に少し遅れてではあったけれど、須藤くんは勉強会にやって来た。
男の約束だからなとよく分からないことを言っていたけれど、斉木くんは断ると言いつつも約束を果たしてくれた。
それなら、私も赤点を取らせないように彼らを教え導かないといけないのだけれど、3人のレベルが思ったより酷すぎて手に負えなかった。
「せっかく、斉木が集めてくれたのに」
「私は悪くないわ。彼らのレベルが低すぎるのよ」
まさか小学生レベルも解けないなんて思わないじゃない。
この学校が学力だけを評価しているわけじゃないにしろ、あんなレベルの生徒を入れるなんて。
「帰るわ」
あの3人はどうせ残っていても足枷になるだけと判断して切り捨てようと学校を出る。
その途中で先に帰っていたはずの須藤くんが斉木くんに何か言われているのが見えた。
『バカとブスは東大に行け』
「誰がバカでブスだコラぁ!」
『バスケも僕より弱い。頭も悪い。顔も品性もないのならバカでブスだ。それに頭に血が昇りやすぎだ。そんなことではどんな技かも見切れずに殺されるぞ』
「誰がナッパだ!」
ギャーギャーと騒がしいけれど、どうやら斉木くんが須藤くんに勉強を教えているようだった。
「なんで小一からなんだよ……」
『基礎が出来なければ話にならない。バスケと同じだよ、健』
「ちょくちょく赤司ムーブしてくんなよ。声が似てるからちょっと嬉しいじゃねぇか」
あの須藤くんとこんなにも親しげに話せるなんて、もしかすると斉木くんは只の平均点男ではないのかもしれない。
あの3人は私が切り捨てたけれど、このままでは赤点になってしまう。
このまま放っておけば赤点を取ってしまうと感じた私は池くんと山内くんだけでもなんとかしようと、櫛田さんと綾小路くんにもう一度話をつけてもらった。
そして、櫛田さんが上級生から過去問を手に入れてくれるという活躍もあり、中間テスト当日の結果はと言うと……。
「マジやべぇ! 俺テストで70点超えたの初めてだぜ!」
「お、俺も……!」
「俺もだぜ! ありがとうな堀北ぁ!」
「あなた達のためじゃないわ。クラスから退学者を出したくなかっただけよ」
そう喜んでいる須藤くんたちに言うと、池くんと山内くんは女神を見るような目で私を見てくる。
気持ち悪いわね。
ただ須藤くんだけは私ではなく斉木くんのことを見ていた。
兄より優れた弟などいない、ね。
私は中間テストの前に兄さんと話した時のことを思い返す。
「少しはマシになっているようだが、まだまだだな」
「そんな! 私の、今の私のなにがダメだと言うんですか!」
「それも分からないようじゃ話にならない。まだ斉木の方が……いやあいつの方が断然よく見える」
「斉木くんが……?」
「お前が本当にAクラスを目指すのであれば、斉木をよく見ろ。そして観察しろ。そうすればお前に何が足りないのか見えてくるはずだ」
兄さんはああ言っていたけれど……斉木くんにあって、私に無いもの……。
それが分かるまでは彼と関わらない選択肢は私にはなくなっていた。
何故か綾小路くんも加わって須藤くんと3人でラーメンに行こうとしているけれど、私は斉木くんをもっと知るために席から立ち上がり、盛り上がる3人に告げる。
「私も連れて行ってくれないかしら、そのラーメンとやらに」
これが私が斉木くんと初めてちゃんと関わることになった1年生最初の出来事。
読み返してたら茶柱は酷いし、堀北は独りよがりだし、綾小路はお前誰やねんやし。
その点、須藤と平田と櫛田は立派やね。
初期から自分のキャラを貫いてる。
斉木くんからの評価も高いちゃうん?
まあ堀北さんもある意味一貫性はあるんやけどね。
なお、あとの2人。
タイトルの?はすぐにCクラスに上がっちゃうから。
発生条件が5月にCクラスになることらしい。
栗子ルートでもCクラスになってるけどあれはくーちゃん女だからね(苦し紛れの言い訳)
一之瀬さんと関わるのってBルートだけ?▶︎他クラスでも関わるけどまともな関わりはBだけって感じ。他は誰かさんが貶めようとするのを止めたり邪魔したりがほとんどなので。
・綾小路が一之瀬が不正にポイントを集めているという紙を龍園がやったように見せてばらまく▶︎パイロキネシスで燃やす
・坂柳が一之瀬の過去を暴露、綾小路も便乗▶︎パイロキネシスで燃やす。口頭はテレパシーで肉まんしか言わせないようにする。おかげで噂を広める橋本が変態扱いされる。
・南雲に過去を話さないと生徒会に入れないよ〜んってされる▶︎堀北兄に話つけて入れるかどうか任させる。
ということもあり一之瀬の成長は潰れるけど、挫折もしないみたいな感じ
一之瀬は助けられてることに気付かないから関わらない……かも
ほぼ確なのが
・ひよりと知り合う
・堀北兄と知り合う
・綾小路と知り合う
・1年の体育祭で制御装置抜かれる
くらいかな。
OAAいじられるのは空助が来た時のみです。
坂柳に目をつけられるのは兄バレしてる時くらい。
堀北ルートだと、兄からの助言もあってくーちゃんは目が離せない存在になってるので堀北からめちゃくちゃ関わってくる。
くーちゃんは面倒に感じつつもやれやれ言いながら相手して、成長して自分から離れてくれればいいかと世話を焼く。
特に日常の象徴とかでは無いけど、体育祭で龍園に狙われたりしたらちょいギレはするくらいの仲。
『真面目にやってるやつの邪魔するな』くらいで。
2学期終わりに龍園がX探ししてるXがくーちゃんになり、くーちゃん釣るために堀北を呼び出して人質に取ろうとするけどかいぞうにんげんサイダーマン2号が来るから何事もなく。
堀北ルートだと櫛田の本性を見る場面が消えているため、くーちゃんと櫛田が仲良くなることはないと言いつつも、綾小路くんから手紙を入れてたのがくーちゃんだと話されるか、Bルートと同じく船内試験で協力持ちかけられるかして関わることになるよ。
可哀想だね。
こんなもんかな
ではでは