ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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もう15話も書いたのか……
これも偉大な原作様と皆様のおかげです

堀北は別ラノベの黒髪ヒロインと話し方混ざるんですけど、だいたい同じだと思ってるから綾小路くんに辛辣です
何ノ下さんなんだ……?


異Ψのアイドル?佐倉愛里

 僕は普通の高校生、斉木楠雄。

 赤の他人で同級生の須藤健が特別棟に行くのについて行って、Cクラスの男の低レベルな挑発を目撃した。

 事件を見るのに夢中になっていた僕は、

 須藤の声に驚いた佐倉さんがカメラを落としたことにすぐには気が付かなかった。

 僕は動画を撮り終え、目が覚めたら……、何故か僕が椎名さんのことが好きな勘違いヲタクヘアピンメガネ野郎ということにされていた。

 

 簡単なあらすじはこの辺にしておいて、結局Cクラスは須藤を訴えることはなかった。

 龍園がリスクマネジメントを怠らなかった結果、須藤に冤罪を被せて学校側が生徒同士の事件にどう出てくるかを見ることはなくなった。

 に思われたが、今度の標的に選ばれてしまったのが、この僕である。

 

(男なのにヘアピンしてるメガネのやつ……あれが斉木。思ったよりヒョロくはないな)

 

 放課後、僕の姿を確認しに来た石崎は頬に昨日山田くんに殴られた傷を隠すためにガーゼをしていた。

 

「(怪我してる……)ねぇ、あれって」

「あぁ、Cクラスの生徒だな(あの怪我、Cクラスはテスト前までクラスのリーダーを喧嘩で決めていると聞いたがまだやっているのか?)」

 

 その顔を見て、一之瀬さんと神崎がヒソヒソと話し始める。

 

「直接教室まで見に来るなんて何か変なこと考えてるのかな」

 

 当たり。

 テスト終わりからBクラスの生徒の一部がCクラスの生徒に付きまとわれるという事案が発生しており、そのこともあってBクラスの面々はCクラスの生徒にいい印象を持っていない。

 石崎の顔が知られているのは龍園直属の部下だからというのもあるようだ。

 

(どいつかは確認できたし、あとはどうやって呼び出すかだな)

 

 そう言うと石崎は僕をどうやって特別棟に呼びつけるかを考えるため、その場から離れていった。

 

「帰ったな(教室の中を見ていたようだが、誰かに用か?)」

「うん……でもなんだか気味が悪いね」

 

 安心しろ彼の目的は僕だからな。

 催眠で他の誰かと見た目を誤認させても良かったんだが、そうすると龍園がまた嫌がらせやちょっかいを仕掛けて来ないとも限らない。

 この件は僕で終わらせて、生徒会長から学生同士のトラブルについての対処みたいなプリントを配布してもらうか。

 石崎が動くのはこの6月以内とすれば、まだ時間はあるが、ことを焦っているのなら明日か明後日には呼び出されるな。

 

 その前に佐倉さんの件をなんとかするとしよう。

 僕が須藤や石崎たちのトラブルを見ていた反対側にいたのは、須藤と同じDクラスの佐倉愛里さんだ。

 

 カラオケを出たあととこの放課後まで、テレパシーに催眠や透明化で彼女のことを調べさせてもらった。

 佐倉さんが特別棟の蒸し暑いあんな場所で自撮りをしていたのは、彼女がグラビアアイドルであり、ブログに載せる写真を撮るためだったようだ。

 グラビアアイドルでの芸名は「雫」というらしい。

 しかしその事は周囲に隠しており、教室では喋らず髪も括り、眼鏡をかけて目立たない生徒になっているようだ。

 まるで僕みたいだな。

 

(カメラ……どうしよう……)

 

 落としたカメラはまだ直していないらしく、それを見て佐倉さんは時折、何か悩ましげなため息を吐くことが多かった。

 その理由は彼女がグラビアアイドルの雫だからという、皮肉な話になっている。

 

 昔から人付き合いが苦手だったらしい佐倉さんはそんな自分を隠すために、グラビアアイドルの雫という偽りの仮面を被ることにした。

 引っ込み思案な愛里ではなく、"グラビアアイドルの雫"としてならカメラの前では明るく振る舞えるようになった。

 だが、グラビアアイドルという仮面を外すと元の人見知りな性格になってしまう。

 バイクに乗ったらとか、くしゃみをしたらのような妙なトリガーで人格が180°変わるわけではないのでまともな女の子ではある。

 

 少年誌にピンナップなどが載る程度にグラビアアイドルとして人気が出てきた頃に、高度育成高校への入学が決まったらしく、外部との連絡を一切受け付けない学校の方針から高校入学から卒業までの間、アイドル活動を休止している。

 だが、インターネットに関してはユーザーのコメントに返信しなければ、学校のルールの範囲内らしく、ブログ上で自撮りを公開するなどして部分的に活動しているようだ。

 

 入学してすぐに自撮り用のデジカメを買いに、敷地内のケヤキモールの中にある家電量販店へと行った。

 しかし、運の悪いことに働いていた店員が偶然佐倉さんの熱烈なファンであり、そいつからストーカー被害を受けているらしい。

 久しぶりにサイコメトリーで佐倉さんのポストに触れて、彼女の記憶にあった家電量販店の男がラブレターとは言い難い内容の手紙を投函しているのを見てストーカー被害を知った。

 

 

 佐倉さんは自身のストーカーがその男とは気付いていないようだが、家電量販店の店員の男に不快感を覚えているらしく、それがカメラを直しに行けていない理由の一つだった。

 まぁそこまでのことを知っている僕の方がそいつよりよっぽど佐倉さんのストーカーなのだが。

 

「ったく、昨日は散々だったぜ(先輩たちは近藤と小宮だって言ったら許してくれたからいいけどよ)」

 

 須藤の方は石崎から訴えを起こされていないため、今日も無事平穏そうだ。

 羨ましい限りだな。

 しかし僕が興味本位で着いていかなければ、僕が次の標的になることも佐倉さんのカメラが壊れるようなことにはなっていなかったから自業自得ではあるんだが。

 

(はぁ……保証期間だから交換か修理して貰えると思うけど、一人で行くのは怖いなぁ……)

 

 須藤が部活に行くのを見送り、僕はDクラスを少し覗き見ると、壊れたカメラを見つめる佐倉さんが教室に残っていた。

 昨日のうちにあのカメラに接触出来ていれば、カメラも直すことができたのだが、カメラを直すだけでは彼女のストーカー問題は解決しない。

 問題が先送りになるだけではなく、何かの拍子で店員が佐倉さんに接触するなんてことになれば龍園がやろうとしていることが可愛く見える事件になりかねない。

 

 何の知り合いでもない僕が佐倉さんに声をかけるのは無理があるし、テレパシーを応用した虫の知らせなどを使っても効果は無いだろう。

 彼女と特別親しい誰かがいればいいのだが。

 

「見たか? 昨日の雫ちゃんのブログ! (顔隠して汗ばんだ姿見せてくるとかえっちすぎる!)」

「見た見た! 透けシャツなんてめちゃくちゃ誘ってるよな〜! (あ〜! 俺には櫛田ちゃんがいるってのに!)」

 

 龍園にあの2人の姿を見せたらターゲットを僕から彼らに変えてくれないだろうか。

 伊吹さんにハニートラップが出来れば、僕や須藤に仕掛けるよりはかなり勝率が高そうだ。

 

(うわまたあいつら? 最悪)

(ホントキモイまじであり得ない)

(はぁ、あいつらは。中間試験が終わって気が緩んでいるというレベルじゃないな)

(池と山内、相変わらず大声で女子から引かれる話をしているな。モテたい、と言っていたが、本当にそうなのか?)

 

 クラスメイトたちの冷ややかな視線にも気付かずに、池と山内と呼ばれている2人はクラスメイトの女子にまで聞こえる声量で雫のブログの話に花を咲かせる。

 その話を同じ空間で聞かされている佐倉さんだが、彼女はカメラのことでそれどころじゃないのは救いか? 

 

(ん? あれは、知らないやつだな)

「どうしたの綾小路くん、いつにも増して変な顔だけれど……彼は? (見たことない顔ね)」

 

 さすが透明化していた僕の気配に気付いた綾小路くんだ。可能な限り気配を消していた僕に気づくとは。

 それに追従して堀北妹も僕に気付いたらしい。

 

「いや知らないな」

「それもそうね。貴方が知ってる他クラスの生徒なんているはずないもの」

「……一之瀬は知ってるぞ」

 

 なんなんだあの2人。

 幸い、あの2人にしか聞こえない程度の声量だから他の生徒には気付かれていないようだが。

 

「そういえば、最近Cクラスの生徒が付きまとってくると平田くんたちが言っていたわね」

「ああ……(だがあいつはCクラスの生徒には見えないが)」

 

 このままここにいてはあらぬ誤解を受けそうだ。ただでさえCクラスからは椎名さんと趣味が同じだけで彼女のことを好いている勘違いヘアピンメガネヲタク野郎と思われているのに、Dクラスからも怪しまれると面倒だ。

 しかし、事情を説明しようにも僕と佐倉さんの接点がまるでないから、彼女を呼び出すのは難しいな。

 

 仕方ない。須藤の件を話して、その近くで佐倉さんを見た事を言うか。

 その時何かを落とす音がして、佐倉さんが慌てていたから気になって来てしまった。

 

 やはり僕の方がストーカーなのでは? 

 だが、石崎に呼び出される前に佐倉さんのカメラとストーカーの件を処理しておきたいからな。

 

 モールス信号で少し来てくれと言ったら、どちらかは来てくれるだろうか。

 試してみるか。

 

 ちょっとずつなんだ。ほんの少しの力で。

 何回もたたく。

 

「彼は何を……?」

「(……あれはモールス信号か? 少し来てほしい……? 堀北には伝わってないみたいだが)行ってくる」

「えっ、ちょっと」

 

 綾小路くんには伝わったらしく、教室前では目立つので離れて待つ。

 

「なんだ? モールス信号で呼び出すなんて(オレが知らなかったらどうする気だったんだこいつ)」

 

 来てくれた無表情ながらも、心の中で綾小路くんは疑問の表情を浮かべる。

 その時は佐倉さんを連れ出すのを諦めて、家電量販店でストーカー退治でもしようと思っていたが。

 

 とりあえず自己紹介でもしておくか。

 

「あぁ、オレは綾小路清隆だ。それでどうしたんだ? (Bクラスか。やっぱりCクラスじゃなかったな)」

 

 あそこにいるメガネの女子に聞きたいことがあると伝えると、綾小路くんは(ん?)と首を傾げた。

 

「佐倉のことか?」

 

 綾小路くんの問いに頷くと、僕は昨日のことを簡潔に話した。

 

「どうしたの?」

 

 話し終えた後で、綾小路くんがなかなか戻ってこないことが気になったのか堀北妹がやってくる。

 

「昨日須藤がCクラスの生徒に絡まれて、近くに佐倉がいたらしいんだが、その時に何かを落として壊した様子だったから気になって来たらしい」

「待って須藤くんが? Cクラスの生徒に? どういうことかしら」

 

 同じ話を2度もさせないで欲しいな。

 綾小路くんに掻い摘んで話したからあとで聞いてくれと、言うと堀北妹は「なっ!」と少し不機嫌になった。

 

「斉木が普通に呼べばいいんじゃないか?」

 

 いきなり他クラスの人間が話しかけると驚かせてしまうかもしれないからな。

 それに僕は人に話しかけるのが苦手なんだ。

 

「(まぁモールス信号で人を呼ぶくらいだからな。斉木も人とのコミュニケーションに苦労しているのか)わかった。オレが声をかけてくる(頼まれた以上はしっかりやらないとな。それが普通らしいし)」

 

 思いのほか、心の声が多いな。

 頼られて少し嬉しそうな声音で返事をした綾小路くんは教室に戻っていく。

 だが、もう佐倉さんは帰り支度をして下駄箱に向かったからいないんだがな。

 

「悪い、もう帰ったみたいだ。追いかければまだいるかもしれないが」

 

 ああ。じゃあ一緒に追いかけよう。

 

「(一緒に……?)わかった。鞄を取ってくる」

「え? (行くの?)」

 

 堀北妹は綾小路くんが行くのが意外なのか、怪訝そうな目を向けながらも綾小路くんと共に佐倉さんを追いかけることにしたらしく、教室に戻り鞄を取りに行く。

 

「堀北も来るのか?」

「仕方ないでしょう。彼に聞きたいことがあるんだから」

 

 キッと僕を睨みつけてくるが、どうやら堀北妹を敵に回してしまったようだ。

 君が聞きたいことの答えは同じクラスの須藤と佐倉さん本人に聞けば片付くぞ。

 

「あなたしか知らないことがあるかもしれないでしょう? (中間試験の時といいどうしてBクラスの生徒がうちのクラスに首を突っ込んでくるのかしら)」

 

 僕しか知らないことなんてないさ。僕が知っているのは僕が知っていることだけだ。

 そしてBクラス、というよりは僕がDクラスに首を突っ込むのは成り行き上仕方なくだ。

 それを説明するのには時間がないな。

 

「(あれは……)いたぞ」

 

 カメラのことで憂鬱になっていたのもあり、佐倉さんは下駄箱で靴を履き替えたところだったようだ。

 

「佐倉」

「うひゃあっ!?」

 

 突然声をかけられて驚き、佐倉さんは小さく悲鳴を上げて飛び跳ねる。

 

「お、驚かせてすまん(驚きすぎだろう)」

「綾小路くん」

「オレのせいか?」

「あ、いえ……ごめんなさい……(綾小路くんと堀北さんにそれに……)」

 

 誰ですかという顔をするので自己紹介をしておくと、僕は斉木楠雄。1年Bクラスの生徒だ。

 

「さ、佐倉愛理です。そ、それでなんの御用でしょうか……?」

 

 ビクビクとしながら佐倉さんは僕たちから距離を取ろうとする。

 

「斉木が昨日のことで佐倉に聞きたいことがあるそうだ」

(き、昨日の!?)

 

 驚くのは無理もないが、そこまで警戒しなくてもいい。

 ただ下駄箱で話すのは憚られるから、場所を変えたいな。

 そうだな、丁度いいしカメラを直しに行く口実を作ろうか。

 

(えっ……ケヤキモール? 行きたくない、けど、もしかしたらカメラを直すのについてきてくれるかも)

「ケヤキモール? 話ならここか教室でいいでしょう」

 

 堀北妹はいいかもしれないが、佐倉さんはそうじゃないんだ。

 

「(ケヤキモールに何かあるのか? 佐倉が何かを落としたと言っていたが、斉木は既にその何かを知っているのか?)佐倉がいいならいいんじゃないか?」

 

 君のような勘のいい男子は困りものだな。

 だが、察しが良くて助かる面もあるがな。

 

「わ、私は、はい」

「なら問題ないな」

「……わかったわ」

 

 ということで僕たちはケヤキモールに向かうことになった。




やっと主人公と顔見知りになった。
これでDクラスルートがストーリーモードに追加されましたね。

斉木は茶柱せんせの心読んだり、堀北兄妹の喧嘩を止める綾小路を見てるから綾小路の実力を知ってるんですけど、綾小路は斉木のことよく知らないながらもモールス信号やらで(なんかありそう)くらいには思われてる。

おまけ書きたいけど本編の感想よりおまけへの感想の方が多くなるから、嬉しいっちゃ嬉しいけど、なんだかなぁって気持ちにもなるので一旦保留で。
赤保留くらいになったら書きます(どゆこと?)
とか言いつつ僕は書きたいからおまけを何度でも書くよ

あと梅雨入りして体調安定しないのでしばらく投稿空くかもです
ストックもないし!斉木が邪魔したからストーリー変わったし!させたの俺だけど!あ〜ッ!!!
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