ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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早く終わらせたいのに会話パートが長くなって終わらない
斉木、お前船降りろ(乗船前)


綾小路、Ψ初の連絡先交換?

 僕がコーヒーゼリーメーカーを超えたヨーグルト&ゼリーメーカーなるものに夢中になるというアクシデントはあったが、無事に佐倉さんのカメラ修理の手続きは完了した。

 僕が店員の気を引き付けている間に、綾小路くんの電話番号は書けたようだ。

 これで近日中にカメラ修理以外の用件で綾小路くんのところに電話があれば、あの店員の黒が確定する。

 あちらは修理手続きの書類に書かれた電話番号が佐倉さんのものだと思っているからな。

 佐倉さんを危険な目に晒さずにあの店員が彼女のストーカーであると示すにはこれしか無かった。

 佐倉さんが今遭っている被害は手紙の投函と雫に関するスレッドだ。

 "雫への愛を叫ぶスレ"や"雫とかいうグラドルww"にあの店員と思わしき厄介ファンがいる。

 声が松岡禎丞ならかっこいいセリフを吐いてはいるが、中身を知っている僕からすれば呆れるしかない。

 たまに過激な発言もあり、他のスレ民からは忌避されているようだ。

 

「きょ、今日はありがとうございました!」

 

 店を出ると佐倉さんが僕と綾小路くんに頭を下げてくる。

 

「気にしなくていい」

「ええ。須藤くんの件も聞けたし、カメラちゃんと直るといいわね(その写真でCクラスに何かしら反撃が出来たらいいのだけれど)」

 

 堀北妹は別にお礼を言われてないんじゃないかと思いながら、僕も気にしなくていいと首を横に振っておく。

 

「い、いえ、ほ、ほんとうに助かりました!」

 

 やたらとしつこいな。

 佐倉さんからすればカメラを直しに来れたことは嬉しいことこの上ないんだろうが。

 

「直ったと連絡が来たら、また集まろう」

「は、はい!」

「ええ」

 

 ええ? 

 これは僕も同行する流れか? 

 巻き込んだのは僕だから仕方ないか。

 

「(今なら不自然じゃないよな……)斉木、連絡先交換しないか?」

「わ、私も!」

(えっ? 佐倉さんも……私は遠慮しておきましょう)

 

 不自然? 連絡先の交換を申し出るタイミングとしてか? 不自然ではないと思うが。

 巻き込んでしまった以上綾小路くんとは連絡先を交換しておくべきか。

 佐倉さんは別にいい気がするが。

 

「(!) そうか、じゃあえーっと、こう、やるんだよな? (初めてのDクラス以外の人の連絡先だ)」

「あっ、はい……そう、ですよね……(お礼ちゃんとしたかったけど、学校同じだし、いつでも大丈夫、だよね……?)」

 

 佐倉さんはそういう意図だったのか。

 本当に気にしなくていいんだ。

 カメラが直って、須藤に殴りかかる、誰だったか。Cクラスの僕がこかしてしまった男子の写真があれば、Dクラスから訴えまでは出来なくても学校側に注意を促させることはできるだろう。

 そうすればCクラスも僕なんかに構っている時間もなくなるし、龍園とやらは学校側が生徒同士のトラブルにどう介入してくるか見ることが出来る。

 誰も損しない素晴らしい結末が見えてきている。最近予知夢や予知の類を見ないからなんとも言えないが。

 

「そういえば斉木はクラスメイト以外の連絡先はどれくらい持っているんだ?」

 

 大したことはないと思うが。

 Cクラスの椎名さんに、堀北生徒会長、あとは今追加された綾小路くんだけだ。

 君で三人目だと伝えると綾小路くんは「そうか」と呟いたが。

 

(3人目か。俺は斉木が1人目だが、普通はこんなものなのか? 櫛田は友達がたくさん欲しいと言っていたから他クラスとも積極的に交換してるんだろうし)

 

 どうしたんだその反応は? 

 

「斉木、Dクラスの櫛田とは連絡先を交換したか?」

 

 していないが。

 そもそも会ったこともない。

 そして、仮に連絡先を交換しようと言われても、今のように必要性を感じなければしないしな。

 日中は手元にあるが夜や休みの日はほとんど充電器に繋いだままで、見ることもない。

 

「良かったわね綾小路くん。あなたはクラスが同じだから櫛田さんとも交換して貰えて」

「櫛田なら、同じクラスじゃなくてもしたんじゃないか?」

「目の前にしていない人がいるじゃない」

 

 交換する必要も無いじゃない。

 クラスメイトも最低限しか交換していないぞ。

 一之瀬さんや神崎、姫野さん、あとは柴田くらいだ。

 クラスからの連絡は全体のチャットルームがあるし、加えて交換した相手とも話すとも限らない。

 実際テストが終わるまでは一之瀬さん、神崎、姫野さんから連絡が来ていたが、今となっては時々神崎から来るだけだしな。

 

「堀北は他クラスどころかDクラスとも交換してな……てぇ!」

「黙りなさい。いいのよ、私は(兄さんのさえあれば。なくなったけれど)」

 

 なんでコンパスを持ち歩いてのかと思ったが綾小路くんへの攻撃用だったのか。

 今回はシャープペン側で刺しているが、針がついてるから危ないと思うぞ。

 

「あ、危なくないですか……?」

「さすがに人前では刺すなよ」

「貴方が余計なことを言うからよ」

 

 堀北妹は須藤のことをとやかく言える立場にないのではないか? 

 綾小路くんが怪我をしないとこを祈っておくが。

 というか、堀北妹は連絡先を持っていないのか? 僕は持っているが。バイバイ。

 

「えっ、と、これからどう、するんですか?」

「私は帰るけれど」

「オレは……(斉木からさっきどうしてオレの電話番号を書かせたかを聞きたいが、はっ! もう連絡先を交換してあるから別にここで離れても夜とかに連絡すればいいのか!)」

 

 初めて異性と連絡先を交換した中学生か? 

 高校に入ってからは初めてのようだし、この反応が普通……なのか? 

 夜に連絡するのは面倒だからな、綾小路くんには帰りながら伝えたい、が。

 佐倉さんを1人にするのは心配だし、帰り道は同じだ。堀北妹に送ってもらうとしよう。

 

「え?」

「え、あの斉木くんたちは……?」

 

 綾小路くんさえよければ少し話してから帰りたい。

 ケヤキモールから寮までの道でも話せるが、佐倉さんと堀北妹がいると話が長くなりそうだからな。

 

「(斉木から言ってくれたか。これは助かる)オレは構わない。大丈夫だ」

 

 頷いてくれた綾小路くんに礼をと言ってから、佐倉さんたちに別れを告げて、彼女たちから離れる。

 

「さっきのことだよな。どうして佐倉じゃなくてオレの電話番号を書かせたんだ? (佐倉を1人にさせないようにした理由も気になるが先にこっちだな)」

 

 早速でたすかる。

 普通に事実を語ると僕が佐倉さんのストーカーになりかねないから言える部分だけ言っておくか。

 まず、佐倉さんがカメラの修理にすぐに向かわなかったことが気になったこと。

 そして、店員の態度と、人見知りを加味しても佐倉さんの怯えようがおかしいと感じたことを話す。

 

「それはオレも思ったな」

 

 次に修理か交換か決まってない段階で店員が個人情報を求めたこと。

 古畑任三郎ならもうこれらの要素で額を叩きながら唸っていることだろう。

 

「古畑? だれだ?」

 

 すでに古い作品だから知らないのも無理はないか。

 要するにあの店員と佐倉さんの間に何かある可能性があるというのに気付いたから保険をかけたんだ。

 それに、と僕は滅多に使わない電子端末の画面を見せた。

 

「(女の子の水着? 斉木もこういう趣味なのか?)これは?」

 

 んなわけないだろ。

 

「待てよ、この子まさか……佐倉か?」

 

 そうだ。彼女はグラビアアイドルをやっていたんだ。

 ここは外部との連絡が取れないから今は活動を停止しているが。

 

(雫……池や山内たちが言っていたやつか)

 

 そして、雫に関するスレッドや掲示板は多くはないが存在している。

 その中でもあの店員と思わしき、というかあの店員の書き込みを抜粋したものを見せると綾小路くんは「なるほど」と呟いた。

 

(しかし、斉木はどうして佐倉が雫と? ファンと言っている池や山内でも気付けていなかったぞ)

 

 僕が佐倉さん=雫と知っている理由として、須藤とCクラスのいざこざの際に見た彼女がコンビニ雑誌などの表紙で見かけた雫に似ていたからと言えば納得はするだろう。

 さっきは彼女のプライバシー保護のために黙っていたと言えば綾小路くんは納得してくれる。

 スレッドを見つけたのは雫を検索していたところで、彼女の世間的な評判が気になったからとでもしておくか。

 

 一応、店員が雫のファンで佐倉さんのストーカーとは確定していないが、もしストーカー本人なら佐倉さんの個人情報が漏れるのはまずいと思ったから君に君の電話番号を書かせたと伝える。

 

「カメラが直った以外の連絡が来たら佐倉の厄介ファンということか」

 

 そういうことだ。

 君には迷惑がかかるが、頼んでもいいだろうか。

 

「ああ、大丈夫だ。しかし、仮に電話が来ても録音機能とかはあるのか?」

 

 通話記録とその音声は残るらしい。

 

「オレはあの店員の番号を知らないが分かるものか?」

 

 おそらく電気屋の電話番号ではなく、個人や他の電話番号を使うだろう。

 電気屋の電話番号以外で番号しか映らない相手や非通知の相手からかかってくると思う。

 

「(そこまで見通せてるのか)すごいな」

 

 推理小説やドラマは好きなんだ。

 これくらいは普通だと言っておく。

 

(そうか、これが普通なのか。なるほど。ホームズくらいの知識しかないが、さっき言ってた古畑とかも見てみるか)

 

 それはドラマだ。

 見る分には面白いと思うから見てみるといい。

 古い作品はあまりネタバレを喰らわないから安心していたのに、まさか母さんにネタバレされるとは思わなかったが。

 

「そうか。見れるところを探しておく(これが、同級生との会話か。堀北や櫛田、池や山内とはまた違った感じだな)」

 

 綾小路くんは生徒の多い学校に通うのが初めてなのか? 

 田舎などでは、同級生どころか他学年も少ないとは聞いたことはあるが。

 上京ということなら家電屋に疎かったり、連絡先の交換や同級生に関する話も分からなくは無いが。

 

「ストーカーの件は電話が来たら学校側に連絡すればいいのか?」

 

 その方がいいんじゃないか? 

 僕らがどうこうできるものでも無いだろうし。

 それにその方が佐倉さんが何も知らずに事を片付けられると思うしな。

 

「わかった」

 

 すまないがよろしく頼むと言ってから、そろそろ帰ろうと促すと彼は頷いた。

 これで佐倉さんの問題は片付きそうだ。Cクラスの方は、佐倉さんのカメラが直り次第ではあるな。

 堀北妹はCクラスにやり返しを狙っているようだし、上手くいけば僕は1度呼び出されて終わりだろう。

 あと1週間もすれば僕は害を被ることなく、平和な学校生活に戻れそうだ。

 




斉木が関わらなかった場合
須藤殴られ怪我するもやり返すため事件発生▶︎CクラスがDクラス訴える
あとは原作通り(斉木が証拠提出せず、Dクラスの動きを見守る)

関わった場合
事件発生せずだが佐倉のカメラ壊れる▶︎Dクラスとの事件なくなり標的がB(斉木)へ▶︎矛先をDからCにして有耶無耶にするため佐倉にカメラを直すように促す▶︎ついでにストーカー事件解決のために綾小路に協力を求める
やることが増えとる!(ビリッ!)
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