ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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堀北鈴音、燃堂力説は不名誉すぎるのでやめて差しあげて
一応思ってることと言うことがほぼ同じ場合は()をつけないようにしてるだけなので、堀北さんは脊髄や反射で会話してません。
ただ自分勝手で、自分より優れた人間は兄しかいないと思ってる可愛い女の子なんです。
自分勝手で、仲間思いで、バカでケツアゴな声と性格のいい男と一緒にしないでください!


やめてくだΨ!尾行、ストーカー

 白波さんの恋路を見届けたあと、僕はケヤキモールに足を運んでいた。

 放課後になって少し時間が経っているからか、周囲に人は多く、テレパシーで届く声も多い。

 

(明日は誕生日だ)

(あークソ、また迷った)

(ン〜、今日はどのレディと遊ぼうかね〜)

(あれ、変わったヘアピンとメガネしてる細身のやつ……アレが斉木くにおってやつ?)

 

 その中に聞き覚えのある声かつ、僕のことを指しているのであろう単語をキャッチした。

 

(今日石崎が特別棟に呼び出したとか言ってなかったっけ。なんでここにいるんだ? ほんとに呼んだのかアイツ)

 

 ショートカットで龍園グループの紅一点というには火傷しそうな苛烈さを持つ伊吹さんに捕捉されてしまったようだ。

 

(石崎に連絡……したところでか。ここだと監視カメラもあるし、人の目もある。てか、普通に考えてあいつの作戦が成功するとは思えないし)

 

 携帯を出しかけた伊吹さんだが、意外と冷静らしい。

 ただ石崎への信頼が薄すぎる故の結論という気もするが。

 

(あいつこんなところで一人で歩いて、何かあるのか?)

 

 その言葉、そっくりそのままお返ししてやろう。

 ずっと僕に目を向けて、意識も向けているあたり伊吹さんも1人だ。

 見るからに一匹狼という感じだから、納得でしかないんだが。

 

(あんなのが椎名と仲良いのか。歩く姿勢はいいけど、地味だし、なんか陰気そう)

 

 Cクラスの連中は何か僕に恨みがあるのか? 

 偏見で他人を語ってはいけないぞ。

 伊吹さんのことを見た目と雰囲気で一匹狼だと僕は言ったように聞こえるかもだが、テレパシーで心情を覗き見れる僕はその限りではない。

 あれは見た目と中身が一致している素晴らしい例だ。

 伊吹さんに限らず、この学校の生徒は見た目と中身の一致率が高いと思うが。

 

(特にすることもなかったし、着いて行ってみるか)

 

 暇なのか? 

 ケヤキモールでならいくらでも時間は潰せるだろうに。

 しかし、今日はやたらと女性に絡まれるな。

 これが思春期故に多感かつ性欲旺盛な健全な男子高校生なら喜びを感じるのかもしれないが、嬉しいことに僕は違う。

 人との関わりがトラブルの元であることを熟知している僕は、それを避けたいのだ。

 僕が異能力者バトルモノの主人公なら彼女を人知れず爆破している可能性が無きにしも非ずだ。

 冗談だ。爆破させる超能力はないからな。

 せいぜいサイコキネシスを利用して、鬼舞辻無惨が縁壱から逃げる時に披露した千八百くらいに肉体を分裂させることくらいか。

 これも冗談だ。

 

 笑えないジョークはさておき、尾行をしてくる伊吹さんをどうにかするか。

 

 電気屋に行くのは簡単だ。

 ここからエスカレーターをのぼるだけ。

 そう遠くない距離だ。

 しかし、伊吹さんに綾小路や堀北さん達と居られるところを見られるのはまずい。

 龍園は元々、綾小路たちDクラスを標的に攻撃を仕掛けたが、石崎の転倒というミスでその攻撃も失敗している。

 そして今度は面白半分で僕にちょっかいをかけようとしている。

 

 その渦中にある僕がDクラスの生徒と接触しており、さらに女生徒(佐倉さん)のカメラを確認しているとなれば何かしら怪しまれるかもしれない。

 龍園という男を良くは知らないが危ない橋は渡らない男というのはこの前のカラオケでの様子で理解できた。

 堀北さんが、カメラの画像を確認しCクラスの名を出すのが1番最悪なケースだ。

 そうならない為にも伊吹さんにはここで消えてもらおう。

 

(トイレ? ちっ、早く出てきてよ)

 

 超能力なんてろくな事がないとは常々思っているが、使い方次第ではある。

 今の僕のように上手く使うことができるならば、伊吹さんを撒くくらい容易いことだ。

 

(いつまで入ってるんだ)

 

 伊吹さんに催眠をかけて、僕の姿を清掃スタッフと認識させる。もちろん、監視カメラには斉木楠雄としか映らないし、伊吹さん以外にも斉木楠雄にしか見えない

 

(はぁ、男のトイレって長いのかな。携帯見ながら時間潰すか)

 

 携帯を触り始めた伊吹さんの隣を僕は普通に通り過ぎる。

 彼女の意識は僕にしかいっていないため、僕以外の誰かが出てきたところでそこまでの意識は向けない。

 

(はぁ、出てきたと思ったら掃除の人か。てか、私なんでこんなこと……)

 

 こうして何の障害もなく僕は電気屋へ行くことができた。

 伊吹さんが永遠に男子トイレの前で待つことになるが、貴重な放課後を尾行なんてものに費やすからそうなるんだと学習してくれるだろう。

 クラスポイントのこともあり、彼女が男子トイレに突入することはないだろう。

 トイレから出てこない僕を心配して人を呼ぶ可能性はあるが、その時は変なものでも見たと思ってもらうとしよう。

 

 エスカレーターをあがり、電気屋に着くが入口前には彼らはいなかった。

 

(うるさいなぁ。アイドルの話なんて興味ないよ。このおじさん暇なのかな。てか、佐倉さんのカメラなのになんで私と綾小路くんが受け取らなきゃいけないの? せめて、堀北も……あぁ、ダメだ。あいつと並び立つとか無理)

 

(この店員、女なら誰でもいいのか? 堀北にもこんな饒舌に喋れるのなら尊敬するが)

 

 まだカメラを受け取っていないのだろうかと先に進む前にドス黒い心の声と好奇心で遠回しな自殺を考えている声が聞こえてきた。

 どうやら受け取りに行ったのはあの中では一番社交的な櫛田さんと、連絡先を記した綾小路のようだ。

 

(あの2人遅いわね。いつまで待たせるのかしら)

 

 こうして心の声を聞いていると堀北さんと伊吹さんは性格が近いように感じるな。

 2人とそれほど知り合って間もない、というか伊吹さんは面と向かって話したことは無いが。

 

「(堀北さんなんかイライラしてる……こ、こわい……)あっ、あ、斉木くん」

 

 すまない、またせたと声をかけると、不機嫌な堀北さんと一緒にいて精神をすり減らしていたのか佐倉さんが笑顔を向けてくる。

 堀北さんは僕に見向きもせず、カウンターで修理されたカメラを受け取りに行った2人を見やる。

 

「あれ、どうにかしてくれる? 10分くらいあの店員に櫛田さんが絡まれているわ(さっさと受け取ればいいのに。綾小路くんも何黙って聞いてるのかしら)」

 

 君が行けばいいんじゃないのかとも思うが、言ったところで無駄だろうな。

 

「で、最近活動を休止している子が」

 

 堀北さんならここで、ペラペラとよく喋るな豚野郎とか言うんだろうかと思いながら、櫛田さんと綾小路に声をかける。

 

「(あ、やっと来た)斉木くん」

(あぁ、斉木、やっと来てくれたか)

 

 すると、2人は待ってましたとばかりに振り向く。

 

「ごめんなさい、友達が来たのでそろそろカメラ受け取ってもいいですか?」

 

 櫛田さんは愛想笑いを浮かべてカメラ屋の店主に手を合わせる。

 

「あぁ、はい……(ちっ、また邪魔するのかよこのスイーツメガネ)」

 

 櫛田さんとの楽しい一方的な会話を打ち切られた店員は、家電屋の袋を差し出してくる。

 

「ありがとうございます! では! (あーやっと終わった)」

 

 櫛田さんは頭を下げるとカメラが入った袋を受け取ると、すぐさま踵を返して佐倉さんの方へと向かう。

 

「はい、佐倉さん」

「あ、ありがとう、ございます……」

「どういたしまして(ぶっちゃけ、私はほとんど何もしてないし)」

 

 櫛田さんが受け取った袋を、佐倉さんへ手渡した。

 

「良かったな佐倉(あの店員も佐倉は見はしたが、特に声はかけてなかったな。斉木の思い過ごし、ならいいんだが)」

 

「は、はい。ほ、ほんとうに、よかった、です」

 

 カメラを受け取ることが出来たことで安心したのか、佐倉さんはほっと息を吐く。

 

(ようやく終わったわね。じゃあ本題に……)

 

 そんな和やかな雰囲気を気にしない堀北さんは、佐倉さんにカメラを出して、石崎たちと須藤の揉め事の現場写真を見ようと口を開きかけるが。

 

「……っ!? (な、なに、これ、声が、出な……身体も動かない……!?)」

 

 少し大人しくしていただいた。

 佐倉さんはあそこで自撮りをしていたのだから、見られたくない写真もあるだろう。

 データの確認は帰ってからやると言っているし、同じ寮なのだから帰ってからでも問題ないだろう。

 

「あ、よかった……写真、消えてない……!」

 

 少し離れたところでカメラを起動し、データを確認する佐倉さんは嬉しそうに呟いた。

 そんな佐倉さんを見守っていた櫛田さんは彼女の顔に見覚えがあったのか首を傾げていた。

 

(佐倉さんの顔どこかで見たことあるような……? 知り合い、とかではないけど、なんだろう。とりあえずメガネが邪魔って感じがする)

 

 ふむ、雫というアイドルはそんなに人気だったのだろうか。男子ならまだしも、女性の櫛田さんにも知られているのは意外だったな。

 

「(カメラの件は片付いたが、ストーカーの件をどうするかだな。佐倉のことを妙に気にかけてたし、怪しいのは怪しいんだが)斉木」

 

 声をかけてきた綾小路は、佐倉さんをじっと見つめている店員に気づかれない声量で僕が来るまでの店員の様子を教えてくれた。

 カメラの持ち主は彼女ですよねとやたらと佐倉さんをカウンターに呼んできたらしい。

 

(雫……いや、佐倉め。カメラにパスロックなんてかけやがって。でも、あのカメラに入ってる写真はブログにも載せてるだろうし、気にしないけど……僕たちとの間に隠し事は良くないよ……またブログと手紙書こう)

 

 やれやれ。

 こっちが警戒心剥き出しで接したというのに、店員の方が気にしている様子はない。

 自分の行動や考えが正当なものであると考えているようで腹が立つな。

 しかし、彼が佐倉さんのストーカーであるという確固たる証拠はないわけだしな。

 

 あるのは店員が送った手紙とブログの書き込みくらいだが、彼のパソコンを調べるのは普通の手段では無理だな。

 手紙は便箋などを使っていれば購入店などから特定しやすいが、コピー用紙を使っているから無理だな。

 

 早いのは佐倉さんが手紙を持って店員のところに行って「もうやめてください」と拒否反応を示すことだが。

 堀北さんや櫛田さんなら出来ると思うが、佐倉さんに危険が伴うし、難しいだろうな。

 

「あの店員の件、早めにどうにかしないとまずくないか?」

 

 まずいのはわかっているが、あっちから動いてもらわないと厳しい……ん? 

 そうか、動かす手がないわけではないか。

 

「(佐倉に直接店員と会わせて反応を見るくらいしか思いつかないが……)何か思いついたのか?」

 

 こっちから動けないならあちらから動いてもらおう。

 まさか石崎の作戦を使うことになるとは思わなかったが、あれなら名前以外は佐倉さんを巻き込まずに済む。

 あと少し、あと少しの辛抱だ。

 待っててくれ、僕の平和なスクールライフ。




ハンターハンターの連載が再開されそうにないので書きました
次で終わると言ったが終わらなかった
終わらせようとすると8000字超えると思ったのでキリのいいところで終わらせました
無人島編行きたいのでストーカーとCクラス周りはダイジェストで終わらせたい。終わらせてもいいよね?答えは聞いてない!
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