ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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神崎くん影薄いとか言われてて可哀想
彼の活躍はこれからだから……
アニメの作画1期が割と好きです(隙あらば)


無人島試験2日目の朝

 無人島生活2日目の朝は晴れだった。

 自宅に帰って天気予報を確認したかったが、煩わしい腕時計のせいでそうもいかない。

 普段のベットと寝心地が異なるため、少し身体に違和感はある。

 これがあと6日か。

 もう既に1年くらいいる気分だが、そんな気持ちを切り替えるためにみんなが起きる前に井戸の水で顔を洗う。

 僕の目を見ると、見た人は石になってしまうからだ。

 この超能力に関しては全く使いどころがなく、僕がメガネをする一因になっている。

 おかげで僕のアイデンティティの1つとして見られている節があるのは迷惑と言いたいところだ。

 さてと、今日はBクラスはどうするのだろうかと他に起きてくる面々がいないかと見ていると椎名さんが起きたらしい。

 

(おや? 斉木くんがいない……先に起きているのでしょうか)

 

 椎名さんは思いのほか早起きらしく、ハンモックから降りると彼女も顔を洗うために井戸の方へとやってくる。

 

「おはようございます、斉木くん。昨日はよく眠れましたか?」

 

 ハンモックでの睡眠は初めてだったが、まあ悪くはなかったな。

 虫対策もしていたおかげで睡眠が中断されることなく、眠ることはできた。

 しかし、やはりベットでの眠りのほうが疲れが取れるような気はするな。

 

「そうですか。私もハンモックで寝るのは初めてでしたけど、よく眠れました(よく考えたらお父さん以外の男の人と寝るのは初めてでしたね)」

 

 それは良かったな。

 心の声の部分は聞かなかったことにしておこう。

 

「私は一旦Cクラスに戻りますね。点呼が(そういえば龍園くんがポイントを全部使い切ったので点呼に行かなくてもいいんでしたね)あ……りますけど別に戻らなくていいですね」

 

 Cクラスはリーダー当てに専念するのか。

 それか、他のクラスと協力か寄生して乗り切るのか。

 どちらにせよ僕には関係の無いことだな。

 

「……どうして戻らなくていいか聞かないんですね」

 

 聞かなくても大体の察しはつくからな。

 まあそう言うと僕がCクラスの警戒対象に入るかもしれないからな。

 それに椎名さんはここに龍園に追い出されたから来たと言っていたし、僕がその理由を尋ねるのはおかしなことだろう。

 僕がその事を指摘すると椎名さんは困ったような表情を浮かべた。

 

(そういえばそう言ったんでしたね。忘れてました)

 

 やれやれと僕が肩を竦めているとクラスの連中が何人か起き出したらしく、ハンモックから降りてくる者やテントから出てくる者を見かけた。

 女子の何人かはすっぴんなのを気にして出てきていないが男子のほとんどは起床しており、朝ごはんの支度や魚釣りなどを始めるようだ。

 Cクラスのスパイと認知されている椎名さんがいるためかクラスメイトはあまり近づいてこないが、神崎だけが僕の方へとやってくる。

 

「斉木……と椎名だったよな? 悪いが朝食の用意を手伝ってくれ」

「ええ、構いませんよ。今日は何にするんですか?」

「(信用していいかは分からんが……)……斉木のおかげで食料に余裕があるからサラダとフルーツだ。紙皿に盛るのを手伝ってくれ」

「はい、分かりました」

 

 神崎も思うところがあるのだろうが、素直に手伝いをお願いしている。

 神崎としても椎名さんが敵視されないように配慮しようという考えなのだろう。

 彼女は昨日サラダを作るための手伝いに向かっていった。

 僕も向かおうとしたところ、神崎に呼び止められる。

 

「斉木、椎名のこと本当に信用していいのか?」

 

 信用はしない方がいいだろうな。

 一応龍園からの命令を受けて来ているわけだし。

 目的はリーダー当てだろうが、ついでに一之瀬さんや神崎、僕の実力を判断しようとしているのだろう。

 だが、それを言わずとも神崎は分かっているのか、納得した様子を見せていた。

 

「気を遣ってるのか? 椎名のこと」

 

 まあ、放っておくこともできるが、唯一の知り合いが僕だけなら僕が相手をした方がいいだろう。

 椎名さんならBクラスの女子とも仲良くはなれそうだが、趣味が一致しているのはいないから時間がかかるだろう。

 僕がそう答えると神崎はどこか意外そうな顔を浮かべていた。

 

「いや、改めてお前が優しいやつだと思っただけだ」

 

 なんだかんだで椎名さんを受け入れているこのクラスに言われることじゃないが。

 

「俺達も行こう。食べ終わったら今日の方針を決めることになるが、斉木はどうする?」

 

 僕は特に何も無いな。

 何かやれと言われたらやるが、あまり動きすぎるとそろそろ虫に出くわしそうだ。

 その辺でのんびりしていると伝えると神崎は苦笑していた。

 

 ###

 

「……Bクラスに声をかけるのはまた後だったんだがな、どうしてここにきた? 斉木」

 

 暇だったから島を散策するため浜辺に出たら、ポイントを使い切ったと見せかけるために豪遊しているCクラスを見つけてしまった。

 そして、素早く退散しようと思ったが、山田アルベルトに見つかってしまい、僕は龍園の所に連れてこられていた。

 おかげで彼の取り巻きである石崎と金田から観察されてしまっている。

 

(斉木のやつ、俺の呼び出しを無視したくせにふらっと来やがって……)

(あれが斉木楠雄……思っていたほどヲタクのような雰囲気はありませんが……)

 

 小宮と近藤がいないのはDクラスにこの光景を見させるために呼びつけに行っているからだろうか。

 さて、ここに来た理由か。

 特にないな。海辺に出たら君たちがいたというところだ。

 

「(ウチのクラスを探りに来た……って線はなさそうだな。無警戒すぎる)ひよりはどうだ? オレの読みじゃお前を頼ってBクラスにいると思うんだが」

 

 元気そのものだ。

 招かざる客であることを理解して朝食の量を控えめにしようとしていたから、僕のを少し分けてやったら喜ぶくらいにはな。

 まあそれを言う必要は龍園になく、追い出しておいてよく言うと答えておく。

 

「はっ、オレのクラスには頭のいいだけのお利口さんはいらないんでな。伊吹のように手を出さずに追い出してやっただけありがたいと思え」

 

 やはりDクラスにもスパイを送っているのか。

 まあそれくらいはするか。

 ということはAクラスにポイントの残りか物資を提供する代わりに何らかの見返りを要求しているといったところか。

 話すこともなくなったしここの生活を見ていると羨ましくなりそうだから帰ろうかとしていると、こちらにやってくる気配が4つ。

 

「龍園さん連れてきました(って斉木? なんでBクラスのやつがいるんだ?)」

 

 最初にやってきたのは小宮と近藤で、その後ろには彼らに何と言われてきたのかは分からないがDクラスの堀北妹と綾小路の姿が見える。

 

「斉木くん? (どうしているのかしら。それも1人で。まあ彼は大抵1人な気がするけど)」

「(斉木だ)斉木じゃないか、お前もパラダイスを見せてやるかと呼ばれたのか?」

 

 僕はたまたまだ。

 しかし、パラダイスか。

 ビーチパラソルにビーチチェア、浮き輪にビーチボールと砂浜で遊ぶには欠かせない遊具に加えて、龍園の足元の冷ケースには水や炭酸飲料などが入っている。

 確かに自給自足に近い生活をしているクラスに比べればパラダイスと言えるだろうが、エアコンも扇風機もふかふかのベットも1日時間を戻さないと映らなくなるテレビがない生活をパラダイスとは呼べないだろう。

 言っていて気づいたがテレビもう映らないな。

 仕方ないから卒業後に新しいのを買うとしよう。

 綾小路と軽く話していると、龍園が堀北妹に尋ねる。

 

「クク、鈴音に腰巾着か。まあいい。どうだ? オレの楽園は」

「(これだけの物資……BBQセットに食材も肉……)まさかとは思うけれどポイントを全部使い切ったの?」

「ああ。こんな試験のテーマは自由らしいからな。オレなりのやり方でやらせてもらっている」

 

 物は言いようだなと綾小路とお互いのベースキャンプの場所を教えあったり、食料の確保はどうしているかと話している間に、クラスのリーダー……堀北妹はリーダーなのか? 

 まあなんだかあまりいい空気ではなかったな。

 

「あなたなんかの下についているCクラスの連中の気が知れないわ」

「大体のやつは受け入れてるぜ? まあ理解出来ずに去っていったやつもいるが」

「……それは伊吹さんの事かしら」

「(クク、上手く潜り込めたか?)ああ、なんだお前らのところにいるのか? 悪いな不出来なクラスメイトの世話をさせて」

 

 龍園って演技が上手いんだな。

 堀北妹は今ので伊吹さんと龍園に確執があって、Cクラスが飛び出したと確信したようだ。

 

「(十中八九スパイ、だろうな。カメラもあったし)BクラスにはCクラスの人間が誰か来ていないのか?」

 

 綾小路の方は証拠も押さえられているようで伊吹さんがスパイであることは見抜いているようだ。

 それにBクラスにも誰か来ているのではないかと探りを入れてくる。

 特に隠す理由もないので椎名さんが来ていることを話すと、堀北妹は呆れた表情を浮かべた。

 

「クラスメイトを切り捨ててまでバカンスを楽しみたいの? 呆れたわね」

(お前も須藤や池を切り捨てようとしていたのに……)

 

 そうなのか。

 時期的に中間テストだろうか。

 まあダブルスタンダードは最近の流行りらしいからな。

 失礼ながらも、堀北妹がダブスタクソ女と言われても何故か違和感はない。

 

「そこの2人、なにか失礼なことを考えていないかしら」

「いや何も」

 

 僕も考えていないと首を横に振っておく。

 間違えても縦に振ってはいけない。

 

「時間の無駄だったわね。戻りましょう綾小路くん、斉木くん」

 

 いつの間にか僕も仲間に加わっていたらしい。

 帰る前に龍園に聞きたいことがあるからと1歩前に出ると彼に警戒させてしまったらしく「あ?」と怪訝な顔をされる。

 

「クラス間での暴力行為は禁止だぞ?」

 

 何を言っている。

 僕は平和主義者だぞ。

 だから山田アルベルトと石崎、小宮たちに臨戦態勢を取らせる必要はない。

 僕はただここにスイーツの類はないのか聞きたいだけだ。

 

「……はぁ?」

「何を聞いているの貴方……」

(そういえば買える食材のリストにコーヒーゼリーやプリンといったデザート類はあったな。どうやって保管するのか分からなかったが、Cクラスの持つ冷ケースにならそれらも入りそうだな)

 

 保管する方法がなくてもすぐに食べればいいんじゃないか? 

 まあ透視で見た限りはフルーツはあれど生クリームやゼラチンを使ったスイーツの類はないらしい。

 残念だと肩をすくめると僕は彼らに背を向けた。

 それを石崎が止めようとするが、小宮に止められる。

 

「は、おい待てよ斉木」

「石崎、別に呼び止めなくてもいいだろ」

 

 石崎は僕を呼び出した件でまだ言いたいことがあるのかややご執心らしい。

 龍園は(分からねぇ……何考えてやがるんだアイツ……スイーツの有無で何か変わるのか……?)と深読みをしていた。

 

「残念だったな斉木」

 

 ああ、本当に。

 来た道とは異なる道から僕は綾小路と共にCクラスの拠点を離れるのだった。

 





綾小路「Bクラスは拠点どこにしたんだ?(うちは川の近くにしたんだが)」
斉木『森の中に開けた場所があって、そこにある井戸の周りだな。Dクラスは川の近く辺りか?』
綾小路「ああそうだ。そういえば食料はどうしているんだ?ポイントで買ったりしているのか?」
斉木『米以外は野外で採れた野菜や果物だな。あとは午後に男子が魚を釣りに行くことになっている』
綾小路「魚?釣竿は買ったのか?」
斉木『釣竿は崖近くの小屋に釣竿があった。多分だが他にもそういう箇所があると思うぞ』
綾小路「そうか。クラスに帰ったら探しに行ってみる」

といった会話をしていました。

本当は椎名さんが離脱して原作通り金田くんが来る予定でしたが、椎名の方が受け入れられてBクラスの隙が増えそうなのと、最終的に龍園自ら出向いて脅しそうだしいいかなってなりました。
まあそうはならないんやが。

なお1年生編の原作を持っていないのでアニメや有志でもまとめてくれてるwiki、他の二次創作の情報ごちゃ混ぜになっていてよく分からないことになるかもしれない。

感想多いと励みになると思われるのでどしどしくれると嬉しいです。
戻ってきてくれてありがとう?何を言っている。俺は常にここにいるぞぉ!
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