ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

30 / 53
いつも4千字くらい書いてるらしいけど今回は短め
tempo14で綾小路視点です
初期堀北さんこんな感じだったか……こんな感じだわ……ってなるように書いたけどどうだろう……



斉木楠雄と堀北鈴音

 斉木楠雄は俺にとって他クラスできた初めての、いやこの学校で初めての友達といっても過言では無い男だ。

 

(過言だろ)

 

 初めての接点は須藤がCクラスの生徒たちに呼び出された時のことだ。

 斉木が佐倉のカメラを気遣わなければ、俺達Dクラスは事件の存在すら知らずに終わっていなかっただろう。

 須藤もCクラスから何の訴えも起こされていないからいいじゃないかと堀北が詰め寄るまで話したがらなかったことからこれは間違いない。

 ただ、佐倉が撮っていた写真ではCクラス側から須藤に詰め寄っている様子などは確認できず、証拠不十分となった。

 しかし、翌日の審議で有志の生徒から情報提供が寄せられたとのことで、Cクラスには厳重注意が言い渡され、事件は何事もなく片付けられた。

 結果的にCクラスは教師や生徒会から目をつけられることになったためか、BクラスやDクラスに行っていた監視行為や嫌がらせをしなくなった。

 これだけの成果でも俺としては穏やかな学校生活が守られたというのに、斉木という友人を得られたことを喜ばしく思う。

 

(大袈裟すぎないか?)

 

 平田や櫛田も話しやすい部類だが、平田は人気者で常に周りに女子がいる。

 櫛田も男女共に人気があり、みんなの前では優しいんだが本性はそうでもないらしく、色々と悪口を言っていたな。

 口封じの為にべったァ〜と制服に指紋をつけさせられたが、アレは本当に口封じとして機能するのか? 

 

(綾小路にもバレているのか。それに口封じの為に胸を揉ませたのか……?)

 

 他のクラスメイトはどうかと言うと、隣の堀北も話す分にはあまり問題はない。

 ただ本人があまり話したがらないのと、俺が少しでも調子に乗ったことを言うと脇腹を突いてくる。

 

(相変わらずだな)

 

 池や山内とはなんとなくソリが合わず、彼らの異性へと向ける情欲にまだ理解が示せていない。

 

(示さなくていい)

 

 須藤や高円寺は今の俺のレベルでは会話にならないから論外だとして、あとは俺のことを認識していない生徒しかいないだろう。

 

(悲惨過ぎないか?)

 

 そんな中での斉木の存在はありがたいものだった。

 表情が読めないところはあるものの、こちらの意図を汲み取ってくれるし、多くを語らずとも話が済む。

 

(テレパシーで心を読んでいるからな)

 

 それに俺にスイーツやドラマといった娯楽を教えてくれた。

 俺の人生にはデザートが足りなかったのかもしれないなとすら思う。

 

(え、なに、大砲なの?)

 

 ドラマも実に面白い。

 小説の映像化というものがどういうものかと興味深かったが、視聴者に分かりやすくするための創意工夫が見て取れる。

 説明回しのために原作にはいないキャラクター追加したり、1時間に抑えるためにあえて端折ったりしている部分もあったが、それでも原作を損なわない内容になっていて面白いと感じた。

 斉木の勧めてくれた古畑はドラマ脚本が原作になるようだが、元々ドラマでやる前提の作品というのも味わい深くて。

 

「ねぇ斉木くんはいつまでいるのかしら」

 

 俺が心の中で最近の楽しみを語りつつ、斉木にどれの感想を伝えようかと整理していると不意に堀北が水を差してくる。

 

(まあ別れるタイミングを見失ったからな。いない方がいいなら退散するが)

 

 体調の優れない堀北は気分も優れないらしくいつも以上に言葉の切れ味が鋭い。

 しかし俺はすでにこれに慣れている。

 

「いやせっかくだからBクラスの様子とか聞こうと思っていてな……どう切り出すか悩んでいたんだ」

(嘘つけ)

「悩みすぎよ。でもたしかに何か参考になるところがあるかもしれないわね」

 

 堀北の賛同も得られたところで、俺は隣を歩く斉木にBクラスの拠点に行ってもいいかと尋ねると縦に頷いてくれる。

 ただ『その前に』と立ち止まると堀北の方へと向き直った。

 

「な、何かしら」

 

 警戒する堀北に斉木はジャージのポケットから抗生物質と思わしき薬物の入ったフィルムを取り出した。

 

『調子が悪そうだからな、僕がもらった薬で良ければ飲むといい』

 

 斉木の持っているのは解熱剤と整腸剤で、前者は風邪で発熱している堀北には必要と思われるが、整腸剤はなんなんだ? 

 腹の調子も悪いのか? 

 

『この解熱剤は効力が強いせいか、胃が荒れやすいらしい。だから一緒に飲みなさいと星之宮先生に渡された』

 

 俺が聞く前に斉木が堀北に補足情報を伝える。

 そういえば船にいる時にBクラスの連中が斉木の心配をしていたが、斉木も体調が悪かったのか。

 だがそんなものをなぜ渡す? 

 

『もう僕には必要ないからな』

「……いいわよ、別に。貰う義理がないもの」

 

 斉木の善意に素直になれない堀北はそう言ってフィルムを突き返そうとする。

 孤高ではなく孤立を好んでいるのか強情な堀北に斉木も引く気はない。

 薬の入っていたポケットとは逆のポケットから水の入ったペットボトルも見せてくる。

 

「貴方……私のことが好きなの?」

 

 なんでそうなる? 

(なんでそうなる?)

 

「聞いたことがあるわ。人が弱っているところに付け込んで優しくして絆す下賤な男が世の中にいるって」

「誰から聞いたんだ?」

「子供の頃、兄さんから聞いたわ。鈴音は可愛いからそういう男には気をつけておけって」

(何余計なこと言ってるんだ。というかあいつもしかしてシスコンなのか?)

「……人の善意は素直に受け取れとは聞かなかったのか?」

「ええ」

 

 何故? 

(なぜ?)

 

 どうしたものかと斉木と顔を合わせる。

 まあ俺としては、堀北にはこのまま体調不良になって正式な理由でリタイアしてもらい、リーダー替えの口実を作ろうと思ったんだがな。

 このままだと、伊吹にリーダー情報を抜かれて、Cクラスに指名される可能性があるからな。

 この試験である一定の結果を示さないと、またあそこに連れ戻されてしまうのなら俺は……。

 

(なるほど、綾小路には何かしら事情があるみたいだな。しかし、それが僕が堀北さんの実情を見て見ぬ振りをする理由にはならない訳だが)

 

『じゃあ』と持っていた薬と水を俺に渡してくる。

 俺はそれを受け取ってしまい、どうしろと? と尋ねる。

 

『隙を見て堀北さんに薬を飲ませてくれ』

「……俺に犯罪者になれと?」

『クラスメイト同士ならセーフだ』

「アウトだけれど……」

 

 アウトらしいぞと斉木の方を見ると『そうか』と首を傾げる。

 

「……分かったわよ。受け取ればいいのでしょう」

 

 俺に飲まされるくらいなら自分で飲むことを選んだのか、呆れたように溜息をつく堀北は、俺からぶんどるように薬と水を受け取る。

 

「……礼は言わないわよ。これは貴方の勝手なお節介だから」

 

 ぷいとそっぽを向く堀北に斉木は『やれやれ』と肩をすくめる。

 まるで子供の我儘を見ているかのような仕草だが、その通りだなと思う。

 

「悪いな、堀北のこと気遣ってもらって」

『なんのことだ? 僕は要らないものを引き取ってもらっただけだぞ(ここまで露骨に感謝しなくていいアピールをするのは面倒だが、本人がそれでいいならいいだろう)』

 

 これが普通、なのだろうか。

 斉木の善意は行き過ぎているようにも思うが、しかしもし自分が斉木の立場で、手元に薬と水を持っているのなら同じことをしたかもしれない。

 今の俺なら、だが。

 

「待たせたわね、Bクラスの拠点に行きましょう」

 

 俺たちから少し離れたところで薬を飲んできたのか、戻ってきた堀北がそう言う。

 施されても相変わらずの堀北に、俺と斉木は2人で肩を竦めるとBクラスのベースキャンプへと歩き出した。

 




本編が短い時はどうするか知っているか?
おまけで読者を満足させるのさ。
チーム サティスファクション 出動だ!


おまけ
海藤瞬 高育入学ルート
漆黒の翼、海藤瞬が高育に入ったら
入学試験時は厨二病デビュー前なので好印象
運動能力は絶望的だが、学力は平均より少し上くらい
長座体前屈はめちゃくちゃ伸びた
ということでCクラス

龍園が王になる宣言をすると「ククク、王を名乗るか。この漆黒のガイストを前にして、オレは王を超える魔お、あ、すみません、調子乗りました……」という感じになる。
龍園(なんだこいつ……)

暴力はいけないよと力を使わない勝負を提案するも、ほぼ海藤有利なもののため、龍園は全て拒否
唯一受け入れた腕相撲も龍園が難なく勝ててしまって、軽く捻っただけで「ホネが〜!折れたぁ〜!」と叫ぶ海藤に(なんだこいつ……)と終始あきれ顔
「自分の不利で戦わずに勝ってなにが王なんだよ!」と割とマジレスされてピキって殴ろうとしたところを通りかかったBクラスのヘアピンボーイに見つかる
斉木に弱みを握られた龍園と斉木に助けられた海藤の奇妙な関係が始まる

龍園「いや弱みってほどの弱みじゃねぇが?」
斉木『僕もそんなつもりはない』

一応Cクラスでは勉強ができるけど変なやつという立ち位置
龍園に恐れることはあれど向かっていける姿勢は石崎やアルベルト、伊吹らに評価されている
読書家ではないが、斉木目当てで図書室に行くことがあるため椎名とは割と顔見知り(クラスメイトだよな?)
中間テストや期末テストは普通に突破
無人島試験では斉木と同じく船酔いする

海藤「これもダークリユニオンの仕業か……!」
石崎「いや普通に船酔いだって」

同部屋の石崎やアルベルトに看病してもらい、休むか?と聞かれても「こんな所で終わる訳には……!」とちゃんと上陸する

『ダークリユニオンめ……!』
神崎「とうとう幻覚まで見え始めたか……?」

無人島試験では龍園が豪遊してから船にもどるように言うが、船酔いが嫌なので島に残ると言い出し、梃子でも動きそうにないので仕方なく残す
龍園が最終日前にリタイアして海藤にリーダー権を移譲して、Dからの指名を逃れている
自分以外を信じていないはずの龍園の奇策に綾小路は驚くも、龍園的には「あんなのと7日もいたらオレの神経がイカれそうだったから先に戻った」とのこと

船上試験では斉木と同じ班になれて大喜び
体育祭では役たたず
ペーパーシャッフルではそこそこ
龍園失脚後は舵取りをしようとするが空回り
しかし石崎たちが支えてくれるため混合合宿やクラス内投票ではぼちぼち
一応龍園にみんなに支えられるリーダー像を見せることになり、彼の成長の一旦につながる

こんな感じですかね。
漆黒の翼はCクラスだとからかわれるかからかわれないか微妙なラインですが、なんだかんだ試験には前向きで龍園の方針には従ってるので、龍園からの評価は低くないどころか、あいつは自分に歯向かってくるやつの方が面白いみたいな感じなので悪くはなさそう
ジャッジメント・ナイツ・オブ・サンダーは無人島試験とかで発動して、みんなに受け入れられるきっかけになったりするかもしれない

あとやってない同級生のメインキャラは……夢原さんと灰呂と目良さん、占いギャル、お喋りと金持ちか……?
あとどこかで空助のもやりたい
空助と占いギャルは確実にやります
だから見ててください俺の、投稿!

初期堀北

  • こんな感じ
  • 切れ味が足りない
  • もう少しマイルド
  • 分からない……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。