ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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竜グループは実力でいうと龍園がトップであとは拮抗してそうな感じがする
斉木は蚊帳の外で見てるだけだから……



ディスカッション①

 13時に指定された部屋に来るようにというメールを受け取らされてしまったため、昼食を早々に終えた僕は「竜」と文字の書かれたプレートのついた扉の前にいた。

 これから僕はここで1時間退屈な時間を過ごさねばならないと思うと憂鬱な気分になる。

 トランプやUNOの持ち込みは可能と教えては貰っているものの、どちらも僕にとっては暇を埋める道具にはならない。

 売店に「蝶野雨緑の誰でもできる簡単マイリュージョン」なる本があったが、アレでも買っておけば良かったかと後悔しながら、僕は扉を開けた。

 扉の先には大きな円形の机があり、それを囲むように椅子が配置されている。

 どうやら僕が最後だったようで、全員から視線を向けられる。

 まだ3分前だからちょうどいいと思ったが、龍園すらもういるのは意外だった。

 

「斉木遅かったな」

「やっほー、朝ぶりだね」

 

 先に席に着いている神崎たちの隣に座り、昼が長引いたと適当に返しておく。

 朝の話し合い通り、Bクラスは優待者は把握しておらず、ほぼ無策でこの試験に望むことになる。

 現状自クラスの優待者を把握しているのはCクラスだけのようだ。

 

『ではこれより、一回目のグループディスカッションを始めます』

 

 時間になると短いアナウンスが流れると、試験が始まる。

 とはいえ、ここに教師や試験官の姿はないため、生徒自らが進行していかないといけないわけだが。

 各クラスのリーダーは腕を組んだまま話す気配がない。

 ベジータやピッコロでも自分から話すというのに、葛城、神崎、龍園、堀北さんも不動の構えを取っている。

 それに苦笑しつつも、内心で櫛田さんがため息を吐いていた。

 

(まあ、このメンツだと誰も喋るわけないか)

 

 誰も発言しないことを確認すると櫛田さんは明るい笑顔を浮かべて手を叩いた。

 

「えっと、初めましての人もいるだろうし、学校の指示通り自己紹介しない? (特に斉木くんとかここにいる人のことほとんど知らなさそう)」

 

 失礼だな。

 顔くらいは……ふむ、湘南乃風が誰々言うくらいにはほとんど知らないな。

 葛城も名前は知っているが話したことは一切ない。

 どうかな? と周囲の様子を窺っていると我らが神崎が首肯した。

 

「俺はいいと思う。監視カメラの類は見られないが、音を拾うマイクなどはあるかもしれないからな。それに長くて3日顔を合わせることになるなら、やっておいて損はないだろう」

「Aクラスも異論は無い」

「そうね」

 

 合理的な判断を下す神崎に対し、葛城と堀北さんも同意を示す。

 一方で龍園は机に両足を乗せて態度を大きくした。

 

「どいつもこいつも真面目すぎるぜ。何のための試験だと思う。仲良くお友達作りのための試験か、これは?」

「龍園……っ」

 

 嘲笑うかのように葛城、神崎、堀北さん、そして提案した櫛田さんを値踏みするかのように見渡す龍園に対し、白波さんが傷つけられた件もあって神崎が睨みつける。

 

「やめておけ、神崎。気持ちはわからなくもないが、奴に突っかかるのは賢くない」

「……そう、だな」

「龍園以外のCクラスの生徒はどうだ? 強制はしないが神崎の言う通り、誰かしらに聴かれている可能性は考慮すべきだと思うが」

 

 龍園の隣で萎縮するように座っている男子3人は顔を合わせ、そして龍園の顔色を窺う。

 

「はっ、好きにしろよ(オレのことはここにいる全員知ってるだろうしな)」

 

 そう吐き捨てると龍園は興味なさげに携帯を取り出した。

 

「え、あ、じゃあ俺は賛成」

「お、俺も」

「俺も、大丈夫」

「よーし、それじゃあ、反対意見も無さそうだし自己紹介をして行こう。まずは私からするね」

 

 Cクラス男子3名からの同意を得られると、櫛田さんを中心に自己紹介が始まった。

 Dクラスを終えると、次にBクラス、Aクラス、最後にCクラスの3人と自己紹介を続けていく。

 そして龍園を除く全員の自己紹介を終えると櫛田さんが再び進行役を始める。

 

「自己紹介も終わったことだし、どうやって進めていこうか決めていきたいんだけど……その前にこの試験で分からないこととか疑問のこととかあったりするかな? 分からないところがあったまま進めても置いてかれちゃうと思うんだけど……(まあこのメンツならほとんどそんなことないと思うけど一応ね)」

 

 櫛田さんの気遣いにリーダー連中は問題ないと言わんばかりに首を横に振る。

 Aクラスは葛城が上手く説明したのか特に不安な様子はなく、安藤さんも一之瀬さんからレクチャーを受けたのか心配はなさそうだ。

 Cクラスは龍園に隷属しているためか、ぎこちない。

 Dクラスも問題はなさそうだ。

 それぞれの反応に龍園は口角を上げた。

 

「ここにはリーダー連中が揃ってる。カス共が分かっていなくても支障はないだろ」

 

 そこで首を縦にも横にも振らなかった僕を見るのはやめろ。

 僕だけカスみたいになるじゃないか。

 案の定、櫛田さんが心配そうにこちらを見る。

 

「えっと、斉木くん何か分からないとことかある? あるなら遠慮せずに聞いてね(根暗だし、聞く相手とかいなさそうだから聞いてあげるっ。昨日のことなんてもう気にしてないよって感じで)」

 

 気にしてるじゃないか。

 しかし聞きたいことか。

 櫛田さんを指名してこの試験終わらせていいかとは聞けないからな。

 特にないと首を横に振ると、櫛田さんは本当に? と再確認してくるが、それを神崎が遮った。

 

「大丈夫だ櫛田。斉木はこの試験のルールを理解している。だから次に進めてくれて問題ないぞ」

「そう? わかった(ホントかな〜?)」

 

 残念ながら試験のルールどころか、優待者の法則まで理解させられている。

 しかし櫛田さんは賢いんだな。

 本来、この試験において優待者というのは裏切り者にあたる。

 人狼ゲームにおいて人狼がする動きとしては、目立たないように静かにしておくか、自ら司会役を買ってでて自身に疑いの目を向けられないようにするなどが挙げられるそうだが、彼女は後者を取ったわけだ。

 

「じゃあ、次はこのグループの結果をどうするかなんだけど……」

「それについてAクラスから提案していいだろうか?」

 

 櫛田さんの言葉を遮り、葛城が挙手をして声をあげた。

 

「俺たちAクラスの結論は全てのグループにおいて結果①で終わらたいと思っている。なぜならこれが一番得られるポイントが高いからだ。これはどのクラスも損害を受けない方法だと思うんだが、どうだ?」

 

 結果①、試験最終日の指定された時間にグループのメンバーが全員が優待者の名前を学校側にメールで送信して、送った名前が全員一致していれば、グループのメンバー全員に50万ポイント、優待者にはさらに50万ポイントという報酬を受け取ることができる。

 Dのようにクラスポイントが低く、月々のプライベートポイントが少ない生徒が提案するならともかく、Aクラスからこの提案が来るのは少し意外だったな。

 それは龍園も同じだったのか、面白いものを見つけたように笑みを浮かべた。

 

「一昨日の試験でBクラスに迫られてるとは思えない策だな(オレなら③か④でBとの差を開けることを考えるが、内輪もめで優待者を把握できない葛城には無理か)

「それは……っ(お前のせいだろう……いや、こんなやつの口車に乗った俺の責任だな)そうかもしれないが、この試験の肝は各クラスとの協力だと思っている。最終的には全員が得をするんだ。悪くない話だろう」

(やっぱり小物だな。Aクラスで警戒すべきは坂柳くらいか。あいつがこの場にいればなんて言っただろうな)

 

 葛城への興味は冷めたのか、龍園はくだらなさそうに鼻で笑った。

 僕たちはまだ1年生なわけだし、焦らずともまだ2年あるから安全策を取る葛城のやり方に意外性はあれど否定する気はない。

 しかし、Dクラスは反対のようで平田が控えめに手を挙げた。

 

「ごめん、僕は反対かな。プライベートは確かに大事だけど、でもそれは急場凌ぎにしかすぎないし、クラスポイントを得られる方が長い目で見たら得だと思うんだ」

「そうね。それに優待者を全員で一致させる、つまりは優待者に名乗り出てもらうか、優待者を見つけなければならないもの」

 

 堀北さんも腕を組みながら頷いている。

 加えて神崎もAクラスの結論には難色を示す。

 

「目指すことに関しては否定しないがほかの可能性も探るべきだろう(3日もあるんだしな)」

「君たちの意見もわかるが、どこかのクラスの一人勝ちを避けられるのは①しかない。それに、絶対に①で終わらせる方法がある。そう言えば納得してくれるか?」

「何?」

 

 自信に満ちた葛城の言葉に神崎及びほかの生徒も耳を傾ける。

 そして、櫛田さんがみんなを代表して尋ねる。

 

「えっと、その方法ってなんなのかな、葛城くん」

「その方法は、最初から最後まで話し合いの場をもたないことだ」

 

 ……正気か? 

 何かのギャグ……ではなさそうだな。

 本気だ。

 

(正気か?)

 

 龍園ですら同じことを思っている。

 神崎や堀北さん、平田、櫛田さんといった聡明なメンバー以外にも安藤さんやCクラスの3名ですらも驚愕の表情を浮かべていた。

 

「この方法は各クラスのリーダー格が揃っているこのグループなら可能なはずだ。そしてそれを他のグループに伝播させることも」

 

 話し合いの場を持たなかったら優待者が自ら名乗り出てくるなんてことはありうるのかと考えていたが、僕の心の鹿紫雲一がずっと邪魔してくる。

 どちらもありうる……じゃないんだよ。

 裏切り者の存在以外にも、誰か一人でも書き間違えたりすれば瞬時に破綻するぞ。

 

「今この場で携帯を開いて伝えてくれて構わない。全員が50万プライベートポイント、優待者のみ得する結果にはなるが、悪くない話だと思うが」

 

 プライベートポイントが不足しているであろうDクラスを見るが、その案は既に平田が先程否定している。

 堀北さんも同様だ。

 では、櫛田さんはどうかと葛城は彼女へ視線を移す。

 

「う、うん、悪くないとは思う……Dクラスは葛城くんの言う通り、ポイントが足りてないし……ここでプライベートポイントを多く手に入れられたら、金銭的な不安は解消されて、クラスの士気も上がるかも(まあ50万ポイントも貰ったらあいつら調子に乗って余計に面倒くさそうだけど)」

(それは、そうかもしれない)

 

 櫛田さんの意見には平田も同感らしい。

 4月に0ポイントスタートだったのが響いているのは確実なようで、彼の顔には疲労の色が見える。

 Dクラスから同意が得られそうだと手応えを感じた葛城は続いてBクラスの籠絡に移る。

 

「Bクラスにとってもプライベートポイントは多く手に入った方がいいんじゃないか? 噂では有事に備えてポイントを集めていると聞いているが?」

「え? (どこでそれを……)なんでそれ知って……あっ(やば)」

 

 神崎と僕は無表情だったが、安藤さんからうっかりこぼれ落ちた。

 慌てて口を塞ぐ彼女の額からは汗がにじみ出ている。

 神崎は安藤さんへ目配せして気にしないようにと言い、改めて葛城へ向き直る。

 そして葛城はしてやったりと言わんばかりに口元を歪ませ、勝ち誇ったかのような表情をしていた。

 

「まさか本当だったとはな。噂というものはたまには当てにしてもいいのかもしれないな。それで、どうする?」

(確かに葛城の提案に乗れば2000万ポイントに大きく近づく、どころか全員の所得分を加えれば達成出来る。だか、そのためにクラスポイントを縮める機会を見逃すのは……)

 

 思案する神崎に、葛城は余裕のある笑みを浮かべて告げた。

 

「結論は焦らなくていい。お前一人で決断できることではないだろう。試験の後にでも一之瀬と相談するといい」

「……いや、少し待ってくれ」

 

 神崎はそう言うと、何故か僕と安藤さんの方を見た。

 

「斉木、安藤、お前たちの意見を聞かせてくれ」

 

 そう言われて、僕と安藤さんは顔を見合わせる。

 自身を指差して首を傾げた安藤さんは(先に言っちゃっていいかな?)と僕に許可を求めてくる。

 それに静かに首肯すると、彼女は口を開いた。

 

「私は、①でもいいと思う。けど、確定とは言えない、かな」

「それはなぜだ?」

 

 葛城に問われて、安藤さんは渋い顔をする。

 

(①だとプライベートポイントは増えるけどクラスポイントは増えない。③だとクラスポイントは増えて、長期的な目で見ればプラスっていうのを聞くと③の方がいいと思うんだけど、なんか言いづらいなぁ……)

 

 まあこの試験でクラスポイントがプラス50されるだけで、来月以降支払われるプライベートポイントが増えるわけだからな。

 クラスポイントが増えることは、全員の手取りが増えることに直結し、葛城の言ったポイント貯蓄に繋がるため、安藤さんの考えは間違っていない。

 

「ごめん、それは上手く言えないや」

 

 愛想笑いを浮かべてごまかすと安藤さんは僕の方を見る。

 

「斉木くんはどう? 葛城くんの考え? 方針? について」

 

 そうだな……と僕は考える姿勢を取る。

 が、結論は決まっている。

 

 ぶっちゃけ全然どうでもいい。

 

 僕にとって、試験のディスカッションという、1時間はかなり窮屈で退屈な時間だ。

 部屋から出てはいけないという制約があり、試験という名目上ボイコットすることも出来ない。

 しかもこれが1日に2回。

 故に僕にとって最も効率的かつ平和な方法は優待者である櫛田さんを指名して終えることになる。

 

(斉木のやつ、随分と考え込んでいるな)

(さて、Bクラスは押せばいけそうだな。あとはCクラスをどうするかだが)

(そんなに悩むことかしら。BクラスならAを追い抜くチャンスだから、③を目指すべきだと思うけど)

 

 神崎からは心配そうな目線を受け、葛城は神崎や安藤の態度からもういけると判断したのか龍園をどうするかを考えていた。

 堀北さんは攻めに消極的なBクラスに疑問を持っていた。

 そして龍園が痺れを切らしたのか机を叩く。

 

「おい、さっさと言えよクソメガネ」

「龍園くん、そんな急かしたら……」

 

 暴君を窘める平田に僕は大丈夫だと

 目配せして応じる。

 もう正直に言うか。

 結果はどうでもいいから早く終わって欲しいと。

 そう言えば目の前の連中からの反応は見るに明らかで、面倒極まりないのは目に見えているので言えないな。

 

 "あまり深く考えていなかった。

 一之瀬さんや神崎の決めたことに従う"と伝える。

 すると、神崎はどこか残念にしながらも、納得したように葛城に謝罪の意味を込めながら呼びかける。

 

「……そうか。葛城」

「構わない。俺たちは最終日まで待つつもりだ。一之瀬やクラスメイトたちと相談してより良い選択をしてくれ」

(神崎も大したことが無いな。やはり警戒すべきは一之瀬と、背後にいるかもしれない参謀のようなやつだけか)

 

 龍園は一連のやり取りを見て僕を容疑者から外してくれたらしい。

 おかげでディスカッションは次の段階に入るが、僕の意識はもうそちらにはなかった。

 

 そういえば、と③と④の際に優待者を指名した生徒の情報は秘匿されるとあったのを思い出したからだ。

 例えばこのディスカッションが終わってから僕が櫛田さんを指名しても、誰にもバレることはない。

 しかし、僕の身勝手なわがままで試験を終わらせるというのは気が引ける。

 

「オレらはオレらで勝手にやる。それでいいだろ」

「……わかった。しかし、最終日までに結論がでなければ」

「そんなことは無いと思うが、その時は①にしてやるよ(自クラスの優待者だけじゃ法則を見抜くには少し足りないが、橋本からAクラスの優待者情報を買い取ってやるか)」

 

 試験に意識を戻すと、どうやら龍園の説得は失敗したらしく、龍園が最後まで優待者の法則を見抜けなかったら①にするということになったらしい。

 

「なら、これで俺たちAクラスの話すことはない。あとは好きにしてくれ」

 

 残り時間はまだ30分ほど残っている。

 その間はAクラスは口を閉じているようで、他のクラスメイトもそれに従う。

 というか、彼らは自己紹介の時以外喋っていないな。

 まあそれは僕もほとんど同じだが。

 だがそうなると僕たちはこの場に別に必要ないんじゃないかと思えてしまうな。

 

「ねぇ、神崎くん、あなた達は本当に結果①でいいと思っているの?」

「良くは無い。だから議論を重ねた上で最良の結果を……」

 

 今度は堀北さんが神崎に意見を変えさせるべく説得を始めている。

 Dクラスとしてはプライベートポイントも大事だろうが、AやBから大きく離れたクラスポイントの差を埋めたいだろうしな。

 

「そもそも誰も疑わず、嘘をつかず、傷つけ合う必要がない……そんな綺麗なお花畑みたいな結論に、本当にたどり着けると思っているの?」

「それは……」

 

 堀北さんにそう問いかけられて、チラリとそれが出来ないと思われる原因の男を神崎は見る。

 

「神崎くんはAクラス浮上には消極的なのかしら。無人島試験の結果からして、Aを目指しての行動だと思ったのだけれど」

「俺たちはAクラスにあがりたいと思っている。だからチャンスがあるのなら全力を出して掴むべきと思って無人島試験ではリーダー当てを行った」

(へぇ、面白い話題になったじゃねぇか)

 

 堀北さんと神崎の議論に火がついたところで、静観していた龍園が牙を剥く。

 

「それについては聞きたいことがあった」

「ちょっと、今話しているのは」

「うるせぇ、ただの確認だ。すぐに終わるさ(神崎が答えればな)それにお前もBがどうやってあの結果を残せたかは興味あるだろ」

「……? 私は別にないけど(大凡のことは綾小路くんに聞いたし)」

(自クラスに被害はなかったからか? まああの点数ならDは当てられてないと判断できるか)

 

 堀北さんと龍園の間で視線が交錯して、龍園が先に折れたように息を吐いた。

 

「そうかよ」

「いや俺は興味があるな。聞かせてくれるか、神崎」

 

 しかし龍園が引こうと思われた時に、口を噤んでいた葛城が話に入ってきたことで、龍園は食いつく。

 

「だそうだ。答えてもらおうか神崎」

「……各クラスのポイントについては自分たちで考えろと真嶋先生も言っていただろう」

「なら俺の考えを言う。BはAとCのリーダー当てを成功させ、逆に土壇場でのリーダー交代でオレたちのリーダー当てを失敗させた、違うか?」

「それは認めよう。ただリーダーを交代したのはお前が白波を追い詰めたからだろう……!」

 

 冷静な神崎も龍園の仕打ちには憤りを隠せずに彼を睨みつける。

 本人は全く効いていないらしく鼻で笑って返す。

 

「なんの事だ? なにか証拠でもあるのか? (占有スポットにはカメラか録音機くらいはついてそうだが、白波を呼び出したところには注意を払った。証拠はない)」

「お前……!」

「龍園やめろ。神崎も、気持ちは分からなくは無いが落ち着け(白波の件は聞いていたが、龍園がこんなことをして手に入れた結果とは……あとで俺も彼女に頭を下げるべきか……)」

「……ああ、すまない。取り乱した」

 

 清々しいまでのクズだな。

 勝つためなら手段を選ばないとは言うが、ここまでとはな。

 ふむ、Cクラスとのポイント差はどんなものだったか。

 確か8月時点で端数を切り捨てたら、Bが660、Cが490ほどだったはずだ。

 そこに無人島試験でBは+310か。

 970と言うと5月のAクラスよりはあったはずだ。

 このままAに上がるという手もあるが、葛城はBクラスのリーダー情報を手に入れた経緯を知らなかったようだし、これ以上失点を重ねさせるのは本意ではない。

 聞いた話だと葛城よりも坂柳さんとやらの方が手強いらしいし。

 となると、Aクラスに減点されているであろう150ポイント以上勝たせた方がいいか。

 12グループあって、各クラスの優待者は3人ずつ。

 C以外に得がいくようにポイントを分配するのは難しそうだが、龍園を敵とみなしているクラスは多いだろう。

 葛城の言う通りここにはリーダー格が多く揃っているし、上手くいく確率も高そうだ。

 問題はそれをどう提案するかだが……。

 

「おい、クソメガネ。お前、最後にリーダーやってたんだろ? 誰に、どんな指示を受けてAとCのリーダーを指名したんだ?」

 

 ちっ、人がせっかく一生懸命考えているところに。

 だがせっかくの機会だ。

 僕の見ていたドラマにこんなセリフがあった。

 やられたらやり返す、倍返しとな。

 倍は無人島試験で返せたと思ったが、まだ足りないらしいんでな、龍園翔には10倍返しといこう。

 





斉木楠雄の10倍返しなるか───────!?

みたいな引きで終わりそうな感じになった
本当は神崎にどうすればいいか聞かれるとこまでの予定だったんですが、中途半端で気持ち悪そうだったんで大サービスで8000文字です
その分次回の更新は遅くなるか、短くなるかですがゆるちてね♡

って思ったらもうかけたので30日の日付変わったタイミングで更新されます
良かったねみんな!

オマケ
次回に使う 前回のあらすじの候補
龍園(ここまで来たら言葉じゃねぇだろ!)
堀北(……っ!)
葛城(……!)
3人【領域展開!!】
斉木 『僕 ハ !! コーヒーゼリー ノ アジ ガ スキ ダ!!』

この場合斉木は誰かに雑に祓われるし、斉木の嫌いなゴキブリになってるのが可哀想なので不採用となります。
ではまた次回。

小説は

  • 書け次第すぐに更新して欲しい
  • 一定のタイミングで更新して欲しい
  • 更新されればどちらでもいい
  • そんなことよりラーメン食いに行こうぜ
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