ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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読者の方から4.5巻を購入できる資金(4.5巻どころか他の巻も6〜7冊買えるくらいの額)をいただいたので夏休み編スタートです。

今回はあの楠雄がわざわざ高育の寮(あるいは敷地)にいるか?と感じたので、夏休みに高育にいる理由を作るための回となります。

いつもと比べるとかなり短めの話になります


4.5巻くらい
斉木楠雄の夏休み -序-


 無人島での実質的なサバイバル、クルージング中に人狼大会とささやかながら学校が用意してくれた夏休みの思い出作りを終えた僕は自分の家へと帰宅していた。

 卒業まで外部との接触を断つという条件のもとで入学した高度育成高等学校。

 本来なら寮で過ごさなければいけないところを僕は自身の持つ能力、テレポーテーションにより帰省を果たしていた。

 ただ僕が学外にいるとバレる訳にはいかないため、外出することは叶わないが基本的に読書、食事、ドラマ鑑賞、睡眠のサイクルしかしないため支障はない。

 帰ってきて初日は溜まっていたドラマを一気見して、充実した一日を過ごすことができた。

 僕なら父さんや母さんが別人になっていてもテレパシーですぐにわかってしまうんだろうなと思いつつ観てしまったが、とても面白い作品だった。

 そんな感じで、残り2週間と学生の夏休みとしては心もとないが有意義に楽しませてもらおうと自宅に戻っていたが、2日も経つと母さんが僕の部屋にやって来た。

 

「くーちゃん、いくら夏休みだからってずっと家にいちゃ身体に悪いんじゃないの?」

 

 心配そうな表情で僕を見ている母さんにそんなことないと返す。

 加えて、僕が休みの日に部屋に籠るのはいつものことだろうとも言っておく。

 1学期中も夕食時にはこちらにやって来て、寝る前にあちらで携帯にメッセージの類いがないかだけ確認したら戻ってきて寝ており、休みの日はほぼ1日中ここにいる。

 それに運動不足やらは解消済みだ。

 昨日に海外の無人島で超能力のテストはしてきた。

 

 あの学校のことだ。

 2学期になれば体育祭、つまりは身体能力が試される試験のようなものが始まるのだろう。

 体育祭は基本的にはクラス対抗、もしくら赤と白にわかれての開催だが勝利すれば報酬が支払われる形式と推測できる。

 夏休み中の試験では船酔いでクラスメイトたちに心配をかけたことや、白波さんの件があったとはいえ少々目立ちすぎたからな。

 体育祭では目立たず、普通の平均的な高校生として能力が発揮できるように調整してきたのだ。

 

「でも、くーちゃんこのままずっとこっちにいて本当に大丈夫なの?」

 

 特に問題は無いと思うが。

 ガスと水道、電気を使っていないと怪しまれると思ったから最低限は使うようにしていたり、食料も細めの男子高校生が食べる量は買い込んでこちらに持ってきている。

 普段僕が携帯での連絡を取らないため、連絡もほとんど来ていない。

 強いて言うなら綾小路におすすめの映画やドラマを送ったくらいか。

 

「ママはいてくれたら助かるけど……(でも高校生らしく青春して来て欲しいわ……)」

 

 一応、豪華客船でのひと時は過ごしたからそれで十分だと思うがな。

 僕はスイーツも食えたし特に未練らしい未練は無い。

 

「けど、このままだとくーちゃん、2学期始まってからクラスの子たちと話した時にズレちゃうわよ」

 

 ズレる? 

 どういうことだ? 

 

「ほら休み明けって、みんなどこ行った〜? 何してた〜? みたいな話になるじゃない?」

 

 確かになっているな。

 僕は訊かれたことがあまりないが。

 ただ、あいつらは訊いてくる可能性があるな。

 

「それでくーちゃんはずっと部屋にいたって言ったら、多分その……(クラスの子達がとても気を遣うわ……)」

 

 母さんの言いたいことはわかった。

 僕が確実に心配される。

 一之瀬さんは当たり前として神崎、柴田、特別試験以降話しかけてくることが増えた安藤さんも危険度が高い。

 いや、僕が家の中でずっと本を読んでいたり、映画を観ていたと言ってもいつも通りだねと引きつった笑顔で納得してくれそうな気配はあるな。

 

「くーちゃんがそれでもいいなら無理にとは言わないわ(友だち出来てないかもしれないし、できたとしてももしかしたらまた……)」

 

 母さんが危惧していること、僕が友人を作らなくなった時の話だ。

 この力のせいで僕は常人が得るはずだった感動や喜び、他者との共感を得ることはできない。

 努力することも、全力を出すこともできない生まれついてから不自由を押し付けられ全てを奪われた人間なのだ。

 けれども、そんな僕がこうしてなんとかやれているのは母さんのおかげだ。

 おそらく、この人がいなければダークサイドに落ちていたかもしれない。

 父さんや祖父と祖母、ついでにアイツも。

 

 やれやれ。

 母さんや、父さんにいらぬ心配をかけるのは避けたいし、少しだけあちらに戻るとするか。

 

「え? そう? でも、無理しなくてもいいのよ……?」

 

 気にしなくていい。

 なにせあっちには飽きを来させないように色々と用意してくれているしな。

 こっちでも退屈はしないが、そろそろ食料や読む本も尽きてくるし、頃合いだろう。

 

「わかったわ。あ、そうだ。帰ってくる時この前買ってきてくれたお出汁買ってきてくれると嬉しいわ。アレ美味しかったのよ〜(スーパーで探したけどなかったのよね。国お抱えのスーパーだからかしら? くーちゃんの学校のスーパーいいのが揃ってるのよね〜)」

 

 ……なんだか最後のが目的な気がしてきたが、まあいいか。

 とりあえず残りわずかな夏休み、母さんや父さんに聞かせられるような思い出を一つ作って、あとは悠々自適に終わらせるとしよう。

 




楠雄の夏休みは無事に終わるのか───?

4.5読んでたら初期三馬鹿の失礼さが恐ろしくて葛城さんに同情の念が芽生えたので葛城さんの話は確定でやります

坂柳先行実装しようかと思ったけど、体育祭の説明会の時に出てくるしそこでええでしょうとなってしまった

あとのお話はお楽しみにってことで

斉木楠雄のΨ難を原作漫画やアニメで

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