ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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斉木楠雄の夏休みの後につくタイトルは特に意味はなかったりする
ほんとですよ
じゃないとあとQとシンで終わっちゃいますから
(まあ葛城とプールの話やったら終わるからこれだけでええかもしれない)


斉木楠雄の夏休み -破-

 学生にとって夏休みというのは、夏休みの課題を終わらせることと、思い出を作ること。

 この二つが学生生活において大きなウェイトを占めているように思う。

 夏休みの宿題を終わらせることによってできる思い出もあるように思うが、それは置いておく。

 なぜならばこと高育においては夏休みの宿題というものが存在しないからだ。

 学習課題やレポート作成などの強制的なものはない。

 実力主義を謳っているためか、それらを自分で見つけて継続して行う人間こそが社会に出た時に真に必要な人材であると考えているのかもしれない。

 寮に戻ってみれば、いつものテレパシーが僕の脳の中で右往左往、大渋滞をおこしていた。

 

(あ〜せっかく試験で2位でもポイントは9月までお預けかよ〜!)

(特別試験では遅れをとった。完全に自分の実力不足だ。もっと勉強しないと)

(明日はデートだが、今日は暇だなぁ)

(ケヤキモールで占いやってるらしいけどこんな暑い中で外に出る気にならないや)

(あ〜、ここの問題難しいな……聞いてみたいけどせっかくの休みだし迷惑だよね……)

(伝達役には平田くんと並んで最適ではあるのは認めるけれど、どうして私には何の相談もなかったのかしら)

(一部校舎が工事中みたいで五月蝿いの難儀でしたが、それも明後日で終わりみたいですね)

(やっぱり話せない女の子より気軽に話せる2次元の女でござるなぁ)

(う〜ん、どうしようかな……)

(プールが29日から3日間だけ使えるのかぁ。誰かと一緒に行きたいけどその前に水着買わないと)

(やれやれ、せっかくロケットのエンジンバルブの燃焼試験が成功したってところで水を差すようなメッセージが来ているな)

(みんなはやってみたらいいって言うと思うけどちょっと不安だな)

(買うものの目星をつけるのとあとはどうやって送るかを考えねば……生徒会に掛け合ってみるか)

 

 ほんの数分で僕がいなかった2日を埋めるだけの情報が入ってくるから便利といえば便利だ。

 特別試験は終わったものの、その結果が反映されるのは2学期となり、プライベートポイント事情の厳しい生徒は残りわずかな夏休みを凌ぐために考えているようだ。

 逆にプライベートポイントに潤いのある生徒はケヤキモールで遊んだり他の施設で遊んでいるのかと思えば、この暑さだ。

 全員が全員夏休みを楽しめているというわけではないらしいが、ケヤキモールに占い師が来ていたり、普段は水泳部しか使えないプールを開放したりと学校側も休暇期間に退屈させないようにしているようだ。

 さて、僕はどうしたものかと携帯を開いてみるが特に連絡の類いは……ん? 

 

【一之瀬帆波:こんにちは、斉木くん。ちょっと相談したいことがあるんだけど、今日少し時間とかあったりしないかな? なかったら全然大丈夫だよ】

 

 そういえば合間合間に悩ましげな思考をしていたが、何事だろうか。

 時間ならあるし、一之瀬さんには特別試験での借りもある。

 話を聞くだけなら大して時間もかからないし、面倒なこともないだろうと判断して承諾の返信する。

 

(斉木くん、返信早っ! 意外すぎて声出ちゃった。でも結構マメそうだし……ってそんなことより見てるうちに早く返信しなきゃ)

 

 ちょうど見ていたからな。

 しかし千里眼で見たところ一之瀬さんも部屋にいるようだが、どうして制服を着ているのだろうか。

 学校に行く用事でもあったのかと考えていると返信が来る。

 

【一之瀬帆波:ありがとう! えっと、メッセージだと時間かかっちゃうから電話か直接会えると助かるんだけど、斉木くんはどっちならいけるかな?】

 

 どっちでもいいと言いたいが、直接会うのなら場所は限られるし、一之瀬さんは学年内でもかなり目立つ存在だ。

 一緒にいるだけで注目されてしまいかねない。

 電話で良ければ今すぐできると返すと間もなくして着信音が鳴り響く。

 

『あ、もしもし斉木くん? ごめんね急に』

 

 気にしなくていいと返しつつ、僕は全く座っていなかった椅子から立ち上がり、ほとんど使っていないベッドに腰掛ける。

 普段僕が使っている『』が使われているせいか、違和感がすごいな。

 まあ電話といえば『』のイメージがあるから仕方ないし、今回は僕の一人称視点だから使っても問題は無いか。

 

『斉木くんは帰ってきてからどんな感じ? (斉木くんだから家に籠って読書とかかな?)』

 

 実家に帰って、母さんのご飯に舌鼓を打ち、ドラマ観てましたとは言えないので一之瀬さんの想定通りの返しをしておく。

 世間話はあまり好きではないが、いきなり相談事に入られるのも困るし、普通の高校生ならこれくらいはするだろうとここ2日間の近況を話し合う。

 とは言っても、2週間放置していた部屋の掃除やら食料を買いに行って、疲れを取るために睡眠といった感じだったが。

 

『それで相談っていうのはね、中間試験の前に私、生徒会に入ろうとしてたの覚えてる?』

 

 堀北生徒会長にその才能を南雲に利用されないようにしろみたいな理由で断られていた件か。

 もちろん覚えているがそれがどうしたのだろうか。

 

『実はさ、特別試験が終わってからさ副会長の南雲先輩から連絡が来てさ、生徒会に入らないかって言われたの』

 

 入らなければ殺すとか言われたのか? 

 

『言われてないよ!?』

 

 まあそれはそうか。

 堀北会長曰く危険人物と聞いていたが、そういったタイプの危険性はないのか。

 確か今の学校よりも実力主義に特化した校風に変えようとしていると言っていたな。

 今でも派閥争いをしていたり、暴力で集団を支配したり、他人を駒のように使ったりと高校生とは思えないことをしているのに更なる実力主義になったらどんなやつが現れるのか見当もつかないな。

 とりあえず実力主義の高校にする前にもう少し倫理観や道徳の授業を取り入れるべきだと僕は思うが……っと話が逸れたな。

 急にどうしてそうなったと聞けば、一之瀬さんはBクラスのリーダーとして、そして前回の特別試験で2位になった功績を称えた上で勧誘されたらしい。

 

『もちろん声をかけて貰えたのは嬉しかったんだけど……特別試験で結果が残せたのは私の実力じゃなくて斉木くんのおかげだから』

 

 生徒会は特別試験の結果を把握しているのか。

 高校の生徒会というと、アニメや漫画ではかなり権力が集っているイメージがあるが、ここもそういう類なのかもしれないな。

 

『今の私じゃまだ不十分だと思って断ろうとしたんだけど、その……(断る前に、生徒会に入るには私がBクラスになったと考えられる原因を言えって言われたってこと話すと斉木くんにも私に昔何かあったってことがバレちゃうよね……)』

 

 そんなことを言われたのか。

 所詮は過去、終わったことだと一之瀬さんに言えるだけの胆力や度胸はないか。

 あれば後悔はしていないだろう。

 一之瀬さんの過去についてはある程度把握してしまっているが、浅慮はあれど彼女はその行いを悔いているし、高育に来てから変わろうと決意し、実際に出来ているのだから本物だ。

 

 言い淀む一之瀬さんに僕は言いたくないなら言わなくてもいいと伝えて、どうして僕に生徒会に勧誘されたことを話すのかと尋ねる。

 

『……多分だけどさ、仲のいい子とかBクラスのみんなに言ったら、みんな帆波ちゃんならできるよとか、やってみたらいいじゃんって言うと思うんだ』

 

 言うだろうな。

 一之瀬帆波という女子は僕の知る限り努力を怠らず、友人関係を大事にして、必要以上に敵を作るようなことはせず、他人に優しく、同性や異性からの評価は高い。

 そんな彼女が生徒会に入ろうとしていることを知れば応援されるのは当然だろう。

 彼らは知らないのだ。

 一之瀬帆波も大なり小なり誰もが持つ悩みや後悔を持つ1人の少女だということを。

 

『けど、斉木くんは思ったこと普通に言ってくれるから。辰グループのことめんどくさいって言ったりさ、それに南雲先輩のこと教えてくれたの斉木くんだったし』

 

 僕は直接聞いたわけじゃないから南雲何某の話は断片的かつ不明瞭なことも多い。

 ただ一之瀬さんに過去を暴露するように言ってきたところをみると少し怪しいと思うべきではあるな。

 

『斉木くんはどう思う? その、南雲先輩のことじゃなくて、昔の話をしてまで生徒会に入るべきかな?』

 

 そう訊かれて、僕は一之瀬さんがBクラスや他のクラスの連中が思うような強い女性ではないと改めて思う。

 人は総じて弱者なのだ。

 強者などどこにもいない。

 僕でさえも不可解なGには為す術もなく、制御装置がなければ力を振りまくだけの化け物でしかない。

 そして弱さを見せればつけ込まれる。

 龍園や、あまり言いたくは無いが綾小路のような、自分の利を追い求めるもの達に。

 

 しかし、一之瀬さんは僕にどうするべきかを問うている時点でその心は決まっているはずだ。

 彼女は本当に迷っているのではない、勇気が欲しいのだろう。

 答え合わせをするために一之瀬さんの表情を見てみれば、真剣に電話越しの僕の言葉を待っている。

 きっと、答えは初めから出ていたのだろう。

 なら、僕が出来ることは一つだけだ。

 ここからは一之瀬さんの自由意志であるため僕からは下手なことは何も言えない。

 ただ他人の過去を暴いてくるような奴がいる組織に所属して、秘密を握られた状態で、果たして一之瀬さんは次期生徒会長と言われている南雲の下で何の憂いもなく働けるのか。

 何かを手に入れるためには何かを犠牲にしなければならないとはいえ、生徒会に入ることと一之瀬さんの過去を話すことが釣り合っているのかを考えればいいんじゃないかと伝える。

 

『(それは、そうだよね)───────わかった。斉木くんの言う通り、ちゃんと自分で考えて決めてみるよ。ごめんね、変な相談しちゃって』

 

 大したアドバイスもできなくてすまないが、一之瀬さんのことは一之瀬さん自身で決めるべき問題だからな。

 どしたん話聞こかとはならないが、聞ける範囲であれば話だけなら聞いてやれる。

 そう頻繁には聞けないかもしれないが。

 

『ふふっ、なにそれ(斉木くんって結構ユニークだよね。神崎くんとか姫野さんの前でもこんな感じなのかな。あ、そういえば、船上試験の時の斉木くんのできる範囲でお願い聞いてくれるって話、これでおしまいでいいのかな?)』

 

 一之瀬さんがそれでいいなら別に僕としては構わないが。

 ただそれは直接聞かれない限りは答えられない質問だな。

 僕にできることの範疇ではあるが使うなら別の機会にした方がいいだろうな。

 

『あ、ごめんね、えっと……』

 

 しかし律儀な一之瀬さんはそれを話そうとしてくるのだが、僕としてはそれは関係なしで話を聞いたのだ。

 クラスメイトの相談に、できる範囲でいうことを聞くという約束をしたから聞いたなどと母さんに言ってみろ。

 ……うん、想像したくないくらいにマズイな。

 面倒だから僕から切り出しておくか。

 

『えっ? うん、斉木くんがいいならそれでいいけど……いいの?』

 

 いい。

 ただあまり面倒な頼み事や、僕の力を大幅に超える願い事は勘弁してもらいたいものだな。

 

『それはわかってるから安心して。じゃあありがとね。またね』

 

 ああ、また。

 通話終了ボタンを押し、通話が切れていることを確認してから電源を切り、背中をベッドへと預ける。

 南雲は何故一之瀬さんを生徒会に入れようとしているのだろう。

 確か南雲は元々Bクラスからのスタートで今はAクラスになっていると聞いたが、同じBクラスのリーダーとして一之瀬さんにシンパシーを感じた? 

 だがうちはまだBクラスのままだ。

 他に考えられる可能性としては何があるだろうか。

 南雲という男を人伝でしか知らない僕には予想の範疇を出ない話でしかないな。

 生徒会といえば、葛城も立候補して堀北会長に拒否されたと聞いたが、彼も同じ理由なのだろうか。

 その葛城といえば何やら何かを送るために生徒会に尋ねることがあるようだが、まあ僕には関係のない話か。

 

 




人の容姿についての美的感覚がないため一之瀬の見た目が可愛いく、南雲の好みだからということに辿り着かない斉木くん
なお葛城に聞いても「知らないが、同じBクラス出身のリーダーとして何か後押ししたいという気持ちがあったんじゃないか?」となり、現生徒会長に聞いても「俺にもわからないが、同じBクラス出身のリーダーとして手を差し伸べたくなったのかもしれないな」となって『Bクラスのリーダーだからか』という結論に落ち着いてしまう模様

佐倉と山内の件は本解決してない
クルージング中は山内と佐倉が鉢合わせないように斉木が虫の知らせ(テレパシー)を使って問題解決の先延ばしを行った
連絡先は綾小路が入手してないため不可
ラブレターは破の時点ではまだです
さっさと振られて終わればいいんですけどね

現時点(今話終了時点)での斉木への好感度(数名のみ抜粋)

念の為の説明▶︎好感度メーター
テレパシーの応用能力。
周囲全員の心を読んで好感度を割り出し数値化したもの
斉木楠雄原作だと42くらいで楠雄としては低く、50くらいで普通らしい
36で掃除が終わっても椅子を下ろしてくれないレベル
73で意味不明な挨拶をしても、返ってくるレベル
……だが恋愛的な要素が絡むとあまりあてにならないのか斉木に惚れていた夢原知予で64くらいだった
同性なら50で普通、40付近で知ってるけどくらい、60で仲のいい知人、70超えると親友、80超えると相棒とか家族とか好敵手とか色々あります
異性はまあフィーリングで。
あくまでおまけですので、悪しからず
()内は補足など

綾小路 60(これ以上 上がらない)
堀北 52(初期値25よりは上がってる)
櫛田 55(船内遭遇時の28よりは上がってる)
平田 51(龍園に物怖じせず言い返せてたから。ただ2回目に謎の本を読んでいて2くらい下がってる)
佐倉 57(カメラを直して以降会ってないので少し下がり気味)

神崎 65(信頼できる友)
一之瀬 67.8(なんだこの小数点)
姫野 62(頼りになるクラスメイト)
柴田 54(結構ノリがよくてびっくり)
安藤 55(龍園にビビらずにマイペースな感じがギャップ)
白波 52(リーダー変わってくれてありがとう)
星之宮 62(思ってたよりめちゃくちゃやるぅ!サエちゃんのとこの綾小路よりもいいんじゃない?運動能力は平均的だけど誤差誤差)

龍園 53(思ってたよりやるみたいだが、なんであの場であの本が読めるんだ?本当にKYなのか?)
石崎 41(陰キャじゃん)
椎名 56(夏休み中会っていない)
伊吹 40(興味なし)
金田 48(Bクラスからの視線が痛いのですが)

葛城 56(侮ってはいけない男だ)
橋本 -(まだ斉木楠雄を知らない)

こんなもんかな!
意図的に抜いてるキャラは坂柳くらいです
教師は担任のみにしましたがほかの3人からの評価も軒並み高めではあります

投稿また2日ほど空くかもですが書け次第投稿するのでぜってぇ見てくれよな!

斉木と相性が良さそうなの(再)

  • 坂柳
  • 神室
  • 山村
  • 森下
  • 一之瀬
  • 網倉
  • 白波
  • 姫野
  • 椎名
  • 伊吹
  • 堀北
  • 櫛田
  • 軽井沢
  • 佐倉
  • 佐藤
  • 松下
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