ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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日間ランキングのってた。嬉しい嬉しい
こんないくつのってもええですからね
感想とか評価貰えるのも嬉しい
じゃんじゃん送ってくださいね
まぁ今のところ特に大きな出来事ないので、話に関する感想少なめですが、特別試験になったらあるいは……きっと、Maybe
てことで、結局中間考査まだなんかいって感想になる話をどうぞ


図書室のΨ難

 僕の名前は斉木楠雄。

 どこにでもいる普通の高校生、ならどれほどよかっただろうか。

 赤ん坊の頃、高い高いをしてもらっていたら7分間天井に着くまで浮いており、初めての両親との会話はテレパシー、そしてはじめてのおつかいはテレポートという輝かしい経歴を持っている。

 そう、僕は普通じゃない。

 どこにでもいてたまるか代表の超能力者だ。

 

 体の成長と共に力を増す超能力は、小学五年生の頃に絶頂期を迎えていた。

 もしもボックスのノリで思ったことがもしもではなく本当になってしまうマインドコントロール能力に目覚めた。

 いや元々使えてはいたんだ。

 僕の髪はどういうわけか生まれつきピンクで、よくバカにされたり気味悪がられていたが、それが嫌でマインドコントロールを行った過去がある。

 ただその時は明確に使うという意思のもと使ったが、超能力が成長しすぎて僕が"こうなればいいと思うと勝手に全世界にマインドコントロールが発動する"という事態になっていた。

 マインドコントロール以外にも寝返りをうてば家屋が吹き飛ぶといったおねんね中の超能力、略して「おねちょ」があったりしたため、ヘアピン型超能力制御装置をつけることになった。

 

 そして今、僕は高校生になり、高度育成高等学校という高校に通っている。

 東京都の埋立地に政府が作った60万平米もある敷地に学校と、小さな街があり、ここだけで衣食住が完結してしまう。

 

 そんな高校に僕が入ったのは、母がダメ元で受けましょうよ〜と願書を作成し、仕方なく受験したら受かってしまったからここにいる。

 きっかけはアレだが、来てみれば意外と悪くない。

 寮生活も、テレポートで実家に帰れば煩わしくもないし、実家の近所と比べると食料品店や娯楽施設も揃っているし、希望すれば宅配サービスもある。

 

 入学して2週間目の休みにゲルマニウムリングなるものを買ったが、これを着けている間は何故かテレパシーが聞こえなくなる。

 実家で着けてると突然父や母が部屋に入ってきて大ビビリしてしまうが、寮ならば宅配を頼んでいなければ誰も来ることがないので安心してつけることが出来る。

 それに僕が穏やかに過ごせる場所は何も実家や寮、トイレだけでは無い。

 

 図書室だ。

 ここは本を読むという目的で作られた部屋であるため、自然音は本を手に取ったり戻す音やページを捲る音、そして椅子を引いたり立ち上がり、歩く音くらいしか聞こえない。

 さらに、本を読むことに夢中になっているものは思考せず、本の世界に入り込むため、心の声が聞こえず基本的には静かな世界だ。

 

 たまに勉強のため利用している生徒もいるが、そちらも勉強に夢中になるためか粗雑な独り言は聞こえてこない。

 流石にテスト前になればそうもいかなくなるだろうが、それまではこの緩やかな静寂が続く。

 だが、そんな僕の静かな日々はそう長く続かなかった。

 

(あの方、ずっとミステリーの棚の前にいますが……何を探しているんでしょうか)

 

 高育の図書室は、運営元が国ということもありかなり広く、扱っている書物も豊富に揃っている。

 外界の情報が閉ざされているものの、入ってくる本には発刊日がつい1週間前のものも入ってきたりと力の入れようが目に見える。

 図書室に足繁く通う生徒も少なく、それはつまり読書家の生徒も少ないということでネタバレが少ないということだったのだが、今日は面倒なのに目をつけられたらしい。

 

(あれは確か……宗教団体の教祖が念の力で人を殺してしまったと自供するも、実際は教祖の妻が科学兵器で殺していた話でしたね)

 

 そう。

 どうやら僕よりも前にこの図書室の存在に気づき、本の虫になっているらしい女生徒に僕は手に取ろうとした本のネタバレを尽く喰らっているのだ。

 せっかく司書がミステリーやサスペンスモノに疎く、近所のレンタルビデオ屋でしたような気苦労はしなくて済むと思った矢先にこれである。

 

(また戻してしまいました……うーん、お節介かもしれませんが本を紹介してあげた方がいいんでしょうか)

 

 お節介にも程があるし、こうなっているのは君のせいだ。

 髪が長く大人しそうな印象を受けるが、我が強く、芯の通った……僕にとっては面倒くさい性格をしている。

 しかし、僕が手に取った本のネタバレができるということは、彼女もまた僕と同じミステリー小説を好んでいるということだろう。

 

 テレパシーなんてなければ彼女と意気投合し、いい話が出来たかもしれないが、そもそもテレパシーがなければ彼女がミステリー小説好きと気づくこともなかったので、僕もなかなか拗れた性格をしているようだ。

 

(あっ……)

 

 彼女が本当にお節介を焼こうと歩き出したのがわかったので、僕はミステリー小説のコーナーから離れる。

 それを見て残念そうにしているのを見るのは心苦しいが、これ以上読んだことの無い本のネタバレは御免だ。

 

(はぁ、せっかく私も読んだことの無い本を紹介して感想を聞こうと思っていたのに)

 

 そう思っていた時だった。

 彼女ですら読んだことがない本が、ここにあるのか。

 いや無くはないだろう。この図書室の本の数はそれはもう膨大だ。

 1冊2冊なくなっても気付かれないほどに。

 いくら彼女が本の虫とはいえ、流石に全ての本を読み切ることなどできないということか。

 

(あっ、戻ってきました)

 

 さて、どれだ。

 彼女が読んだことの無い本は。

 今まで触れたモノから察するに、メディア化するほどの人気作は既に読んでいる。

 加えて、メディア化したことのある作者の別作品も読んでいる。

 となれば、まだメディア化作品がなく、作品数が少ない作者に絞られる。

 

 どれだ……? 

 

 僕はミステリー作品は好きだが、小説は買いに行く時に客や店員からネタバレされることが多いからあまり見ない。

 よって、どれがメディア化していて、誰が人気作家様なのかはよく分からない。

 まあ人気作家は作品数が多いという指標はあるが。小説家では無いが手塚治虫とか。

 素直に彼女に教えて貰ってもいいが、まだ話しかけられてもいないのに「君の読んだことの無いミステリー小説を教えて欲しい」と言われたら困惑してしまうだろう。

 

 自力で、手探りで、彼女の反応を見ながら探すしかない! 

 

(あっ、それは経理の女性が会社のお金を横領したと思われていましたが、実は社長が彼女に罪を着せていたという結末で……)

 

 違う。

 

(それは青年が肩をぶつけたサラリーマンを、逆上して階段から落として殺してしまったのを、正当防衛にするために出頭前に友達に殴ってもらって事件経緯の口裏を合わせたら、それが裏目に出て捕まっちゃう話)

 

 ……一体君はどれなら知らないんだ。

 

(全部戻しちゃいました。どれも面白いのに)

 

 君のせいだよ。

 はぁ、仕方ない。今日は運がなかったとまた出直すとするか。

 

「あ、あの」

 

 数メートル後ろで僕の様子を見守っていた彼女は意を決して僕に声をかけてきた。

 

「ミステリー小説をお探しなんですよね?」

 

 これだけミステリー小説コーナーでウロウロしていればそう思うだろう。

 

「よかったらおすすめの本があるんです」

 

 彼女は着いてきてくださいと言うと、ミステリーコーナーからやや離れた場所へと歩いていく。

 そこは新刊コーナー、つまりはこの図書室にまだ入ってきたばかりの本が集められた場所だった。

 

「こちらです」

 

 彼女はその中から1冊を手に取ると僕に渡してくる。

 

「これは私たちがここに入学する1週間前に発売された本です。ここに来る前に読んでおきたかったんですけど、時間が無くて……でも司書の先生から今日入ってくるって聞いて楽しみにしてたんです」

 

 ……それなら君が最初に読んだ方がいいんじゃないのか? 

 

「そうしたいのは山々ですけど、まだ読んでる途中の本があって、それにあなたがまだ読んだことの無いミステリーを探しているようだったので」

(手に取った本を戻したのは読んだことがあるか記憶から引っ張り出していた、そう考えたらあの動作も納得がいきます。まさかこの高校に来て私と同じくらいのミステリー小説好きに会えるなんて)

 

 メディア化されてるのはいくつか知っていたが、君の前で手に取ったのは読んだことのないもので、君にネタバレされて戻したとは言えない僕は、彼女から差し出された本を手に取る。

 

「お先にどうぞ。あ、ネタバレはしないでくださいね。私、それ楽しみにしてるんですから」

 

 やれやれ、人に散々ネタバレしておいてそれか。

 まあテレパシーなんていう能力を持ってる僕が悪いのだが。

 

(あ、そういえば)

 

 ありがたく読ませてもらおうと本を持ち、貸出受付に向かおうとすると、何かを思い出したように彼女はまた口を開いた。

 

「ごめんなさい。お名前聞いてませんでした。私は1年Cクラスの椎名ひよりです」

 

 斉木楠雄。1年Bクラスだと伝えると、彼女は穏やかな笑顔を浮かべた。

 

「はい、斉木さん。読み終わったら、教えてくださいね。そして、私も読み終わったら感想を言い合いたいです。……構いませんか?」

 

 ……まぁ、わざわざ読みたいと思っていた本を先に読ませてもらうんだ。それくらいの義理は果たそう。

 

「よかった。じゃあ、またここで」

 

 そう言うと、椎名さんは僕を見守る前に座っていた席に戻っていく。

 まったく、どうやらこの図書室でも僕の気は休まらないらしいが……好きなものの感想を言い合えるのなら悪くないかもな。

 そう思いながら、僕は貸出受付のためにカウンターへと向かった。

 

「はい、貸出ですね……学生証の提示お願いします」

(あー、これねー、なんとなく読んでみたけど、医者の息子が犯人なのよね。意外だったわ。医者の息子が空き巣になるなんて、人生わからないものよね)

 

 あんたにネタバレされるのかよ。

 ……たしかに人生わからないものだな。




今回出てきたミステリーの話は全部元ネタありますが、全部分かったら大したものです。
元ネタ当て大会がしたいわけじゃないので、感想で「これ(作品名)かな?」みたいなのはNGやで。
全部分かったならハーメルン内のメッセージかXでDMとか飛ばしてください。

椎名さん出すなら綾小路とも絡めておくかと思い、綾小路と椎名さんが知り合うタイミングいつだっけって調べてたらペーパーシャッフル試験の時期(6巻かなたしか)でした。
えっそうだっけ?もうちょい早かった気がすると思ってたんですが、多分偉大な二次創作の数々の椎名さんの登場時期がみんな早いからだと気づきました。
てことで、こっちも早いで。亜音速でぶち抜いたる!

あと椎名さんといい全話の網倉さんのエミュレートが上手くいってるか気になる。
変だと感じたら言ってくれて大丈夫ですので、よろしこ

別に綾小路とのフラグを折る予定はありませんが、斉木的には椎名さんみたいな表裏がなくて実直なタイプは好ましいんじゃないかと思う。多分嘘ついても喧嘩してる時くらいだと思うし。
書いてて何となく斉木ママみを感じました。
椎名ひよりは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!

あと斉木は照橋さんみたいな腹黒い人苦手だけど、それ抜きで努力して周りから認められたりしようとする所は尊敬できるようなので、多分櫛田も関わり方によっては好印象持ちそうだなって思いました
まぁDクラスになってたらですが

ではまた次回。

後書きの文字、文章量

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