ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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最後の投稿だッ! 正真正銘! 最後の体育祭投稿だ!
これより投稿時間9秒以内にッ! カタをつけるッ!

てことで、体育祭ラストです。


超能力者撃破!?誰が勝つか体育Ψ!

 昼休憩が終わり、午後からは推薦参加競技が始まっていく。

 昼食後一発目の競技は借り物競争。

 各クラス1人ずつ4人1組のレースが6回行われ、運に左右される部分が大きいためか得点は通常の個人競技よりも高くなっている。

 男女混合だが、男女が2人ずつという取り決めはなく、男子も女子もどちらも出られるくらいの種目だ。

 借り物競争では高い難易度のものもあるらしく、その場合は引き直しも可能だが、引き直すまでに30秒かかる。

 競技前に審判からそれらの説明を聞いて2レース目の待機場所に行くと見慣れた顔が2人居た。

 

「てめぇもこのレースか、斉木ィ……!」

「(龍園のやつ随分と苛立ってるな……)今日当たるのは2回目だな、斉木」

 

 須藤を挟んで隣に立つ龍園は僕を射殺したいかのような目で睨んでくる。

 視線を合わせるまでもなく、須藤の言葉にだけ『そうだな』と答えておく。

 龍園は僕に大差を付けられたこともあるが堀北さん潰しが上手くいっておらず、その堀北さんクラスのCに差をつけられて3位という結果が腹立たしいようだ。

 

「借り物競争じゃ足の速さは関係ない、運の良さが勝敗を分ける。勝つのは俺だ……!」

 

 言ってることは正しいが、僕には運なんて関係ないんでな。

 借りる物が書かれた紙はクジになっており、それなりの数が箱の中に入っている。

 その中から1枚を選び、広げて書かれている物を借りてくる。

 4つ折りにされていようが箱の中に入っていようが僕には透視でスケスケなのだ。

 手触りで何のファミコンソフトか当てろと言われると厳しいが、僕でも簡単に借りられる物が書かれている紙を選ぶのは難しいことではない。

 第2コースのスタート合図が鳴ると共に、須藤、龍園が飛び出していき、僕は疲労アピールのため少し遅れて出ていく。

 3番目にたどり着く前に、透視でクジに書かれている内容を把握する。

 

『友達10人を連れてくること』

『好きな人』

『クラスで一番可愛い子』

『置時計』

『イチジクのタルト』

『カブトムシ』

『SFCスウィートホーム』

 

 おいなんだこの馬鹿げた内容は。

 上から7枚をざっと見ただけで難易度が高いなんてレベルじゃないぞ。

 上4つはともかく高校の体育祭にイチジクのタルトやカブトムシ、スーパーファミコンのソフトを持ち込んでるやつがどこにいるんだ。

 しかもこれあと7つで天国へ行くための言葉になるんじゃあないか? 

 龍園や須藤の方は比較的簡単そうなものが多く、残り物には福があるというのは嘘だなと思いながらさらにその下にあった紙を見る。

 

『美人な先生』

『黒髪ロングの女の子』

 

 あの女、本当に燃やしてやろうかとこの箱の中にある女の子シリーズを書いたのであろう担任に怨嗟を向ける。

 この中なら黒髪ロングの女の子が僕でも簡単だと思い、それを手に取ってCクラスのテントへと走る。

 紙を広げて中身を確認するふりを忘れない。

 

(……? 斉木くん? どうしてこっちのテントに……?)

(何? 他クラスの女子とかでも引いたわけ? でもそれなら椎名さんのいるクラス……って椎名さんも借り物競争出てるのか)

 

 不思議そうな顔をする堀北妹と櫛田さんのいるCクラスの所へと行く。

 そして、堀北妹の前に立った僕は広げた紙を見せる。

 

「黒髪ロングの女の子……なるほど、たしかに私ね」

(あー、そういうことか……じゃあ私は関係ないか)

 

 来てくれるか? と尋ねれば彼女は微笑をたたえる。

 

「貴方、組は同じでもクラスの違う私が協力すると思ったの? 須藤くんはまだ借りてくるものを探しているところだし、私がこのまま動かなければ貴方は最下位……違うかしら」

「ほ、堀北さん……(相変わらずだなこの女)」

 

 ホント性格悪いなこいつ。

 隣で引いてる子も大概ではあるが、最近はマシになった……気がするがそうでも無いかもしれない。

 まあ仮にも敵対しているクラス相手への対応としては間違ってはいないんだが。

 

「それとも何か私にメリットを提示してくれるのかしら?」

 

 網倉さんと姫野さんも黒髪に近しいが、ポニーテールとツインテールだし、一番条件に合致しているのが堀北妹だったから来たんだが……。

 メリットか、『僕に借りを作れる』程度では動いてくれないか……? 

 ダメなら面倒だが母さんをこちらに連れてきて観客に紛れさせて、ヅラをアポートで手に入れてそれを被せて審判の所に連れていくが。

 

「貴方に借り、ね……(さっきの走りや船内試験での言動を見ている限りだと斉木くんも綾小路くんと同じく実力を隠しているタイプかもしれない。そんな彼に借りを作れるチャンス……)そう、いいわ。じゃあ行きましょう」

 

 しばしの逡巡をして立ち上がった堀北さんを連れて、1位は須藤に譲る形になったが2位を取ることができた。

 

「な、なんで堀北がここに……」

「黒髪ロングの女子というお題だったから連れてこられたのよ」

 

 そういうことだから特に何も無いぞと須藤に伝え、3位である龍園が到着し順位が確定すると僕はすぐに自陣に戻ろうとする。

 

「待ちなさい」

 

 その背中に声をかける女あり。

 

「今回の借り、必ず返してもらうからそのつもりで」

 

 Bクラスからそこそこ貸しているから見逃して欲しいんだが、堀北妹が借りていると思っているのは一之瀬さんなのでそうもいかないか。

 できる範囲でと答えると「わかったわ」と了承の返事を受け取ったため自陣へと戻る。

 

「っしゃあ! 四方綱引きだ! 気合い入れていくぞ!」

 

 4本の綱を、4クラスがそれぞれ4方向から同時に引き合う団体対戦競技で、単純な力比べではなく、どのクラスと協力・対抗するかという瞬時の判断力と駆け引きが勝敗を分けるポイントになる競技だ。

 ここまでBクラスを群を抜いた身体能力で引っ張っている柴田はやる気十分でグルグルと肩を回している。

 その最中、Cクラスに今までいなかった高円寺の姿を確認して目を丸くする。

 

「あいつずっといなかったよな? なんで急に出てきたんだ?」

「さぁ?」

 

 問いかけられた1人が首を傾げるも、神崎は僕に視線を寄越してくる。

 

「案外斉木目当てかもな」

 

 正解。

 200メートル走で速く走り過ぎたせいで傲慢なる自由人の興味を引いてしまい、三宅という生徒と入れ替わりで出場するらしい。

 

「まぁ、誰が出てこようと勝つだけだぜ! 行くぞお前ら!」

「「おーッ!」」

 

 柴田の掛け声に僕と神崎以外が応えると審判から縄に手を添えて準備するよう伝えられる。

 

(ふふっ、ヘアピンボーイ、お手並み拝見といこうじゃないか)

 

 ギラギラと輝く瞳に、僕はそっと目を閉じることにする。

 制御装置が抜かれてから4時間ほど経っている。

 昼休憩中に家に戻って仮眠をとったおかげもあって、感覚としては8割ほどは本調子に戻りつつある。

 だが、2割くらいの確率で力加減をミスる可能性もあるため油断はできない。

 また縄をちぎってしまったら流石に偶然とはならないだろうし、しかも今回はBクラスのみ。

 流石に疑われてしまうだろう。

 どうしたものかと悩んでいる間に審判から綱引き開始の合図がされる。

 

「引けーっ!」

「おらっ! 高円寺! お前のパワー見せてみろや!」

「アルベルト全力で引け! 午前みたいな無様な姿は見せるなよ!」

「お前たち! 最後まで諦めず縄を引け!」

 

 各クラスのリーダーである柴田、須藤、龍園、葛城の号令が飛ぶ。

 それに合わせて全員が勢いよく後ろへと縄を引いて下がっていくが、それでも拮抗した状態が続いている。

 

(ふむ、この手応え……私の思い違いだったかな……?)

(なんだこれ……!? 全然こっち側に引き寄せられねぇ……!)

 

 高円寺が心の中で呟き、柴田は渾身の力を込めて引いているにも関わらず動きがないことに驚愕している。

 それは龍園や葛城も同じで高円寺が加わっただけだというのに一気に変わってしまったパワーバランスに戸惑っているようだ。

 このままいけばおそらく綱引きはCクラスの勝利で終わるだろう。

 

(つまらないねぇ……せっかく出てきたというのに……足は速くても力は私の思うほどではなかったというわけか……)

 

 よし、いい感じに僕への興味が薄れてきたな。

 これならここから僕が多少力を出しても柴田や神崎が踏ん張っているおかげだと思ってくれるだろう。

 四方綱引きの勝ち負けは最初に自陣の指定のラインまで縄を引き入れたクラスが勝ちとなる。

 このままいけば高円寺、須藤、平田、綾小路のいるCクラスが勝利を手にするだろう。

 しかし、僕にはこの四方綱引きで勝ち負けよりも大事な事を為さねばならないのだ。

 今まで緩く握っていた綱を少し、ほんの少しだけ握り込む。

 

(ん……? これは……?)

 

 僕の目的はただ1つ、高円寺たちCクラスに縄をちぎらせることだ。

 こうすることでこの学校の縄は古く脆弱なものだったと観客や周囲に示すことができるため、午前の綱引きでちぎれた縄と共にそういうことだったとは改めて認識してもらう。

 

(どういうつもりかは知らないが……その気になってくれたということでいいのかな? ヘアピンボーイ)

 

 なんで僕が力を込めたって判断するんだよ。

 それに、僕には僕の目的があるんだよ、ペガサ……じゃなかった、高円寺ボーイ? 

 BとCの縄が拮抗し始め、AとDが踏ん張るのが精一杯となり、それに気付いた須藤が叫ぶ。

 

「お前ら今だ! 全力で引っ張れ! じゃないと持ってかれるぞ!! うぉおおッ!!」

 

 気合い一閃。

 須藤の掛け声に合わせるようにCクラスの男子たちは綾小路を含め潜在能力の120パーセントを発揮しているのではないかと思うほどに引っ張る力を強める。

 

「ぬぅううううッ!!」

 

 それに負けじと龍園もアルベルトも死に物狂いで引くが、やはり拮抗するには至らない。

 

「楠雄! パワーが全然足りねぇぞ! 神崎! 楠雄のパワー足んねぇよなぁ!?」

(し、知るか……! くっ、須藤たち、なんてパワーだ!)

 

 柴田が随分と余裕そうな檄を飛ばすが、この中では中間値のパワーの神崎は歯を食いしばって縄を引くのに精一杯だ。

 一進一退の攻防を繰り広げ、両者膠着状態を維持すること30秒ほど。

 

(フハハハ! 楽しい、楽しいよ! ヘアピンボーイ! もっと私を楽しませてみたまえ!)

 

 どうやら高円寺は自分が楽しめればそれで良いようで、僕の狙いには気づいていないようだ。

 しかし、そんな状況が続く訳もなく、ついに綱引きに終止符が打たれる時がやって来る。

 

「おらぁあああッ!!」

 

 須藤の怒号とともに、Cクラスが一気に縄を引き寄せ始める。

 今が頃合いだと感じた僕は精度の戻りつつある念力でCクラス側の縄に切れ込みを入れると共に『負けた……』と言わんばかりに疲れたように力を緩める。

 だが全ての力を抜くとCクラスに縄が引っ張られて終わってしまう。

 そうならないように高円寺たちが引き続けさせる。

 すると、縄がちぎれ始める。

 

「「あっ!」」

 

 そう言ったのは審判と平田で、2人が見ている方を見てみるとCクラス側の縄、特に須藤と高円寺の間の部分が切れかけていた。

 

「高円寺くん! 須藤くん危ないよ! 縄が!」

「あぁ!? ちぎれる前に引っ張りゃいいだろ!」

「その通りだレッドヘアーボーイ! 勝つのは、私だぁっ!」

 

 須藤と高円寺は同時に地面を蹴り上げ、全力で引く。

 そしてついに僕の目論見通り、縄がちぎれると共に縄がCクラス側に引き込まれる。

 

「終了! 終了! Cクラスの勝利です!」

 

 長い戦いの末、綱引きはCクラスの勝利となった。

 須藤は雄叫びをあげると共に歓声が上がる。

 だが、そんな中で高円寺は僕の方を見て薄く微笑む。

 

「なるほど……(スタミナ切れ……いや、どうだろうね。だが、今まで休んでいた私と彼とではアンフェアな戦いではあったか……)次はお互い万全な状態で会おうじゃないか、サイコボ……(いやこれでは才虎グループの御曹司の呼び方のようになってしまうねぇ)斉木ボーイ」

 

 やれやれ、せっかく汗を吹き出し、肩で息までして、僕の体はボロボロだと演技しているのに、まだやつの興味は削がれなかったらしく爽やかに踵を返して救護テントへと戻って行く。

 

「はぁ、はぁ……接戦だったが、やっぱりずっと休んでた分、高円寺の方が体力で勝ったな……」

「あぁ、こればかりは仕方ないな……」

 

 尻もちをついて天を仰ぐ柴田に、膝に手を付いた神崎が答える。

 

「しっかしあいつ本当にとんでもない奴だったな。次は負けてやらねぇー! ってもう帰っちまってるな! ははっ!」

「はぁ……っ、柴田は元気だな……」

 

 さっきまで全力を出した後とは思えないほどに笑い、そんな柴田を見た神崎は呆れたように息を吐いた。

 残るは男女混合二人三脚……と3学年合同リレーか。

 ここまで疲れたアピールをしたことだし、僕が出るのは次の男女混合二人三脚が最後になりそうだな。

 




おれが投稿を止めた…… 男女混合二人三脚の時点でな……
そして脱出できた…… やれやれだぜ……

てことでもう1話続くんじゃ。
最後最後といってすまない……本当にすまない……
最後までいこうと思ったんですけど、高円寺戦書いてたら割と長くなってしまったのだ。
残りの1話は明日かあるいは明後日か……再び投稿時間が迫ったと共にもらった2日という時間だけ体育祭最終話をブチかますだけだ……


なお、この話を書くまでに昼休みの話1話(3000字)と借り物競争の展開(約2000文字)をボツにしている。
昼休みの話は斉木が力の制御できてない状態のため念力使って一人で食おうとしていたら一之瀬、椎名、櫛田がそれぞれ別の理由で探しに来る+その後家で休んでいたらパパが部屋に来るっていう内容。
ボツにした理由はハーレムみたいでなんかな〜って思いつつ、一応夢原、照橋さん、相卜にモテてたし無くはないけどなぁ……で渋々ボツに
借り物競争の展開は『クラスで一番可愛い子』を引いて、一之瀬か姫野どちらか悩むというものでした 結果的に両方連れていくわけですが斉木がんな恋愛フラグになりそうなことしないだろ……(嫌いにならせようとしてる相手を事故とはいえ手を繋いでプリクラに連れ込んでいることから目を逸らしつつ)ということでカットしました
結果的に堀北妹に借りを作ることになりましたが……楠雄の言う通り割とBクラスの方が借してあげてるのになぁ……って苦笑しながら書きました
堀北妹は悪くないんやで、こんなふうに歪めた堀北会長が悪い
てことで次の話で堀北兄妹の情緒をめちゃくちゃにします

借り物競争の内容はBクラスに戻った時にちゃんと説明しています
その時に網倉と姫野に「言ってくれたら髪ほどいたのに」と言われて『そ、そんな』と軽く後悔している楠雄がいる。
ただ、あの2人が黒髪判定なのか悩んだのはガチ。
姫野はメッシュ入ってるし、網倉はアニメだと黒っぽいけど原作の挿絵とかだと光の加減もあるけど青っぽく見えるし……んな事言ったら鈴音もだろうが!!

原作だと四方綱引きの詳細ほとんど分からなかったのでルールなどは適当に調べてます
参加人数も分からんので5~6人くらい想定にしてます

てことでまた次回
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