ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

7 / 53
中間テストまでにあること

クラス委員制度(Bクラスのみ)
ポイント徴収(退学取消のためのポイントを一之瀬に集めている)
勉強会(前回記載の通り、C、Dが揉めた際に一之瀬が居合わせたため)
過去問(D以外は未使用の可能性)

テスト後?
一之瀬生徒会志願(断られる)

や、やることが多い……!

教師役を白波、柴田から浜口、小橋、網倉に変更(2025-06-05 23:02)


開Ψ、クラス会議

 中間テストは学生にとって成績が決まる重要なイベントの一つだ。

 学業が学生の本分とする者にとっては余計に。

 そこに赤点を取れば退学という事項も合わせれば危機感を持つ生徒は多い。

 それは学力が平均より高いBクラスであっても例外ではない。

 

「中間テストに向けて勉強会を開こうと思います」

 

 5月1日。

 プライベートポイントの支給に合わせて公開されたクラスポイントや小テストの結果、また卒業時にAクラスでなければ学校からの進路の確約を受けられないという説明を聞いて、一之瀬さんはBクラスの今後を決めるため、その日の終わりにクラス会議を開いた。

 もう部活動に所属しており、向かわなければならない者たちも反論することなく残っている。

 星之宮先生が出ていった後に、クラス全員に放課後残って欲しいと彼女が言ったこともあるのだろうが、初めての中間テストを不安に思うのは皆同じなのだろう。

 

「出来ればみんな参加して欲しいけど、1人でやる方が集中できるって人は大丈夫だよ。質問とかだけでも気軽に来てくれていいし」

 

 一之瀬さんの言葉に数名の生徒が胸を撫で下ろす。

 それは僕も同じことだ。

 勉強会に出ずとも、テレパシーを使えば平均点くらいは余裕で取れるからな。

 言っておくがカンニングに使うわけじゃないぞ。あまりに高い点数や低い点数を取ると目立つからな平均点より少し上を取るために解答を調整するためだ。

 

「あ、でも今回の小テストでBクラスの平均点の70点を下回ってる子は参加して欲しいな。赤点はいなかったけど、本番でもしもってことがあるかもしれないから」

 

 聞いてないぞ。

 僕の場合はわざと細かいケアレスミスをして点数を落としたんだが、それが裏目に出てしまっている。

 一之瀬さんにそれを言ったところで、少し憐れみの目を向けられながら「じゃあ本番でケアレスミスしないように頑張ろ?」と励まされ、神崎に助けを求めても「日々の演習の積み重ねだ。俺も付き合うから行くぞ斉木」と連れ出される未来しか見えない。

 

「教えるのは私と神崎くん、あとは小テストで上位の3人にも頼みたいな」

「もちろんだ」

「帆波ちゃんの頼みなら! 」

「うん、僕にできることなら」

 

 最後の3問を正解できたのはこのクラスにはいないようだが、1問だけなら神崎と一之瀬さんが正解しているため教師役は2人を中心にやるようだ。

 

 成績上位者の網倉さんや浜口くん、小橋さんも知らない仲ではないが、彼らに教えを乞うほど学力は低くない。

 テスト前の期間は様々なところにテスト勉強で屯する生徒が増え、テレパシーに響く声が増えるだろう。

 勉強会となると、図書室やカフェといったこういう時に人が集まる場所ですることになる。

 どうにかして勉強会への参加は避けたいところだが。

 

(はぁぁ……油断した……細かいミスで平均点ぴったしだし……でもこれなら参加しなくてもいいってならないかな)

 

 勉強会に参加したくないという同志が僕の他にもいるらしく、心の中で大きくため息をついたクラスメイトの方を見る。

 長い髪をツインテールにまとめたジト目の似合う女子生徒、確か姫野さんだったか。

 彼女は学力が高いはずだが、僕と同じくケアレスミスで平均点と同じ点数になってしまったらしい。

 

 ふむ、確かに職員室にある彼女の回答を見れば、スペルミスや途中式の数字が違うなどで点数を落としてるな。

 それらがあっていれば80点と白波さんや柴田くんに並ぶ点数だ。

 

「斉木くん、大丈夫? すっごい寄り目になってたけど……?」

(寄り目?)

(なぜ今?)

 

 しまった。

 千里眼をする際は寄り目にならないと出来ないんだが、するところを誰も見てないと思っていたら一之瀬さんに見られていたらしい。

 

「えっと、クラス委員のことで何かあるかな? 学校生活とかこれからある行事とかに備えて役割分担が最初から決まってた方がいいかなって話になってたんだけど」

(多分途中から聞いてなかったよね斉木くん)

 

 にっこりと微笑んでいるがその実あまり笑っていない一之瀬さんの視線が痛い。

 やるならやるで別に構わないが、まさか全員が委員にならないといけないのか? 

 

「うん。言い出したのは私だから委員長は私、副委員長は神崎くんがしてくれるって」

「書記の方は白波、体育委員は柴田がしてくれる」

 

 補足するように神崎が言うと、書記の白波さんが他に決まっている委員を書き出していく。

 

「やりたいこととかあったらなんでも言ってね!」

 

 残念なことに何も無いな。

 幸福安心委員会とかでいいか? 

 いや、みんなに幸せなのは義務と語りかけるのは性にあわないな。

 

(うわぁ、めんどくさ……そういうのいいって。やりたいやつだけやりなよ)

 

 これには姫野さんと同意見だな。

 とりあえず、中間テストまでに全員が何かしらの委員に入らないといけないらしく、これは強制だった。

 委員活動を通して一人一人に責任感を持たせ、クラスの交流を活性化する狙いなのだろう。

 そして、役職や役割がないのは不平等というのが一之瀬委員長の指針のようだ。

 

「じゃあある程度、今後の方針も決まったし、このクラスは1人も退学者も出さずにAクラスを目指す! これでいいかな?」

「異議は無い」

「私も」

「俺も」

 

 委員長の問いかけにクラスメイトたちは同意していく。

 これに関しては特に僕も異論は無い。

 姫野さんも渋々といった様子だが反論はしない。

 

「それじゃあ今月は中間テストを頑張るぞー!」

「おー!」「おー!」「おー!」

 

 僕と姫野さん以外のクラスメイトが一之瀬さんの掛け声に続いて気合いを入れる。

 

「でも、万が一、退学ってなったら……私たちじゃどうにもできないの?」

「それに関しては星之宮先生に聞いてみたんだけど、あるんだよね。一つだけ」

 

 不安を隠せない声で南方さんが尋ねると、一之瀬さんはとっておきだよと微笑みながら答える。

 

「2000万ポイント。それが払えれば退学を取り消しにすることができるって」

(途方もない額だけど)

「に、にせんまん!?」

「無理だろそんなの!」

「毎月10万ポイントもらって使わなかったとしてもそんなに貯まるわけ……!」

 

 大学の入学費や4年間の学費よりも高い額だな。

 しかし、退学を取り消すにはそれだけの犠牲が必要ということなのだろう。

 まあ普通の学校なら金を払って退学取り消しというわけにもいかないだろうからまだ良心的といえるか。……いえるか? 

 

「無理かな。でもさ、1人の力じゃ無理でもみんなの力を合わせれば出来るよね」

 

 なるほど、クラスメイト全員のプライベートポイントを集めるわけか。

 それなら2000万ポイントという額にも現実味が出てくるな。

 

「確かにそれならいけそうだね!」

「問題は誰に集めるかだな」

(それ。預けるのはいいけど、勝手に使うやつとかいるかもしれないじゃん)

(預けるなら一之瀬さんがいいな。無駄遣いとかしなさそうだし)

(一之瀬になら安心して預けられるな)

(ここは委員長に預けるのが得策)

 

 クラスメイト達が同意する中で、誰に預けるかという点が気になるようだ。

 テレパシーでは一之瀬さん一択のようだが、当の本人の意見は違う。

 

「斉木くんに会計委員をやって欲しいんだけど……いいかな?」

「斉木に?」

(((斉木くんに!?)))

 

 よもやよもやだ。まさかこの僕が会計委員とは。

 バカ言うな。

 

「反対、という訳では無いがどうして斉木なんだ?」

(あいつは無駄遣いもしないし、かといって物欲もないから他のヤツらよりは信用できるが)

 

 反対してくれ神崎。

 じゃないと君の前でコーヒーゼリーメーカーや大型テレビとか買って散財するさまを見せつけるぞ。

 

「斉木くんは無駄遣いしないのはみんな知ってるでしょ? 私でもいいとは思うんだけど、私はクラス委員長だし、公平にクラスのお金を預かる人を決めた方がいいと思って」

(私はみんなから預かったポイントを勝手に使ったりはしないけど、もし昔のことがみんなやほかのクラスの人達にバレたらこの制度は破綻しちゃうから……)

 

 君の過去は知らないが、それだけで僕に預けるというのは荒唐無稽だと思うが。

 というか、そろそろ昔何があったか教えてくれてもいいんじゃないか? 

 星之宮先生は割と簡単にネタバレしてくるが、一之瀬さんは昔のことは思い出したくない、思い出さないようにしているのかテレパシーで彼女の過去は流れてこない。

 

 あと、僕が勝手に使わないと言っているが僕は赤ん坊の頃はじめてのおつかいで代金未払いをしているからな(母さんがあとでスーパーに行って払ってくれたようだが)

 

「なるほど」

(確かに)

(一之瀬さんの言う通りかも)

 

 なるほどじゃないが。

 一之瀬さんが言っただけで、こんな地味で目立たない1生徒を信用できるのか? 

 僕は反対だ。僕1人にそんな重大責任を負わせないでくれ。

 

「これは斉木の言うこともわかるな」

(一之瀬と俺で管理するのが無難か?)

 

「え? じゃあ……姫野さんにも協力してもらおっか?」

「……は?」(は?)

 

 神崎が同意し、会計委員から逃れられると安堵したのも一瞬、僕と同じくまだ委員が決まっていない姫野さんに白羽の矢が立てられてしまった。

 

「姫野さんも委員まだだし、2人ならお互いにチェックができるから悪いことじゃないと思うんだけど……どうかな?」

(斉木くんと同じで静かだし気も合いそう。姫野さん女子会には来てるけどちょっと孤立気味だったし、斉木くんとなら仲良く出来るかもしれないし……)

 

 お節介にもほどがないか? 

 姫野さんは1人が好きだから1人でいるわけだし、僕がいくら心が読める超能力者でも孤独を愛する彼女をクラスに溶け込ませるのは無理だぞ。

 

(はぁ〜〜?? 勝手に決めてんじゃないわよ。しかもどうかな? こんなの断るに決まってるでしょ!)

「まあ、いいよ……。でも、ポイントは斉木くんに預けてよ」

 

 テレパシーでは勇ましく断ろうとしていたのに姫野さんは引き受けるようだ。僕を犠牲にして。

 

「もちろん。斉木くんが預かってくれればいいよ」

(良かった。2人とも小テストは振るわなかったみたいだけど、斉木くんと姫野さんの授業態度とか普段の様子を見てたら退学になったりしないだろうしこれで安心だね)

 

 他のクラスメイトでも退学にはならなさそうだし、勝手に使ったりはしないと思うが。

 僕はむしろ退学になりそうなら喜んで受け入れるぞ。しかしそれもこのクラスなら2000万ポイント払ってでも止めて来そうだが。

 

「ありがとう斉木くん。集める額はまた神崎くん達と決めようね」

 

 これ以上断っても時間の無駄だろうと、僕は仕方なくポイント管理の役目を引き受けたが、徴収額を決めるのにも立ち会わないといけないらしい。

 初月だし2万ポイントくらいでいいだろう。

 今月からポイント徴収制度が始まるなら今後のポイントの使い方や食費も見直す必要があるし、来月からは3万5千ポイントと明言しておけば無闇矢鱈に使う者はいなくなるだろう。

 

「それじゃあ会計委員は斉木くんと姫野さんに決定! 2人ともよろしくね!」

 

 結局会計委員から逃げることはできなかったが、ホームルーム委員や清掃委員などにさせられるよりはよかったか。

 こうして長い長いホームルームは終わりを告げ、ようやく帰宅できると思っていたが。

 

「斉木くんに姫野さん! ポイントの徴収額を決めてから勉強会の相談もしよっか」

(早めに言っとかないと2人とも帰りそうだし)

 

 

 不本意ながらもクラスの金庫番としての役目を果たすためにまた教室に残る必要ができた。

 

「じゃあ徴収額は斉木くんの提案通り今月は2万ポイント、来月から3万5千ポイントいいかな?」

「いいんじゃないか?」

「……でもそれだと2000万ポイント貯まらなくない?」

 

 さっさと話を終わらせたいからと珍しく自分から徴収額を提案すると、思いの外好意的に受けいれられたが、姫野さんは

 やはり不満顔だ。

 

「まあ2000万ポイント貯まるのは来年になっちゃうけど、ポイントで買えないものはないって先生も言ってたし、備えあれば憂いなしなんじゃないかな」

「ああ。退学取り消し以外にもクラスのためにポイントを使う場面はあるかもしれないからな」

 

 ね? と神崎や僕に同意を求めてくる一之瀬さんに、否定する理由のない僕たちは頷く。

 それにクラスポイントの増加やプライベートの支給は月ごとだけでなく、特別試験の際にも行われる。

 年内に2000万ポイントを貯めるのも不可能な話ではないが、それは今言うことではないだろう。

 

「そ。それなら私は問題ないわ。斉木くんに送るわ」

 

 姫野さんが納得したところでこの話はこれで終わりとなり、僕の端末に3人から2万ポイントずつ送られてくる。

 自分のプライベートポイントと合算されてしまうが、他の端末やクラス用の口座を作ることが出来ない以上は仕方ない。

 

「勉強会の方はどうしよっか。さっきはああ言ったけど、正直うちのクラスなら参加したい人だけでいいとは思うんだけど」

(無理やり参加させても集中出来ないだろうし)

 

「私はその方が助かる」

(分からないとこだけ聞けたらいいし)

 

「俺はどちらでも構わないが、クラスポイントのことを考えれば参加させた方がいいんじゃないんか? 教師役が必要ならもちろん参加させてもらう」

「うーん、神崎くんの言うことも分かるけど、今はBクラスみんなでテストを乗り越えることの方が大事だと思う。まずは赤点を回避して、退学にならないように対策した方がいいんじゃないかな」

「それもそうか。高得点は狙えるものが狙えばいいか。このクラスなら赤点の心配はないだろうし、最低限のサポートで済む生徒はそれでいこう」

 

 どうやら僕はテスト勉強会に参加しなくてよくなったようだ。

 ただ勉強会自体はやるようで、部活動や他の予定がある生徒のことも考慮し、昼休みと放課後の2回に分けて行うことになった。

 僕も1度だけ顔を出すことにした。

 そこでケアレスミスをある程度克服し、テストで点が取れることを証明すれば要らぬ心配をかけなくて済むだろう。

 

 さて、貴重な昼休みや放課後に動く時間ができた事だ。僕が念写した過去問が本当に過去問なのか確かめるために運動するとしよう。




姫野さんが仲間になった!(多分)

斉木が会計に選ばれたのは無駄遣いしないとかそういう理由よりも、クラスポイントや小テストの点数発表、中間テスト赤点で退学という話があったときに動揺してなかったのをチエちゃんから聞いたため。
1ヶ月の付き合いですが、斉木ならクラスを裏切ったり、勝手にポイントを使ったりしないし、龍園や坂柳のような曲者にも動じたりしないと一之瀬が判断したからです。
もし斉木に裏切られたり、勝手に使われたら自分の見る目がなかったとクラスメイトに謝罪して責任取って退学しようと思っているが、見る目は確かだったのでそうはならない。

これで坂柳の一之瀬攻撃イベがなくなるかと言われればそうもならないと思う(そこまでいくやろか)

なお今のところ他クラスで斉木を知っているのはひよりと他クラスとも積極的に交流を取っている櫛田(名前は認知してるけど会ったことはまだない)くらいです

投稿ペースですが書けてたら12時間〜24時間間隔くらいで、書けてなかったら1日2日くらい空くと思います。
今のところそこまで忙しくもなく体調もいいので。
Xなとで知らせることもあれば何も言わずに急に投稿することもあります。

俺の二次創作に来たのならお仲間だ。座れよ。疲れているんだろう?
そのうち慣れるさ。

おまけの有無

  • 欲しい!!
  • どちらでもいい
  • 些事。不要
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。