ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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次に読者は……「次は2日後って言ったのにまた更新されているだと!?」と言う……ッ!

龍園との廻る戦いに決着をつけるわけじゃありませんが、やることはやっておこうと思ったので投稿しました


龍園翔の独白

 この世界は"暴力"によって支配されている。

 この世界の"実力"は"暴力"の強さで決まっている。

 それが齢6歳で俺が知ったこの世の現実。

 恐怖と愉悦は表裏一体。

 相手が屈する瞬間、脳内を満たす大量のアドレナリンに酔いしれた。

 異質な存在は、多数から敵意を向けられる。

 だがそれがどうした。

 抗えない力の前に崩れ落ち、大勢に囲まれてひたすら暴力を受け続けたこともあったが、それでも俺は恐怖しなかった。

 どうやって復讐し、逆転するか、そして最後に俺が勝つことだけを考え、全てが俺の前にひれ伏した。

 本当の実力者とは、比類なき暴力を持つ人間のこと、そして"恐怖"を克服した人間のことだ。

 かの悪の救世主も言っていた"恐怖"を克服することが"生きる"ことだと思うと。

 世界の頂点に立つ者はほんのちっぽけな"恐怖"をも持たぬ者だと。

 しかし俺は自分が実力者になるに従って退屈感を覚え始めた。

 結局、俺に敵うヤツなど存在しないという退屈。

 俺のこの飢えを満たすような存在はいないのだろうとそう思っていた。

 

 関東最強の暴走族を倒すために、俺は屈服させた駒たちを使って抗争を仕掛けた。

 狙うは大将首ただ一つ。

 襟足の長く目つきの悪いリーダーに俺はタイマンを申し込み、相手が油断しているところに駒たちに攻撃させた。

 ガラス瓶で頭部を殴りつけ、意識を刈り取るか脳震盪で身動きの取れなくなったところを駒たちと袋叩きにして潰す算段だった。

 しかし、炎栖覇の窪谷須亜蓮は俺が思っていた以上にタフで化け物だった。

 頭から血を流しながらも地面に刺さっていた道路標識を武器に俺の駒を次々と潰し、俺すらも自動販売機を投げつけて殺ろうとしてきた。

 ヤツとの戦いはそれっきりで、俺がこの高校に入ってしまったため再戦は叶わなくなったが、もし次があれば今度こそ俺が勝つ。

 

 関東最強と呼ばれた暴走族の頭を取ることは出来なかったが、日本各地から俺と同じく高校生になる奴らの集まった高度育成高等学校には窪谷須やあいつに並ぶ化け物とも殺り合える。

 そう思っていた。

 だが蓋を開けてみればいたのはどいつもこいつも平和ボケしたガキばかり。

 クラスを1ヶ月で掌握し、監視カメラの位置や何をすればどんなペナルティが与えられるかなどの確認をしながら同学年のリーダーたちを把握していった。

 

 Aクラスは坂柳有栖と葛城康平は頭こそいいが、坂柳の方は病気とやらのせいで運動ができず俺好みの戦いは出来ない。

 葛城も頭が固く、知略の分野では坂柳の方が勝る。

 今は2学期が終わろうてしている今も尚どちらがクラスの実権を握るかを争っているらしいが、どちらがリーダーになろうが無人島試験で結んだ契約のおかげ奴らから毎月ポイントが吸えるため俺にはあまり関係ない。

 どちらがリーダーになろうが最終的には叩き潰すだけだ。

 

 Bクラスは一之瀬帆波。

 こいつこそ優しいだけの甘ちゃんだと思っていたが、夏休みの特別試験はこいつの一人勝ちだったと言っても過言じゃない。

 橋本の密告を利用したとは言え戸塚がリーダーと当て、白波を脅した際に俺が姿を見せたことから俺がリーダーであると看破して無人島試験のリーダーを当てを成功させている。

 さらに船上試験では俺よりも早く優待者の法則を見抜き、白波を脅した罰だと言って当時Cクラスだった俺のクラスの優待者をA、Dと共に当てて、Dクラスに落としやがった。

 体育祭でも柴田を筆頭に成績を残し、更には斉木楠雄というただのスイーツバカかと思っていたら化け物じみた身体能力を持ったやつも擁しており、一筋縄じゃいかない敵と理解させられた。

 Bクラスを倒してからAクラスと思っていたが、一之瀬帆波は最高のデザートになるかもしれない。

 

 そして俺のクラスと1番クラスポイントの差が近い現Dクラスはペーパーシャッフル試験で俺たちに勝利しているため3学期から再びCクラスになる。

 リーダーは確定していないが率先してクラスを動かしているのは堀北鈴音と見て間違いないが、何か妙だ。

 俺は学校が生徒同士の揉め合いにどれほどの介入をしてくるかを知るために、石崎たちをDクラスの須藤にけしかけて暴力事件を起こそうとした。

 しかし石崎がドジりやがって須藤に殴られることなくただこけて帰ってきただけ。

 それで終わったなら良かったが、問題はその後だ。

 須藤側から石崎たちが言いがかりをつけてきたとして注意喚起をするようにと生徒会に打診しやがった。

 証拠もDクラスの女子が撮っていたらしいがそれは画像がブレていて石崎たちと断定するには足りないと生徒会長は判断したが、翌日になって新しい鮮明な証拠が提示され、石崎たちには厳重注意が言い渡された。

 誰から提供されたかを生徒会長は明かさなかったらしく、誰が何の目的でそんなことをしたのか分からない。

 俺にとって重要なのはその鮮明な証拠とやらがDクラスの人間にも石崎たちにも心当たりがない第三者によって撮られており、それをなぜ匿名で生徒会に提出できたのかだ。

 夏休みの特別試験ではDの奴らは俺が島に残っていると踏んだのか、リーダー当てで俺を指名してきた。

 一之瀬が櫛田からAクラスのリーダー情報を貰った見返りに情報を流した可能性もあるし、船上試験でも一之瀬の案に賛同する形だったと聞いている。

 問題は体育祭、俺にとっては2度目の転機だ。

 目の上のたんこぶというやつになりつつあった夏休み後にCクラスに上がった鈴音クラスを潰すべく、頭の鈴音の身体も心もズタズタにするため、俺はAクラスの橋本の協力を得てCクラスにいる橋本の恋人、前園から体育祭の参加表を入手した俺は勝ち目の薄い須藤のところには運動能力が低い男子をあつめ、他の種目での勝利を狙った。

 そして女子の方は堀北鈴音を潰すため、運動能力に優れた陸上部の女子などを使い、堀北に女子全員で集中攻撃を行った。

 だが鈴音を2位にすることは出来ても、肝心の怪我や精神の疲労は出来ず、本命だった木下や矢島のどちらかに接触事故を起こさせて賠償を要求するプランも上手くいかずに終わった。

 鈴音の肝が予想以上に太かったのか、あいつらのやり方が甘かったのか成功しなかったという結果だけが残り、俺たちDクラスは敗北した。

 体育祭で赤組が勝ち、ポイントの変動で鈴音たちを再びDクラスに落とせたが、この前行われたペーパーシャッフル試験で敗北したため、3学期にはまた俺たちがDクラスになる。

 前園に俺の作った簡単な問題を提出させようとしたところを、裏切り者の存在を認知していた鈴音たちに止められたという話だが、噂では櫛田が前もって教師に鈴音の出す問題以外は受理した振りをして欲しいと頼んでいたという噂もある。

 所詮噂は噂だ。

 だが、火のないところに煙は立たないともいう。

 鈴音と櫛田、あの2人がクラスを引っ張っていると考えれば、話は通るかと言われればどこか腑に落ちない。

 しかし、その違和感を解消する鍵を俺はまだ見つけられていない。

 

 ペーパーシャッフル試験が終わってからDクラスの何人かに監視をつけているがめぼしい情報は入ってこない。

 ついでに体育祭で俺のことを散々舐めてくれた斉木楠雄にも監視を回したが、足が速いだけのスイーツオタクでしかないことが判明した。

 あいつも所詮は一之瀬の金魚のフン、潰す機会はいくらでもあると放置しておきたいが……。

 

「龍園さん! 聞いてくださいよ!」

 

 そろそろ2学期も終わり、来週から冬休みとなるため、その前に今年のケリをつけようと思考をまとめていると石崎から声をかけられる。

 

「んだよ石崎、耳元で」

「す、すみません……その、昨日のことなんすけど」

 

 昨日といえば日曜日、休みの日まで監視させるのは無駄足になりそうだと全員に好きにさせていたが、何かあったかと目線だけ向けて石崎に続きを促す。

 

「実はBクラスの斉木がスイーツビュッフェで……」

 

 その段階でカスみたいな話だなと俺は石崎から目線を外した。

 

「ちょ!? なんで目を逸らすんすか!?」

「そいつの話はいい。毎回コーヒーゼリーだの杏仁豆腐だの栗羊羹だの……クソどうでもいい情報ばっか持ってきやがって」

「いや今回は違うんすよ! 続き聞いてくださいよ!」

 

 やかましい石崎に拳でも入れてやろうかと思っていると、逆側から人の気配を感じた。

 

「私は聞きたいですね、石崎くん。斉木くんがどうかしたんですか?」

 

 前園を使った計略が失敗したにもかかわらず、Cクラスが退学者を出さずに済むように最低限の勉強をさせた椎名ひよりが珍しく俺の隣に立っていた。

 やってきた椎名に石崎がキョトンという顔で尋ねる。

 

「なんだ椎名、斉木と知り合いなのか?」

「はい、読書仲間です。それに体育祭の時は運動のできない私にアドバイスもいただいて」

 

 最近伊吹に新しい読書仲間ができたと言っていたが、それより前に斉木とは知り合いだったのか。

 そして、その斉木に運動のアドバイスを貰ったか。

 なるほど、それなら体育祭でひよりが思った以上の成績を残せていたのに合点がいった。

 あの足の速さを持つ男からのアドバイスとなりゃ、それなりに役に立つか。

 

「それで昨日斉木くんがどうかされたんですか?」

「え? あぁ、そうそう。写真は無いから本当かはわからないんだが、スイーツビュッフェに斉木と一緒に一之瀬と櫛田、あと坂柳が一緒にいたって裏掲示板で流れててさ」

「ほう?」

 

 なかなか奇妙なメンツじゃねぇか。

 斉木と一之瀬はまだわかる。

 一応クラスが同じだからな。

 

「体育祭とペーパーシャッフルが終わって、慰労も兼ねて斉木が好物の揃うビュッフェに一之瀬を誘ったとかですかね? 櫛田と坂柳はたまたま居合わせたとか?」

「しかし偶然にしては些か豪華なメンバーだな」

 

 花より男子じゃなく、花より女ってか? 

 斉木も意外にスイーツだけじゃなくて女好きってことか。

 しかも全員タイプが違う、といっても櫛田と一之瀬は似たような外見的特徴だが坂柳みたいなイロモノも好みとは。

 

「斉木くんからは誘わないと思いますよ?」

「ん? なんでだよ」

「彼、1人の方が好きですし、目立つのは嫌いと言っていたので、そんな学年の人なら誰もが知る女の子3人とは出かけないと思います」

「でも相手が相手だからな。斉木も男だし、一之瀬とか櫛田に誘われたらホイホイって」

「行きません」

「お、おう? そうか?」

 

 斉木が3人をどう思ってるかは知らないが意外な組み合わせであることには変わりない。

 A、B、Dのクラスのリーダーが揃って食事とは、クク、伊吹か椎名あたりでも誘ってくれればもっと詳細な話がわかったのによ。

 

「そういえば石崎、写真がないってのはなんだ? 別になくても普通だろ」

 

 いくらこの学校がイカれているとはいえ、生徒のプライベートの写真を撮って掲示板に貼るやつなんてそうはいないはずだろう。

 それこそ、俺みたいに誰かを貶めたりという理由でもなければやらないだろうと思って言ったが、俺の思っているよりもこの学校のモラルはぶっ飛んでいるらしい。

 

「いや注目の男子生徒と美女3人って組み合わせを写真に撮ろうとしたやつらが結構いたみたいなんですけど、みんなカメラの調子が悪かったりめちゃくちゃブレたり、酷いやつは撮る前に落として壊れたみたいなのを書き込んでるらしくて」

「調子が悪かったやつは運がないが、他の奴らは興奮しすぎだろ……」

 

 呆れて鼻で笑ってしまったが、あの3人は見た目がいいのは認めよう。

 俺好みではないが。

 

「ひより、次斉木に会った時に聞いとけ。あの3人がどんな話をしていたか」

「別に構いませんが……多分斉木くんは聞いてないと思いますよ?」

「あ? なんでだよ、あいつ何しに行ってんだよ」

「スイーツビュッフェなんですから、スイーツを食べに行っていたと思いますよ」

 

 なるほど、花より女じゃなくて女より甘味というわけか。

 ますますあいつがわからねぇなと俺は敵とみていいのか雑魚とみていいのかわからない奇妙な男のことを思い浮かべるが、クソあいつに砂をかけ返された記憶とあっという間に引き剥がされた記憶しか出てこねぇ。

 

「しかし龍園くん、いいんですか? 私たちのクラスは今のところ黒星しかありませんけど」

「よくはねぇよ。だが最後に勝つのは俺だ」

 

 だからその為にもDクラス、特に前園が裏切り者と突き止めた櫛田にはしっかり話をきかせてもらわないとな。

 体育祭で鈴音を滅多打ちに出来たが、あいつはノーマークだったせいでほとんど1位を取られた上に騎馬戦でも邪魔をされている。

 

 ……いや、待て。

 まさか最初から鈴音が狙われているのを知っていて、クラス表が流れることを留意した上で体育祭に臨んでいたとしたら? 

 それならば鈴音が木下たちの妨害を意に介していなかった理由としては有り得る。

 はじめからなにかされると分かっていれば、ある程度は対応出来るからな。

 そしてペーパーシャッフルまで前園を泳がせていたのも、俺が答えのわかりきってる問題を前園に出させて、何の勉強もしていない俺らを叩くため。

 前園の方は俺と橋本に脅され、騙された被害者として救済すれば、あいつの地位や名声はクラス内で一気に高まる。

 可愛い顔してやることが随分と俺好みだな。

 気に入ったぜ櫛田桔梗……これから先、とことん追い詰めて地獄の底まで落としてやる。

 





地獄に落ちるのはどちらなんすかね。
ちなみに7巻分はこれで終わりだったりします
だって龍園が仕掛けるにはまだ情報不足ですし、原作で軽井沢をいじめたのは軽井沢の裏にいるXを炙り出すためなので……
おのれ櫛田桔梗!と思っている龍園はもはや櫛田以外見えてないので背後にというか150m圏内にはいるけど離れている超能力者がいるとは思わないですよ普通。
ひよりが「櫛田さんも斉木くんに教わってました」と言っていれば話は少し変わったかも。
まあまだ楠雄はフィジカルお化けなスイーツ狂いとだけしか思われていないしな。

前々回で書こうとしてて抜けてましたが、一応ひよりと綾小路は知り合いになってます
その際に「読書仲間がもう一人いるのでまたご紹介しますね」
「オレも読書好きな友達がいるから日が合えば紹介しよう」と本人のいない所で謎の約束がされています(いつものこと)

美少女3人とビュッフェに行っていたことが裏掲示板伝いに暴露された斉木楠雄くんは月曜日も特に何も変わらず登校しましたとさ。
なおこの掲示板の書き込みのおかげで「いやあの3人に立ち向かう勇気も容姿もないわ……」と結構な女子が離れているので、楠雄的には助かった。
なおクラスメイトたちは「美少女3人を前にしても何食わぬ顔でスイーツだけ食って帰ったんだろうなぁ」って思われてる。
平常運転。
多分楠雄が3人にマカロン食わせたって聞いたらキャーキャーいう。

佐倉は綾小路グループにちゃんと合流しており、楠雄から綾小路に気移り終わってます
単純接触効果ってやつですかね
まあ楠雄へは好意っていうよりも助けてもらった恩義の方が強いので
それを好意と勘違いしちゃった故のLIKEだったから残当

補足はこんなもんかな?

7.5巻は冬休みの話少しして直ぐに8巻に入れたらいいな
なんならキング・クリムゾンして8巻の内容に入りたい
なんでかって?早く2年生編書きたいんすよ……モチベがあるうちに……

ではまた次回
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