てことでもう書けてしまったので8巻開始ぃ!
メンツとかは最初っから決まってたし、説明回だからすぐに書けたんだなこれが
新たなる特別試験χ幕!
始まりがあれば終わりがあるもので、2週間という短くも長く感じた冬休みが終わり3学期が始まった。
始まった当初は冬休みはどうしていたか、という話題で持ちきりだったが、始業式が終わって間もない日に僕たちは新たな特別試験の場へと向かわされることになった。
「これどこに向かってるんだろうな。着替えとかも持って来いってことは合宿系か? どう思う楠雄」
高速道路を走るバスには1クラス40人が名前順で座っており、僕の隣は柴田だった。
柴田の言うように僕たちはこれからどこに向かうのか、何をするのかを一切知らされていない。
全員がジャージを着ており、予備のジャージや替えの下着を複数用意しておくことを推奨されたのみであり、バスの運転手と教師以外は行先は知らない。
予想される移動時間は交通状況次第ではあるがおよそ3時間と長いこともあり、生徒たちは許可された範囲で各々好きな物を持ち込んでいた。
携帯はもちろん、本やトランプ、あるいはスナック菓子やジュース、他クラスにはゲーム機を持ってきている生徒もいた。
『さぁどうなんだろうな』
「なぁ、神崎はどう思う?」
バスでは乗り物酔いしないため本を読みながら短く答えると柴田は前の方の席に座る神崎へと声をかける。
僕自身はテレパシーで行先もこれから行われる試験の内容も把握している。
和気あいあいとしているバスの中だが、これから行われる特別試験の内容を聞けば、おそらくほとんどの者が今の顔を曇らせることになるだろう。
かく言う僕もまた実家から離れての生活を強いられることに辟易している。
「正直、想像するだけ無駄かもしれないな。この学校のやることは俺たちの想像を遥かに超えてくるからな」
「まぁ確かになぁ。けど、このまま夢の国へってパターンも予想外で楽しくねぇか?」
「それにしては3時間は長すぎるな」
柴田の言葉に苦笑しつつも神崎は冷静に返す。
そんな会話に耳を傾けていると、星之宮先生が窓の外を見た。
(次のトンネルを抜けたら試験の内容説明か。長かったなぁ〜)
運転席近くの席で伸びをしつつボヤく星之宮先生は長いトンネルを抜けるとバンド形のマイクを手にして立ち上がる。
「盛り上がっている最中にごめんね〜今からこのバスがどこに向かっていて、これから何をするのか知りたいかな〜って思うんだけど、どうかな?」
先生の問いかけに生徒たちは興味津々な様子を見せる。
「それじゃあまずは、これから向かう場所について発表したいと思いまーす!」
楽しそうに言う先生の姿を見て、僕は心の中で大きなため息を吐く。
そんな僕の心情などお構いなしに先生は話を進めていく。
「これからみんなを山中の林間学校に案内します。多分あと1時間もかからないんじゃないかな? 説明に割く時間が短いほどみんなに与えられる猶予も大きくなるからこのまま静かにしててね(まあ言わなくても静かにしてくれるだろうけど)」
(やっぱり特別試験か)
(あと1時間後には林間学校で特別試験か。相変わらず予想外にもほどがあるな)
一之瀬さんと神崎は特別試験ということは予測していたのかあまり驚いてはいないようだった。
「普段の学校生活では上級生と触れ合う機会は部活や生徒会に入っていないと少ないよね? 今回の林間学校では学年を超えての集団行動を7泊8日でしてもらいます」
(な、7泊ぅ!?)
(なが……1週間も? まあでも無人島試験よりはマシか……)
柴田が真横であんぐりと口を開け、姫野さんも試験の長さに嫌そうにしている。
「今回の特別試験の名称は"混合合宿"。口頭だけの説明じゃ不安だろうから資料を回すね」
先生は自ら歩いて、席の先頭に資料の束を渡すと、生徒たちは隣や後ろの席へと回していく。
僕も資料を受け取ると、そこには試験の概要が書かれているが、大体のことは把握しているので先生からの説明を待つ。
「資料はバスを降りる前に回収するからルールはしっかりと把握しておいてね。質問は最後にまとめて受け付けるから」
今回の特別試験では精神面での成長を主な目的とした合宿らしく、社会で生きていく上でのイロハを始め、普段かかわり合うことのない人間とも円滑に築いていけるかを確認して、各自がそれを学ぶ
とのことだ。
「みんなには目的地に着き次第、男女別に分かれてもらうよ。学年全体で話し合いをしてそこで6つのグループを作ってもらいます」
1つのグループには下限と上限が決められているらしい。
僕は下弦の鬼くらいがいいなとこれから行われる試験の面倒さから気を紛らわせようとするがそうもいかない。
1つのグループを形成する上でその人数は学年及び男女を分けた総人数より算出される。
僕らの代は今のところ退学者は出ていないため10~15人で1つのグループを作り、合計6つのグループに分かれることになる。
「大体察しはつくだろうけど、男女別で6つだから他のクラスの子が混合したグループを作ることになるよ。そして林間学校の間はそのグループで特別試験を乗り越えてもらうことになるから。てゆーか、一蓮托生?」
(急にギャル?)
(他クラスと同じグループか、AやCはともかく、龍園のいるDグループは難しいな)
(これって下限10人のグループをBだけでふたつ作るとかじゃダメなのかな?)
みんな星之宮先生の説明を聞きながら思い思いに思考を巡らせるが、学校側がそんな簡単な抜け道を用意するはずもなく先生から補足が入る。
「1つのクラスだけでグループの形成をすることはルール上認められてないから気を付けてね。グループは人数の範囲内なら、どのクラスの誰と組んでもいいけど最低でも2クラス以上の混合じゃないといけないからね」
一応は極限まで自分たちのクラスの生徒だけで構成したグループを作ることも不可能では無い。
他クラスの生徒、それこそDクラスの龍園さえ入れてしまえば、グループとしては成立してしまうのだから。
しかし、そんなグループが学年全体の話し合いで認められるかと言われれば、無理な話だろう。
「グループの人数は多い方がいいのか、少ない方がいいのかはこれから説明する結果の項目に大きく影響を与えるからよく聞いててね」
まずグループは林間学校だけの臨時クラスのようなで、しかし臨時とはいえどその内容は濃い。
グループのメンバーで授業を受けることはもちろん、炊事や洗濯、入浴から就寝まで様々な日常生活を共にすることになる。
風呂や寝る場所も他クラスの生徒と同じと聞いて、男女共に悲鳴が上がったが星之宮先生は気にせず続ける。
「特別試験の結果をどのように求めるかは林間学校の最終日に行われる総合テストによって決められるよ」
大まかなテスト内容は【道徳】【精神鍛錬】【規律】【主体性】と高育に入ってからは殆ど学習することはなく、この学校に最も必要であろう項目があった。
面倒なのは具体的にどのような試験を行うかが資料には書かれておらず、担任教師陣も把握していない。
詳しいスケジュールは林間学校に着き次第説明されるようだが、試験内容についてはどんな特別試験をどのような順番で行うかも、今の段階では知らされないようだ。
「このグループ決めは非常に重要だよ。6つのグループは一心同体で1週間の合宿を乗り切らないといけない。どんな理由があっても途中でグループの脱退やメンバー入れ替えも出来ないから。
仮に誰かが病気や怪我で離脱することになったらその穴埋めをグループ内で生徒が存在するものして対応しなければいけないから」
仲違いや敵対をし合っていては前に進めないということらしいが、その点はこのクラスならあまり問題にはならないか。
他のクラスがどう思うか次第ではあるが。
「1年生の中で6つのグループを作り終えたあとは、同じく6グループにわかれた2年生、3年生と合流することになるからね」
「つまりは1年から3年までを合わせた約30人から45人のグループが6つもできるということですか?」
「さすが神崎くん。察しがいいね」
正解した神崎だがその顔はあまり嬉しそうではない。
「同学年で作るグループを小グループ、全学年で作るグループを大グループと考えてくれるといいよ」
同学年でグループを作ることが難しいというのに、更に別学年も加わるというのは些か面倒だ。
「ちなみにだけど、今回の大グループの試験結果の平均点で評価されるから、他学年の善し悪しも大きく影響してくるよ」
特別試験の結果は今後のクラスや自分たちにどのように影響してくるのか?
星之宮先生の言葉に生徒たちは緊張を覚える。
「平均点が1位から3位の大グループには生徒全員にプライベートポイントを支給して、さらにはクラスポイントも貰えるよ。逆に4位から最下位の大グループになっちゃったら減点されるからね」
結果に関する詳細は資料にも載っており【基本報酬】と書かれた項目には
1位:1万プライベートポイント 3クラスポイント
2位:5000プライベートポイント 1クラスポイント
3位:3000プライベートポイント
3位のみクラスポイントはないが、以上の報酬が生徒1人1人に配布される。
理想論ではあるが、10人の少数グループにして9人が同じクラスならクラスポイントを27ポイント得ることができる。
しかし、それは逆に最下位になった時に失われるポイントも大きいということだ。
4位:マイナス5000プライベートポイント
5位:マイナス1万プライベートポイント マイナス3クラスポイント
6位:マイナス2万プライベートポイント マイナス5クラスポイント
下位順位になればなるほど引かれるポイントは大きくなる。
ルールの中には他にも下位順位には適用されない小グループ内におけるクラス数によって報酬倍率が変化することや、小グループ内における総人数によって報酬倍率が変化することが書かれていた。
この辺りはリスクリターンというやつだろう。
多くの人数で、かつ全てのクラスの人間と同じチームで苦難を乗り越えたものには多大なる報酬をということなのだろう。
「それから、最下位になった大グループには大きなペナルティがあります」
「まだあるんすか……」
(ペナルティって、もしかして……)
「あるよ。退学っていうペナルティがね」
何人かの生徒が予想していた通り、最下位の大グループは退学者が出てしまうようだ。
生徒は緊張と戸惑いを覚えながらも資料のルールに目を通す。
するとその中には、星之宮先生の言う退学が実際に執行される条件が書かれていた。
退学となるかの基準は、学校側の用意した平均点のボーダーラインを小グループの平均点が下回ってしまった場合に限るようだ。
「ボーダーを下回った時には、小グループの責任者に退学してもらうことになるよ。ならない方がいいかと言われると責任者と同じクラスの生徒は報酬が2倍になるから、一長一短だね」
(グループ内をBクラスの生徒12人で固めて、残り3人をA、C、Dから1人ずつ引き入れて、その上で責任者をBクラスの誰かがして1位を取ればプライベートポイントが108万で、クラスポイントが336ポイントか。破格ではあるが、確率的な問題もあるな)
即座に最高報酬額を導き出した神崎は一瞬いい方法だと思ったが、机上の空論の部分が大きいと思い直して諦めた。
「責任者は小グループ決定後、そのグループで話し合いを持ってもらって明日の朝までに決めてね。もしグループ内で責任者を決めることが出来なかったらその小グループは即失格。つまりは全員強制退学なんだけど、例年そんな間抜けなグループはいないから」
船上試験のように学校側が決めてくれるというわけではないらしく、責任者を自分たちで決めるというのは相当に揉めることが予想される。
「(あとこれもかぁ。これ今までにはなかったルールだけど)あと責任者が退学することになってしまった場合はグループ内の誰か1人を連帯責任として退学を命じることができるよ」
「はぁ!? なんすかそれ、道連れってことっすか?」
「まぁそういうことだね」
あまりのルールに思わず柴田が声を上げるのも無理はない。
退学を賭けなければならないだけでなく、自分と共に退学する者を巻き込むことができるなど正気の沙汰ではない。
「もちろん好き勝手に誰でも連帯責任にできるわけじゃないから安心してね。ボーダーを下回った原因の一因だと学校側に認められた生徒しか道連れの対象にすることには出来ないから」
わざと赤点をとったり、試験サボらなければ大丈夫ということか。
しかし今までの試験とはどこか違うと感じるのは気のせいだろうか。
「そしてもうひとつ大切なことなんだけど、退学者を出してしまったクラスには、退学者1人につき、クラスポイントがマイナス100ポイントされることになっているからそのつもりで」
クラスポイントが不足している場合は以降加算されたタイミングで精算されていくようだ。
責任者になれば得られるポイントが2倍になるというのは魅力的かもしれないが、その反面退学というリスクも抱えることになる。
「以上で説明を終えるけど質問はあるかな?」
星之宮先生の問いかけに即座に一之瀬さんが手を挙げた。
「退学者が出た際に、プライベートポイントによる取り消しは可能ですか?」
「うん。けど、今回はプライベートポイント2000万だけじゃなくてクラスポイントも300支払う必要がある。これは全学年全クラス共通だよ」
「(300ポイントは余裕であるし、プライベートポイントも貯蓄分とみんなのを合わせれば足りるはず……1人くらいならなんとかなるかな)ありがとうございます」
一之瀬さんの言うように僕の手元には2000万ポイント近いポイントはあるものの、まだその額には達していない。
毎月の積立や特別試験による報酬額を足しても2000万ポイントというのは途方もない数字ということだ。
そのため、それをクラス人数分集めるのは至難の業だ。
それこそ学校全体を巻き込まなければならないほどに。
残りの説明は多くはなかったが、男女が同じく時間を共にするのは男子が通 使う本棟の食堂での食事の1時間だけで、それ以外は完全に別になるようだ。
他に質問はなく、その後はいつも通りに一之瀬さんが主体となってクラスの方針を決めることになる。
理想としてはBクラスの精鋭12人を集め、そこに他3クラスから1人ずつ受け入れて最高得点を狙いたいところだが、そうは上手くはいかないだろう。
しかし何事もやってみてからだよと力説する彼女に、クラスもその方針で動いていく。
僕としてはここからの8日間、何も無ければいい。
それなら満足だと思っていた。
「8日間よろしくな、斉木」
「ン〜! 今日は実にいい日だ。これからの合宿とやらが楽しみになったよ。そうは思わないかい? 斉木ボーイ」
「クク、お前こんなイロモノ共に好かれて大変だな」
「おいおい、こいつはそうかもしれないが俺は普通だろ」
「普通のやつは自分の彼女をクラスの裏切り者にしたりしねぇよ」
「おいおいそれは誰のせいだと」
「お前だが?」
「静かにしていたまえ。今は私と斉木ボーイの感動的な立ち会いの瞬間!」
「おめぇの方がうるせぇよ!」
「俺はこいつと同じ枠なのか……?」
おい……これはどういう状況だ?
同じクラスで同じ小グループになったはずの神崎や柴田、浜口たちは僕からやや距離を取っており、僕だけが目の前の珍獣3人に囲まれることになっている。
僕は目の前で繰り広げられている光景に頭を悩ませることになった。
Bクラス中心の小グループに入った3クラスのメンバーは一体誰と誰と誰なんだ……
当ててみろよ
試験の説明とか補足は抜けとかまぁあると思いますけどその都度入れていきますんでご了承ください
感想はちゃんと読んでますが、最新話についた感想メインで返させていただいています!返せてない人ごめんね!!!
あともう90話ですって(オマケ含めて)
新規の人読むの大変そう
オマケまとめはもうやりません
あれは連日投稿するための苦肉の策でしたが、それを使う必要がないからです
でもどこで何書いたか自分が分からなくなっててギョエーってなってますね
好感度とか特に
オマケ
チエちゃんからのBクラス評価(この二次創作でよく出てくるメンツのみ)
一之瀬▶︎クラスのリーダー。精神的支柱。クラスを引っ張ってくれる優しい子。中学のとき不登校の期間があったけどお母さん1人だし家庭の事情ってやつかな?でもまあそんなこと気にならないくらいにいい子!Bクラスで良かった!あと、なーんか最近斉木くんにほの字じゃない?気の所為?まぁなんにせよ恋せよ乙女!
神崎▶︎クラスの参謀。常にクールで一之瀬さんの良い右腕よね。最近は斉木くん以外にも柴田くんとかとも話すようになってて先生嬉しい!特に斉木くんに刺激を受けてるのか勉強も頑張っていると思うからそのまま頑張ってクラスを支えてくれると嬉しいわ。
柴田▶︎爽やかスポーツマン。クラスを明るくするムードメーカーの役割もになっているわ。斉木くんと神崎くんという仏頂面兄弟に切り込んでいけるのは才能よ才能。女の子とも仲良くしてるし、一之瀬さんや神崎くんとは違うやり方でクラスを引っ張ってくれる存在ね。
浜口▶︎第2のムードメーカー。柴田くんとは違うタイプね。柴田くんがスタプラなら浜口くんはハイエロファントってところかしら?え?古い?まあ中性的だし紳士的で男女どっちからもウケがいいわね。相談もしやすいみたいだし、男女の仲を取り持ってくれる重要な存在。
姫野▶︎クラスに馴染めてないかなって思ってたけどやることはちゃんとやってるしこの子なりにできることはやってくれてるわね。特に勉強面では貢献してくれてるかな。と、こ、ろ、で〜?斉木くんとはどうなのかしら?いつもクールで一匹狼の子が特定の異性の前でだけ見せる顔って私大好物なんだけど!?
網倉▶︎一之瀬さんとは近しい仲ね。この子も頭いいし、性格もいいけど、自己主張が弱いのがネックね。Aクラスの坂柳さんや今はCクラスの堀北さんみたいにしろとは言わないけど、もっと個性出してかないと!
白波▶︎一之瀬さんにほの字の女の子ね。可愛いし守ってあげたいって感じの子だけど、一之瀬さんはみんな大好きだから……あとはまあ……うん、ちょっーと相手が悪いかもね!でも一之瀬さんのお友達としてこれからも支えてあげて欲しいな!
小橋▶︎二日酔いの時は大変お世話になりました……。一之瀬さん、白波さんと仲のいい女の子ね。この子も面倒見がよくて優しいいい子よ。しかも割と強引なところもある強かさも持っているわ。網倉さんとも仲が良くて白波さんと3人で一之瀬さんをサポートしてね。
斉木▶︎最初は地味だし平均よりちょっと上くらいだからいつものBクラスって感じの子かな〜って思ったら、サエちゃんに見せつけて煽りにいけるレベルの子だったわ。表情筋カッチカチだけど、クラスメイト想いだし、体育祭で途中から本気出してくれたのは一之瀬さんのためよね?そうよね?二人三脚とかクラス対抗リレーとか私キュンキュンしちゃった!そう思ってたら数学のテストも100点取っちゃうし最高よ!姫野さんやクラスでも目立たない子に勉強も教えてたりして面倒見もいいし、ギャップがすごいわ。メロいってこういうのを言うのかしら……。
楠雄のグループのメンバー発表は次回で
ではでは