ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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待たせたな円堂。

てことで少し遅れましたが続きになります
内容はタイトル通りです
雨やめぇって感じで誤字脱字やらなんか変なとこ多いかもですが許してください


どんな完璧な策も超能力者に見破られては完璧な策とは言えない

 僕への肉体的、精神的負担の大きいグループが完成してしまい、神崎や金田、平田といったグループの主要メンバーが教師へと報告を終えた頃、遠目から南雲と堀北元会長が興味深そうにこちらを見ていることに気付いた。

 

(へぇ、1年はもう決まったのか)

(こちらもすぐに終わりそうだし、大グループの決定を先に済ませてもいいかもしれないな)

 

 2、3年生の方もグループ決めは順調に進んでいるらしく、本来は今日の夜にやることになった大グループ決めをしようかと思案していた。

 僕にとってはそんなことどうでも良く、目の前にいる3人をどうにかして欲しかった。

 そんな思いが伝わったのかは定かではない、というか絶対そんなことはないのだが、南雲がこちらへとやってきた。

 

「お前たち1年に提案がある。これからすぐに大グループを作らないか?」

「生徒会長、それは今日の夜に決めることなんじゃないすか?」

 

 南雲から近い位置にいたのが同級生のほぼ全員が関わりたくないと思う異質なメンバーであったが、この中では常識人である橋本が応対する。

 

「それはすぐに小グループがまとまると思っていなかった学校側の配慮さ。偶然にも全学年が小グループを作り終えたんだ。このまま移行してしまった方が得、そうは思わないか?」

 

 教師からすればこうなることは想定の範囲外だったらしく、教師たちが慌ただしく動き始めた。

 生徒側も生徒会長直々に提案されて断れるはずもなく、橋本の「どうするよ?」という視線を受けた平田たちは「まぁ、南雲先輩が言うなら」と肯定的な姿勢を示したため、大グループ決めを今からすることに決定した。

 

「構いませんよね、堀北先輩」

「ああ、こちらもその方が都合がいい。それで、決め方はどうする気だ?」

「そうッスね、ドラフト制度みたいなので決めるのも面白くないですか? 1年の小グループの中から代表者6人がジャンケンして、指名順を決める。勝った順に2年と3年の小グループを指名してもらえば大グループの完成っす。公平かつ短時間で決まりますよ」

「1年の持つ情報は不足している。公平性に欠けているだろう」

「完全な公平なんてありませんよ。結局持っている情報に差はあるんですから」

 

 じゃあお前の公平って言葉はなんなんだよと思いつつ、部活に所属している者とそうでないものでは情報量に偏りがあるのは事実だ。

 サッカー部に入っていて上級生とも交流を広げている平田と、部活に入っておらずクラス内のコミュニティに留まっている神崎と金田ではどの先輩が優れているかなどの情報を得られない。

 

「1年はどうだ? このやり方に不満があるなら言ってくれ」

 

 不満はあれど、別の代替案がないため1年生にできることなど素直に頷くしかない。

 

「はい、俺たちに異論はありません」

 

 神崎らからの首肯を待ってから1年を代表して葛城が頷く。

 

「そうか、ならすぐにでも始めようか」

 

 南雲はそう言うと、彼がリーダーを務めるのであろう小グループに合流する。

 そして2年生と3年生は僕らが指名する際にメンバーなどが分かりやすくなるように6つのグループに分かれて見せる。

 あとは1年の中から責任者を務める人間が代表としてジャンケンに出るだけ。

 

『神崎、悪いが僕が行っていいか?』

「ん? それは別に構わないが……(何か意図があるのか?)」

(へぇ、斉木ボーイはこういう場に出ないタイプと思っていたが)

 

 神崎も高円寺も僕がジャンケンに行くと言うと意外そうにしていたが、南雲と同じ大グループになるのは避けたいからな。

 神崎に5人のジャンケンの手を予想して伝える手もあるが、綾小路のいるグループは代表者が決まっていないようなので事前に伝えることができない。

 だから仕方なくだ。

 僕が葛城、平田、金田のいる場に向かうと綾小路も動きを見せた。

 

「(斉木が出るのか。意外だな)啓誠、ジャンケンだけオレが出てもいいか?」

「ジャンケンだけじゃなくてそのまま責任者も引き受けてくれていいんだぞ」

「それは無理だ」

 

 そう言ってから綾小路が前に出てきたことで1年の小グループの代表者6人が揃い、円を描くようにしてジャンケンを始める。

 結果として、当然、僕が1番目の指名権を勝ち取り、2番目を綾小路、3番目を葛城、4番目を平田、5番目を金田、6番目を三宅のグループと続いていく。

 ジャンケンを終えたの確認し、南雲が口を開く。

 

「どのグループを選ぶか、相談し合ってもいいぞ」

 

 相談する間もなく、僕は堀北元会長のいるグループを指名する。

 

(なんの相談もなしかよ楠雄……いや別にいいんだけど)

(体育祭で握手をしていたし、堀北先輩のグループなら不安もないから構わないが)

 

 身勝手なことをしたから、身内の好感度が少し落ちるかと思われたがそんなにだったな。

 まあ相手が相手だから妥当ではあるが。

 

(斉木……!)

 

 指名先の相手からの好感度が上がってしまったのはよく分からないが無視しておこう。

 1巡目の上級生グループの指名を他のリーダーたちがするのを待ち、次に2巡目となる。

 僕は先に3年生のグループを指名したため、2年生のグループの指名になるが、ここは南雲がいるグループじゃなければどこでもいい。

 ここは神崎や柴田たちにも意見を聞き、桐山率いるグループが残っていたのでそれを指名しておく。

 そうして6つの大グループができたところで、南雲が動いた。

 

「堀北先輩。偶然にも別々の大グループになったわけですし、1つ勝負をしませんか?」

 

 来たかと僕は南雲の提案に堀北元会長と同じように鋭い視線を向けた。

 

(堀北先輩や他の先輩方の反応は分かるとして……なんで斉木にも睨まれるんだ? まぁいいが)

 

 3年生周辺から漏れ聞こえるため息から察するに南雲が堀北元会長に勝負を挑むことは初めてではないのだろう。

 実際、堀北元会長と同じく3年生の藤巻が1歩前に歩みを進めた。

 

「南雲、これで何度目だ。いい加減にしろ」

「何度目とはどういうことでしょうか? 藤巻先輩」

「お前がそうやって堀北に対して勝負を挑むことに、これまで口出しすることはしてこなかった。だが、今回は1年を含めた規模の大きな特別試験だ。お前個人のおもちゃにするような行為を認める訳にはいかない」

「どうしてッスかね。この学校では1年も3年も関係ありませんよ。誰が誰に対して宣戦布告することもおかしな話じゃないでしょ。特別試験のルールブックにも禁止とは書いてなかった」

「基本的なモラルの話をしている。書かれていなくてもやっていいことと悪いことがある」

「俺はそうは思いませんけどね。むしろ同じ学年の争いだけを望んでいる先輩たちこそ在校生の伸び代を阻害する邪魔者じゃないスか?」

「生徒会長になったからってなんでも許されるわけじゃない。お前こそ越権行為だと自覚しろ」

「そう思うなら自覚させてくださいよ。なんなら藤巻先輩も相手にしましょうか? 一応3年Aクラスのナンバー2ッスよね」

 

 南雲に比べて体躯の大きい藤巻相手にも怯まずに挑発行為を続ける南雲に、一部の3年生たちは前に出ようとしてくる。

 しかしその動きを堀北元会長が制止した。

 

「俺はこれまでお前の要望を断ってきた。それがなぜだか分かるか?」

「そうッスねぇ、俺の友達は俺に負けるのが怖いからとか言ってましたけど、流石にそれはないでしょう。堀北先輩は俺が見てきた人間の中でも最も優れた人だ。負けることを恐れたりしないしそもそも負けるなんて思っちゃいない。単純に藤巻と同じで無益な争いを好まないからッスよね」

「お前の好む争いは他人を巻き込みすぎる」

「それがこの学校のやり方であり、醍醐味だと思うんですが……まぁ見解の相違ですね」

 

 南雲の堀北元会長と戦いたいという欲求はこんな問答でおさまるはずもなく、どれだけ言葉を交わそうとも南雲の渇望は止むことはない。

 ある程度事情を知る3年生、2年生はいいが、彼らの長い戦いを知らない1年生たちはこの重い空気の中で萎縮するしか無かった。

 たった2人、いや綾小路も含めれば3人を除けば。

 

(南雲も堀北もああは言ってるがそこのスイーツバカにリレーで負けてたのは別なのか?)

(どっちも私と斉木ボーイに勝てないというのにくだらない論争をしているねぇ。争いは同じレベルにしか起こらないとはこういうことか)

(聞けばクリスマスに南雲は斉木にフルボッコにされたらしいが、まぁ斉木はまだ1年だし再戦の機会はいくらでもあるから先に堀北兄というのは分からなくもないが、その堀北兄もリレーで負けてるんだよな)

 

 一応は空気を読んで言わないだけマシだが、じーっと僕の方に視線を向けてくるのはやめて欲しいな。

 あれは作り話だ、幻想だ。

 

「何をもって勝負とするつもりだ」

 

 南雲のしつこい要求に折れる形で堀北元会長が南雲に尋ねると、周囲の3年生たちが驚いた顔を見せた。

 

「どちらがより多くの生徒を退学させられるか、というのはどうですか?」

 

 南雲の一言に、1年と3年からどよめきが出るが、例の3人は僕をまた見てくる。

 

(私は問題なく回避できるが、他のStudentはどうだろうねぇ。まあ斉木ボーイがいるなら、私と2人でNEW生徒会長を叩けば済む話だが)

(俺には関係ない話だが、止めるには生徒会長を潰す方が早そうだな。そうなると使い勝手のいい、スイーツごときで動いてくれそうな駒がいるなぁ)

(堀北を潰すのは骨が折れそうだが、南雲ならオレと斉木で手を組めばどうにでもなりそうな気がするな。多分だが)

 

 もしやるなら南雲を先に殺ろうとしているのが共通しているのと、それに僕を巻き込むのはやめて欲しいな。

 お前ら1人でも出来ると思うんだがな。

 ただ南雲の場合は鬼龍院さんや南雲の支配下にいない2年生以外の全員と相手をさせられることも考えたら1人はキツいのか? 

 

「冗談はよせ」

「面白いと思うんですけど、今回はやめておきましょう。真面目に提案させて貰うなら、どちらのグループがより高い平均点を取れるか。シンプルですが分かりやすいかと」

「それなら受けても構わない」

「(よし……!)ありがとうございます。先輩なら引き受けてくれると思ってましたよ」

「ただし、あくまでも俺とお前の個人的な戦いだ。他を巻き込むな」

「巻き込むな、ですか。しかし特別試験の方法からしても、相手グループの足を引っ張るように仕向けるのは1つの作戦だと思うんですけどね」

「それは試験の本質とは程遠い。あくまでもグループの結束力を問われるものだ。誤っても相手のグループの隙を突き、掻き乱していくものではない」

 

 2人の論争はまだ終わりを見せず、見ていた1年生の何人かが結局どういうことだってばよと近くにいる今の会話を理解できているであろう生徒に質問をしていた。

 正々堂々と実力勝負する以外には認めないという、龍園とは対極の戦略。

 素晴らしいな。

 

「俺の言った条件が呑めないならこの話を受ける気はない」

「勝つために堀北先輩の駒を(俺が直接)攻撃するのはなし、ということですね。それでいいスよ」

「こちらのグループに限らずだ。他の生徒を転がすようなやり方は認めない。お前が何かしらに関与したと判断した時点でこの勝負は無効にする」

「さすが先輩。見逃しては貰えませんね。堀北先輩のグループ以外に協力を求めて、攻撃を仕掛けさせるという手も考えていたんですが……」

 

 参ったなぁと頭を掻きながらそう告げる南雲は不敵に笑う。

 

「分かりましたよ。勝負を熱望しているのは俺だけのようですし、ある程度の条件は呑みます。あくまでも正々堂々どちらがよりグループの結束とやらで高い点数を取るか。その勝負をしましょう。先に言っておきますが、勝った負けたにペナルティを設ける必要はありませんよね? あくまでもプライドだけを賭けた戦いということで」

 

 その点に関して、堀北元会長は肯定も否定もしない。

 

(プライドすら賭けるつもりはない。お前のワガママに付き合うだけだ)

 

 堀北元会長が静かに踵を返すと、南雲はニヤリと笑う。

 

(奇想天外。いや規格外の戦略とでも言うべきか。この試験の前から入念に準備をしてきたんだ。俺の手を読める人間なんて1人もいない。堀北先輩、あなたを含めて誰にもね)

 

 心の中で大笑いする南雲の独白に、僕もまた心の中で返した。

 そうだな、この場に僕さえいなければな。

 堀北元会長には一緒にゲームに付き合ってもらったという恩があるんでな、それを返すわけじゃないが少しくらいは手を貸してやるとしよう。

 

『龍園』

「あ? なんだよ。どっちが勝つか賭けようってんじゃねぇだろうな?」

『契約書作りは得意だよな?』

「は? (なんだいきなり。まぁこの学校に来てからそれなりに作りはしたが、お前のせいで葛城くらいにしか使ったことねぇよ)得意かは置いておいて、作れはするが」

『そうか。なら、必要になったら手を貸してくれ』

(どういうことだ?)

 

 僕は怪訝な顔をする龍園にそう言ってから、立ち去ろうとする堀北元会長に声をかけた。

 

『さっきの話、ちゃんと明確な文書に残した方がいいんじゃないか? 堀北元会長』

「なに?」

 

 声をかけたのが僕以外の誰かなら立ち止まることも振り返ることもしなかったであろう堀北元会長が僕の方を向く。

 

「条件は整っている。俺と南雲のグループ、どちらがより高い点数を取るか。他の生徒を転がすような手は認めない。わざわざ文書に残す必要はないと思うが(だが斉木がそういうと言うことは何かあるのか? 俺の気づいていない落とし穴が)」

 

 立ち止まり、思考を始めた堀北元会長を見て不味いと思った南雲が平静を装って僕へと近づいてくる。

 

「そうだぜ斉木。この勝負は俺と堀北先輩にしか関係がない。部外者は引っ込んでろよ」

『そうはいかないな。僕たちの時間を奪ってまで決めた勝負だ。僕たちには見届ける権利があるはず、そうだよな、橋本』

「え……!? (ここで俺ェ!?)」

 

 僕1人がペラペラ話したら僕にだけ注目が集まるからな。

 悪いが、ヘイトの分散に協力してくれ。

 

「(何考えてるのか知らねぇけどしょうがねぇなぁ〜!)ま、こんだけ目の前で痴話喧嘩みたいなの見せられたらそりゃ結果も気になるし、後で無効試合とかってのも味気ないしな」

 

 僕の意図をある程度は察してくれてるのか橋本が話を合わせてくれたおかげで南雲の表情が曇る。

 

(なんで今になって斉木が出てくる。普段のこいつなら無愛想に黙ってるだけだろ。まさか、俺の策に気づいて……いやありえないだろ)

 

 気付いているから言ってるに決まってるだろ。

 

「(あの生徒会長がバカ正直に勝負するわけもねぇか。多分、体育祭の時と同じでどこかのクラスにポイントを積みやがったな)クク、そういうことかよ……いいぜ。ただし、分前は俺も貰うぜ? 立会人を買って出てやるんだからよ」

『好きにしろ』

 

 罰則に見合うプライベートポイントの相場は僕にはわからないからな。

 南雲がルールを破らないよう締め付けられる額を龍園に決めてもらう。

 

「石崎! 紙とペンもってこい!」

「そう言われると思って取りに行ってきましたよ!」

 

 半年以上、共にいるからか龍園の指示を正確に捉え切る石崎は先に教師から貰ってきていた契約書を書くための紙とペンを龍園に渡す。

 

(南雲は堀北か、堀北に近しい誰かを道連れにして退学させるプランを持ってる。そうなると南雲が用意した責任者の救済のために必要になるプライベートポイントは2000万と追加報酬で1000〜2000万は渡しているはず。てことは、南雲の財布はだいぶくたびれてるはずだよな? なら……)

 

 龍園が作った契約書は至って簡単なものだった。

 今回、2人が決めた条件の詳細の説明とその違反時のペナルティを記したもの。

 そこに僕が女子の方も含めることと、南雲以外の第三者が堀北学に近しい人物に攻撃したりしないことなど、南雲が考えているプラン全てを潰すためのルールの追加を伝えると龍園は南雲の策が完全にわかったため「いいぜぇ」と悪魔のような笑みを浮かべる。

 南雲が龍園の用意した契約書に唖然としているのは、そのペナルティの額が5000万を超えていたからだ。

 

(こいつ、どうしてこんな数字が出てくる。俺が3年Bクラスに支払った額を超えてるだろうが! まさか、俺の策が見えているとでもいうのか?)

「ペナルティが足りないならもっと釣り上げてやってもいいぜ? 堀北の方は南雲がルールを守る限りは勝負から降りない。降りたら同様の額の支払い。それでいいな?」

「ああ、俺は問題ない(なるほど確かに女子の方を見落としていたか。だが、俺と南雲の勝負に女子をどう使う気だ?)」

 

 龍園の物言いを堀北元会長は気にする素振りはなかったが、他の3年生は(タメ口……? 斉木といい生意気な1年が多いな)と険しい顔をしていた。

 僕は堀北元会長には丁寧語で聞こえるように話しているだろ。

 

「(……なるほど、そういうことか。いや、南雲がそんなことをするとは思えんが、万が一ということもあるか。俺に一泡吹かせるために我武者羅に突き進んでくる可能性を閉じられるのであれば)書いたぞ。南雲、お前も書け」

 

 契約書に書かれた内容から南雲がしようとしていたことを大体は読み取った堀北元会長は躊躇うことなく契約書に自分の名前を書き、南雲にペンを投げ渡す。

 

「っ、堀北先輩! ペナルティは必要ないって話をしたばかりじゃないですか! こんな1年が作った契約書にサインなんて」

「立会人は必要だろう。それに、お前がルールさえ守ればなんの問題も無い契約書に見えるが、サインをできない理由が何かあるのか?」

 

 南雲は先程までの余裕の表情を消しており、言い訳をして書かない選択肢を取ろうとするが、堀北元会長はそうはさせないと問いかける。

 そして、そこに龍園が畳み掛ける。

 

「おいおい、やるんだろ? この勝負。こっちだって無駄な時間を使ってるんだ。早く書いてくれよ南雲さんよォ!」

 

 龍園に煽られて書くしか無くなった南雲は悔しそうにしながら名前を書いた。

 

「分かりましたよ。俺もそれで構いません」

 

 契約書に名前を書いた直後に南雲は親を殺されたかのような目で僕を睨みつけてきた。

 

(テメェ斉木! 俺の計画台無しじゃねぇか!)

 

 僕の前で悪巧みをする方が悪い。

 純粋な勝負ならまだ勝ちの目があったかもしれないのに、女子グループの方に目を向けさせないための誘導が全部仇になったな。

 自分のグループを取り分け能力の高い生徒にしなかったことや1年生に2、3年生のグループを指名させたのは裏の意図を読ませないため。

 それに南雲の策は後々、高円寺と綾小路辺りに気づかれていた可能性が高い。

 今までの特別試験にもリーダーや優待者といった特別な枠はあったがそれは試験で得られるポイントを左右するというだけで、退学に成りうるものではなかった。

 しかし、今回は得られるポイントが増える以外にも退学するだけではなく、道連れを選ぶことができるという悪質なものだ。

 そのルールを追加したのが南雲だと分かれば、綾小路は真相に近づいただろう。

 高円寺の方は興味は無さそうだから気付くも何も無かったが、しかし道連れというシステムに違和感を抱いてたのは同じだ。

 誰が何のために用意したシステムかを考えれば答えに気づいていただろう。

 その証拠に僕の方へと心の中で賞賛の拍手をしている。

 

(ふふ、素晴らしいね斉木ボーイ。まさかあの問答でここまで見えていたとはね……)

 

 僕の場合はテレパシーのおかげもあるがな。

 契約書に双方合意のサインがされ、ようやく長い前座が終わり、学校側の指示に従って体育館を離れることになった。

 





楠雄がバカ正直に南雲の謀略に付き合うわけもなく、やることが分かっているのならやる前に潰しちゃおうってことで……
なんでわかったんだ!?の説明に対しては、責任者と道連れのシステム、南雲が正々堂々と勝負するわけない、南雲の作ったグループが地味すぎる(勝負に勝つ気があるとは思えない)など

なお橋本と龍園のおかげで楠雄の目立ち度は軽減されているが、やっぱりあのへんと仲良いんだ……えぇ……みたい感じで楠雄と関わりのない生徒からは若干好感度が落ちている。
なお関わりのある生徒は上がったりそのままだったり

ということで混合合宿での南雲の策はオワオワリです
なんで終わったのか明日まで考えておいてください
ほな!
次回更新は土曜日の昼か夜頃です!
雨ばかりで偏頭痛がひでぇ!!!
台風も来ておりますので皆様お身体にお気をつけてください
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