ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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②があるかは分からない……読み続けた者にしか分からない……

ということで今月最後の投稿です
目に貼る冷えピタとネックピローをいただきましたので爆速で書けましたよ、ガハハ!
読者が読んでるんでね、カッコつけさせてもらうよってことでどうぞ


女子たちの戦い①

 くだらない争いも沈静化し、消灯時間が過ぎた午前1時に僕は部屋を抜け出した。

 本来なら明日に備えて眠るべきなのだが、枕の下に置かれていた"25"と書かれた1枚の紙のせいで僕はまだ起きていた。

 置き主は当然把握している。

 僕らが大浴場でくだらない争いをしている時にもぬけの殻になったこの部屋に入り、置いていったことも。

 

「(モールス信号の手間は要らなかったか)こんな時間にすまないな、斉木」

 

 部屋を抜け出し、廊下にでて少し進むと堀北元会長が立っていた。

 右手には懐中電灯を持っており、アレの光を使ってモールス信号で僕を呼ぼうとしたのだろう。

 

「お前は目立つのを嫌うからな。寝静まった夜中が適切と判断させてもらった」

 

 心遣いは感謝するが、堀北元会長の要件を把握している僕としては別に必要のないことだ。

 しかし、そうしなければこの男の気がおさまらないというのであれば、今この場で対応しておいた方が適切と判断した。

 

「1日目に俺と南雲の勝負を書面に起こすと提案してくれたこと、その際に南雲の真の狙いに気づかせてくれたこと。感謝が遅くなってすまなかったがこの通り礼を言わせてくれ。ありがとう」

 

 そう言って堀北元会長は頭を下げてくるが、僕は大したことはしていない。

 多少、南雲からのヘイトは買ってしまっただろうが、あいつとはクリスマスに約束事をしている。

 その点からして僕個人に関わってくることはないし、今回の特別試験では違う人物を狙うことを想定していたし、問題はない。

 

「お前が気付いてくれなければ俺の大切な仲間が1人、退学の危機に瀕するところだった……本当に感謝する」

 

 彼にとっては3年間同じクラスメイトとして過ごし、生徒会の仲間としても共に連れ添った仲だ。

 それを無傷で、しかもその仲間には何の危機も訪れることなく助けられたのだから感謝をして当たり前なのだろうが。

 

『僕はただ書面を作成させただけだ。礼なら分前を貰おうとしていた龍園に言ってくれ』

「よく言う。女子に対する文言を入れていたのを俺はしっかり聞いていたぞ」

 

 付け入る隙を与えないのは勝利の鉄則だ。

 ああいうずる賢い……いや南雲の方がかなり小物すぎて大した手間じゃなかったが、数年前まではもっと厄介なやつの相手をさせられていたからな。

 

「しかし残念という気持ちもある。あの南雲が一度口にしたこと、約束したことを破ってまで俺に黒星をつけさせようとしたことに」

『あんたには付かないだろ』

 

 南雲がやろうとしたことは完全な不意打ちだ。

 まもるやみきりを使っていた堀北元会長ではなく、堀北元会長のため、クラスの為にと張り切っていた無防備な橘元書記への不意打ちは相当効くだろう。

 南雲は龍園のような反則紛いの行動も取ったことがあるようだが、堀北元会長の前では義理堅く、清く正しい後輩を演じていたのだろう。

 もしも彼の完全無欠の策とやらが成功していた場合、橘元書記は退学になり、それを取り消そうとポイントを消費することになる堀北元会長にとっては、信じていた後輩の裏切りも併せて大きな打撃になるはずだった。

 

「俺があいつを見誤ったんだ。そういう意味では俺の敗北になる。そのハズだったが、俺はお前に助けられた」

『助けたつもりはないぞ』

「(やはり素直には受け取ってはくれないか)それならそれでいいさ。だが、やはりお前は誰かのためにあれる強さを持っている」

『買い被りすぎだ』

「そんなことはない。お前とはもっと早くに会えていれば良かったと心底思う。これは俺の本心だ」

 

 そんなことは心の声、本音が聞こえる僕には分かっている。

 この合宿を通して3年生と言葉を交わしたりする機会もあったが、3年Aクラスの連中はどいつもこいつも堀北元会長を信頼し、信用していた。

 それは堀北元会長も同じことで、3年間苦楽を共にしてきた仲間として彼らを想っていた。

 しかし、彼らの中にはいなかったのだろうか。

 堀北学の孤独、いや孤高に寄り添える人間が。

 それを埋められる人間として南雲がいたのかもしれないが、その南雲すらも堀北元会長には届かなかった。

 

『褒め言葉として受け取っておく。そろそろいいか?』

「ああ。現状、というかお前のグループは中々に強烈ではあるが優秀な人間が多い。お前も含めてな。だから、現状南雲との勝負に負ける気はしていない」

 

 Bクラスの精鋭と呼ばれるメンバーを集めた小グループには、僕の存在でこの学校に来てから初めての本気を出している高円寺に、Aクラスに配属される程度にはスペックのある橋本と真面目にやれば運動部にも引けを取らない身体能力を持つ龍園と恐らくは1年生の中では高水準どころか最高スペックのメンバーが揃っている。

 試験本番でも彼らが本気で協力さえしてくれれば負ける要素もないだろう。

 2年生のグループも南雲の息がかかってはいるものの、正々堂々の勝負を望んだ堀北元会長と南雲の意を汲んでいるためか不穏な動きは見せていない。

 

「時間を取らせてすまなかったな。じゃあ、おやすみ。斉木」

 

 背中を向け、部屋に戻るために歩き出した堀北元会長は最後に一言だけ言い残して去っていく。

 

「また機会があればゲームでもなんでも誘ってくれ。礼代わりになるかは分からんがな」

 

 おそらく、妹が聞いたら驚くようなことを言って今度こそ部屋に戻っていった堀北元会長の姿を見送ってから僕は部屋に戻る。

 ベッドへと戻ると既に就寝している面々の呼吸音が聞こえる。

 風呂場から出る前にあの場にいた全員の記憶を消しておきたかったが、彼らが僕の何かに恐れ慄いたという別の記憶にすり変わってしまう。

 男の勲章とやらが大きいという事実を覚えられていて損得もないし、わざわざ上級生や異性に話すようなこともないだろう。

 舐められるよりはマシかと思ったが、どいつもこいつも「斉木……さん」と呼んでくるのは些か気持ちが悪い。

 明日には落ち着いているといいがと思いつつ、僕は再びベッドの中に入り、目を閉じた。

 

 

 ###

 

 

 と、以上な感じで3日間、男子の間では色々とあったみたいだけど、女子である私、一之瀬帆波がそんな事情を知るはずもなく。

 林間学校で、特別試験が始まることになった当日に話は遡るよ。

 

「とりあえずグループ分けも決まったことだし、ちゃんと仲良くしようね皆」

 

 就寝前に私はグループのメンバーにそう声をかけた。

 Aクラスの神室さんに私のことは信用出来ないと公に真正面から言われてしまい、Aクラス中心のグループには私のクラスの人間は受け入れられなかった。

 まあそれはそれでAクラスが最高得点を獲得できる可能性が減るってわけだし、気にしなくていいんじゃないかって食堂で神崎くんたちは言ってくれたけど。

 何かしたかなぁという不安はやっぱりある。

 おかげで今のグループになるまでかなり大変だった。

 女子は好き嫌いがハッキリしているというか、あの子とは嫌って面と向かって言う子も少なくないことは身をもって分かっていたけどまさかそれが私に向けられるとは予想外だった。

 けれども、Aクラスのみんながみんな、私を嫌っているというわけではないというのがわかったのは嬉しかった。

 

「神室さん、私は一之瀬さんのグループに入っても大丈夫ですか?」

「は?」

 

 控えめに手を挙げて神室さんにそう言ったのは白石飛鳥さんという子で、あまり関わりがない子だったけど名前は知っていた。

 100人の男性と関係を持ったことがあると噂される美魔女……みたいな子だ。

 大人びた雰囲気というよりは可愛らしい女の子って感じで、噂の真偽は分からないけれどよくモテる子なのは確かだった。

 

「……まあ私たちのグループに受け入れないってだけだから、他の子は入ってもいいって言うなら好きにしていいけど」

「そうですか。ありがとうございます」

 

 ということもありながら、二転三転、紆余曲折、波乱万丈な展開を繰り返しながらも、とりあえず試験に挑む仲間が決まった。

 Aクラスからは白石飛鳥さん、白石さんのお友達の西川亮子ちゃん、よく分からない理由で入ってきた森下藍さん。

 Bクラスは私1人で、Cクラスからも王美雨さん1人。

 途中桔梗ちゃんも入ろうとしてくれたんだけど、堀北さんに止められてそうはならなかった。

 私を不憫に思ったのかはよく分からないけど、もし入ってくれていたら心強かったとは思う。

 Dクラスからは体育祭の時に一緒にご飯を食べた椎名ひよりちゃん、木下美野里さん、西野武子さん、真鍋志保さん、薮菜々美さん、山下沙希さん。

 真鍋さんや西野さんといった女の子はクラス内でも問題児とされているみたいで、要は弾き出されてしまった人達の集まりだった。

 私や美雨さん、それから残る生徒と有志で集ってくれた白石さんというチグハグでそれぞれの繋がりはかなり薄い。

 

「改めてよろしくお願いしますね、一之瀬さん」

「しくよろ〜」

「こちらこそだよ白石さん、西川さん」

 

 神室さんの言葉を受けてAクラスの子には少し警戒心があったけど、穏やかな微笑みを浮かべる白石さんと軽いノリで挨拶してくる西川さんからは悪意のようなものは感じられない。

 Dクラスの生徒は龍園くんの影がチラついてなにかされるんじゃないかと危惧していたりして踏み込めずにいた。

 けど、それも食堂で聞いた男子のグループ分けを聞いて私はひっくり返りそうになった。

 

「えぇ!? 龍園くんと高円寺くん、それに橋本くんと!?」

「あ、あぁ……まぁ、そうだよな……それくらい驚くよな普通……」

 

 神崎くんから知らされたBクラス中心の小グループに入ってくれた他クラスの男の子達のメンバーを聞いて私はそれはそれは大きな声を出したと思う。

 

「な、なんでそうなったの?」

「よく分からんが……一言で言うなら斉木のせ……おかげかな……」

 

 口苦しそうに言う神崎くんは胃を抑えながらそう言っては「そういうことだから、すまない……」と顔を青くして私のところから離れていった。

 斉木くんのせ……おかげと言われたら、納得してしまう。

 彼なら『おい』とかツッコんで来るんだろうけど、その彼は食堂の端っこで橋本くんとご飯を食べていた。

 よく分からないけど、男子の方は神崎くんに任せるしかない。

 私は私でこのグループで戦っていかないといけないわけだし。

 

「王美雨さん、でしたね」

「は、はいっ」

 

 ひよりちゃんがこのグループ唯一のDクラスの生徒であり、知り合いもいないという王さんに近寄り優しく声をかける。

 ひよりちゃんはこのグループの責任者を引き受けてくれた。

 彼女がらすぐに挙手してくれたこともあるけど、メンバー的に1位を狙えるとは思えなかったからだ。

 

「凄く緊張しますよね。知らない人たちに囲まれると」

「え、えと、そんなことは全然……」

「いきなり仲良くしましょう、壁をなくしましょうと言われても困るのは当然です」

「うんうん、ひよりちゃんの言う通りだよ」

 

 他人と友達との間にある壁なんてのは乗り越えようと思って乗り越えられるものじゃない。

 気がついたら乗り越えているものだ。

 

「王さんは読書はお好きですか?」

「え、あ、はい、多少は読みますけど……」

「では、私の読んでいる本でよければ読んでみませんか? 友人から勧められたもので、色々と考えさせられるものがありました」

 

 そう言ってひよりちゃんは1冊の小説を王さんに見せる。

 その本のタイトルを見て白石さんが口を開いた。

 

「三日間の幸福、ですか」

「私聞いたことあるよ。寿命を買い取ってもらうやつだよね?」

 

 西川さんは読んだことはないけど、内容は知っているみたいで、私もその本のタイトルは聞いたことがあった。

 

「寿命をですか?」

「そんなに怖い話ではないですよ。むしろ、温かい……詳しく言うと勿体ないので気になればまた声をかけてください」

「は、はい……ありがとう、ございます……」

 

 ひよりちゃんなりに王さんを気にしてくれているのかな。

 とりあえず今はこれでいいかも。

 グループの責任者として、まとめ役としてひよりちゃんは頑張ろうとしてくれているんだと思う。

 龍園くんの思惑がどこにあるのかは分からないし、彼が単身Bクラスのグループに入ってきている理由もちんぷんかんぷんだけど、神崎くんと斉木くんがいるし、大きな問題にはならないと思う。

 

「そういえばさ、一之瀬さんって斉木くんとどうなの?」

「うん? うんん??」

 

 西川さんから尋ねられた質問の意味が分からず、私は聞き返してしまう。

 斉木くんとどうなのかと聞かれても、どうもこうもない。

 

「彼氏だったり、付き合ったりしてるんじゃないの?」

「いやいやいや! それはないよ? 私と斉木くんはただの友達だし」

 

 そう、ただの友達。

 霊長類トモダチ科トモダチ属? よく分からないけど。

 

「お恥ずかしながら恋愛経験ないからさ、人を好きになったりってのが分からないっていうか……」

「そうなんだ。超モテそうなのに意外。もしかして理想高い系?」

「そんなことは無いと思うんだけど……どうなんだろ」

「じゃあさ、今好きな男子とかは? ほら、お姉さんに言ってみ〜?」

「えぇえええ〜」

 

 いきなりそんなことを聞かれて私は慌てるしかない。

 この学校に入学した時に恋愛とかはしないって決めてたし、そもそも考えたことも無かった。

 でも、斉木くんは何故かよく一緒にいることが多い。

 体育祭では彼に助けてもらったこともあるし、クリスマスも南雲会長から守ってもらったし……。

 

「……」

 

 そんな思い出が頭の中に蘇ってきて、私は気づけば頬が熱くなっていた。

 

「一之瀬さん、顔赤くなってない?」

「え!? そ、そうかな??」

 

 咄嗟に両手で頬に触れるけど、確かに熱を帯びている気がする。

 でも、分からないよそんなの。

 それに、彼にとって私はただのクラスメイトでしかないはずだし、勘違いも甚だしいよね……? 

 

「でも、斉木くんとはよく噂になっていますよね? クリスマスもご一緒だったとか」

「はうあ!?」

 

 白石さんの予想外の追撃に私は飛び跳ねる。

 それはそう、そう……なんだけどォ! 

 

「そうなの一之瀬さん? もしかして脈アリ?」

「や、止めてよ西川さん……!」

 

 私と斉木くんが、だなんて想像もしたことがないけど……でも、もし仮にそんな未来があるとしたなら……斉木くんはどんな反応をするんだろう。

 いや、ないない。

 私が好きとか嫌いとか以前に、恋愛とかに興味無さそうだし。

 

「ねぇねぇ、どんな感じだったの?」

「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて話をしよう!?」

「うーん、でも気になるなぁ……」

 

 興味津々な顔の西川さんと好奇心に満ちた白石さん、そしてニコニコ笑っているひよりちゃん。

 そんな3人に囲まれてしまった私はどうすればいいのだろうか。

 あわあわとしているとひよりちゃんが助け舟を出してくれる。

 

「まあまあ、お2人とも一之瀬さんも困っていますから」

「え〜……ま、いっか。聞くタイミングはいくらでもあるし」

「そうですね」

 

 ホッ、と胸を撫で下ろしてから、あれもしかしてまたしばらくしたら訊かれる感じ? と私は首を傾げる。

 

「そういえば椎名さんも斉木くんと仲良いの? 食堂で話してたよね?」

「はい。仲良くさせていただいています。さっきの本も斉木くんから薦めて貰ったんです」

「へー、そうなんだ。読書家って見た目通りって感じだね」

「でも、とても足も速くて、声も良くて、頭もいいですよね」

 

 話題がひよりちゃんへと切り替わったかと思えば、斉木くんの話になる。

 足が速いのは体育祭の時で、頭がいいってのは期末テストの時だろうけど、声がいいってのは……? 

 

「白石さん、斉木くんと話したことあるんだ」

「はい。クリスマスの前? イブでしたっけ?」

「たしかどっちか」

 

 西野さんから訊かれて、白石さんは天井を仰ぎながらどっちだったかと西川さんに訊くと、彼女も細かくは覚えていないのか適当に答えてしまう。

 

「たしかプレゼント交換用のプレゼントを買いに行った時なのでイブですかね」

「その時に話したんだ。え、どっちから声かけたの?」

「あの時は荷物も……付き添いで橋本くんがいてさ、橋本くんが斉木くんに声掛けたんだ」

 

 真鍋さんの質問に西川さんが答える。

 意外な接点だな……って、クリスマスイブってことは私が南雲会長を避けるためのデートに誘った時か。

 まあケヤキモールは広いし、大抵の生徒が遊ぶってなったらあそこに集まるから、そういうこともあるかな。

 

「私も23日にお会いしましたね。その時は映画館でした」

 

 ひよりちゃんも冬休み中に斉木くんに会ったみたいで偶然同じ映画を隣の席で観たらしい。

 なんかそれって凄く恋愛小説とかでありそうと女子たちはキャーキャーと盛り上がっているけど、ひよりちゃんは困り顔だった。

 

「その、私も斉木くんとはそういうことは……」

「えー? わかんないよ? 斉木くんの方は何かしら想ってるかもしれないし」

「それこそありませんよ。100%ありえない、とは言いきれませんけど、私にはその可能性を感じません」

 

 茶化すように言う木下さんの言葉にひよりちゃんは毅然とした態度で否定する。

 でも、何処となく寂しそうな表情にも見えた。

 

「みんな素直だねー。ちょっとは嘘ついたりはぐらかしたり夢見たっていいのに」

 

 なんかいつまで経っても眠れない空気が女子会に蔓延し始め、西川さんがみんなに問いかける。

 

「告白された回数は? はい、一之瀬さん!」

「え? えーっと、4回、かな? あ、いや、うーん?」

「わぁ、さっすがモテ女子」

「そ、そんなことないよ」

 

 体育祭直後とかちょくちょく告られたけど、匂わせとかもあってそれも含めたらもうちょっと増えそう。

 でも、別に言わなくていっか……。

 私は恋バナというのが苦手だ。

 不慣れなことだからこそボロが出る。

 

「一之瀬さんは嘘が付けない人なんですね」

「そうかもしれませんね、ここまで素直な人はあまり見たことがありません」

 

 そんなことで盛り上がっているが、その部分は否定しておいた方がいいかもしれない。

 

「そんなことないよ、私だって特別試験とかになったら、駆け引きの一つや二つ必要になって、その時には誤魔化したり嘘ついたりすることもあるよ」

 

 嘘なんて本当はつきたくないけど、つかないといけないこともある。

 でも、嘘をつくことは結局は問題の先延ばしにしかならなくて、1つの嘘からどんどんと悪いことは広がっていくと思う。

 

「ま、私も結構嘘つくし、何とも言えないかなぁ、ねぇ飛鳥?」

「ふふふ、さぁどうでしょう」

 

 たしかにこの2人は告白されたりとかしたら上手くはぐらかしたり誤魔化したりするのが得意っていう雰囲気がある。

 それは相手を傷つけないための行為で、優しい行いのはずなのに、結局どこかで傷つけてしまう。

 嘘は麻薬だ。

 一度ついてしまうと繰り返してしまう。

 だから私は自分に課した試練を思い出す。

 繰り返したくないから。

 あのつらい日々を、あの残酷な時間を。

 

「王さんは? 好きな人とかいないの?」

「わ、私ですか!?」

 

 私が昔の事を思い出している間にも、西川さん主導で恋バナで盛り上がっている部屋の中で沈黙を保っていた森下さんが突然口を開いた。

 

「そんなことよりもっと大きな話をしませんか?」

 

 指先を組み、暗い表情を浮かべた森下さんに、薮さんが問いかけた。

 

「何? その大きな話っていうの?」

「そうですね……抱腹死がゴロゴロ出るような話です……」

 

 低く、怖い声を心がけて出しているのであろう森下さんから飛び出した謎のワードに私たちは固まる。

 

「つまらないじゃないですか……誰でもやれるような話をチマチマしていても……小さな話よりも大きな話……容易い話よりは困難な話……誰もが口角を引き攣らせて涙を浮かべるような……」

 

 私たちの反応など気にせずに話を続けようとする森下さんに、ひよりちゃんはパンっと手を叩いた。

 

「では、皆さんそろそろ寝ましょうか」

「そうだね」

「明日から本格的に合宿が始まるしここまでにしとくかー」

 

 ひよりちゃんの言葉に賛同して各々、自分のベッドに戻って布団の中に入った。

 森下さんは不満そうにしていたらしいけど、白石さんと西川さんが気にしなくていいと言うので私たちは気にもせずに眠りについた。

 




前半と後半の落差すごい
フォークボールくらい落ちてる
落ちてない?

女子たちの戦い〜堀北学を添えて〜
でした

ヒロインズが蚊帳の外にいる間、急速に距離を詰めてくる男がいるんですよ〜 なぁにぃー!?

まあ明確にヒロインズと定めてるわけではないが次第にそうなってきている
あんな変(スイーツ狂い、ジャンプネタ好き、平均値だいすき、負けず嫌いなどなど)だけど気遣いできて優しくてスペック高い声もいい容姿もある程度整ってるのがいたら初恋泥棒されるかもしれん

一之瀬さんの最初の独白のはじめ方は原作通りですので悪しからず

なお楠雄の八握剣異戒神将魔虚羅について言及しようとすると「斉木の広背筋やばいんだって!ん?広背筋!?広背筋!広背筋!なんで!?」と楠雄の八握剣異戒神将魔虚羅の話をしようとした時だけ八握剣異戒神将魔虚羅が広背筋に置き換わる呪いがかけられています
原作でやったのは呪いじゃなくて頭に椎茸流しまくってですけど、毛穴という毛穴から血が吹き出る呪いとか使えるからいけるやろ
なんで広背筋なのかはパッと見て分からないのと、ヤバいの意味が無さすぎてやばいのか普通すぎてやばいのか伝わらないからです
楠雄の椎茸とか言われたら連想しちゃう可能性があるからね

ハリソン森下ってなんか居そうだなと思ってたらなんか書いてた
一之瀬さんと椎名さんが3日間森下といた感想は「斉木くんなら普通に話せるのかなぁ」
楠雄と遭遇するのはいつになるやろ

こんなもんかな
今月ほぼ毎日(というかしてない日も前日に2話更新したからしなかっただけ)出来ました
すごいすごい!
これも読んでくれる皆様のおかげです
7月は少しペースダウンするかもですがごゆるりとお付き合いくださいませ
次は2日か3日を予定してます
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