【公開:連載中】僕は前世の記憶を用いって無双?する! 作:satikaze
「そろそろ、王城に到着いたします」
御者をしている父の執事セバスから声がかかった
「いよいよですね、なんだか緊張します。アベルは緊張している?」
「あぁ・・・前世でいう所の天皇陛下に謁見するようなモノだろ?歴史は九分の一程度だが国家権威者であり国家権力者に会うんだ。緊張しない訳がない。」
王城のホールでは、
既に幾つかのグループがあり、貴族はワインを飲みながら談話をしており、子息は子息、令嬢は令嬢で近くにグループが出来ている。多分・・・派閥なのだろう。
ただシルフォード家は代々「派閥争いなどやってられない」といった感じであり無派閥状態だ。
使用人は専用に仮設された待機所で待ち、僕達は挨拶回りする。ただ自ら向かうのは大公・公爵・侯爵・格式の高い家であり殆どの家は自ら来る。辺境伯家は上級貴族の侯爵同等の貴族位である為だ。但し軍編成権・開戦権がある為社交界的には大公・公爵に匹敵する場合もある。
「エリック公爵、先日は色々とお世話になりました。改めて紹介します。三男のカインと四男のアベルです」
父上がエリック公爵に僕とカイン兄上を紹介した。この前の謁見でエリック公爵等の複数人で話したが、秘密・非公開の会談であった為、初対面風を装って対応している
「紹介にありました第二夫人サラの息子である三男のカイン・フォン・シルフォードです。宜しくお願い致します。」
「紹介にありました第三夫人ハーヤの息子である四男のアベル・フォン・シルフォードです。宜しくお願い致します。」
シンプルに挨拶をした。
「カイン男爵殿とアベル男爵殿ですね。」
一瞬周囲がざわつく。サンタナ公爵家は順位はかなり低いものの王位継承権を持っており、下級貴族に対して『殿』を使う事は極めて珍しい為だ。ただ私の婚約者(極秘)であり、また道中で魔物を倒して娘を救った事を考えれば使うのは可笑しい話ではないだろう。
「サンタナ家現当主エリック・フォン・サンタナ・マルビークだ。改めてうちのシルクを助けてくれてありがとう。」
エリック公爵が笑顔で挨拶してくれる。何時もニコニコであり、しかし王侯貴族としての裏を感じさせない笑顔だ。
「うちの次女のシルクになります。"これからも"よろしくね」
そしてエリック公爵がウインクしてきた。
あ。うん。婚約後の事も含まれてるんだ・・・
そしてシルク嬢を前に出てくる。
「シルク・フォン・サンタナです。アベル様とカイン様には危ない所を救って頂き有難う御座いました。」
再び周囲が少しざわつく。カイン兄上を先に言わず、弟である僕を先に言った為だ。これは周囲に対しての牽制球であり、暗に第二公爵令嬢が僕の事を"婚約したい対象"として見ている事を示す為だ(既に極秘裏に婚約済みだが・・・)
「シルク第二公爵令嬢。髪型とドレスがとても良くお似合いです。」
「弟のアベル同様です。」
僕は敢えてシンプルに言い、カイン兄上は極秘裏とはいえ僕の婚約者である為、一歩引いた対応をした。
エリック公爵がわざとらしく咳き込んだ。
「ガルム辺境伯。カイン男爵殿とアベル男爵殿は五歳で、そこまで女性の扱いになれてるのは先々心配ですなぁ」
ム・・・少々皮肉に感じるぞ。
「エリック公爵閣下。レイネ姉上、メイドのアミスが褒めなければ機嫌を損ねてしまう性格でしてね。それで女性への扱いは良かれ悪かれ慣れてしまったのかもしれません」
「いやぁ・・・国王陛下への謁見の時と言い、しっかり反論してきますか。その胆力を今度は貴族院で発揮してもらいたい。古狸が尻尾を巻いて逃げ出してしまうかもしれませんな。」
下級貴族、更には新参男爵の発言権はたかが知れてるだろう・・・
「それでは、またあとで」
と言って、違うグループに入っていった。シルクが小さく手を振ってくれたので振り返す。