え?生物兵器が主役?…専門外なんだが…   作:りんご味

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お待たせしました!
続き書けたので投稿です。

皆さんバイオ9やってますか⁉
私はとりあえず2周しました。
レオンさん...やっぱあんたがNo1だよ。

特に後半のパートはまじでしんみりした気分を味わいました。

ブラナーさん...レオン立派になったよ
 


きゅーわ

9月26日 時刻16時ごろ

 

太陽の日差しは、サマータイム真っ盛りで日差しは強く、

絶えることなくギラギラとリシュたちを照らし続けていた。

 

食料調達への出発は、この時間帯までずれ込むこととなっていた。

真昼の時間帯では暑過ぎて、危険と判断されたからだ。

 

避難場所となっている、俺たちが今いる建物の屋上

その屋上の隅にはこの建物内でかき集めた様々な物品が積み上げられている。

 

作戦開始前にこれの物品を目標のマーケットの反対の位置の建物のガラスなどにぶつけて、

物音を立ててゾンビたちを誘引する。

 

このゾンビの誘引が、この作戦の一番の肝であるらしい。

 

 

ゾンビ誘因後、エイブリー、マイルズ、コナーの3人が、

ここから120mほどの場所にあるマーケットに向かう。

 

ゾンビを誘因するとはいえ、全ての個体が移動するわけではないだろう。

どうしてもゾンビを排除しなければならないときは拳銃は使用せず、

角材や鉄パイプなどの武器で、なるべく音を立てないように倒す。

 

 

 

いかにも自信満々といった様子で自らの作戦を披露したエイブリーに、

母さんたち女性陣は当然ながらかなりの難色を示した。

 

当然と言えば当然の話である。

 

失敗すれば命はない。

気軽に試すにはあまりに大きすぎる掛け金だ。

 

 

だが、女性陣の反対もマイルズさんの意見に押し込められることになる。

 

「危険なのは十分承知の上だよ。でも、ここに避難してから既におよそ2日。食料はどうしても必要だ」

 

誰もが心の中に押し込めていた、餓死への可能性。

陸の孤島と化してしまっているこの場所での避難生活は、ゾンビの危機は無くとも、

一歩一歩着実に死へのカウントダウンを進めている。

 

反対意見は途絶えてしまう。

当然だ。

皆、口には出していなかっただけで自覚症状は既に出ているだろう。

 

イライラとして攻撃的な性格になったエイブリー

判断力の低下からか、初日のリーダーシップが薄れ、徐々にエイブリーを抑えきれなくなってきたマイルズ

ゾンビのうめき声に過剰に反応して肩を震わせているローレンちゃん

怪我による出血と合わせて、少しふらついてしまっている母さん

 

コナーさんとクロエさんはよく分からないが、

俺自身あまりの空腹感に、胃に痛みが走っている。

 

まだ限界ではないだけで、

誰が倒れてもおかしくない状況は既にすぐそこなのだ。

 

 

それでも反対しないといけないはずだ。

行かせれば、誰かが死ぬかもしれない。

リシュも反対意見を述べるべく母たちのもとへ赴こうとする。

 

 

だが、頭のなかで生まれたその言葉は、しかし

決してリシュの口から放たれることはなかった。

 

ガタガタと震えるリシュの口からはカチカチと小さく歯がぶつかる音が響くばかり

 

遂に準備を始めた彼らの背を呆然と見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上の隅で、リシュは膝を抱えて座り込んでいた。

 

ゴンッと遠いところで何かがぶつかるような音が散発的に響く。

他のメンバーがビルの中から集めた様々な物品を投げつけて音を立てているのだ。

風に混じって聞こえるゾンビの呻き声が段々と移動していっているような気もする。

 

そんな少し騒がしくなった屋上だが、リシュはそれをどこか遠い世界の出来事のように感じていた。

エイブリーに掛けられた暴言。

前世の両親の、まるでゴミでも見るかのような軽蔑の視線。

2つは違うもののはずなのに、どうしようもなくそれらが重なって見えた。

 

怖くて、のどが塞がり、足はまるで自分の物ではないかのように動かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…大丈夫?リーシュ君?」

 

ふわりと温かさに包まれる。

 

顔を上げると、年上の少女の顔が目に入る。

ローレンがしゃがみ込み、優しくリシュを抱擁している。

まるで壊れ物でも扱うような優しい抱擁には、彼女の心からの気遣いが現れていた。

 

 

「エイブリーの馬鹿がごめんね。あんな馬鹿のいうことなんて気にしなくていいんだよ」

 

掛けられた慰めの言葉も、

今はリシュの心の奥には響いてこない。

リシュの視線が再び床に落ちる。

 

「…期待させてごめん。ああすれば警察が救難信号をキャッチしてくれると思ったんだ」

 

―やっぱり俺は邪魔な存在だ

―何もしないほうがいい

 

そんな思いが再びリシュの心に渦を巻く。

 

「迷惑かけてごめん」

 

少女は首を振って、リシュの顔を上げさせた。

 

「迷惑なんかじゃないよ。大体エイブリーの奴だって碌に脱出の為に活躍してないじゃん

 

何気なくかけられたその言葉は、何故かそれまでの母やローレンの慰めの言葉よりも、

スッとリシュの心に入り込んだ。

リシュは、ハッとしてローレンの顔を見た。

()()() ()

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リシュがエイブリーに言い返そうとして、遂には口に出すことができなかった言葉だった。

 

「リーシュ君は凄くみんなの役に立ってるよ!リーシュ君のお陰でラジオも直った、あの放送は残念だったけど助けがくるのか怪しいってことは分かったでしょ?それにみんなこの状況をなんとかしようと考え出せてる。それだけ前向きに考え始められたのはリーシュ君のおかげだよ」

 

一つ一つ

しっかりと言い聞かせるように呟かれるローレンの言葉、

今までの心に今一つ響かなかった慰めの言葉より何倍も響くその言葉、

それが染み込むようにリシュの心を温かくしていく

 

「リーシュ君が、君が動き出してくれたから、私たちも動き出せたんだよ

 

そういって満面の笑みを浮かべる彼女を見て、

凍り付いたように冷たい気持ちばかり吐き出すようになっていた心に、

ふわりと温かい風が舞い込んだような、そんな気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでね、リーシュ君。私頭良くないから一緒に考えてほしいんだけど...

マイルズさん達のことが心配なの。もちろん食料調達が大事なことなのは分かってるよ?

でもあんなにゾンビがいっぱいいるところで全く音も立てずに食料を集められるかな?」

 

リシュが少し元気を出したのに安心したのか、

屋上のベンチに2人で腰掛けながら、ローレンは唐突にそう切り出し始めた。

 

相談の内容は先ほどの、無茶な食料調達作戦についてだった。

 

 

「…多分無理だと思う。改めて考えてみたけど、やっぱりこの作戦無謀だよ。そもそも、もし店の中にゾンビがいたら、そいつには誘導の音なんて届いてないかもしれないし。

それに、なにより...」

 

黙り込んだリシュが思い返すのは自分の唯一のゾンビからの逃亡劇。

 

「あいつら、思ったより素早いし力が強いよ。棒切れで戦うって言ってたけど、それで何とかなるのは多分2~3体までだと思う」

 

銃を使わずに戦うとすれば、

恐らく限度はそのあたりまでであろう、

リシュは冷静さを取り戻してきた頭で、そう結論づける。

 

それ以上の数に遭遇してしまえばコナーさんは銃を使わざるえない。

しかし、使ってしまえば...

 

「それでなくとも、棒を掴まれたらこっちは武器を失っちゃうことになる。やっぱりもう少し考えてもらった方がいいよ!僕も何か方法を考えるからさ!」

 

「やっぱり無謀だよねこの作戦?私も無茶だとは思ってたけど、マイルズさん達が賛成していたから大丈夫なのかな?って押し切られちゃったんだよね...

 

 

よし!皆の所に行こ!やっぱり出発はやめてもらわないと!」

 

 

ローレンに手を引かれ、リシュは屋上を後にする。

他のメンバーは1階の玄関でバリケードをどかす作業に入っていたため、

この場にいないのだ。

 

急ぎ足で、階段を下りた2人の視界に映ったのは、既に開け放たれた玄関と、

3人を見送った母とクロエの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少しだけ遡る

 

 

 

 

カンカン照りだった日が若干の傾きを見せ始め、更にはどこからともなく湧き出した雲が光をチラチラと遮り始めた

三人はこのタイミングがベストだと当たりを付けて、準備を始めていた。

机の上に置かれたのは、ライト、一つしかない大きなリュックサック、このビルで見つかったバール一本。銃が1丁に弾丸10発。そしてどうしてもゾンビと戦わねばならないときの鉄パイプが2本。

 

マイルズは左手にライトを持ち、右手で鉄パイプを軽く振ってみせる。

 

「ほら、いい感じじゃないか? ゾンビ映画の主人公っぽいだろ」

 

その軽口に、女性2人の顔が一斉に曇った。

クロエが冷静な態度を崩して声を荒げる。

 

「ふざけないで! これから死ぬかもしれないのよ!」

 

彼女の声は震えていた。

 

リシュの母トリシャは青い顔を更に青くさせながら小さな声で絞り出す。

 

「どうしても……行かなければならないんですか?」

 

コナーは黙ってリュックを背負い、最後に中身を確認した。

マイルズも同じように静かに準備を済ませ、窓の外の通りを睨む。

その目は緊張と恐怖、そして責任感で硬くなってしまっていた。

 

エイヴリーだけが、浮ついた笑みを浮かべ余裕たっぷりの態度でふんぞり返る。

 

「大丈夫さ。俺がいれば何とかなる。あんなノロマども、ちょっとこいつで脅せば逃げるさ」

 

 

「口を閉じろ。声が外に漏れる。それとここから先はおしゃべりは禁止だ」

 

コナーが低く吐き捨てるように言った。

せっかく誘引したゾンビたちを話し声で呼び戻してしまう訳にはいかない。

戒める言葉に「チッ」と舌打ちでエイヴリーが顔を顰めるが、

そんな彼を叱る余裕さえマイルズには最早無かった。

 

 

 

部屋に重苦しい沈黙が落ちる。

女性たちの視線が、三人の背中に突き刺さる。

 

マイルズが意を決したようにドアノブに手をかける直前、短く言った。

 

「行こう」

 

ギィ、と錆びた蝶番が鳴り、ドアがゆっくりと開く。

何十時間ぶりかに降り立った街は、三人を迎え入れるように静かに広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短くなっちゃいましたが、今回はここまでです。
仕事で忙しい中、レクイエムに睡眠時間削られて楽しかったけど、
今激烈に眠いです。

小説のほうがなんか適当な内容になっちゃっている気もしますが許してください。
とりあえず、リシュ君がちょっとは立ち直ったよっていうのが今回の内容。
次の話は、おそらく来月です。
暇ができたら早まるかも?

感想、批判、その他諸々待ってまーす。
あ!レクイエムの感想も聞きたいです!気軽に送ってください!
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