え?生物兵器が主役?…専門外なんだが…   作:りんご味

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皆さん本当にありがとうございます!
本作がここまで読んでいただけるとは、書き始めたときは思ってもいませんでした。
月に何人か読んでくれればいいなくらいに考えていましたが、嬉しい限りです!

さて、前置きはこの辺にして本編どうぞ!
しかし、本作敵がゾンビばっかりだなぁ、他のBOW出してえ...
主人公たちが積みそうだからやめとこ


じゅういちわ

9月26日 時刻18時ごろ

 

辺りはうっすらと夕闇の暗さに飲まれつつある。

あれだけ明るかった太陽は既に半分以上沈み、

更にはどこからともなく湧いて出た大量の雲がまるで羽でも広げるかのように空を覆い隠していっていた。

 

マイルズさん達食料調達組が出発したときにはあれほどまでに見通しが良かった通りも闇に飲まれかかっており、

マーケットの真正面にあるビルの影が大きく伸びてマーケット周辺を見通しの悪いものに変えてしまっている。

 

リシュたち待機組は静かに息を殺しながら、

マイルズ達の無事を祈るしかできないでいた。

 

クロエと、トリシャ(母さん)が、

2人でマーケットの方角を不安そうに見つめていた時、

リシュはローレンと小声で話をしていた。

 

「…結局間に合わなかった」

 

「仕方ないよ、リーシュ君も大変だったんだし」

 

そうリシュを励ましつつもローレンの表情は暗い。

この作戦の危険性を理解しているからだ。

理解しているが故に出発前にもう一度全員で話し合おうとしていたのだ。

しかし、リシュを元気づけるのに時間がかかってしまい、

止めようとした時には既にマイルズ達は出発してしまった後であった。

 

事ここに至ってしまっては、もはやリシュたちにできることは何もなくなってしまっいる。

最早クロエと母さんに習い、マイルズ達の無事を神に祈るしかない。

 

「ローレンお姉ちゃん、もう今更どうしようもないよ...せめて神様にお祈r「うわあああああああああああああ!!!」」

 

「「「っつ⁉」」」

 

「悲鳴⁉これエイブリーの悲鳴だよね⁉」

 

ゾンビ達が立てる音以外には一切音の無かったビル周辺。

そこに突如として響き渡たった悲鳴。

距離があったためかそこまでの音量ではなかったが、

居残り組の誰もが音を立てないように静かに息を潜めていたこと、

そして両隣に点々と散在する建物に挟まれたまっすぐなストリートの一本道が音の通り道になってしまう、

2つの条件が相まってその悲鳴は不自然なまでにリシュ達のいるビルまで木霊してしまった。

 

「何かあったんだ‼‼」

 

全員の顔色が一気に悪くなり、

なんとか情報を得ようと手すりから乗り出さんばかりにマーケットの方向を見つめる。

薄暗い通りの先から広がる闇が全員の心に更に不安を募らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああああ!!!」

 

 

あまりの恐怖に真っ青に顔を恐怖に染めながら叫びをあげるエイブリー。

彼の脳内に一瞬で様々な疑問や不満が、まるで走馬灯のように噴出しては一瞬で消えていく。

 

ゾンビに足を掴まれた!

一体どこに隠れていたのか?

何故自分の完璧な作戦で誘導できていないのか?

一刻も早くこの掴んでいる腕を振りほどかねば!

マイルズとコナーはいったい何をやっているんだ⁉さっさと僕を助けろよ⁉

 

1つ1つの考えについて深く考える間もなく、

ゾンビという恐怖がエイブリーの心を覆いつくしていく。

 

「た、たすけ!助けてくれぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

最早自分で立案した作戦の一番重要な部分である隠密性など頭から吹っ飛んだのか

鉄パイプをでたらめに振り回しながら必死に左足でゾンビの腕を蹴りつけるが

ゾンビは握力を緩めるどころか逆にギリギリと掴む力を増していく。

 

万力のごとく力が強まっていく指といくら抵抗しても逃げられない恐怖

ガクガクと震えるエイブリーの身体からフッと唐突に力が抜け、腰を付いてしまう

「あっ」っと間抜けな声と共に全身の力が抜け、低くなった視線の先にゾンビの姿が映る。

 

ゾンビは倒れた商品棚の下にいたのだ。

だからザっと店の中を見ただけでは見つからなかった。

マイルズとコナーが食料品を集めているときも音を立てないように気を付けていたから商品棚とお菓子の山に埋まったままだった。

しかし、自身が倒れている場所の近距離で、エイブリーがポテトチップスの袋を鷲掴みにしたときに出た音で起き出してきてしまったのだ。

 

「離せ! 離せって!!」

 

力の籠っていないキックで必死の抵抗をするがまったく焼け石に水、

ゾンビは右腕と頭以外は商品棚の下敷きになってまともに動けないようだったが、

そのほとんど動けない状態でも必死に目の前の(エイブリー)を喰おうと大口を開け、

「ゔぁあ…あぁぁぁああぁぁ」と聞くも悍ましい唸り声を上げながら、足を引き寄せようとする。

 

 

 

「エイブリー!! 何やってる!!」

 

声を聞きつけたコナーが慌てたような様子で駆け寄ってくる。

走りながら状況を一瞬で理解したらしい彼は、

到着するやいなや、ゾンビを押し倒している商品棚を右足で押さえつけた。

 

ゾンビが暴れているせいで、今にもゾンビの上から滑り落ちてしまいそうだった即席の拘束具(商品棚)を補強するのと、滑り落ちた瞬間に鳴ってしまうであろう大音量を事前に防ぐ

 

2重に意味のある行為でもって、揺れ動くゾンビの頭の位置まで留めたコナーはそのまま鉄パイプを大きく振りかぶった!

 

グシャ‼っと何か水気を含んだものを潰すような音を立て、

ゾンビの身体がビクッ!と痙攣する。

 

鮮やかな一瞬の僕殺劇の後、ゾンビは自らの頭から流れ出た血と脳漿の海に沈んだ。

 

 

「コナー!いったい何が!…」

 

コナーから一拍遅れてマイルズが駆け寄ってくる。

震えながら自分を抱きしめるエイブリー、

倒れた商品棚を足蹴にしながら鉄パイプを血に濡らしたコナー、

血の海を作る一体のゾンビ

これだけ見れば状況把握は簡単だ。

 

「エイブリー、怪我は無いかい?」

 

言いたいことは山ほどあった…

が、マイルズはとにもかくにもエイブリーを落ち着かせることから最初に始めた。

 

作戦通りに静かに処理しろ!と怒鳴りつけるのは簡単だ、

平時っだならばエイブリーに説教の一つでもしてやるところだ、

がしかし、今はそんなことをして仲違いをしている場合ではない。

今の切迫した状況はそんな悠長なことをしている暇をマイルズ達に与えてはくれない。

 

マイルズ達を取り巻く状況は、一時でも早くここを離れなければならない危険な状況になってしまっていた。

 

「コナー、リュックを取ってきてくれ。今すぐここを出ないと」

 

「あぁ」と返事をしながら場を離れていくコナー、

普段の彼ならしないであろう侮蔑の視線を震えるエイブリーに向けながら走っていく。

 

「エイブリー、さぁ早く戻ろう!これだけ大きな音を立ててしまったんだ。早くここから離れなければ危険だ。ビルに戻ってゆっくり休m「マイルズ!」⁉」

 

突如、リュックを取りに行こうと陳列棚の角に消えようとしていたコナーが立ち止まって

マイルズに鋭い声をかける!

 

「どうしたんだい⁉」

 

尋常じゃないその様子に慌てて駆け寄り陳列棚の角を曲がった瞬間、

コナーが自分を呼んだ理由を理解する。

 

 

 

――ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

 

 

窓ガラスが、乾いた音を立てて震えていた。

 

 

 

規則も遠慮もない乱暴な衝撃。

マイルズが視線を向けた先、音の発生源である薄暗い外の闇に、いくつかの人影が浮かび上がる。

 

ガラス越しに、顔が押しつけられた。

 

薄暗い闇の向こうから現れた血まみれに顔。

噛まれた跡だろうか?身体のあちらこちらについた傷から血を滴らせた皮膚。

生気が完全に抜け落ちた濁った目が瞬きすらせずに、物音を立てた餌を求めてギョロギョロと蠢く。

 

一人のゾンビが口を大きく開けた。

歯の隙間に乾きかけた血がこびりつき、喉の奥からかすれた唸り声が漏れる。

 

「っ!」

思わず上げそうになった悲鳴をなんとか噛み殺しながら、マイルズは悟った。

 

バレた!!

 

応えるように、窓ガラスに手が叩きつけられる。

 

――バンッ!!

 

一際嫌な音をガラスが立て、平手がガラスに張り付き、ずるりと滑り落ちる。

その跡に、赤黒い筋が一本残った。

 

二人目が横から顔を押し込み、三人目がそれを押しのけるようにさらに強く叩く。

ガラスが軋む。

心臓が不規則に跳ね上がり、呼吸が荒くなる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

嘘だろ――

 

この後に起こる最悪の未来を確信してしまい、マイルズの全身が粟立った。

 

外のゾンビ。数はおそらく三体

誘導したゾンビがもう戻ってきたのか?ストリートの正反対まで誘導したんだぞ?

いや、まて、確かコナーがさっき通りの向こうにゾンビがいるって言ってなかったか?

エイブリーの悲鳴を聞きつけてしまったのか...!

 

まるで中にいる“何かの存在(マイルズたち)”を確信しているかのように、

ゾンビ達は執拗に、ただひたすらにガラスを叩き続けている。

 

――ドン、ドン、ドン。

 

その音は、やがてマイルズの心臓の鼓動が刻む音と区別がつかなくなった。

 

 

 

ビキッ!

 

決壊は一瞬だった。

まるで蜘蛛の巣のように放射状にマーケットの一枚板の大ガラスに罅が入る。

その次に叩きつけられる平手に、マイルズは思わず制止の手を上げた。ゾンビが理解できるはずもない制止の手を。

 

――ガッシャーン‼‼

 

パラパラと音を立てながらガラスは砕け散った。

向こう側との境界は無くなったのだ。

 

「ゔああああぁ」と声を上げながら、雪崩れ込むように、上半身を投げ出すようにゾンビは店の中に侵入してきた。

 

「っくそ!」

 

思わずといったようにマイルズが悪態を付く。

侵入されてしまったこと、

ゾンビの数の多さ、

それらは当然悪い事態ではある。

 

しかし、もっと悪い事態がある。それは…

 

――リュックが!

 

侵入してきたゾンビ達はゆっくりと立ち上がり店の奥の方、

つまりは自分たちの方へと歩みを進めてきている。

 

そして、リュックは先ほどエイブリーがレジ台の上に置き去りにしてしまった。

割られた大ガラス付近にあったレジ台の上にである。

 

「コナー、リュックが...」

 

「あぁ、分かっている」

 

リュックの位置が、回収不可能な絶望的な位置にある。コナーも掛けた声にもどうしようもない悲嘆の響きが籠ってしまう。

 

 

一方コナーは短く返事を返しながら、それでもなんとか冷静に思考を回していた。

 

ゾンビ達を制圧できるか?それとも諦めて撤退か?

空腹と緊張で鈍った頭で必死に考える。

いや、何を馬鹿なことを。

あの数をこの棒切れだけで制圧は無理だ。

万全の状態ならばともかく、今は俺たちの身体・精神共に疲労困憊。

おまけに足手まといが1人。

 

即座にゾンビを倒すことを諦めたコナーはマイルズに向かって顔を振る。

この作戦は失敗だ、と

 

マイルズも制圧が不可能なのは薄々分かっていたらしく後ろ髪を引かれるようにリュックをジッと一度見つめてから、自分に言い聞かせるように深くコナーに頷いてからエイブリーのもとに走っていく。

 

 

 

幸いまだゾンビ達はこちらの存在を捕捉したわけでは無さそうだ。

ゆっくりと店内のあちこちに顔を向けるゾンビ達の様子を見てコナーはそう判断した。

しかし、さっきの馬鹿(エイブリー)の悲鳴は聞こえていたのだろう、

ゆっくりとしかし確実にこちらの方向へ足を進めてきている。

 

「コナー」と押し殺した声に振り向けば、憔悴しきったエイブリーに肩を貸したマイルズの姿が目に入る。

 

「入った時と同じ、裏口から出よう」

 

コナーも頷いて、エイブリーの反対の肩を持った。

3人はなんの成果も得られなかったマーケットを悔し気に後にすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し巻き戻る

 

 

 

 

「何かあったんだ‼‼」

 

ローレンちゃんのその声と共に全員がなんとか情報を得ようと手すりから乗り出さんばかりにマーケットの方向を見つめる。

 

しかし、暗闇に飲まれつつあるストリートはさっきのエイブリーの悲鳴以後なにも変化が無い、

じっと見つめるリシュたちに何の手がかりも与えてはくれなかった。

静かになってしまったストリートに、リシュの頭に最悪のシナリオが過る。

 

まさか...全滅…?

 

(いや、結論を急ぐなリーシュ!お前は今ネガティブになりすぎだ!)

 

嫌なイメージを打ち消すようにぶんぶんと頭を振って思考をリフレッシュしたリシュは、

改めて考えを巡らせる。

マイルズとコナーはこんな状況でも適格に判断を下せる立派な大人だった。

エイブリーだって、こんな作戦を思いつけるだけの頭がある。

なんらかのミスがあったのかもしれないが、きっと大丈夫だ!

 

まずは、3人が安全に帰ってこれるように玄関をすぐに開けられる位置に待機しておかないと…

 

そう判断を下し、実行に移そうとするリシュの視界の端に何かがチラリと映った。あれは…

 

「あれは…ゾンビの…集団…?」

 

「リーシュ君!あっちからも!」

 

リシュの発言でそれに気づいたローレンが別の方向を指さしながら囁く。

見ればたしかに指さされた方向からもこちらに向かってくるゾンビの群れが見える。

 

「どうしていきなりこんな数のゾンビ達が?」

 

若干パニックになりながらそうつぶやくリシュの横にクロエと母さん(トリシャ)がやってきた。

彼女たちもジッとその光景を見つめる。トリシャはリシュとローレンを手元に抱き寄せ、クロエに至っては懐から拳銃を取り出して弾倉と薬室のチェックを行う。

ゾンビ達が自分たちを何らかの要因で発見したのかと警戒しているのだ。

 

だが、ゾンビが自分たちのビルを素通りし、

先ほどまで必死に睨みつけていたストリートに入りだした瞬間、クロエは彼等の移動先と移動の理由を察した。

 

「…さっきのエイブリーの声ね、あれに引き寄せられてるんだわ」

 

「…そう、みたいですね...

そもそも聴覚が鋭いようでしたし、暗くなって街からの音も大分静かになってしまいましたし...」

 

ゾンビ達が移動し始めた理由を察した4人だが、その顔は暗い。

エイブリーの悲鳴を聞き、何かトラブルが起こったと察したばかりだというのに

まるで畳みかけるように次の問題。

 

しかし、どれだけ彼等のことを心配しても自分たちにできることは何もない

助けに行くことなどできないからだ。

行けば確実に全滅するだろう。

自分たちは映画の主人公では無いのだ、あの数のゾンビ相手に拳銃1丁で対抗することなどできはしない。

 

そして逆を返せば、今あの数を相手にしなければ帰還できない食料調達組は…

 

食料調達組は確実に全滅するということだ

 

 

 

「クロエさん!どうにかできないの?」

 

ほぼ同時にその結論に思い至ったのであろう、

涙を浮かべながらローレンちゃんがクロエに縋りつく。

男性陣が居ないこの場での仮のリーダーは彼女だ。故にクロエを頼ったのだろうが、しかし…

 

「…ごめんローレン。無理よ」

 

「そんな!!」

 

「冷静になってあの数を見なさい、20体は居るわ」

 

そして私の銃の残弾はこれだけよ、と言わんばかりにローレンに持っていたリボルバーの弾倉をスイングアウトして見せる。

Smith & Wesson Model 36 いわゆる「5連装リボルバー」であるその銃は、当然装弾数5発。

常備していた予備の弾薬は、ここに避難するまでの間に撃ち尽くしてしまったらしい

ゾンビ20体に対して弾5発。お話にもならない数字だ。

仮に全弾命中させて5体倒せたとしても、15体の残りのゾンビに喰われるだけだろうし、銃声のせいで新たなゾンビを呼び寄せてしまうかもしれない。

銃で戦うという選択肢はありえないのだ。

 

「…でも、それじゃぁ…、マイルズさん達が...」

 

言葉尻が下がるのと同じように、皆の気分も急降下していく

出来ることが無い...無力感が全身を包み、皆一様にその場に立ち尽くす。

 

リシュも事態の深刻さにどうしようもなく頭を悩ませる

 

助けには行きたい

しかし、まだ身体の小さい(ガキ)の自分が行ったところでどうなる?

たとえクロエさんの銃を貸してもらったとしても、あのゾンビ達を前にすればどうなるか?

 

足がすくみ動けなくなるだろう。

銃を持っていても、あの中に飛び込む勇気はリシュにはなかった。

 

――お前が何かすれば事態は悪化するぞ。

 

またその思考が頭の片隅に渦を巻き始める。

黒い感情がグルグルと心に降り積もりだしたその時、

ふと誰かがリシュの手を触った

 

ハッと顔を上げて、手に触れている相手を見る

 

「…リーシュ君…」

 

涙目で、

不安げで、

さっき自分を励ましたときに見せた笑顔などどこにもないローレンの泣き顔があった。

 

クロエもトリシャ(母さん)も打つ手が無かった。

当然自分(ローレン)にもどうしようもできない。

だから、何か考えはないか?と縋るようにリシュに声を掛けただけだったのだろう。

 

――でも、その声と手のぬくもりが前を向かせてくれる

 

「任せてローレンお姉ちゃん!」

 

「…リーシュ君?」

 

突如落ち込む前のように元気な声を上げたリシュに困惑するローレン

その様子に僅かに苦笑しながら、改めてゾンビの群れを見る。

 

――あの群れがマイルズさん達の所にたどり着くまで…、たぶん5分くらい…かな?

 

「クロエさんも、母さんも聞いて、マイルズさん達を助けるために作りたいものがあるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あれは、まさか…」

 

辛くも店から脱出し、一先ず難を逃れた…

そう思って安心していたマイルズ達、

しかし帰路に現れた、行きには存在しなかったゾンビの群れを見て

その安心は絶望へと変わってしまう。

 

 

「…やはり、さっきの音がデカすぎた…か」

 

コナーもそう言って黙り込んでしまう。

頭の中では必死にこの状況を打破してビルに帰還する手段を模索するが、

どう考えを巡らせてみても、

自分たちの全滅…という結論に至ってしまう。

 

 

「ハハッ!なんだよこれ⁉僕は夢でも見てるのか⁉そうだ‼そうに違いない‼これは絶対に夢だ‼目が覚めたら、ローレンとクロエとトリシャを侍らせて菓子でも食ってる‼その筈なんだ...」

 

エイブリーに至ってはマイルズとコナーの陰に隠れて、

一人ブツブツと訳の分からない小言を呟いている。

恐怖でまともに動けない足手まといと化してしまっている。

 

 

「コナー、銃は?」

 

「言われた通り持ってきてはいる。しかし、残弾は10。この使いかけのマガジンを撃ち尽くせば弾切れだ」

 

言いながら右腰のホルスターから取り出したのはsig sauer p226。

警官時代からの彼の愛用品らしい。

視線はゾンビ達から外さないまま、慣れた様子で親指でマガジンキャッチを押す、

滑り落ちてきたマガジンを落とさずそのまま左手で受け、弾頭を一瞥。

数えもせずに、見れば分かるかのように報告してくる。

 

「銃で戦うなら不安点が一つある」

 

そう言って語り始めたコナーの話は、ゾンビに対する有効打についてだった。

コナーと共に避難してきたマイルズも見てはいたが、そもそもゾンビは足を撃たれようが、腹を撃たれようが

お構いなしに襲い掛かってきていた。

ビルに避難するまでにどうしても避けきれず、心臓付近に数発撃ち込んだ個体(ゾンビ)もいたが

それでも倒れる様子は無かった。

弱点が発覚したのはその後、クロエが撃った弾が偶然頭部をとらえた時だった。

それまでの数発はまるで効いていないようだったのに、頭部に1発当たっただけで倒れてしばらく動かなかったのだ。

 

その後遭遇したゾンビにコナーが頭部目掛けて数発弾丸を命中させたところ、遂にはゾンビは活動を停止した。

この経験があったからこそ、棒で頭部を殴るという今回の作戦も生まれたのだ。

 

そのことを踏まえてのコナーの話、

 

「銃の腕に自信が無いわけでは無いが、全弾ヘッドショットなどという曲芸は期待するな」

 

「ハハッ、流石にそこまでは求めないよ。しかし、弱ったな...」

 

打つ手が無い

ゾンビの耐久力を改めて聞かされると、そう結論づけてしまう

 

どうやら自分たちはここまでらしい

そう考えて、マイルズが諦めようとした、その時だった

 

カンッ!カンッ!カンッ!

 

静寂だったストリートに響き渡るように劈くような金属音が響く

何事か⁉とコナーとマイルズが音の発生源を探せばそこには、

ゾンビの群れの反対側、

ビルから少し離れた場所で街灯を鉄パイプで叩いているリーシュの姿がそこにはあった。

 

「リーシュ君⁉」

「何をしてる坊主⁉」

 

慌てるコナーとマイルズを見ながら、ひきつった笑みでゾンビの群れを見るリシュ

ビルから降りる所は(エイブリーの悲鳴)を目指すのに夢中になっていたゾンビ達には発見されなかったらしく比較的楽に降りることができた。

しかし、自分から音を立ててしまった今は違う。

 

今まで潜めに潜めていた音の中での突然の爆音。

一つ、また一つと頭が振り返り始め...

 

焦点があっているのかも分からない濁った瞳が、リシュを捕らえた。




中途半端なところで終わって申し訳ないです。

でも、一気に書くには作者の頭が文章を吐き出すのを拒否しだしたので
許してクレメンス

銃に詳しくもないのに、銃の描写したのでにわかがでてるかもしれないけど、
許してね!

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