え?生物兵器が主役?…専門外なんだが…   作:りんご味

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やっと続き書けた~

なんか、ところどころ文章の流れがおかしかったりしますが、作者自身何がおかしいのか分からなくなってきたのでこのまま投稿します。
途中で書くのやめて、1週間後とかにまた書き始めたりすると前回書いた所が、最早自分が書いた文章ではないような気がして、流れが滅茶苦茶になりました。
やっぱ小説書くの向いてないなー、と思う今日この頃です。




じゅうにわ

 

バッとジャケットを広げ、その内側から工具を抜く

ドライバーにペンチに電工ナイフに金属やすり、そして主役となる最後の道具。

 

使うことが多そうなドライバー類などを入れる左側のポケット収納に対し、

あまり頻繁に使うことが無さそうな道具を入れる右側のポケット収納

いくつかついているポケットたちの中、その中の一つからリシュは束ねられた金属線のような物を取り出す。

否、ようなではない。それはまさに金属線の一種。

ジャケットで材料までは持ち運べないが、何か機械修理になったときにこれがある程度あれば、

自分なら修理できるはず…といれておいたワイヤー類のうちの一つ、マグネシウム線だ。

 

「リーシュ君、持ってきたわ!」

 

先ほどクロエに頼んでいた皆の道具の中からの材料集め

ローレンちゃんと一緒に探し出してきてくれたらしいそれらをザっと眺める。

 

ペットボトル・布の切れ端・アルミホイル(お菓子の包み)・医療用エタノール(エイブリーさんの私物)

 

「それから…はい、これ」

 

そう言って、クロエは自身の銃から弾丸を2発抜き取ってリシュに渡す。

頷いて、弾丸を一発掌に収める。

 

「ありがと、じゃあ二人はこれを削ってマグネシウムの粉を作ってて欲しいんだ。時間が無いけど、できるだけ多くお願い」

 

そう言って金属やすりとマグネシウム線を渡すと、

2人は頷いていそいでマグネシウム線を削りだす。

曲がりやすいマグネシウム線を削るのは大変だろうが、できるだけ頑張ってほしい。

上手くいくか行かないかはあの作業に掛かっているのだから

 

さて、こっちも始めよう。

ローレンちゃんとクロエさんの作業の始まりを少しだけ見届けた後、

母さんの方に振り返り、作業を始める前にごくりと唾をのむ。

 

「……大丈夫。分解なんて、機械でいつもやってるだろ」

 

自分に言い聞かせるようにそう呟く。

しかし機械工作は今までにさんざんやってきたが、流石に弾丸の分解なんてやったことがない。

工作で緊張するなんて久々だ。

 

母さんにペンチで銃弾を固定してもらい、できるだけ動かさないように頼む。

母さんには悪いが即席の作業台の代わりになってもらう。

固定された弾丸に電工ナイフの刃を少しづつ入れていく。

金属でできていると言っても銃弾と薬莢は所詮は鉛合金だ、

単純にカットするだけなら、ホームセンターに売っている金切鋸でもなんとかなる。

そしてリシュが使っているのは、チートお手製の特別品、そんじょそこら代物とは物が違う。

 

刃先を当てる角度を、ほんのわずかに調整しながら、

慎重に慎重に、しかして大胆に

力は入れすぎない。材料の癖を指先で読むように。

 

金属が、きし、と鳴る。

 

回す。

止める。

戻す。

 

そうやってほんの数秒で、あっさりと弾丸は薬莢と分かれた。

建物の中にあったメモ紙を広げ、慎重に中身を落とす。

風で散らさないように手で覆い。

こぼさないように慎重に。

その動きは精密機械の組み立てより丁寧だった。

 

ふいに一際大きなゾンビの唸り声が響きリシュの肩が無意識に跳ねる。

だがチートによって得られた工作技術を持つリシュの指は止まらない。

 

ローレンちゃんたちに渡したものとは別のマグネシウム線を取り出す。

ペンチで一定の長さに切り、電工ナイフで表面を軽く荒らす。

粉末にまではできなくとも、反応面積が大きくなれば、それだけで結果は変わってくるはずだ。

 

「頼むぞマグネシウム。お前が主役だ……音は、今回は妥協だ」

 

マグネシウムの量を目測で測る。

ほんの少しだけ調整して削る。

 

ペットボトルを半分に両断。

底を電工ナイフで整形。

内部の反応空間を確保するため、余計な出っ張りは削ぎ落とす。

アルミホイルを細かく刻んで底に敷き詰め、

マグネシウム線を曲げ、まとめ、容器へ収める。

 

蓋にグリグリと電工ナイフで穴を開け即席の導火部を差し込む。

あけた穴から布でできた即席の導火線を通し、外部に露出させる

ペットボトルの中に入る部分の布に医療用エタノールをぶちまける。

これでマグネシウムに燃え移る火力は確保されるはずだ。

 

「ローレンちゃん!クロエさん!」

 

「ごめんリーシュ君!これだけしかできなかった!」

 

そう悔しそうな顔をしながらこちらに差し出してきた紙の上には、

大匙1杯分程度の金属粉末。

果たしてこれで量が足りるかは分からないが、実際には正確な分量など決まってはいない。

ただでさえ緊急事態なんだ、贅沢は言っていられない。

「ありがと」と手短に礼を言いながら、

マグネシウム粉末と火薬をペットボトルにサラサラと注ぎ込む。

 

蓋を閉じた後、テープで補強。一周、二周と二重巻き。

これで目的の物は完成だ。

 

作業時間、体感では10数秒くらいだと感じたが、

実際は4分ほどしか経っていない。

今から行けば間に合うはずだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リーシュ君⁉」

 

「何をしてる坊主⁉」

 

慌てたように大声でこちらに声をかけるマイルズさん達を見つけて少し安堵する。

――生きててよかった!でも作戦中は静かにしないと駄目ですよ!

なんて心の中で場違いな指摘を入れながらリシュは鉄パイプを叩き続ける。

 

カンッ!カンッ!カンッ!

 

本来なら先ほどのような大声を上げれば一目散に音目掛けて動き出すゾンビ達。

しかし今は、響き渡る金属音のお陰で皆が皆リシュに夢中だ。

 

「第一段階はよし」

 

独り言を述べながらチラリとビルの方を見れば、ちょうどローレンちゃんがビルのドアの鍵をいじくっている最中なのが見える。

――あっちの準備もよさそう。そう判断し、改めてマイルズさん達の方を見れば、

こちらに向かって行進を始めたゾンビの集団と目が合う。

 

白く濁った瞳と、遮二無二空を掻く血まみれの無数の腕たち

 

「っつ‼‼」

 

まだ距離があるとはいえその迫力、いや圧力と言ってもいいそれに思わず背筋に震えが走る。

先ほどビルの上で大体数えた通りその総数は20体ほどだろう。

彼等(ゾンビ)は幸いなことにマイルズさん達を発見してはいなかったようだ。

大きな音を響かせ続けるリシュに一直線、他の存在には目もくれていない

 

そして、リシュ以外に目もくれていないのをいいことに、マイルズさん達にこっそりと近づいていく二つの影

母さん(トリシャ)とクロエさんだ。

 

「だ、第二段階もなんとk、か、よさそう...だな」

 

言葉を口に出すことで、自分に言い聞かせるように、

震えだす身体を誤魔化すようになけなしの勇気を振り絞る。

――あとはこいつさえ上手く作動してくれれば100点満点だ

右手に握りしめたペットボトルを意識しながらリシュはじっと機を待つ

 

あとはタイミングだけだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リシュが囮になって僅かな時間稼ぎに尽力しているその時

クロエとトリシャは音を立てないように慎重に移動を開始していた。

 

リシュが引き付けているゾンビ達の視線にも当然気を付け、

ゾンビの視界に入らないよう大回りで移動し、

なんとかマイルズ・コナー・エイブリーの元へとたどり着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

「マイルズさん!コナーさん!」

 

「2人とも‼どうしてこんな危険な真似を⁉あれじゃリーシュ君が‼」

 

自分たちの生存への道はもはや閉ざされた。

そう諦めた所に降って湧いた希望。

 

確かに生き残れる目が出たこと自体は嬉しい、しかし自分たちが生き残れる代わりにリーシュが犠牲になるというならば

その希望は何の意味もないものだ。

マイルズとコナーは年端もいかない子供(リーシュ)を犠牲にすることなどあってはならないと、

クロエとトリシャに食って掛かる。

 

しかし、クロエとトリシャはこちらに落ち着くように促すと、

マイルズが手を貸しているのとは反対側のエイブリーの手を取って、

道を先導し始める。

 

「今はとにかく、あの子がゾンビ達を引き付けている間に、すこしでも移動しましょう!」

 

トリシャはそう言ってリーシュの方へ手を振ってから移動を開始する。

移動しながらも、その視線は進行方向ではなく常にリーシュの方へ向けられている。

 

「何か作戦でもあるのかい⁉あれじゃリーシュ君は…」

 

「作戦はあります!いいですか?今の内に少しでもビルの方に移動して、リーシュ君の合図があったら…」

 

続くクロエの作戦の説明にマイルズとコナーは目を見張った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よし‼ボチボチ頃間だ‼」

 

ゾンビ達との距離は目測で残り15m程までに迫っていた。

 

正直に言ってもう我慢の限界だ‼

これ以上は待てと言われたたって待つことはできない!

怖すぎてマジでちびっちまいそうだ!

 

リシュは、恐怖でガクガクと震える、まるで生まれたての小鹿のように震える足を

両手で叩いて、必死に恐怖を追い払う。

一瞬だけ、疑いが胸をよぎる。

 

――こいつが上手く作動しなかったら、俺は...

 

右手に持つペットボトルに目をやり、そんな嫌な想像を掻き立ててしまう。

シャカシャカと軽い音に頼りない外見。見れば見るほど決意が揺らぐ気がする。

ゾンビが近づけば近づくほど、リシュのなけなしの勇気の炎は萎み続けている。

 

――母さんたちは?

 

遠目で母たちの居場所を探せば、

かなりの距離を移動できている。あそこまで移動できれば間に合うはずだ!

 

「皆行くよ‼‼」

 

萎んでいく勇気を振り絞るようにそう大声を上げて、ジャケットの内側に手を突っ込む

即座にお目当ての物を探し当て、抜き出すのはチートお手製の持ち運び工具の一つ

ポータブルプラズマカッターだ。

 

 

本来ならデカいバッテリーとごついトーチヘッド、それからコンプレッサーが必要な代物でとてもではないが

携帯できるような代物ではない。

しかしチートによって設計されたこいつは一味違う。

ありえないほど小型化された高性能バッテリーとコンデンサー

電力に物を言わせた内臓マイクロコンプレッサー

字でも書けるほどに圧縮されたプラズマカッターを生成するトーチヘッド

これら全てを合わせて一体型としたプラズマツール

その大きさはほぼ前世のスマホと同じ程度の大きさ。

威力は家庭用プラズマカッター並。

稼働時間は一度の充電で24時間は余裕で持つ。

 

まさにありえない工具の代表格といったこの道具だが、

今までは上手く活用できなかった。

というのも、こんな便利な道具にも致命的な弱点があるからだ。

その弱点とは騒音だ。

とんでもないレベルでの小型化に成功したこのプラズマカッターだが、

そもそもプラズマカッターはその性質上必ず大きな音を立てる。

空気に電気を流し、空気を「プラズマ化」させて

その熱で金属を溶かし、圧縮空気で溶けた金属を吹き飛ばす、というのがプラズマカッターのおおまかな仕組みだ。

プラズマの音とコンプレッサーの音

これに加えて金属を切断しようとすれば切断中の金属が溶けて飛んで行って音を立てる。

 

とてもではないが音を出さないように息を潜めていた避難生活の間は使えなかった物である。

 

 

 

さて、この局面でプラズマカッターなんてものを取り出したのには当然理由がある。

当然だが今から金属加工を始めるわけでは無いし、こんなものでゾンビに立ち向かおうとしているわけでもない。

 

――なんせ急なことだったんで、発火装置は作れてないんだよ。だから原始的ではあるけど、これで...

 

リシュはジャケットのフードを引っ張り上げて深くかぶる、

更にフードの内側を引っ張り下ろすと、

そこから専用レンズが付いた特殊繊維の溶接面が現れる。

これで準備はできた!

 

カチッとスイッチで起動したプラズマカッターからシューーーー!!!!と圧縮空気が噴き出す音と共にプラズマが噴き出す!

 

「ライター代わりにして悪いけど!」

 

今の手持ちの道具で手短に火を起こせるのはこれだけだから仕方がない。

そう自分に言い訳をしつつ、生成されたプラズマを布でできた即席の導火線に向ける、

布に当てた瞬間「ジュッ!」という音と共に布には焦げて穴が開いた

火力が強すぎて着火できなかった⁉と僅かにリシュが慌てるが、

次の瞬間遅れたように炎が立ち上がる。

 

「ッツ‼‼行くよ!皆は目を閉じてね!」

 

どれくらいの時間で火がマグネシウムを燃やし始めるのかは正確には分からない。

だが奴ら(ゾンビ達)の目の前に投げ込めばおそらくある程度の効果はあるはずだ。

 

リシュは導火線に火の付いたペットボトルを大きく振りかぶってゾンビ達の目の前目掛けて投げ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

導火が燃えきる寸前、導火線を伝わる火がある部分に到達した瞬間に強く跳ねる。

導火線代わりの布に染み込んだエタノールに火が到達したのだ。

加速度的に燃焼のスピードを上げた火は、やがて内部に詰め込まれたマグネシウムとアルミホイルの欠片たちに到達し――

 

次の瞬間、

世界が裂けた。

 

白光が爆ぜる。

視界が塗りつぶされるどころじゃない――光がまるで突き刺さるかのようにまき散らされる。

 

街の路地の奥の奥まで、影という影が消し飛ぶ。

 

 バンッ!!

 

遅れて、空気が弾けるような爆音が響く。

内部での燃焼によって変化した圧力にペットボトルが耐えきらず、弾けて生じた爆音だ。

とはいえこの爆音は所詮副産物。

本命の効果(閃光)は――

 

「っよっし‼」

 

リシュが思わず声を出してガッツポーズしてしまう。

しかし、そんな彼を責めるものは誰もいないだろう。

それほど絶大な効果を発揮していたからだ。

 

 

 

ゾンビたちは、一斉に硬直していた。

 

ぎこちなく開いていた顎が止まり、

濁った眼が、まるで焦点を失ったかのようにグルグルと右往左往する。

 

――ゾンビの反応が、遅れる。

 

いや、違う。

ゾンビの動きが止まる。

 

一体が、ぐらりと後ろに仰け反った。

両腕が宙を掴むように彷徨う。

 

別の個体は、顔を背けようとして動きがもつれる。

脚が絡み、その場で崩れ落ちる。

 

喉の奥から、かすれた呻きが漏れる。

それは獲物を追う声じゃない。

失われた視界に対するただの反射だ。

 

光に焼かれた神経が、処理しきれずに暴れている。

 

群れが、止まる。

 

 

 

 

 

今だ、抜けろ!!

 

 

 

 

誰も声には出さなかったが、誰一人この好機を逃がす愚か者は居なかった。

 

 

 

 

リシュが先ほど投擲してゾンビ達の眼前で弾けた物の正体、

それはお察しの通り閃光手榴弾と呼ばれる代物だ。

 

もちろん、軍人が使うような本格的な代物ではない。リシュが作ったのはあり合わせの材料で作ったその場しのぎの物だ。

しかし、いくつかの好条件と、リシュの製作技術、そして何より、この世界の法則(ゴミと火薬で閃光手榴弾が作れる世界)によって、そのその場しのぎは絶大な効果を発揮していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




バイオハザードの世界ではスクラップ(ゴミ)とガンパウダー(火薬)で閃光手榴弾が作れる!
バイオハザードRE4やってて、レオンが簡単に作ってるあれを、ちょっと現実っぽくしたらこんな話になりました。


続きはたぶん今月中に書くと思います。
きっと未来の作者が頑張ってくれると思います!
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